2022.06.20
Luv PARADE主催「DEVIL’S PARTY 2022」@Spotify O-EAST

Luv PARADE

今年4月1日、ex.D’ESPAIRSRAYのメンバーであるKaryu(G)、ZERO(B)、TSUKASA(Dr)にゲストヴォーカルを迎えた編成で構成されるLuv PARADEの再始動が発表された。Luv PARADEは2009年のD’ESPAIRSRAYのツアー中に本格的に誕生したセッションバンドであり、2011年、D’ESPAIRSRAY解散発表後、HIZUMI(Vo)の喉の不調により解散ライブが行えない状況の中、サポートとしてTAKA(defspiral)がヴォーカルを務め、イベント出演を実現させた。その後、KaryuはAngelo、ZEROとTSUKASAはTHE MICRO HEAD 4N’Sで精力的に活動を続けてきたわけだが、今年1月をもってAngeloが無期限活動休止となり、Karyuのその後の動向が注目されている中で、このたびのLuv PARADE再始動と相成った。

かくして6月20日、遂にLuv PARADE再始動後初のステージとなる主催イベント「DEVIL’S PARTY 2022」がSpotify O-EASTで行われた。情報解禁時のニュース文言にも「ある意味ディスパ祭」とあったように、出演アーティストは、THE MICRO HEAD 4N’Sから生まれた新プロジェクトOFIAM(+TSUKASA)、Karyu Session BAND、そして今回もLuv PARADEのゲストヴォーカルを務めるTAKA率いるdefspiral、主催者を含めた4組というラインナップ。つまり、Karyu、ZERO、TSUKASA、TAKAは、それぞれ2ステージの登場となる。

OFIAM

トップバッターを務めたのは、昨年始動したOFIAM(+TSUKASA)。ギタリストkazuya、SHUN.、ベーシストZEROによるヴォーカルレスのプロジェクトながら全員がVoiceという肩書きを併せ持ち、新たなスタイルを構築している。悲痛さと混沌とした空気を放つ、OFIAMの始まりの曲でもある「棘」でスタートを切り、〈REWRITE〉のリフレインが耳に残る「罰」、ヴォーカルチョップとSHUN.のギターが主役の「斑」と立て続けにプレイ。「僕たちにしかできない音楽を届けられたらと思います」というSHUN.の言葉から、ライブでお馴染みのヘヴィーチューン「罪」、闇の中にいながらも光を見せてくれる「声」と続けた。

この後「KAMIKAZE」(D’ESPAIRSRAY)が披露されたのは特筆すべき点であり、そこでZEROから語られた言葉もファンには嬉しいものだったのではないだろうか。「この歌を歌ってもらいたいヤツは一人いるんですけど、今それは叶わない状況なので、形は違ってしまいますが俺たちが届けようと、この曲を持ってきました。ディスパが解散して11年。ずっと俺は解散ライブができなかったことが心の中に残っていて、少しでも皆に返したいなという気持ちで生きてきました。こんなディスパの匂いが少しするイベントを開催することによって、少しでも何か返せるのかなと思っています。俺たちが生きた証をここに残したいと思います」

ZEROがギターヴォーカルを務め、SHUN.がベースにパートチェンジしてプレイしたわけだが、これは「何でもあり」のプロジェクトだと日頃から公言している彼らだからこそ実現できたものに違いない。さらに、kazuyaが歌パートを担う最新シングルのポップチューン「時」、ZEROが英詞を歌うデジロックナンバー「創」をもって、OFIAMのステージは幕となった。なお、映像も駆使しながら表現していくのがOFIAMのスタイルゆえ、大型LEDビジョンが昨年導入されたO-EASTにおいて、その醍醐味が存分に発揮されていたことも付記しておきたい。D’ESPAIRSRAYの1/2がメンバーであるという事実を差し置いても、「実験的音楽による常識の破壊」をテーマに掲げているプロジェクトだけに、このイベントのトップバッターにふさわしいステージであった。

Karyu Session BAND

次なるステージはKaryu Session BANDが登場。Karyu、ryo(Vo)、横山和俊(Manipulator)というかなり珍しい編成のスリーピースだ。後のMCで横山から「サラッと1曲目に新曲をやっちゃいましたけど」という発言があったように、Karyuにとって2022年初の新曲となる「HUG」が幕開けを飾ったわけで、特に今の自身の状況を踏まえたうえで、最新の“Karyu”を提示したいという思いが根底にあったのではないかと推測する。ryoの咆哮とともにスタートを切り、横山がドラムパッドを打ち鳴らすという斬新なパフォーマンスが初っ端から繰り広げられたのだった。

続いて、横山が手掛けたD’ESPAIRSRAYのSEにKaryuがギターアレンジを加え、ryoが詞とメロディーを乗せた「熾-OKI-」、さらに「Marry of the blood」(D’ESPAIRSRAY)を横山がリミックスし、Karyuがギターアレンジを加えたナンバーを続けて披露。こと「Marry of the blood」においては、音と空間を自由自在に操るKaryuとryoのステージングが、ある種の演劇を観ているかのような世界観だった。

