2023.06.30
THE MICRO HEAD 4N’S@原宿RUIDO
KEKE BIRTHDAY LIVE「worship god day」

去る2月、第四期としてのワンマン3本目にして現体制の形を完成させたTHE MICRO HEAD 4N’S。その後イベント出演や会員限定ライブはあったものの、純粋なワンマンとしては約4ヵ月ぶりとなる公演が6月30日、KEKE(Vo)の誕生日当日に原宿RUIDOにて行われた。

本公演に冠されたのは「KEKE BIRTHDAY LIVE『worship god day』」。この日のステージ上でも「今日という日を一番楽しみにしていた男」と自己紹介していたように、昨年11月にマイフォでの初ステージを踏んだKEKEにとって、加入後初となる自身のバースデーライブには並々ならぬ思いがあったに違いない。加えて同会場で行われた2月公演では惜しくもチケット残数が2枚だったことから、自身の誕生日は必ずやソールドアウトさせるのだと意気込んでいたわけだが、本人の様々な努力が周囲を巻き込む力となり、見事完全ソールドアウトという結果をもたらしたのだった。KEKEの言葉を借りれば、それはまさに「諦めない気持ち」と「みんなで掴み取ったソールドアウト」だった。

マイフォのバースデーライブでは誕生日を迎える当人が構成を決めることが常であり、この日はKEKE曰く「神セトリ」と事前に公言されていたゆえ、より期待を膨らませていた人も多かったはず。ハイライト尽くしであったこの特別な夜、幕開けを飾ったのは現体制としては初披露となる「生命の塔」だった。人生をRPGに擬え、敵と戦い、壁を壊し、どこまでも高みを目指して道なき未来を開拓していく主人公と自身を重ね合わせた、KEKEの決意の表れだったように思う。さらに言えば、この楽曲はファンにも人気の高い第一期マイフォのナンバーだが、KEKEとマイフォを引き合わせたのは初代ヴォーカリストのRickyであることから、そんな先輩への敬意とメッセージも内包されていたと考えるのは想像が過ぎるだろうか。

次いで、真っ赤に染まるステージに早速SHUN.(G)のシャウトが響き、フロアがヘドバンの嵐と化したハードナンバー「REBIRTH -the 3rd form-」、タイトル通りのダークサイドで魅了した「Fall Into Darkness」、kazuya(G)による妖艶なギターフレーズも印象的でエロティックなムードを充満させた「PERSONA」、KEKEが各メンバーに寄り添うシーンも見られた「Labyrinth」など、様々な表情を魅せていく彼ら。TSUKASA(Dr)のドラミングを合図にスタートし、ZERO(B)がセンターお立ち台に上がったお馴染みのライブ曲「REINCARNATION」では、フロアの合唱にkazuyaが満面の笑みを見せる一幕も。

SHUN./KEKE
ZERO/KEKE

中盤ブロックでは「ゆったりと皆さんの心の中に入っていこうかなと思います」(KEKE)という言葉から「INFINITE∞FUTURE」「VANILLA」「ナノメートルノスレチガイ」と、じっくり聴かせるナンバーを立て続けに披露。メロディーの美しさはもちろんながら、特に象徴的な〈百億以上の未来へと 僕ら道なき道を歩き続ける〉〈僕らたった1つの『今』を生きている〉という「INFINITE∞FUTURE」のフレーズは、先に記した「生命の塔」にも通じるものであるし、この3曲に共通しているのは“今”に焦点を当てていることだ。

そこから空気をガラリと変え、「次めっちゃ声出してもらうんですけど、ソールドが嬉し過ぎて気持ちを抑えきれない! 皆にとって久々のナンバー行くぜ!」(KEKE)と、ダンスチューン「I surrender」へ。冒頭の同期が聴こえた瞬間にフロアが湧き、タオルの旋回とOiコールで熱いやり取りを交わしたのだが、それでは足りないと言わんばかりにKEKEの先導でメンバーコールのセクションが入ったこともこの日ならでは。なお、これは自分の好きなことをやりたい&皆に喜んでもらいたいというKEKEの思いからだったという。

SHUN./kazuya
ZERO/kazuya

さらにまさかのプレイとなったのが、ギター隊、リズム隊それぞれの歴史の中にある「火の鳥」(FANATIC◇CRISIS)、「MIRROR」(D’ESPAIRSRAY)の2曲。これまでのマイフォであればワンマンでこのような選曲がされることはなかったであろう。近年の各メンバーの動きもあるにせよ、メンバーである前にファンだったKEKEだからこそできた提案だったのではないだろうか(この日の冠「worship god day」=「神を崇める日」はここに掛かっていたらしい)。無論、この5人全員が今を生き続けているからこそ、こんなことも実現可能なわけで、その後に続いたのが〈次なるステージへ〉と歌う「EARNEST GAME」であったこと、そこでフロアが最高の熱狂ぶりを見せたことは、現在のTHE MICRO HEAD 4N’Sというバンドを示すのに十分なものだった。

