2024.02.18
OFIAM/THE MICRO HEAD 4N’S@渋谷Star Lounge
THE MICRO HEAD 4N’S MEMBERS ONLY VALENTINE EVENT「OFIAM vs THE MICRO HEAD 4N’S」

OFIAM
THE MICRO HEAD 4N’S

THE MICRO HEAD 4N’Sの会員限定バレンタインイベントとして、1部OFIAM、2部THE MICRO HEAD 4N’Sでの「OFIAM vs THE MICRO HEAD 4N’S」と冠した2部制ワンマン公演が2月18日、渋谷Star Loungeにて開催された。

改めて補足すると、OFIAMとは2021年にTHE MICRO HEAD 4N’Sの楽器隊メンバーによって、バンド本体とは別に立ち上げられたプロジェクトの一つ。「実験的音楽による常識の破壊」をテーマに、ギタリストkazuya、SHUN.、ベーシストZEROによるプロジェクトでありながら、全員がVoiceという肩書きを併せ持ち、ドラマーのTSUKASAはサポートメンバーとして共にステージに立つ。

2022年に現体制のTHE MICRO HEAD 4N’Sが始動したことで、作曲者(kazuya)が同じであるOFIAMの活動頻度が少なくなっている昨今ではあるものの、2023年8月のTHE MICRO HEAD 4N’S 12周年記念公演にてkazuyaが述べた「ライブだけであれば、(OFIAMを)また来年やろうかな」という言葉通り、2023年の同日以来1年ぶりとなるOFIAMのステージがこの日、実現した。

先に重要な事実を記しておくと、SHUN.が心身の不調により本2公演をやむなく欠席、OFIAMは3人体制、THE MICRO HEAD 4N’Sは4人体制で臨むこととなった。ゆえにSHUN.のパートを同期で流し、様々な面で普段とは異なるステージになったことはもちろん、随所でメンバーがSHUN.に触れる場面が多く見られることとなった。

kazuya

プロジェクトの始まりの曲とも言える「命」で幕を開けたOFIAMのステージ。続く「声」で同期によるSHUN.の語りが聴こえてきた瞬間、胸が詰まる思いになったのは何も筆者だけではあるまい。そこから本来SHUN.のギターが主役の楽曲「斑」へと流れ、間奏ではZEROがセンターお立ち台に上がりゴリゴリとしたベースを鳴らしてみせれば、少なからず独特の緊張感が漂っていた空気を察してか、kazuyaはフロアに向け「イレギュラーなライブを楽しんでいきましょう」と和やかに呼びかけたのだった。

また、Voiceという肩書きがある通り、インストゥルメンタルのみならずkazuya、ZEROそれぞれの歌パートやSHUN.による語りも素材として扱いながら、あらゆる音楽表現を魅せていくのが彼らのスタイル。SHUN.が作詞を担っていることから「リリックにSHUN.さんの思いが込められているので、SHUN.さんと一緒にやっているつもりです。思いを汲んで最後まで楽しんでもらえたら」と述べた後、「この後、THE MICRO HEAD 4N’Sっていうチャラついたヤツらが出てくるわけでしょ? 余力なんて残させないからな!」とZEROがフロアを鼓舞する一幕も。

ZERO

緩急のある構成と混沌としたムードを放つ「棘」、ZEROの歌とSHUN.の語り&ラップという三つのVoice要素を持つ未音源化の最新曲(タイトル未定)を経て、「傷」を皮切りに後半戦へ。TSUKASAの高速ドラミングも轟くOFIAM史上最もハードな「神」が投入されると、ZEROが記録用のカメラがあることに触れ、「お前らの気合がSHUN.さんを呼び戻す!」と、オーディエンスに熱狂を求めたかと思えば、さらにKEKE(Vo)を呼び込み、マイフォでは見せないノースリーブ姿で飛び入りした彼は、ここぞとばかりにシャウトを響かせ、十二分にその役割を果たしたのだった。

ちなみにこの飛び入り、実は全く予定になかったZEROの無茶振りだったそうで、その時点でメイク中だったKEKEだが、迷うことなく「出ます!」と飛び入りしたとのこと。これもまた、なんとも二人らしいエピソードと言えよう。抜群の熱量で応えたオーディエンスに対し、曲終わりにkazuyaが笑顔でサムズアップを向ける姿も見られた。

