Plastic Treeの最新作『doorAdore』が完成。
明かりのつくドアを探そう。新たな扉の先に見えるものとは――。
デビュー20周年を迎えた2017年、シングル2作を発表し、パシフィコ横浜での二十周年“樹念”特別公演、さらにバンド初のトリビュートアルバムのリリースも実現したPlastic Tree。そんな一つの節目を経て、約2年2ヵ月ぶりとなるニューアルバム『doorAdore』が遂に完成した。解禁時に多くの反響を呼んだ“初めて尽くし”のヴィジュアルも含め、王道と新しさが同居するジャンルレスかつアーティスティックな最新作について、全員揃っての登場は久々となるPlastic Treeの4人に話を聞いた。
◆3人の人間をまた深く知れた(佐藤ケンケン)
――2017年を振り返って、どんな1年でしたか? 下半期はなかなか怒涛の活動だった印象があります。
長谷川正(以下、正):パシフィコ横浜での二十周年“樹念”特別公演、主催イベント「虚を捨てよ、町へ出よう 弍」や、秋ツアーもありましたからね。そんな中、トリビュートアルバム『Plastic Tree Tribute~Transparent Branches~』が出たり。去年1年を通して、過去の自分たちを振り返る時間を持てたというのが、すごく良かったと思います。しかも、パシフィコでのライブのように、振り返るだけではなく、その時の自分たちにもう一度会いに行ってみるみたいな感覚もあったし、非常に実のある1年でしたね。
佐藤ケンケン(以下、ケンケン):活動に関しては、そこまで詰まっているという感覚はなかったんですよね。スケジュールを見返してみると、実際忙しかったんですけど。振り返り企画が多かったから、バンドを見つめ直せたし、3人の人間をまた深く知れたかなと思います。パシフィコの1日2公演は体力的に大変でしたけど、ありがたかったし、やれて良かったなと思います。
有村竜太朗(以下、竜太朗):かなり内容が濃い1年だったなぁと思います。個人にとってもバンドにおいても、よく出来たなぁと。自分を褒めるわけじゃないですけど、とにかくすごい1年だったなという一言に尽きます。でも実りのある1年で。嵐のような1年でもあったけど…嵐が去った後の晴れ晴れとした気持ちです(笑)。今回の『doorAdore』の制作が、去年最後の一番の大仕事というか。まぁ年は跨いだんですけどね。
――年末頃が今作のレコーディングの一番の追い込み時期でしたよね。
竜太朗:年末…だったよね?
正:うん。
竜太朗:もういろんなことがごっちゃになっているんですよ(笑)。年末公演のリハもやっていて、行くスタジオも結構同じだったりするので、あれはリハかレコーディングか、どっちだったかなみたいな(笑)。
――なるほど(笑)。アキラさんはいかがでしたか。
ナカヤマアキラ(以下、アキラ):非常に充実した1年でした。皆さんに周年を祝っていただけましたし、トリビュートというものを初めてやっていただけたので、20周年を気持ちよく過ごさせていただけました。
――トリビュートアルバムは本当に素敵な作品でしたね。
アキラ:参加していただいたアーティストさんに純粋に感謝ですよね。ただただ嬉しい。そもそも、あの企画が実現できたことがすごいなーと。
――ところで、今回のヴィジュアルは1月30日の解禁時点でとても話題になりました。プラとしては意外なこと尽くしだなと。まずは屋外ということが、かなり珍しいですよね。
竜太朗:撮影が億劫という意味でも、あんまりないですね(笑)。しかも、確実にこのイメージというものがない限りは行かないですから。
正:『ammonite』(2011年4月発売のアルバム)以来ですかね。
――大分久々ですね。そして、白の印象が強いことと、竜太朗さんのゴシックな雰囲気の衣装も新鮮でした。
竜太朗:これは砂丘で撮ったんですよね。この日、俺はメイク順が1番だったので、寝られなかったです。
ケンケン:赤外線写真だから、早朝に撮影しないといけないんですよね。
スタッフ:11月で陽が落ちるのも早いということで、朝6~7時から撮影だったので、まぁ…寝られないですよね。
竜太朗:メイクが午前2時頃からで(笑)。
正:本当に軽く寝るくらいでした。
竜太朗:もう俺はいいや、寝ないで行くと。そのほうが体調がいいんじゃないかと(笑)。
――なかなかハードだったんですね。
竜太朗:ホテルに着いてニュースを見ていたら、もうメイクの時間でした(笑)。でも、そういう大変な感じにはなるだろうけど、撮ってもらいたい写真があったので、やるしかなかったですね。赤外線のものと、そうじゃないものがあって、ブックレットの中の写真はほとんど赤外線ではないんですよ。ちなみに、実はこの衣装は黒なんです。
