2023.06.18
DIAURA@新宿BLAZE
ONEMAN TOUR「VARIANT[ISM]」

2023年を戦闘態勢で突き進むDIAURAの新たな武器となるミニアルバム『ANTISM』が4月5日にリリースされ、その最新作を引っ提げ4月22日にスタートした全18公演にわたる全国ツアー「VARIANT[ISM]」が6月18日、新宿BLAZEにてファイナルを迎えた。

これまでライブでのみ披露され未音源化だった既存曲5曲と新曲「ANTISM」を収めた『ANTISM』は高い攻撃力を持つ作品であり、「もちろん超攻撃的なツアーになる」と公言されていたわけだが、それに加えてDIAURAとしては声出し解禁後初のワンマンツアーであるという事実が、今ツアーの重要な要素となったことは間違いない。

yo-ka

まず、メンバー登場時のオープニングSEからOiコールを煽るものになっていたのが今ツアーならではで、後のMCで「SEで登場する時の愚民(ファンの呼称)の声、最高でした」と達也(Dr)が述べたように、早速フロアは準備万端の様相を見せていた。フラッグを手にしたyo-ka(Vo)が現れ、一際大きな歓声が鳴り響く中、幕開けを飾ったのはやはり「ANTISM」。yo-kaの咆哮を合図にステージ、フロアともにとんでもない熱量を放出し、まさにフルスロットルと言えるスタートを切ったのだった。

『ANTISM』の楽曲たちがアンコールを含めた全5ブロックに満遍なく配されたことも注目したい点で、1ステージにおける緩急の中で、全てのブロックに当てはめることが可能なのは、それぞれ異なるキャラクターを持つ楽曲たちだからこそ。すなわち、イベントであればその全6曲でステージが成立すると言っても過言ではない。佳衣(G)のリフが印象的な「混沌たる世界」は起爆力のあるスリリングな楽曲でありながら、ドラマティックな面も感じられ、この日のダークサイドの入口となった「依存の檻」は圧倒的な支配力を発揮、メロディアスな「SHADOW」は「ダンシンインザダーク」からの流れが実に心地よいものだった。

佳衣

また、コロナ禍に生まれた楽曲の本来の姿を完成させることも、今ツアーのテーマの一つであったと言えよう。より激しさと強さを増した「BUG」、随所にV系味を感じさせる2曲「Nameless」「Hurt」の連投、忠誠を誓うように真っ直ぐに手を挙げるオーディエンスに対し、フロアへ手を伸ばすyo-kaの姿が印象的だったヘヴィーナンバー「Caligula」、楽器陣のユニゾンから始まるハードなサウンドにキャッチーなメロが映える「Hidden cry」など、セットリストの全19曲中『ANTISM』以外の楽曲の半数以上が、この期間に作られた楽曲たちであったことが、それを物語っていた。ちなみに、「Nameless」では楽器陣のソロ回しも見所で、その後に供されたのが翔也(B)によるゴリゴリとしたベース始まりの「Hurt」というのもさすがの流れ。

これらの楽曲を披露してきたことに対し、実際yo-kaは「この3年間の中で生まれた曲たちに声や動きが合わさって、DIAURAというバンドの音楽の可能性、まだまだやれるんだということを感じることができて、それをDIAURAと愚民とで作ってこられたのが、本当に幸せなツアーでした」と述べたのだった。

翔也

他の楽曲たちにおいても印象深い場面は多々。「GARDEN」ではyo-kaがマイクをフロアへ向けるシーンがあれば、「ダンシンインザダーク」では歌いながら翔也の背後にピタリとくっつき背中を合わせ、次にドラム台の正面で達也と向かい合い体を揺らし、佳衣と向き合いアイコンタクトを取るという微笑ましい一幕も。満を持して「MASTER」で本編を締め括ったわけだが、「お前たちのマスターは誰だ!?」というyo-kaの問い掛けに、オーディエンスが全力で「yo-ka!」と答えるお決まりのやり取りや曲中の大合唱、やはりその“声”があることが何より感慨深い。

MCでもメンバーが口々に声出し解禁について実感のこもった言葉を残しており、「このツアーで一番印象的なのは、皆の声。良い相乗効果が生まれて、一緒に良いツアーを作ってきたなと思います。本当に悔いはないなと思います」と佳衣が話せば、「無事に皆の声も聞こえるようになり、これからもっと良いライブになるんだろうなと。これからも素晴らしい時間を共有できたらなと思います」と達也はさらなる未来への期待を。翔也が「声ってすごいなと改めて思った良いツアーでした」と直球の言葉を述べれば、yo-kaは「もう考えるとかそういうことじゃなくて、やり切るだけだろ、感じ合うだけだろと、それだけで突っ走ってきたツアーでした」「お前たちの声を浴びて、こんなにも愛おしい存在に囲まれて歌ってきたんだって、そう思ったツアー初日のことを思い出しました」と、改めてこのツアーを振り返った。

