ベーシスト編 〜ZERO × RYO〜

THE MICRO HEAD 4N’S × defspiral カップリングツアー「9BALL GAMES」スペシャル企画:ベーシスト編 〜ZERO × RYO〜

5年ぶりに開催されるTHE MICRO HEAD 4N’Sとdefspiralによるカップリングツアー「9BALL GAMES」、パート別対談のベーシスト編。前バンド時代からの盟友であるZEROとRYOだが、普段真面目な話はしないという。そんな二人に様々な面からお互いのことを語ってもらったところ、リスペクトを根底とした、まさに相思相愛と言える関係性が浮き彫りになった。


ZEROさんとRYOさんと言えば、仲良しの印象が強いです。

ZERO:RYOさん大好きですからね(笑)。

RYO:ありがとうございます(笑)。

仲良くなったきっかけは、D’ESPAIRSRAYとthe UnderneathとMUCCが一緒に回ったアメリカツアー「taste of CHAOS 2008」ですよね?

RYO:そうですね。知り合ったのがあのツアーでした。

ZERO:むしろあの時は、俺より他のメンバーが先に仲良くなって。俺、あのツアーは少し体調を崩してあまり外に出ていなかったんですけど、最後のほうでホテルで部屋飲みをした時に、この人すげー色々ぶっ込んでくるなと(笑)。

RYO:(笑)。他のバンドの色々なことを知りたかったので。

ZERO:こういうキャラいいなぁと思って。

RYO:やっぱりあのツアーでディスパと一気に距離が縮まりましたよね。毎日のようにお互いのライブを観ていたし、オフもずっと一緒に行動していましたから。

ZERO:一緒にショッピングモールとか行っていましたよね。

ZERO(THE MICRO HEAD 4N’S)

ZEROさんはRYOさんと一緒だと饒舌になるイメージです。

ZERO:そうっすね。何を言ってもRYOさんだったらカバーしてくれるので、俺の中ではSHUN.さんとRYOさんが同じ立ち位置というか。

RYO:拾いたがり(笑)。

RYOさんがナビゲーターを務めるラジオ番組(hide OFFICIAL FANCLUB JETS presents「Radio MIX LEMONeD JELLY」)にも結構出演していますよね。

RYO:最多出演じゃないかな(笑)。

ZERO:本当っすか(笑)。いつでも空きがあれば行きますよ。

お互いの第一印象と今の印象の違いはありますか?

RYO:初めはあまり喋っていなかったから、とても口数の少ない寡黙な方なんだろうなと思っていたんですけど、今は皆でワイワイというよりは二人で喋ると盛り上がる印象が強くて。密な話をできるタイプですね。

ZERO:俺は割と聞くほうのタイプではあるので、自分から行くよりは誰かから来てもらって仲良くなるんですよ。基本的に喋るタイプではない自分が喋れるという意味では、RYOさんは特別な存在ですよ。

RYO:そんなこと言っていただけると…どうする? 何か買ったろか(笑)?

ZERO:(笑)

お二人で話す時は、どんな会話をしているんですか?

RYO:プライベートでご飯を食べに行くとかはあまりないんですけど、定期的にZERO君には「ラジオ出ない?」と言ってしまうので(笑)、結構あの場で話していることが全てというか。あの番組自体、仕事というより自分の部屋に遊びに来てもらうような感覚でやっているんですけど、そんな中でもZERO君は色々なことを話せる数少ないミュージシャンの一人ですね。だから、僕にとっても特別な存在と言えます。同じパートっていうのがまず僕にとっては珍しい。ベーシストの友達が基本いないので。

ZERO:でも俺、ベース会にRYOさんを呼んでいるんですけど、一向に来てくれないんですよ(笑)。

RYO:1回だけ行った(笑)! でも大人数でワイワイというのが、ちょっと苦手なんですよね。

ZERO:俺もそんなに社交的ではないので、行っても知り合いの輪の中にずっといる感じですよ。

RYO:うん、動かないよね。

ZEROさんから見たRYOさんの第一印象と今の印象の違いは?

ZERO:そもそもTRANSTIC NERVEが結構好きで、インディーズの頃から聴いていたんですよ。俺は埼玉出身で、当時テレビ埼玉と言えばヴィジュアル系に強くて、そこで目にした時に小柄でカッコいいベーシストだなと思いました。ベースのほうが大きいのに、それをものともせず動き回って…。

RYO:ベースのほうが大きい(爆笑)。

ZERO:しかもプレイも上手いし、カッコいいなと思って。最初に喋ったのが先ほど話に出たアメリカだったんですけど、性格が出ているなと。何でもありというか(笑)。結構自分のことを何でも話しちゃうんだな、自由奔放な人だなと思いましたね。

ベースプレイに関しても、そういう自由さが出ていると思いますか?

