2022.06.19
DIAURA@恵比寿LIQUIDROOM
「DAWN OF VERMILLION」tours

「今までは東京がホームで『ただいま』と言っていたけど、今回のツアー、どの地方もホームだった。全国各地の狂った庭、本当に最高でした。今の気持ちとしては先に進みたくて仕方ない。まだやりたいこと、見せたいことがあるので、これからもこの独裁の庭で生きていてください」――今ツアーがDIAURAにとってどれだけのものであったか、それは最終夜のアンコールでyo-ka(Vo)が発したこの言葉が物語っていた。

4月16日の新宿BLAZEを皮切りにスタートした全21公演に渡る全国ツアー「DAWN OF VERMILLION」が、6月18~19日、恵比寿LIQUIDROOMでの2days公演をもってファイナルを迎えた。今ツアーは最新作『VERMILLION』を手に行われたものであり、シングルゆえにセットリストの自由度が高い、すなわちyo-ka曰く「可能性の幅がすごくある」という状況で行われた。その最終夜、DIAURAの原点である「DICTATOR」での堂々たるパフォーマンスから幕を開け、様々な場面を経ながらアンコールを含め全20曲が披露されたわけだが、メンバーが口々に「やり切った」と述べた通り、これぞまさに完全燃焼というステージを繰り広げたのだった。

yo-ka
佳衣

近年のDIAURAの東京公演、ことツアーファイナルや単発公演においては、いわゆる1000キャパ(平時)以上かつステージ幅も広めにとられている会場での開催が常となっているため、ライブハウス然とした会場でのファイナルは久々。さらに、「俺はここから始まったので、思い入れのある箱です」と達也(Dr)が述べた事実も含め、それらが最終夜の熱を増幅させる一つの要素となっていたかもしれない。

とは言え、「このツアーは色々なものをDIAURAに与えてくれたし、愚民たち(ファンの呼称)にとってもそうだと信じたい。今日を全力で駆け抜ければ、このツアーがどんなものだったのか感じてもらえると思います。全力で手を伸ばすので、愚民たちも俺たちにその手を伸ばしてください」(yo-ka)というDIAURAの思いが根底にあってこその結末だったことは間違いないわけで、序盤の「アウェイクネスダイヴ」「BUG」ではDIAURA流ダンサブルな盛り上がりを、最新作収録の「VERMILLION」「unchain children」では、その世界観を具現化した松明の演出もありながら、バンドと愚民たちが今ツアーを通して共に作り上げてきた新たな景色を、「UNCONTROL BIAS」からの本編終盤ブロックでは暴れ曲の連投で白熱のシーンを描き出したのだった。

「MASTER」については「お前たちのマスターは誰だ!?」というお決まりのyo-kaの絶叫に対し、精一杯腕を上げて応える愚民たちの姿と一糸乱れぬヘドバンの嵐、平時であれば愚民たちのシンガロングとなるセクションもそのままの構成で演奏したうえで、フロアを見渡しながら胸に手を当て頷くyo-kaの姿が印象的だった。

また、本編中盤に披露された「Noah」は2017年発表でありながら近年のDIAURAにとって重要なポジションを担っている楽曲。事実、先のインタビューにおいてyo-kaは「11年このバンドで過ごして作品を作ってきて、結局言いたいことって『Noah』に集約されている気がしている」「DIAURAとしての軸は一つしかなくて、それを失くさないように生きていたいなという思いで書いた詞」と述べていたわけだが、この夜、メッセージ性という観点において特に印象深かったのが、この楽曲を含む3曲が続けて披露された場面だ。亡き父へ向けyo-kaが制作したバラードナンバー「その証明」から、〈孤独よりも怖いのは君を忘れてしまう朝〉だと“君のいない風景”を歌った「Lily」、そして〈生き続けたい〉〈変わり続ける世界に変わらないものを探してた 傷付きながらも〉と綴られた「Noah」。それぞれ異なる時代に生み出された3曲が組み合わさることで、より深く心に響くものとなったことは間違いないが、ストーリー性を増幅させながら、バンドとしての決意をも示す形となった。ちなみに、「Lily」は2013年に達也が正式加入し現体制となったDIAURAの初のシングル曲だったことも感慨深い。

