2015.10.25
VAMPS主宰ハロウィンイベント@幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール
「HALLOWEEN PARTY 2015」

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神戸ワールド記念ホールと幕張メッセを舞台に、計5日間、総勢6万人を動員したVAMPS主宰の日本最大のハロウィンイベント『HALLOWEEN PARTY 2015』。今年も数々の名場面や珍場面が目撃できた5日間の狂宴の最後を飾る日がついにやってきた。

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「ドーン!」
凄まじい雷鳴が轟いた後、メインステージからアリーナ側に伸びたランウェイステージの中央の奈落から登場したのは、幕張3daysすべてのオープニングパフォーマーを務めたTommy heavenly6だ。頭にベールをかぶったカジュアルなゾンビ花嫁姿で、最新作『Tommy’s Halloween Fairy tale』からの新曲をメドレーで披露。アンニュイかつキュートに歌うTommyの姿に、女の子たちからの喝采が響く。

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続いての出演はBREAKERZ! だが、ステージには黄色いTシャツを着た実況アナウンサー風の男性の姿が。そしてスクリーンには、「24時間HALLOWEEN PARTY 2015 マラソン」というテロップ。すると、会場の後ろからDAIGOが100キロマラソンの姿で走って登場。あの時武道館の入り口で彼を待っていたゴールデンボンバーに扮したBREAKERZのAKIHIDEとSHINPEIとサポートメンバーが待つランウェイステージ上でゴールし、会場も両手を左右に揺らし「サライ」を合唱。「HM! 走り(H)ましたー(M)!」とDAIGOが宣言すると、「RUN AND RUN」を合図に、彼らの本領であるロックバンド・モードへ。最後に新曲「YAIBA」からアッパーなタオル回しチューン「灼熱」へと続け、場内のヘドバン率が急上昇する熱いステージを見せつけた。

お次は、VAMPSのメンバーに選ばれたオーディエンスだけが出演アーティストと同じステージに立てる自由参加型ファッションショー「HALLOWEEN COLLECTION」だ。過去17体分のHYDEの仮装コスをした17名グループ、3才のHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAバージョンのHYDEなど、ハイクオリティなオーディエンスの姿に混じり、なんと、テトリスのブロックに扮したバンド、カメレオ(本人)の姿も。会場のテンションが一気に上がったところで、HYDEプロデュースによる小学生ユニット、HALLOWEEN DOLLS がキュートなカヴァー版「HALLOWEEN PARTY」を披露。

最後に、映画『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の子鬼3人組の紅一点ショックに扮したYUKI(DUSTAR-3, Rayflower)、毎日違ったテーマの仮装で楽しませてくれる分島花音(最終日は「POISON COOKING of The strange treat!」と名付けられたコックさん姿)、白いチェブラーシカと化したShinya(DIR EN GREY)、オシャレなゲゲゲの鬼太郎姿の逹瑯(MUCC)やTommy heavenly6、幕張3days初日にも出演したMY FIRST STORYのHiroがドラキュラ姿で登場。確か最初は仮装は苦手と言っていたHiroだが、どうやらHALLOWEEN PARTYの魔力が彼の価値観を変えてしまったようす。

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メンバーの相沢梨紗がデザインした6人6様のカラフルなミニドレスのゾンビ姿で、ハロウィンにぴったりな「永久ゾンビーナ」を最初に披露したのは、今回がHALLOWEEN PARTY初登場となるでんぱ組.inc。「普段ハロウィンは家にいがちなんですけど、こんな素敵なイベントに引っ張り出して頂きありがとうございます」とコメントし、イメージ映像をスクリーンに映しながら、ゲーム音楽風サウンドが印象的なチップチューン「Future Diver」など、アッパーなポップナンバーを連発。キュートなキャンディ・ボイスとダンスをたっぷりと披露し、会場のモンスターたちを大いに盛り上げる。

「THE ROAD TO HALLOWEEN PARTY 2015」の予選を勝ち抜き、2位を獲得してHALLOWEEN PARTY出場権を獲得したネットアイドル、Booing!!!は、YURICAが1人でステージに立ち、根性の座ったパフォーマンスを披露。

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去年、LINEのスタンプに仮装し観客の度肝を抜いたゴールデンボンバー。今年はなんと、鬼龍院翔がベンチに座った状態の「店頭のアレ」ことマクドナルドのドナルド、歌広場淳が「コンタックの風邪薬のキャラクター」、喜矢武豊が人形ロボット「Pepperくん」、樽美酒研二が「2011年7月ぶりですね」と、黄色いレオタードの地デジカ姿という、予想の斜め上をいく仮装で登場。「ゴールデンボンバーの曲はいろいろややこしい振り付けがあります。出来なくても大丈夫です。僕らも今日ほとんど出来ません」と、ベンチに座った状態のキリショーが言う。だが最後に披露された「女々しくて」では、鬼龍院がベンチを、歌広場も頭部のカプセルを取り去り、全員で黄色いポンポンを持ってランウェイステージで歌うなど、お祭り気分炸裂の一幕を繰り広げた。