TSUKASA

なお、ツインギターとして長年SHUN.とパートナーを組んできたkazuyaは、この日が10代の時以来のシングルギターだと言い、「耳の中(イヤモニ)ではSHUN.ちゃんの音は鳴っているけど、ステージが広っ!と思って(笑)。はよ帰って来んかな」「僕、(キャパが)100人でも1000人でも1万人でも緊張しないんだけど、今日は正直バチクソ緊張しました。欠けた時にわかるメンバーのありがたさもあるんだなと、演奏中ジーンとしちゃった」と、その本音を滲ませる場面があれば、TSUKASAも「I need SHUN.. なんで英語で言ったのかわからないけど、SHUN.さんが必要だなと」と、その心境を吐露したのだった。

ZERO/kazuya

「コロナ禍の初期、OFIAMもまだなかった頃、マイフォの曲でもなく発表の場もないけど、寂しくて皆と繋がれたらいいなと思って作った曲です。長く繋がれたらいいね」(kazuya)と、温かなインストゥルメンタル「煌」を、そしてkazuyaが歌を担うキャッチーなロックナンバー「時」をもって、1年ぶりのOFIAMのステージは幕となった。

迎えたTHE MICRO HEAD 4N’Sの舞台は、1月にイベント出演があったものの、ワンマンとしては昨年12月以来、約2ヵ月ぶり。「ワンマンがやっぱり一番楽しいっすよ! しかも今日はファミリー中のファミリーが集まってTHE MICRO HEAD 4N’Sを共有できることを本当に嬉しく思います!」というKEKEの発言もあった通り、メンバー、オーディエンス共にまさに待ち望んでいた公演であることがひしひしと伝わってくる、終始熱量の高いステージであったことが印象深い。

鮮やかな幕開けを飾った「SEVENTH COLOR」では、イントロから満場のOiコールと拳が上がり、次いでアダルトかつエモーショナルな「UNREQUITED」、現在のマイフォにとって鉄板のライブチューン「LAST」と、様々な表情を魅せながら序盤とは思えぬ白熱ぶりを見せていく。

KEKE
kazuya

「(記録映像を見たSHUN.が)早く復帰してーな。あのうるさいKEKEに会いてーなと思ってもらえるように」と意気込むと同時に、バレンタインライブであることからオーディエンスに向け「たくさん愛し合っていきたいと思います!」とKEKE。

中盤では現体制初披露となる既存曲「Calling」をはじめ、「VANILLA」「眠れる森の前奏曲 ~REVOIR~」と、切なさを纏った聴かせるナンバーを立て続けに披露すれば、その後ZEROがSHUN.のアクリルキーホルダーを彼の立ち位置のマイクスタンドに掛け、威勢のいいタイトルコールから「BREAKING & SHOUT OUT!!!!」に突入。前ツアーにおいて現体制で初めてセットリストに組み込まれたこの楽曲がフロアの熱量を一気に引き上げ、マイフォ史上最もヘヴィーチューンと言っても過言ではない「UROBOROS」ではZEROの極悪シャウトが炸裂することに。

「UROBOROS」、そこに続いた「DOWN」は、KEKEのグロウルも絶品だった。実のところ、KEKEは元来持っている声質からして、美しいメロディアスなナンバーを得意とするように思いがちだが、それはもちろんのこと、どんな楽曲も表現でき得る高いポテンシャルを持っている。ヴォーカリストにとって難易度の高い楽曲が並ぶのがTHE MICRO HEAD 4N’S。そのどの時代の楽曲をも自分色にして歌い上げていることが、何よりの証明だ。

ZERO
TSUKASA

「マイクローン、楽しんでるか!? 疲れてんじゃねーぞ! まだまだいくぞ!」というKEKEの言葉を合図にダメ押しの「VOLCANATION」を。ここまでの4曲の連投は凄まじいもので、フロアも天井知らずの盛り上がりを見せ、特大のOiコールが鳴り響いた。

終盤では「ここにいる皆さん、そしてこれから出会う新しい仲間に向けた曲」(KEKE)だという新曲M-8(タイトル未定)をプレイ。昨秋に行われた主催イベント「FACE TO FACE」の中で初披露されたキャッチーなナンバーだが、その後アレンジが成され完成形となったのがこの日披露されたもので、早くもフロアにはオーディエンスの手が揺れる美しい光景が広がっていたのが印象深い。