なお、当日より発売となったKEKE選曲による既存曲をリメイクしたシングル『OVERLAY OF THE MEMORY』の収録曲である「VANILLA」「WHITE SOUL」や、現体制での正真正銘の“新曲”3曲(タイトル未定)が随所に配されていたことも重要な点。中でも本編終盤に披露された「M-5」はキャッチーなメロディーと、背中を押してくれるような温かな感覚を覚えたのが印象的で、曲終わりに「5年後も10年後も皆さんとこうしてライブで顔を合わせて、一緒に笑っていたいです」とKEKEが告げたこともこの楽曲のカラーを表すものだったように思う。また、SHUN.がアコースティックギターを奏でた「M-4」は、生きることを歌ったメッセージソングであったと感じる。

明るい未来へ向かって皆で片道切符を握りしめ「銀河鉄道の夜 〜STARDUST EXPRESS〜」を大合唱し、「絶対に野音の夢を諦めません! これからTHE MICRO HEAD 4N’Sを一緒に大きくしていきましょう!」というKEKEの言葉をもって本編を終えた後、アンコールではRickyのサプライズ登場もありながら皆でKEKEの誕生日を祝福。各メンバーからの言葉が届けられた。

TSUKASA

「KEKE君は僕よりも年齢が一回り以上若いのに、タメみたいに感じちゃう。昭和で活躍した言葉とかすごく知っていて。『それ、お父さんが使ってたの?』って聞いたら、『違います』と。じゃあ、どこで覚えたのか不思議でならねんだよねぇ。だから、タメか一個下くらいに思って、僕はこれからも接していきたいと思います」(TSUKASA)

ZERO

「やっぱりヴォーカリストとして、フロントマンとして、道を切り開いていく姿というのが、ヴォーカルに必要な力だと思うんですけど、KEKE君はそういうものを兼ね備えていて。今は温かく見守りながら一緒に切り開いていくわけで、これから色々な壁にもぶち当たり、良いことも悪いこともきっと起きると思うんですけど、俺たちは5人だけじゃない! 皆もいるからね。皆で一緒に乗り切っていきましょう。長くなってきたバンドですけど、これからも皆と一緒に夢を見ていたいので、KEKE君と一緒に5人で、そして皆でもっとたくさんの夢を見ていきましょう」(ZERO)

kazuya

「シンプルに一緒にバンドをやれて、感謝しています。僕がマイフォの曲の中でも生涯大切にしたい曲って何曲かあるんだよ。今日それができて。というか、作曲家として思い入れのある大切な曲は、もう全部(現体制で)皆の前でプレイできたんだよ。それがすごく嬉しいです。初めて会った日にRickyと僕とKEKEで喋っていて、『これからは君の時代なんだよ』と言っていて。まだその時はマイフォに入るとか何も決まっていなかったけど、これからこういう子が時代を作っていくといいなと。大人になると失うものも結構あるの。でも得るものもあるんだよ。僕が持っていなくて、KEKEが持っているものってすごくいっぱいあって、僕はそれがすごく眩しくて。だから、マイフォに入る時にこの子の未来だったら俺は人生を賭けてもいいかなと思いました。本当にこれが最後だと思っていいくらい今、すごく良いメンバーだなと思っています。だから、これからも何回も何回も誕生日をお祝いしましょう。そして僕のも祝ってください」(kazuya)

SHUN.

「輩ブラザーズなのか、友達なのか、ストーカーと被害者なのかわからないけど(笑)、彼とは仲良くさせてもらっていて。色々な刺激をたくさんもらって、ちょっと昔に戻ったような気がしています。プライベートも仕事もすごく刺激的で、彼から色々なものをいただいています。ありがとう。でも、もうあんまり電話はしないでください(笑)。マジで毎日かかってくるから。いや、でも有り難いです。これからもよろしくお願いします」(SHUN.)