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かぼちゃのシャンデリアやこうもりのオブジェで彩られた、メインステージ上手に設置されたSPECIAL ACT STAGEに登場した最終日のスペシャルパフォーマーは、Silent Sirenだ。去年はアダムスファミリーの仮装で登場し、「誰だかわからない」とHYDEから指摘されたことから、今年は、「キラーラビット〜人喰い兎のサイレントナイト〜」と名付けられた全員が白うさぎ風のキュートなコスチュームでパフォーマンス。彼女たちらしい華やかなキャンディポップスを、元気いっぱいに披露してみせた。

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やまだひさしによる恒例のオーディエンスとの交流の後は、お待ちかねのVAMPSだ。ステージ上のクモの巣の扉が開くと、レーザーの光が激しく交差するそこには、映画『マッドマックス』のウォータンクを彷彿させるマッドで巨大な車に乗る口元をメタルマスクで覆ったK.A.ZとHYDEの姿が。女帝アウンティ・エンティティに扮したHYDEは金髪をなびかせ、太ももの上辺りまでの超ミニのシルバードレス、黒のホットパンツとメタリックなサイハイソックス&ロングブーツ姿で、いつも以上に力強い声で「EVIL」を歌う。『マッドマックス』最新作で火炎放射器付きのギターを弾くドーフ・ウォリアーに扮したK.A.Z、Ju-kenはモヒカンのウェズ・ジョーンズ、JINはイモータン・ジョー、ARIMATSUはマックスと、メンバー全員が歴代の『マッドマックス』のキャラクター姿だ。

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<Bang on, stomp everybody!>
「REVOLUTION Ⅱ」のサビをHYDEが叫ぶと、ランウェイステージに炎が上がり、ウォータンクがゆっくりと前へ進む。すると、頭上から4人のマッチョな男たちが急降下。ウォータンクの上からHYDEがバズーカのスモークで応戦し、タンクに固定されたK.A.Zのギターからもスモークが発射される。そのままウォータンクはフロートと化し、「THE JOLLY ROGER」を歌い鳴らしながらアリーナを進み、オーディエンスにバズーカを発射するHYDEとK.A.Z。

「全然萌えないのわかるよ。でもね、これしかなかったの」
ホットパンツとサイハイソックスの間から覗く太ももが妙に艶かしいHYDEが、今回自分たちが歴代の『マッドマックス』のキャラクターに仮装した理由を客席に説明する。「HALLOWEEN PARTY -JAZZ Ver.-」では冒頭のキーボードをJINが鳴らさず、「あれ? ピャ~ってやってください」とHYDEが何度も促すという、ハプニングか仕込みかわからない一幕も。「KYUKETSUーSATSUGAI VAMPS Verー」のイントロが轟くと、ステージにマッチョな男たちが現れ、HYDEを拉致して担ぎ出し、ランウェイ中央に設置された檻の中に閉じ込める。檻から顔を出して歌っていたHYDEだが、通路に炎が高く上がり曲が終わると、いつの間にか檻の中はもぬけの殻に。

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唖然としたままの観客を現実に引き戻すべく、5日間を締めくくるHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAの時間が始まる。ステージにはHJOのメンバーであるVAMPS、BREAKERZ 、軍服姿の明希(シド)、Tommy heavenly6 、逹瑯、分島花音に加え、YUKI、Hiro、Shinya、そして青木隆治、ゴールデンボンバー、でんぱ組.inc、Silent Siren、Booing!!!の姿も。マッドコンダクター、HYDEの気まぐれな指揮に惑わされてもギターソロを弾き続けるYUKIに、DAIGOが何度もバズーカのスモークを容赦なく浴びせる。青木隆治とHiroをひっかけようと奮闘するうち、どんどん前屈みになっていくHYDE。客席に向けたお尻を押さえ、スカートで隠す仕草に会場から大歓声が上がる。

レディー・ガガの「ポーカーフェイス」に合わせてanis(MONORAL)が登場しての「アフリカの子供たちのゲーム」では、anisが強制的にアウトにさせた喜矢武Pepperくんが、ランウェイ中央に登場したマネキンにはりぼてのマスクをつけたままキス。マイファスHiroがペナルティを受けると、「マイ・ファースト・キスにして」とanis。照れながらそっと口づけるHiroに、「今まででいちばんリアルだった」とanis。両手で顔を隠してステージに戻るHiroの後は、がんばって食い気味で太鼓を叩いたHYDEが犠牲に。マネキンに顎クイしてキスする金髪HYDEに、会場中から、「きゃーー!!!」という歓喜の悲鳴が。