KEKE/kazuya
ZERO/KEKE

そして「Nocturne」「この先ずっと…」と見事なグラデーションを描き、「当たり前だけど、5人揃ってTHE MICRO HEAD 4N’Sなんだなと再認識して。今年も全力でいくので、新しいファミリーを見つけにいこうぜ!」(KEKE)と、仲間との絆を歌った「WITH」で温かな空気を充満させたわけだが、12月公演と同様にKEKEが歌詞に準えメンバーと絡みにいく“わちゃわちゃマイフォ”がこの日も見られ、今後もこれが恒例となっていく予感。

最後に「今年もいっぱい笑い合おうなー! 愛してるぜマイクローン!」というKEKEの言葉をもって終幕となった…はずが、鳴り止まないアンコールに応えメンバーが再登場し、その場で決めた「REVERBERATIONS」を最後の最後にプレイ。ステージ、フロア共にこの日一番の暴れっぷりを見せ、愛に溢れた一夜を締め括ったのだった。

今後のTHE MICRO HEAD 4N’Sの動向として、3月6日にTSUKASAのバースデースペシャル生配信が新たに決定。そして同日、昨年12月開催のツアーファイナルの模様を収めたDVD『THE MICRO HEAD 4N’S TOUR2023「NEW ERA」LIVE at Spotify O-WEST』がいよいよリリースされるほか、5月には『NEW ERA -the beginning-』に続く“NEW ERA”第二章となる新作アルバム『NEW ERA -evolution-』のリリースと新規ツアーの開催が控えている。

また、昨年も同日にバレンタインライブを開催していたことから、この日「毎年この時期恒例にしていけたらいいな」(KEKE)、「FCライブ、もっとやりたいです」(kazuya)という発言があったことも付記しておこう。

この日、メンバーらからSHUN.を求める言葉が幾度もあったが、無論、その思いはマイクローンにとっても同じに違いない。5人のTHE MICRO HEAD 4N’Sと笑顔で再会できる日が来ることを切に願う。

◆セットリスト◆
【OFIAM】
01. 命
02. 声
03. 斑
04. 証
05. 罪
06. 天
07. 暁
08. 棘
09. NON TITLE
10. 傷
11. 神
12. 罰
13. 創
14. 煌
15. 時

【THE MICRO HEAD 4N’S】
01. SEVENTH COLOR
02. UNREQUITED
03. LAST
04. Calling
05. VANILLA
06. 眠れる森の前奏曲 ~REVOIR~
07. BREAKING & SHOUT OUT!!!!
08. UROBOROS
09. DOWN
10. VOLCANATION
11. M-8
12. Nocturne
13. この先ずっと…
14. WITH

En
01. REVERBERATIONS

(文・金多賀歩美/写真・土屋誠)


【配信情報】
●TSUKASA BDスペシャル生配信「ケーキ作って好景気↗︎↗︎決定」
3月6日(水)21:00~22:00(時間は予定)
配信:THE MICRO HEAD 4N’Sオフィシャルツイキャス

【ライブ情報】
●ReNY 10th anniversary & wyse 25th anniversary collaboration night「ROCK BATTLE」DAY.2
4月7日(日)新宿ReNY
出演:FANTASTIC◇CIRCUS、wyse、THE MICRO HEAD 4N’S

●TOUR2024 -evolution-
5月5日(日)川崎Serbian Night
5月18日(土)名古屋HeartLand
5月19日(日)梅田Zeela
5月25日(土)池袋EDGE

【リリース情報】
●LIVE DVD『THE MICRO HEAD 4N’S TOUR2023「NEW ERA」LIVE at Spotify O-WEST』
2024年3月6日(水)発売

THIR-0094/0095 ¥6,000(税込)

[DISC 1]
01. Life is beautiful
02. LAST
03. EARNEST GAME
04. Labyrinth
05. DOWN
06. UNREQUITED
07. 陽炎
08. VANILLA
09. 雪月華
10. サヨナラの先に
11. I surrender

[DISC 2]
01. REINCARNATION
02. BREAKING & SHOUT OUT!!!!!
03. WHITE SOUL
04. WITH
05. 銀河鉄道の夜 ~STARDUST EXPRESS~
06. 声なきスマイル
07. 深海
08. REVERBERATIONS
09. Curtain Call

●New Album『NEW ERA -evolution-』
2024年5月発売予定

THE MICRO HEAD 4N’S オフィシャルサイト