翔也
達也

アンコールでは「crack pain」「deadly number」「Beautiful Creature」と爆裂ナンバーの連投でバンド、フロアともに暴れ倒したことはもちろんだが、この日は以下の言葉から奏でられた、儚くも温かい「If」というファイナルならではの選曲をもって締め括られたのだった。

「このツアーで春の曲をいっぱい歌ってきて、気付けばこれから本格的に夏になっていくわけです。いつも言っていることだけど、同じ時間なんてないからさ。もうないんだよ、この今は。だから悔いを残したくなかったし、やり切ってやり切って、それがライブなんじゃないかなと思うんです。このツアーを回っていく中で、本当に全部の瞬間が愛おしかった。その全ての瞬間が繋がっていて、俺たちの今がある。そうやってまだ見えない未来を作っていけるのは、今ここにいる俺らでしかないと思うので、これからも一緒にこの瞬間を紡いで、最高の未来を一緒に見に行きましょう。「DAWN OF VERMILLION」ツアーで駆け抜けた春、本当に最高に幸せな春でした。最後に思いを込めて、この歌を送りたいと思います。舞い散る季節にまた会いましょう」(yo-ka)

かくして幕を閉じた今ツアーだが、「新しい音楽を持って、また皆に会いに行きたいと思います」(佳衣/G)、「次のツアーだけでなく、次の活動を楽しみにしていてもらいたい」(翔也/B)という言葉があったように、DIAURAの今後の予定が一挙に発表された。10月12日にニューシングル『カタストロフノート』リリース、9月3日「愚民の日2022」公演と10月31日yo-ka聖誕祭、全18公演にわたる全国ツアー開催、さらにファン旅行の実施も。2022年下半期もDIAURAは怒涛の展開を見せるようだ。彼らが生み出す新たな作品を楽しみに、また独裁の庭で再会しよう。

◆セットリスト◆
01. DICTATOR
02. VERMILLION
03. アウェイクネスダイヴ
04. BUG
05. シャングリラ
06. Nameless
07. MALICE
08. unchain children
09. SIRIUS
10. その証明
11. Lily
12. Noah
13. UNCONTROL BIAS
14. ブラックアウト
15. MASTER
16. 乖離性イデオロギー

En
01. crack pain
02. deadly number
03. Beautiful Creature
04. If

(文・金多賀歩美)


【リリース情報】
●New Single『カタストロフノート』
2022年10月12日(水)発売
(発売元:フォーラム/販売元:ダイキサウンド)

[Atype](CD+DVD)NDG-23 ¥2,200(税込)
[CD]
01. カタストロフノート
02. 天上へ至るイド
[DVD]
「カタストロフノート」MV

[Btype](CD)NDG-24 ¥1,650(税込)
[CD]
01. カタストロフノート
02. ヒロイン
03. 天上へ至るイド
04. After lament

【ライブ情報】
●「愚民の日2022」
9月3日(土)YOKOHAMA 1000 CLUB
Open17:00/Start18:00
前売り¥5,500/当日¥6,000(税込・ドリンク別)

イープラス
愚民党(FC)先行発売:7月4日(月)10:00~7月17日(日)23:59
入金期間:7月19日(火)13:00~7月24日(日)21:00
一般発売:7月31日(日)10:00~
※お一人様1IDにつき2枚まで
※入場順FC(Aチケット)→一般(Bチケット)
(問)NEXTROAD 03-5114-7444

●yo-ka聖誕祭「Evil’s Night Party 2022」~Dictatorial”DEATH”Hospital~
10月31日(月)新宿BLAZE
Open18:00/Start18:30
前売り¥5,000当日¥5,500(税込・ドリンク別)