ZERO:俺の中では、RYOさんはベースの玄人な感じがすごくプレイに出ているなと思っていて。渋いというか、アプローチも俺にはないものだし、ちゃんとバンドの軸に沿ったものができる人だと思うんですよね。

RYO:こういうの恥ずかしいっすね(笑)。ZERO君は、しっかりと曲を支えるベースを弾くなぁという印象です。僕もD’ESPAIRSRAYという存在を知った時から曲がすごく好きで。HIZUMIの声が良いしメンバー全員の個性が際立ってるし、純粋にファンです。でもアー写を見ると、その頃のZERO君がすごく怖かったんですよね(笑)。この人とは絶対仲良くなれないと最初は思いました(笑)。

ZERO:うちらで言うMASAKIさんがそれでしたね(笑)。

RYO:だよね(笑)。でも、会ってみるとみんな物腰は柔らかいし、良い人たちでしたね(笑)。あと最近特に思うんですけど、ZERO君のプレイって音を切るタイミングが絶妙なんですよ。僕の持論としては、ベースは音の長さがすごく大切なんですよね。ちょっと短いだけでグルーヴが変わったりするんですけど、その辺がすごく上手というか、ここまで伸ばしてほしいと思うところまで、ちゃんと伸ばしてくれるベーシスト。例えば譜面上8分音符のスタッカートでも、本当はこの曲にとっては8分音符よりちょっと短いほうが良いとか、体感でここだというのがわかっているタイプだと思うんですよね。僕、そういう人がすごく好きで。先ほどZERO君が僕のことを玄人っぽいと言いましたけど、僕にとってはそれが玄人っぽいプレイなんですよ。だから、お互い同じ印象を持っているのかもしれないですね。

なんだか…相思相愛ですね。

ZERO、RYO:ハハハ(笑)!

ZERO:実際ここまで刺激をもらえるベーシストって、そんなにいないんですよ。しかもこんなに身近にいてくれることは、俺のベーシスト人生にとってすごく有り難いことです。

RYO:嬉しいです…。もう恥ずかしいです(笑)。

ZERO:俺、あまり人に影響を受けないタイプで、良いと思ってもそれはその人と思ってしまうんですけど、RYOさんが持っているものは俺も欲しいなと思うんですよね。

RYO:お、そういうの本当に嬉しいです。

RYO(defspiral)

同じパートで、お互いが音楽的な部分と人間性の両方を好きと思えるって、なかなかないですよね。

RYO:そこまで共感できるのは稀ですよね。でもね、二人だけで喋ると「あそこのベースがさ」みたいな話は一切しないです(笑)。

ZERO:そうっすね、あんまりベースの話は好きじゃないです(笑)。

RYO:だから、そういう部分はお互いステージで見て音を聴いて探り合っている感じ。

ZERO:RYOさんは俺とくだらない話をするのが好きだと思っているので、俺もくだらない話をしたいんです(笑)。

RYO:そのくらいの関係が良いんですよ。

この場でこういう話ができて良かったです。今回、両バンド新体制になって初の「9BALL GAMES」となりますが、RYOさんから見た現THE MICRO HEAD 4N’Sはどのように感じていますか?

RYO:これまでも含めて毎回思うんですけど、ヴォーカリストが代わっているので、他のメンバーさんの気持ちというのは相当色々なものがあるはずで。ヴォーカルが脱退するタイミングではkazuyaさんからも「挫けそうだった」という発言があったくらいですから。しかも、新しいヴォーカルになると、今までやってきたことをリセットしなきゃいけない部分があるじゃないですか。キーも変わったりするし。それを繰り返してきているのって、純粋にすごいなと思います。今回のKEKE君に関しては、心臓から毛が生えているような感じで…すげーヤツを見つけてきたなと(笑)。

ZERO:(笑)

RYO:すごく期待もしていますし、昨年11月の新体制初ライブ@新宿BLAZEは、僕らはツアーの移動中で生配信を観ていたんですけど、しっかり“バンド”になっていたので本当にホッとしました。歌い手が代わるというのは相当な精神状態になるだろうなと思うので、それを跳ね除けて復活してくれたのは純粋に嬉しいですね。「9BALL GAMES」ツアーでは毎回マイフォには刺激を受けているので、4回目ができるというのは嬉しさもひとしおですよね。

ZEROさんは現defspiralをどのように感じていますか?

ZERO:ヴォーカルの次に、メンバーが代わったらバンドが変わるパートがドラムですよね。全ての柱が変わるわけですから。音源も聴かせてもらいましたけど、何て言うのかな…色々な部分で若返ったなっていう。

RYO:それは思いますね。

ZERO:ノリもそうだし、もちろん年齢もそうなんですけど。今までとは違ったパワーを感じますよね。ヴォーカルが代わるというのは、同じ曲でも違う表現になるじゃないですか。だから俺はもはや楽しんでいる部分でもあるんですけど、もしドラムが代わるとなったら俺もアプローチの仕方が変わってくると思うので、ベーシストにとってはすごく大事なところじゃないですかね。だから、これからきっと新しいRYOさんが見られると思うと、俺がワクワクしますね。

※この対談の続きが読める完全版(Vif掲載分の倍のボリューム!)は「9BALL GAMES -4th-」各会場で販売される公式パンフレットに掲載!

(文・金多賀歩美)

ライブ情報

●THE MICRO HEAD 4N’S & defspiral Coupling Tour 2023 9BALL GAMES -4th-

7月22日(土)川崎Serbian Night
7月23日(日)柏PALOOZA(GUEST:DaizyStripper)
7月30日(日)仙台ROCKATERIA
8月4日(金)名古屋ell.FITS ALL(GUEST:SPLENDID GOD GIRAFFE)
8月6日(日)岐阜柳ヶ瀬ants
8月11日(金・祝)姫路BETA
8月12日(土)大阪RUIDO(GUEST:FEST VAINQUEUR)
8月19日(土)札幌SPiCE
8月20日(日)札幌SPiCE
8月26日(土)新宿BLAZE(O.A:SPLENDID GOD GIRAFFE/GUEST:H.U.G)

9BALL GAMES 特設サイト