KEKE

「まずはメンバーの皆さん、マイクローン(ファンの呼称)の皆さん、僕にいつも優しくしてくれてありがとうございます。今日こうやって色々な人に誕生日をお祝いしていただけて、本当に幸せです。僕は今が最高に楽しくて最強だなと思っていて。このバンドに加入できて、まだ1年も経っていないですけど、本当にこのバンドを自分のバンド人生最後にしていいと思っています」(KEKE)

そしてこの日、今後の予定が一挙に発表された。8月27日に青山RizMにて結成12周年記念ライブ「12th Anniversary Be awesome」を、9〜11月に全5公演の主催イベント「FACE TO FACE」を開催、さらには現体制の初ライブから1年を経過するタイミングとなる11月に待望のフルアルバムを発売、その作品を引っ提げた東名阪ツアーを秋冬に開催するという。音源と東名阪ツアーの詳細については周年の際に発表するとしながらも、「一個だけバラすと、12月15日にO-WESTやります。これが僕らの今年の目標です。絶対に埋めたいです! 力を貸してください」とkazuyaは告げたのだった。

これらを受け、KEKEは「主催イベント『FACE TO FACE』は、僕がどうしてもやりたいと提案させていただいて。このヴィジュアル系というジャンルが右肩下がりに見えてしまっていて、色々なV系バンドが盛り上げようと一生懸命になっていますけど、うちも錚々たるメンツのバンドなので、ガッツリこのシーンに貢献していきたいなと思っています。まずは次の周年、イベント、そして今年の目標O-WESTを埋めたいです。正直、O-WESTは始動の新宿BLAZEの時くらいの人が集まって、ようやく形になるかなという規模のライブハウスなので、今まで以上にマイクローンと僕たちの気持ちを一つにして、このシーンに色々な爪痕を残して、マイフォを盛り上げていきたいなと思います」と宣言。

KEKE/TSUKASA/Ricky

この夜を締め括ったのは、マイフォ自身のことを歌った「Curtain Call」。この歌詞にあるように、諦めない日々が奇跡を呼ぶことを証明し続けてきた彼らは、ここから先の未来も揺らぐことのない信念のもと突き進んでいくに違いない。楽器陣4人がステージを後にすると、最後にKEKEはマイクローンに対してこう告げた。
「初ライブをしてからこの8ヵ月くらいで皆さんとの距離がグッと縮まって、本当の意味で皆さんと仲間になれたんじゃないかなと思います。生意気な僕ですが、メンバーである先輩方に色々アドバイスをいただきながら、いつかはマイフォを引っ張っていける立派なヴォーカリストになりたいと思っています。そして皆さんと一緒に、通過点の日比谷野音に向かって頑張りたいと思います。今日は皆さん、ありがとうございました!」

THE MICRO HEAD 4N’Sは今、明らかに大きな変化の波の中にある。と思っていたのも束の間、確実に今、THE MICRO HEAD 4N’Sへの風向きが変わってきていると、この日のステージを観ながら実感した。きっとこの世界は、自らの手で何かを掴もうと必死にもがき生きる者に追い風が吹くのだと。この5人は“第四期THE MICRO HEAD 4N’S”ではなく“THE MICRO HEAD 4N’S”として、ここからさらなるアップデートを繰り返していくだろう。そんな彼らの物語をこの先も見続けていきたい。

◆セットリスト◆
01. 生命の塔
02. REBIRTH -the 3rd form-
03. Fall Into Darkness
04. PERSONA
05. M-6(新曲)
06. Labyrinth
07. REINCARNATION
08. INFINITE∞FUTURE
09. VANILLA
10. ナノメートルノスレチガイ
11. I surrender
12. 火の鳥(FANATIC◇CRISIS)
13. MIRROR(D’ESPAIRSRAY)
14. EARNEST GAME
15. M-5(新曲)
16. 銀河鉄道の夜 〜STARDUST EXPRESS〜

En1
01. M-4(新曲)
02. WHITE SOUL

En2
01. Curtain Call

(文・金多賀歩美/写真・Kuro)


【ライブ情報】
●12th Anniversary Be awesome
8月27日(日)青山RizM

●THE MICRO HEAD 4N’S 主催イベント「FACE TO FACE」
THE MICRO HEAD 4N’S vs DaizyStripper
9月23日(土)青山RizM

THE MICRO HEAD 4N’S vs FEST VAINQUEUR
9月24日(日)青山RizM

THE MICRO HEAD 4N’S vs KOHTA
10月6日(金)青山RizM

THE MICRO HEAD 4N’S vs heidi.
10月7日(土)青山RizM

THE MICRO HEAD 4N’S vs FEST VAINQUEUR vs KOHTA vs SPLENDID GOD GIRAFFE
11月17日(金)代官山UNIT

THE MICRO HEAD 4N’S オフィシャルサイト