イープラス
愚民党(FC)先行発売:9月4日(日)12:00~9月19日(月・祝)23:59
入金期間:9月23日(金・祝)13:00~10月2日(日)21:00
一般発売:10月8日(土)10:00~
※お一人様1IDにつき2枚まで
※入場順FC(Aチケット)→一般(Bチケット)
※未就学児童入場不可
(問)NEXTROAD 03-5114-7444

●ONEMAN TOUR「Sweetest depravity」
11月3日(木・祝)新横浜NEW SIDE BEACH!!
Open17:00/Start17:30
(問)NEXTROAD:03-5114-7444

11月5日(土)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
Open17:00/Start17:30
(問)NEXTROAD:03-5114-7444

11月6日(日)柏PALOOZA
Open17:00/Start17:30
(問)NEXTROAD:03-5114-7444

11月12日(土)水戸SONIC
Open17:00/Start17:30
(問)NEXTROAD:03-5114-7444

11月13日(日)郡山HIP SHOT JAPAN
Open17:00/Start17:30
(問)GIP:0571-01-9999

11月19日(土)札幌SPiCE
Open17:00/Start17:30
(問)WESS:011-614-9999

11月20日(日)札幌SPiCE
Open17:00/Start17:30
(問)WESS:011-614-9999

11月22日(火)青森QUARTER
Open18:00/Start18:30
(問)GIP:0571-01-9999

11月23日(水・祝)仙台CLUB JUNK BOX
Open17:00/Start17:30
(問)GIP:0571-01-9999

11月25日(金)HEAVEN’S ROCK宇都宮VJ-1
Open18:00/Start18:30
(問)NEXTROAD:03-5114-7444

12月3日(土)名古屋SPADE BOX
Open17:00/Start17:30
(問)サンデーフォークプロモーション:052-320-9100

12月4日(日)名古屋SPADE BOX
Open17:00/Start17:30
(問)サンデーフォークプロモーション:052-320-9100

12月10日(土)福岡DRUM Be-1
Open17:00/Start17:30
(問)グリーンミュージック:092-775-2233

12月11日(日)福岡DRUM Be-1
Open17:00/Start17:30
(問)グリーンミュージック:092-775-2233

12月17日(土)ESAKA MUSE
Open17:00/Start17:30
(問)夢番地大阪:06-6341-3525

12月18日(日)ESAKA MUSE
Open17:00/Start17:30
(問)夢番地大阪:06-6341-3525

12月23日(金)新宿BLAZE
Open18:00/Start18:30
(問)NEXTROAD:03-5114-7444

12月24日(土)新宿BLAZE
Open17:00/Start17:30
(問)NEXTROAD:03-5114-7444

前売り¥5,000/当日¥5,500(税込・ドリンク別)
総合問い合わせ:NEXTROAD:03-5114-7444

イープラス
愚民党(FC)先行発売:9月4日(日)12:00~9月19日(月・祝)23:59
入金期間:9月23日(金・祝)13:00~10月2日(日)21:00
イープラスプレオーダー:9月25日(日)12:00~10月2日(日)23:59
入金期間:10月4日(火)13:00~10月6日(木)21:00
一般発売:10月8日(土)10:00~
※お一人様1IDにつき2枚まで
※入場順FC(Aチケット)→プレオーダー(Bチケット)→一般(Cチケット)
※未就学児童入場不可
(問)NEXTROAD 03-5114-7444

【イベント情報】
●『愚民の日2022大慰労会』~伊豆でis DEAD~
日程:10月1日(土)~10月2日(日)
開催地:静岡・伊豆

<ツアーポイント>
1. メンバーと一緒に伊豆観光
2. ウェルカム5ショット撮影
3. 大宴会
4. 2ショット撮影会(別途有料となります)
5. メンバーと一緒にキャンドル制作体験
6. 集合記念撮影

詳細・お申込はこちらよりご確認ください。

申込期間:6月19日(日)21:00~7月31日(日)23:59
抽選発表:8月2日(火)17:00以降順次
入金期間:抽選発表以降~8月31日(水)まで

DIAURA オフィシャルサイト