――赤外線なので、実際の色は何なのか気になっていました。
竜太朗:全員、真っ黒です。真っ黒が真っ白に写っているこの写真が良いと思ってもらえたので、これがアー写になりました。そういえば、アー写で楽器を持っているのも珍しいです。
正:初めてかも。
竜太朗:初めて尽くしですね。これだけメンバー同士が距離を取っているのも初めてです(笑)。
――ケンケンさんが遠い…(笑)。
ケンケン:最早、誰でもいいみたいな(笑)。
竜太朗:誰でもいいレベルですけど、絶対に誰でもいいわけじゃないアー写です(笑)。
◆深刻な雰囲気ではあるけど、若干のユーモアを含めたい(長谷川正)
――アルバムについて伺っていきたいと思います。プラの制作は、純粋に今やりたいものを形にするというのが基本だと思いますが、今回、作品としてのテーマはありましたか?
正:具体的なテーマやコンセプトはなかったですね。ただ、既に出ているシングルが3枚あって、それありきでアルバムを作るなら、どんな曲があったらいいかなというザックリとした話し合いはしました。
――今作はこれまでよりもさらに楽曲の振り幅が大きいなと感じました。昨年、過去を振り返る機会が多かったことが、今作の制作に活かされた部分はありますか?
正:個人的にはありましたね。やっぱりここまで自分たちの音楽を愛してくれている人たちがいるというのがわかったので、引き続き皆に「いいね」と言ってもらえるような曲を作っていきたいなと、モチベーションが高まりました。
アキラ:多分、何かしらあるでしょう、人間ですから(笑)。嬉しい出来事ばかりでしたし、20周年で色々な人が関わってくれたことで、気持ちの上での心機一転というか、「こんなにも俺たちを慕ってくれている人たちがいた。頑張ろう!」と思えただけでも、要素として十分ですし。過去を振り返るというポイントに関して言えば、俺たち、結構しょっちゅうそういうことをやっているんですよね。なので「今回は特にすげー影響がありました!」くらい大きなものはないかな(笑)。
――なるほど(笑)。モチベーションが上がったということが主な要素ですね。
アキラ:主催イベントの時に皆で打ち上げで話をしましたけど、そういう機会ってあんまりないですからね。嬉しい出来事でしたよ。だから、気持ちの上での影響というのはありますよね。
――次は25周年、30周年に向かって…。
アキラ:ここから先は健康との戦いだから(笑)。
竜太朗:本当に(笑)。
――(笑)。今回も作品タイトルが秀逸です。『doorAdore』は楽曲タイトルにはないワードですが、どのようなところから生まれた言葉なのでしょうか?
竜太朗:シングルや、その年のバンド活動から、段々アルバム作りという一番大きな作品作りに向かうんですけど、今の自分たちを一言で表したら何かなという、ぼんやりしたものから始まっていて。何だかわからないけど「door」という言葉が自分の中にあって、それを追及したというか…。一つ象徴的なものが出てきたら、あとはそこから言葉で遊ぶ、デザインするみたいな感じでしたね。自分が思っているドアって、1枚のイメージなのかな? いや、色々なものがあるよな…と。「door door door…」とたくさん書いてみたり、PCで打ってみたり、ドアについて調べてみたりしました。で、結果的に『doorAdore』って良いなと。ほぼデザインに近い感じでしたね。
――「Adore」という言葉は、後から見つけ出したという感じですか。
竜太朗:そうですね。スマッシング・パンプキンズの『Adore』(1998年発売)というアルバムがすごく好きでもあるんですけど、「Adore」という言葉自体が良いなと思いました。じゃあくっ付けちゃおうかなと。「Adore」の崇拝という意味合いよりは、本当に語感で「door」に引っ掛けたイメージですね。
――今作中の新曲は、二人称で別れを描いているものが多いなと思いました。作詞者はバラバラなので、偶然こうなったのでしょうか。
正:歌詞の内容は擦り合わせたりしていないので、偶然でしょうね。
――アキラさんは恋愛をモチーフにした歌詞はあまりないですよね。
アキラ:ほぼない…。歌詞を書こうという時に、たまたま恋愛を題材にしたものが思い浮かばないんじゃないかな。多分それだけだと思う。特に毛嫌いして書かないようにしているとか、苦手とかではないです(笑)。今度書きましょうか?