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その後、100キロマラソンを走り終えた際に「抱きしめてください」とHYDEにツイートし、「抱いたる」とリプライをもらったもののまだ抱かれてないというDAIGOをHYDEがハグ。猛烈に嬉しそうなDAIGOの顔がスクリーンに映り、「やったー! 耳元でHYDEさんが“よくやった”って言ってくれた。走ってよかった~」と喜ぶDAIGO。彼とHYDEが各出演者に感想をたずねると、「年々洗練されていく」と逹瑯。「毎年ハロウィンから1年のスケジュールを決める。オファーが来なかったらガチで病むと思う」と明希が言うと、DAIGOが大きくうなづく。マイファスのHiroも、「僕の人生で史上最高に楽しいイベントでした。来年も出させてもらえるようがんばります」と宣言。「今日は何もやってないんで」と青木隆治が口マネで花火を上げ会場に華を添えると、思わずHYDEが、「寂しいね。これで終わるの」とつぶやき、「ハロロスしちゃいますね」とDAIGO。「みんなの力がないと開催出来ないんでよろしくお願いします。HSだね。ハロウィン(H)最高(S)!」というHYDEの言葉を合図に、ステージから降りて客席にお菓子を振りまくメンバーたち。最後にHYDEが会場に向かって叫ぶ。
「ハッピー・ハロウィン! また来年会おうぜ!」

神戸ワールド記念ホール、幕張メッセともに、今年も会場には日本で最もハイクオリティな仮装をほどこしたオーディエンスが日本全国、そして世界中からも多数集結した。会場には各アーティストのグッズ販売ブースはもちろん、会場に着いてから着替えられる更衣室やクローク、フリーエリアにはハロウィン特製のフードやプロカメラマンの撮影によるフォトブースやフリー撮影エリア、VAMPSのオリジナルロゴなどがペイントしてもらえるボディペインティング、VAMPSとのコラボによるカプコン初のアーケイド本格音楽ゲーム「crossbeats REV」の体験コーナーなどの各種アトラクションも充実。VAMPSならではのハロウィン世界を存分に堪能出来るHALLOWEEN PARTYは、観客はもちろん、出演者にもまた出たいと思わせる本気の音楽祭だ。来年もまたこの楽しさが体感できるよう、5日間の最後を締めくくったHYDEの言葉が実現することを祈ってやまない。

◆セットリスト◆
【Tommy heavenly6】(オープニングパフォーマー)
01. Tommy’s Halloween Fairy Tale Medley

【BREAKERZ】
01. RUN AND RUN
02. WE GO
03. YAIBA
04. 灼熱

【HALLOWEEN DOLLS】(HALLOWEEN COLLECTION)
01. HALLOWEEN PARTY

【でんぱ組.inc】
01. 永久ゾンビーナ
02. ちゅるりちゅるりら
03. Future Diver
04. イツカハルカカナタ
05. でんでんぱっしょん

【Booing!!!】(YURICA)(THE ROAD TO HALLOWEEN PARTY 2015)
01. 世界でたった一人の君に
02. yourself
03. ユルネバ

【ゴールデンボンバー】
01. ローラの傷だらけ
02. 抱きしめてシュヴァルツ
03. 死 ん だ 妻 に 似 て い る
04. 毒グモ女
05. 女々しくて

【Silent Siren】(スペシャルパフォーマー)
01. LOST.W
02. DanceMusiQ
03. ぐるぐるワンダーランド

【VAMPS】
01. EVIL
02. REVOLUTION Ⅱ
03. THE JOLLY ROGER
04. HALLOWEEN PARTY –JAZZ Ver.-
05. AHEAD
06. ANGEL TRIP
07. TROUBLE
08. KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver-

【HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA】
01. Penalty Waltz
02. Rhythm Game
03. HALLOWEEN PARTY

【HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA】
VAMPS / BREAKERZ / ゴールデンボンバー/でんぱ組.inc / Silent Siren / 青木隆治 / 明希(シド) / anis(MONORAL) / Shinya (DIR EN GREY) / 逹瑯(MUCC) / Tommy heavenly6 / Hiro (MY FIRST STORY) / YUKI(DUSTAR-3, Rayflower) / 分島花音

 

(文・早川加奈子/写真・今元秀明、緒車寿一、田中和子)