ライブレポート

2011.4.29
人格ラヂオ@渋谷C.C.Lemonホール
LEMON RADIO THEATER 振替公演

 

 

4年。これだけの月日が流れると、大きく変わるものがあればそうでないものもある。人格ラヂオの久々のワンマンツアーのラストを飾るステージとして選ばれたのは、4年前と同じ渋谷C.C.Lemonホール。同じタイトル「LEMON RADIO THEATER」を冠して臨む彼らにこのライヴにかける思いが感じられる。

 

恒例のSEが鳴り響き、白く薄い幕がゆっくりと天幕をかたどりながらあがっていと天幕、シャンデリア、両端に置かれた木とシンプルなステージが姿を現す。すでにステージ上にいた彼らが深々とお辞儀。

 

そしてアルバム『一秒』の1曲目でもある「儚くも美しく流れる景色」でゆっくりと動き出すラヂオの時間。一瞬にして引き込まれるその歌声に会場はしっとりとした空気に包まれた。

 

そして一転して「ただいま」や、会場の熱が一気にあがった「お人形さん」「太陽」と続く。途中まさかのEX●LEを思わせるあの動きを見せたりしつつ、メンバーも本当に楽しそうだ。

「ようやく『ただいま』と言える気がします」
開口一番、悠希らしく毒舌から始まったMCではあったものの、この一言に本当の思いが含まれているのは間違いない。

 

ホール内を沸かせたその勢いのままダンサーとともに踊る「猫飯」でさらにテンションを上げ、序盤で見せた顔とはまた違った一面を見せる。そして那オキ、ジョン、神による楽器隊JAMを挟み流れるように「空蝉」へ。このジャジーなナンバーでまた違うアダルトな雰囲気に。

 

「玩具箱テディベア」では悠希がピアノ、那オキはアップライトベース、ジョンがタンバリンに持ち替え、この可愛い楽曲を表現。優しい音が耳に心地よく伝わってくる。

 

「重力」「食」を終えたあと、「いやぁ、気持ちいいね」と悠希。ジョンへの突然の無茶ぶりがあったりと会場を沸かせる。その直後に披露された「飼育箱」に音楽とMCとのギャップもまた魅力だな、と再確認してしまう。

 

那オキの激しいプレイで始まった「溺愛」ではこの日一番の激しいディープな瞬間。体全体を使って表現し歌い上げる悠希と、すっとした佇まいでクールに弾きつつも時折激しいプレイで聴かせる那オキ、そして半ラヂオが作り出す次々と変化するサウンドで魅了していく。

 

本編のラストは再び悠希が弾き語りで披露した「深海のスープ」。優しく歌うその声に歌詞が全身に染み渡るよう。彼らの楽曲はじっくりと堪能したいものばかりだから、今回のようなホールでこそ魅力の増すバンドであるように思えた。

 

アンコール1曲目は「バンギャル症候群」を観客全員で完璧に踊って最高に楽しい時間に創り上げ、この日を締めくくるのは、美しいメロディーが際立つ「額縁」。サウンドを紡いでいくこの曲をじっと受け止めている観客のなかには涙する人も見受けられ、しっかりと人格ラヂオの楽曲が届いているのを肌で感じることができた。

 

久々のC.C.Lemonホールでのライヴは あっという間の2時間半だった。彼らがこの日見せてくれたものは、彼らの音楽は変わらず心に直接訴えかけてくるような音楽。彼らの音楽は新しいものを取り込れながら進化し続けるが、それが本当に心を揺さぶるほどの素晴らしい音楽を生み出し続けることに変わりは無い。それを確信できる時間だった。この日のライヴは、この会場にいた全ての人の心に残り続けるだろう。

 

 

◆セットリスト◆

01.儚くも美しく流れる景色
02.ただいま
03.お人形さん
04.太陽
05.猫飯
06.窮鼠猫を噛む
07.空蝉
08.サクラ
09.神経衰弱
10.姥捨て山
11.玩具箱テディベア
12.重力
13.食
14.飼育箱
15.火曜日の焼却炉
16.溺愛
17.崩壊した街支配されない場所
18.深海のスープ
EN1.バンギャル症候群
EN2.額縁