――アキラさんが書く恋愛ソング、聴いてみたいです!
アキラ:書きやすい、書きにくいとかはわからないですけど、いつかは書くんじゃないですかね(笑)。
――正さん作詞作曲の「恋は灰色」はライブ映えしそうなロックナンバーですね。ベースも効いていて、ギターソロもカッコいいです。
正:カッコよさが皆さんに伝わるのであれば、それが一番嬉しいですね。
――タイトルだけを見ると、ミディアムナンバーかなという印象も受けますが、全然違うというところがまたポイントでもあるなと。
正:そうですね。そういうギャップも含めて、ちょっとクスッとするような要素は入れたいなと思って。深刻な雰囲気ではあるんですけど、若干のユーモアを含めたいなと思いました。
――竜太朗さん作詞、アキラさん作曲の「エクジスタンシアリスム」は、イントロのギターとベースのアンサンブルが特徴的です。そして、「恋は灰色」「エクジスタンシアリスム」という曲順はライブでもこの曲順で続けて聴きたいなと思いました。
アキラ:1~3、続けましょう! 多分ね(笑)。
竜太朗:曲順に関しては最初と最後だけイメージしていましたけど、基本的には正くんが考えたよね?
正:うん。2~3パターン考えて、「はて、どれにしようかねぇ」という感じで。
竜太朗:メールのやり取りで決めた気がします。でも、ほぼ流れは同じでしたね。
正:やっぱり曲を並べていくと、この曲はここが居心地が良さそうだなというのが、何となくあるんですよ。その感覚に則って、決めましたね。
竜太朗:これの隣にはこれがいてほしいとか、そんな感じ。今回、あまり遊びのノリで作りましたみたいなものがなかったので、1曲1曲が独立しているというか、曲順も自ずと正解があった気がしますね。
◆作品の全体像として、ただただ必要だった(有村竜太朗)
――ライブでの飛び道具になりそうなのが、アキラさん作詞作曲の「scenario」です。めちゃくちゃギター推しの、とてもアキラさんらしい楽曲ですね。
アキラ:まさにライブ用です(笑)。いくらかギターの音量は大きいけど、普通に楽曲としてエキサイティングな気持ちになれるような仕上がりを目指して作っていました。本当にギターを大きくしちゃうと、雑音っぽく捉えられてつまんなくなっちゃうので、そこはバランスを調整しました。
――英語の1ワードのタイトルというのが、アキラさんにしてはとてもシンプルだなと。
アキラ:パッと見て、読めた? 片仮名と英語で、パッと見て読みにくいほうにしようと思って、英語にしたんだよね。確かに1ワードだねぇ。
――「サーチ アンド デストロイ」はとてもアキラさんっぽいです(笑)。
アキラ:さっきTwitterを見ていたら、巷ではこれでもかというくらい激しい曲を想像されているみたいです。
全員:(笑)
アキラ:「scenario」みたいな曲調のものじゃないかと思われているみたいで。
竜太朗:「デストロイ」ですからね。
正:メタリカみたいな曲が来るんじゃないかと(笑)。
――この楽曲はとても不思議な曲だなと。作曲者のケンケンさんは、どこから作り出したのでしょうか?
ケンケン:歌は後々入れようとは思ったんですけど、最初はインストみたいな作り方をしました。面白そうなドラムが浮かんだので、そこからでしたね。
――ギターのフレーズもデモ段階で決まっていたのでしょうか?