達也

また、「『ANTISM』の楽曲たちも、ツアー序盤の頃に比べて回数を重ねるごとに激しさと輝きを増したなと思います」という達也の言葉や、翔也がこの日の1曲目「ANTISM」に触れ、「俺の心の持ちようなのか何なのかわからないけど、このツアーで割と定番の流れだし、どちらかと言うと強めな曲、優しさはいらねーみたいな曲なわけじゃないですか。最後というのもあってすごくフロアを見ていたら、なんか…いい感じに包まれたんだよ俺(笑)。あれ?「ANTISM」ってこんな感じだったっけ?と思って(笑)。これはツアーを通して皆で作ってきたものだと思うし、それは曲の成長だし、それを見てすごく良いツアーを回れたんだなと思いました」と語ったことは、このツアーがDIAURAと愚民たちにとってどれだけのものであったかを示すのに十分なものだった。

yo-kaがフロアへ降りオーディエンスを煽り倒しながら、演奏の速度をグングンと上げていきMAXまで行き切るというステージ、フロアともに体力勝負な展開を見せた暴れ曲「Mr.Isolation」を皮切りに、「Loop[S]Diver」「UNCONTROL BIAS」「愚民党賛歌」の連投でこの一夜は完全燃焼の終幕となったが、「終わりは新たな始まりのきっかけでもあるので、このツアーを全員の胸に刻んで、俺たちは俺たちの新たな明日を、未来を掴みに行きましょう!」「共に次へ進もう。まずは9月3日Zepp Haneda、一緒に潰しに行こうぜ!」というyo-kaの言葉もあった通り、恒例の「愚民の日」公演が決定していることに加え、10月4日にニューシングル『COLD SLEEP』発売、11月3日より全17公演にわたる全国ツアー「LIMITLESS FALL」の開催が新たに発表された。

最後にyo-kaの言葉を記したい。
「このDIAURAの音楽で俺たちの思いをこれからも全力で届けていくと誓うから、これからも愚民として、DIAURAにずっとついてきてください。よろしくお願いします。心から愛しています」――3年以上の時を経て声を取り戻した“独裁の庭”は、最強最狂であることはもちろん、最幸に満たされた空間だった。彼らの快進撃は始まったばかり。次なる作品と再会の日を楽しみに待ちたい。

◆セットリスト◆
01. ANTISM
02. BUG
03. CRACK PAIN
04. GARDEN
05. CRIMINAL BEAST
06. 混沌たる世界
07. Nameless
08. Hurt
09. 依存の檻
10. Caligula
11. Hidden cry
12. ブラックアウト
13. ダンシンインザダーク
14. SHADOW
15. MASTER

En
01. Mr.Isolation
02. Loop[S]Diver
03. UNCONTROL BIAS
04. 愚民党賛歌

(文・金多賀歩美/写真・尾形隆夫)


【リリース情報】
●New Single『COLD SLEEP』
2023年10月4日(水)発売
(発売元:フォーラム/販売元:ダイキサウンド)

[初回盤](CD+DVD)NDG-27 ¥2,200(税込)
[CD]
01. COLD SLEEP
02. 愚踊
[DVD]
「COLD SLEEP」MV

[通常盤](CD)NDG-28 ¥1,650(税込)
[CD]
01. COLD SLEEP
02. 愚踊
03. STARRY INFERNO

【ライブ情報】
●愚民党限定東名阪ONEMAN「SECRET GARDEN PARTY#4」
7月29日(土)名古屋UP SET
7月30日(日)名古屋UP SET
8月5日(土)OSAKA MUSE
8月6日(日)OSAKA MUSE
8月12日(土)新宿BLAZE
8月13日(日)新宿BLAZE

●「愚民の日2023」
9月3日(日)Zepp Haneda

●ONEMAN TOUR 2023「LIMITLESS FALL」
11月3日(金・祝)F.A.D横浜
11月4日(土)柏PALOOZA
11月11日(土)HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
11月12日(日)HEAVEN’S ROCK 宇都宮VJ-2
11月18日(土)郡山HIP SHOT JAPAN
11月19日(日)仙台darwin
11月23日(木・祝)青森Quarter
11月25日(土)札幌PLANT
11月26日(日)札幌PLANT
12月1日(金)名古屋SPADE BOX
12月2日(土)名古屋SPADE BOX
12月9日(土)ESAKA MUSE
12月10日(日)ESAKA MUSE
12月16日(土)福岡BEAT STATION
12月17日(日)福岡BEAT STATION
12月22日(金)新宿BLAZE
12月23日(土)新宿BLAZE

【イベント情報】
●「愚民の日2023大慰労会〜白樺”独裁”リゾート〜」
日程:9月30日(土)〜10月1日(日)
開催地長野県・白樺湖/白樺高原

<ツアーポイント>
1. 集合記念撮影
2. メンバーを探せ!テーマパーク内でウォークラリーイベント
3. 「池の平 白樺高原ホテル」全館をまるっと貸切!
4. ウェルカム5ショット撮影
5. 大宴会
6. メンバーと一緒に星空観察!(雨天時中止)
7. 2ショット撮影会(別途有料となります)
8. メンバーと一緒に黒曜石のキーホルダー制作体験

DIAURA オフィシャルサイト