ケンケン:俺が出来る範囲でのアルペジオとかは入れて持って行って「お願いします!」と再構築してもらいました。期待通りじゃなく、期待を超えるものになって良かったです。でも、やっぱりこのタイトルだと激しい曲だと思いますよね(笑)。
――(笑)。デモの段階で、全体像はこういう雰囲気だったんですか?
ケンケン:そうですね。原型はこの感じです。歌も何というか…ソロソロ歌うイメージでした。
――ソロソロ(笑)。何となくわかります。物語を話しているような空気感ですよね。
ケンケン:そうそう。そういう風に仕上げてくれて良かったです。
――この楽曲は歌詞とタイトルどちらを先に決めたんですか?
アキラ:歌詞を書いて2番の半分までいって、タイトルを決めて、また続きを書きました。昨日今日と取材を受けているんですけど、皆さんこのタイトルを拾ってくれるんですよ。それだけでもこのタイトルにして良かったなと(笑)。
ケンケン:確かに(笑)。
アキラ:曲調に合わせた柔らかいタイトルを付けていたら、誰も拾ってくれなかったんだろうなと思います。別に賑やかしのために書いたわけじゃないんですけど、「デストロイ」にはそれだけの力があるんでしょうかね(笑)。
――そうなんでしょうね(笑)。歌詞にある〈最果ての場所〉は一体どういう場所なんでしょう?
アキラ:具体的に聞くね(笑)。冒頭の4行で結末は出ているんだよね。ここからは聴いてくれた人に託して、すったもんだしてもらえれば(笑)。
――「いろつき」は可愛らしい曲ですが、歌詞は切ないです。ケンケンさんの作詞ですが、漢字と平仮名の使い方にかなりこだわっていますよね。
ケンケン:そうですね。何でしょうね(笑)。いやぁ…大変でした。
――歌詞制作は慣れましたか?
ケンケン:ヤバかったです。寝られなかったです。慣れないですねぇ…。この曲は竜太朗さん作曲だから、いつもより歌詞を相談しましたね。
竜太朗:自分の曲なので、メロディーと歌詞のルールみたいなものがあって、こことここは母音と子音が合うようにとか、ここは繰り返しか韻を踏むようにとか、先に伝えておきましたね。でもこの曲は何が正解か、自分の中でもわからなくなっちゃった曲なので、今思えばそれが合っていたのかどうかもわからないですけど、その時に思っていたことは伝えました。書く人それぞれが正解なので、最終的にはお任せしましたね。
――この楽曲は7分15秒もあります。
竜太朗:本当ですか。ウケる(笑)。
ケンケン:わー、そうか! フェードアウトがあるからか!
――そうですね、アウトロが約2分あります。
竜太朗:なるほど。レコーディングという場を使って遊ばせてもらった曲です。多分、エディットしたやつを入れると、8分いきますね(笑)。
――アウトロで一度フェードアウトして行きつつ、また戻って来るというのはどなたの案だったんですか?
竜太朗:一応、俺ですね。でも、これもどれが正解かわからないから、戻してみてもいいんじゃないかなというくらいでした。正くんもそれに賛成してくれて。
ケンケン:これ、マスタリングの時にやりましたっけ?
正:うん。でも、ミックスの時には決めてたね。
ケンケン:完成する直前で最後の作業をやった感じでしたね。
竜太朗:「フェードアウトしかないでしょ」って誰かが言ったんですよね。で、その体で録ったんですけど、普通にフェードアウトしてもつまんないなぁ、戻しちゃおうかということでこうなりました。
――これはライブではどうなるんでしょう?
竜太朗:まだ考えてないです(笑)。3分くらい巻くのかもしれないですね。
――結果どうなるのか楽しみです。「ノクターン」は聴かせる、いわゆる良い曲系の、プラの王道っぽい曲ですね。
竜太朗:俺は今作で2曲作って、「いろつき」は自分でもどうしたらいいかわからない状態で持ち込んで、出来たものが面白かったから結果良かったなという感じなんですけど、「ノクターン」は自分が今までやってきたプラの中での王道パターンを作ったので、おっしゃる通りですね。
――「静かの海」は『サイレントノイズ』(2016年8月発売シングル)に収録されていましたが、アルバムにc/w曲が入るのは珍しいですよね。しかもラストという重要な位置でもあります。
竜太朗:「静かの海」はあまりc/wのイメージがなくて、あの時はタイアップのゲームの企画×Plastic Treeというものだったので、3曲とも表題と言えば表題という感じで、「サイレントノイズ」がオープニング曲になったので、一応それが表題になったというくらいだったんですよね。そういった俺の勝手な意識もあっただろうし、今のプラではなかなか出来ない曲で、『サイレントノイズ』から『doorAdore』まで繋がっている中で、どうしても必要だなと思って。今回、写真も結構意見を言わせてもらったんですけど、イメージ的にそこにも繋がっているものだったので、作品の全体像として、ただただ必要だったという感覚なんですよね。
◆気持ちの余裕を作り出すということ(ナカヤマアキラ)
――前アルバム『剥製』の際に、「ハシエンダ」でのエピソードで「ギタリストが好き勝手にやると面白い効果を生むんだなと、こういうの忘れてたわと思って」とアキラさんが言っていましが、今回そういう出来事はありましたか?
アキラ:いっぱいあった。そういうことばっかりやってた(笑)。余力があると、遊びに走るんだよね。でもそういうのって大切だなと思って。いろんなことに対して余裕を持ってアレンジ作業をしていたので、そういう時はやっぱり色々やり出すんだよね。
――余裕があったというのは、素晴らしいですね。
アキラ:実質的な時間の余裕ではなくて、気持ちの余裕を作り出すということね。
――なるほど。ケンケンさんは『剥製』の時にタンバリンとシェイカーを自宅で録って楽しかったというお話がありましたが、今回何かちょっと変わったことや新たに試したことはありますか?
ケンケン:そういう振りものは今回もあったし、んー、何だろな…。ドラムの録りの時は逆に余裕がなかったですね。楽しかったんですけど、すごく大変でした(笑)。チューニングや音色に関しては、毎回チャレンジというか色々試しながらやっていますね。そこはずっと変わらずなんでしょうけど。
――ではここで、シングル曲以外でお気に入りを1曲挙げてください。
竜太朗:今日の気分でいいですか?
――では今日現在のお気に入りということで。
竜太朗:「恋は灰色」ですかね。どれも本当に好きなんですけど、単純にオススメという感じです。このアルバムの色々な要素が1曲にバランス良く集約されていると思うので。ギリギリまで曲の完成を考えるアイディア出しや、各プレイヤーのバランス、攻めているところ、元々あるプラらしさとか全て含めて、一番バランス良く配合されている曲だと思うので、オススメします。
ケンケン:俺は「scenario」ですね。ライブではガテン系の曲になるので、そういうプレイヤーとしての楽しみがありますね。
アキラ:こういうことを聞かれたら、これから「念力」って答えようと思っていて。
――シングルは除いてください(笑)!
アキラ:と思うでしょ? でも、シングルをそのまま収録しているわけじゃないですからね。だからわざとこれを挙げたい。シングルの3曲ともいじっているんだけど、特に「念力」に関しては、シングルの時はすごくギターのバランスを下げて混ぜていたのを、今回はよりよく聴こえるようにしました。曲の印象は据え置きで、買った人が楽しめる要素として、ちょこっと足した感じかな。
――確かに、こんなに音が立っていたかなと思いました。
アキラ:だから、シングルはダメって言われたけど、これも含めてですよ。シングル曲だって、ちゃんとアルバム仕様にしていますよ、忘れないで!っていう(笑)。
正:悩んだんですけど、「遠国」ですかね。1曲目というのもあるし、こういう曲はプラにしか作れないだろうなという感じもあるし。単純に、仕上がりもすごく良いです。
――さて、3月10日からは全19公演に渡る春ツアーが始まります。
竜太朗:まだ、素直にこんなすごいアルバムが出来たねという、作り手の実感に浸っているだけなんですけど、良い意味でライブが想像できないくらいの作品になったなと。期待値がすごく高いツアーになりそうです。多分、これからのPlastic Treeを見せられるようなツアーになるし、そういう作品なので、今まで来てくれた方も、この作品を聴いてプラを知った方も、遠慮せずにぜひ新しいドアを開きに来てください。皆さん、一つどうかよろしくお願いします。
アキラ、正、ケンケン:総意です!
(文・金多賀歩美)
Plastic Tree
<プロフィール>
有村竜太朗(Vo)、長谷川正(B)、ナカヤマアキラ(G)、佐藤ケンケン(Dr)によるロックバンド。1997年6月にメジャーデビュー。デビュー15周年の2012年、4度目の日本武道館公演を成功に収める。2015年には男子限定ライブや主催公演など自身初となる試みも行い、2016年秋ツアーでは東京国際フォーラムホールAでファイナルを迎えた。2017年、デビュー20周年“樹念”シングル2作を発表し、パシフィコ横浜にて二十周年“樹念”特別公演を開催。バンド初のトリビュートアルバムのリリースも実現した。2018年3月より、ニューアルバム『doorAdore』を引っ提げた全国ツアーを開催。7月にはパシフィコ横浜にて“全14アルバムリクエスト”公演を行うことが決定している。
■オフィシャルサイト
http://www.plastic-tree.com/
【リリース情報】
『doorAdore』
2018年3月7日(水)発売
(ビクターエンタテインメント)
【収録曲】
[CD](※共通)
01. 遠国
02. 恋は灰色
03. エクジスタンシアリスム
04. 雨中遊泳
05. サイレントノイズ
06. サーチ アンド デストロイ
07. 残映
08. いろつき
09. 念力
10. scenario
11. ノクターン
12. 静かの海
[完全生産限定盤A:DVD]
メジャーデビュー二十周年“樹念”特別公演 於 パシフィコ横浜 第一幕【Plastic】things/1997–2006
・Intro
・May Day
・リセット
・絶望の丘
・幻燈機械
・「ぬけがら」
・本当の嘘
・monophobia
・クリーム
・3月5日。
・サーカス
・理科室
・グライダー
・ガーベラ
・散リユク僕ラ
・蒼い鳥
[完全生産限定盤B:DVD]
メジャーデビュー二十周年“樹念”特別公演 於 パシフィコ横浜 第二幕【Tree】songs/2007–2016
・眠れる森
・不純物
・エレジー
・スピカ
・ザザ降り、ザザ鳴り。
・無人駅
・オレンジ
・Sabbath
・egg
・涙腺回路
・黒い傘
・アンドロメタモルフォーゼ
・うつせみ
・メルト
・真っ赤な糸
・リプレイ
・記憶行き
【ライブ情報】
●Plastic Tree Spring Tour 2018「doorAdore」
3月10日(土)新潟 NIIGATA LOTS
3月11日(日)長野 NAGANO CLUB JUNKBOX
3月17日(土)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
3月18日(日)大阪 BIG CAT
3月21日(水・祝)名古屋 ボトムライン
3月24日(土)川崎 CLUB CITTA’
3月29日(木)神戸 VARIT.
3月31日(土)長崎 DRUM Be-7
4月1日(日)福岡 DRUM LOGOS
4月7日(土)横浜 Bay Hall
4月8日(日)高崎 CLUB FLEEZ
4月14日(土)広島 クラブクアトロ
4月15日(日)京都 FAN J
4月21日(土)宇都宮 HEAVEN’S ROCK UTUNOMIYA VJ-2
4月22日(日)埼玉 HEAVEN’S ROCK SHINTOSHIN VJ-3
4月28日(土)水戸 mitoLIGHT HOUSE
4月29日(日)仙台 Rensa
5月1日(火)札幌 ペニーレーン24
5月9日(水)東京 中野サンプラザ
●Plastic Treeパシフィコ横浜国立大ホール“全14アルバムリクエスト”公演2018
第一幕【Plastic】things/1997–2006
7月7日(土)パシフィコ横浜
[開場/開演]13:30/14:00
第二幕【Tree】songs/2007–2018
7月7日(土)パシフィコ横浜
[開場/開演]17:30/18:00
リクエストURL:http://www.jrock.jp/various/request/
リクエスト期間:2月10日(土)~5月9日(水)23:59