「2月にKaryu君から『めっちゃやりたいことがあるんですよ』と言われて、その時は出られなかったので、今日リベンジしに来ました」とryo。そして、Karyuからは「HUG」について、「やっぱり音楽をやりたい、ライブをやりたいという気持ちが、そのまま曲になったと思うので、長く愛される曲になればいいなと思っています」という発言も。ここから披露されたのは、本来2月にやろうと思っていたという「Flash dancers」。ryoと横山によるユニットTAGの楽曲をKaryuが編曲したもので、この日のセットリストの中では最もキャッチーと言えるものだったが、ラストナンバーには再び「HUG」がイントロロングver.で届けられたのだった。

Karyu Session BANDのステージは、どこまでもマニアックな音世界が繰り広げられたわけだが、終演後のKaryuに話を聞いたところ、今回のテーマは何と「キャッチー」とのこと。「ちょっと何を言っているかわからない」と言いたくなるところでもあるが(良い意味で)、この3人をよく知る方々なら、彼らの「キャッチー」の基準がどんなものであるか、理解していただけるだろう。「初ライブとは思えないクオリティーで、自分も自信を持ってやれるので、この先も続いたらいいなと思っています」とKaryuが話したように、今後の動向にも注目したい。

defspiral

三番手の登場は、今年5月に和樹(Dr)が正式加入し、現4人体制となったdefspiral。D’ESPAIRSRAY、THE MICRO HEAD 4N’Sのメンバーとは旧知の仲であり、同じ時代を生き抜いてきた盟友だ。安定感抜群の大人ロックで魅せた「AURORA」から幕を開けると、「defspiralです。よろしくお願いします!」とTAKAが高らかに挨拶。「さぁ渋谷、騒いでいきましょうか。楽しんじゃえよ!」という言葉をきっかけに投入した「PULSE」ではフロント3人が前方へ繰り出し、フロアには満場の拳が上がった。

アウトロにTAKAの〈愛し合おう〉という低音ヴォイスのフェイクが響き、次なる楽曲へとつないだ場面は、さすがの一言。RYO(B)が「今夜はパーティーだぜ!」とオーディエンスを煽ると、怪しげな赤青の照明がステージを染め上げ、心地よいミドルテンポの「THANATOS」でアダルトかつダーティーなムードが場内を満たしたのだった。

「このイベントを発表した時は、僕たちdefspiralは3人でした。そんななか新メンバーを迎えて4人になりました。特殊なイベントということで、各バンド足りない部分を補い合ってやるイベントだよね、なんて発表当時話していましたけど…defspiral、揃っちゃいました」と、TAKAは笑みを見せた。

巨大な月が背面に映し出され、ミラーボールが輝いた「STARDUST」では、MASATO(G)が奏でるクリーントーンとTAKAの歌声の重なりが美しく、さらにその流れを汲むように宇宙を思わせる映像をバックに、重厚かつ壮大なバラードナンバー「HALO」が披露されたのだった。無論、それぞれキャリアを持つ個性的な面々が集結したイベントにおいて、このような選曲ができるのは、楽器陣の演奏力に加えてTAKAの圧倒的な歌唱力と支配力があってこそ。ラストにはダンサブルな「IRIS」でフロアを湧かせ、「ぜひツアーでお会いしましょう」と最後まで紳士的な振る舞いでステージを後にしたのだった。

Luv PARADE

イベントのトリは、いよいよ主催者であるLuv PARADE。もちろんメンバー全員が先ほどまでの姿とは異なる、Luv PARADE仕様のダークなヴィジュアルにチェンジしての登場だ。立て続けに披露されたカバー曲「Toxic」「Poker Face」「The Hand That Feeds」は、オリジナルを忘れるほどにLuv PARADE流のバンドアレンジが最強にカッコいい。

「このイベントは出演者みんな色々な繋がりがあって、色々な思いがあって、新たな何かが始まりそうな、生まれそうな予感がしております。このメンバーと一緒に演奏するのは11年ぶりとなりますけど、そんなことは関係なく最高の時間を過ごしています」とTAKA。ZEROは「初めてこういうイベントを開催しましたけど、11年間の蓄積されたエネルギーを発散させて爆発させて皆さんに帰っていただきたいと思います」と話し、TSUKASAは「いつもより声のトーンを落としてお届けしています。かなりダークな世界観だぜ~?」と一笑いさせてくれた後、「11年ぶりに3人で音を合わせつつ、TAKAさんの素敵なヴォーカルに合わさっていただき、めちゃくちゃ楽しいです! 久しぶりにこのセットを見るという人もいると思うんですけど、今日からますます感極まっていくぜという精神で頑張っていきまーす」と、相変わらずの調子で場を和ませた。

「ライブの気持ちよさをすごく感じていて、またこの4人でできることを有り難く思っています。まだ暴れますよ」とKaryu。そして、「俺たちが出会った頃の曲を」(TAKA)と、「BITE THE BULLET」(the Underneath)をプレイし、曲中にはセンターにフロント3人が集結するシーンも見られた。さらに、D’ESPAIRSRAYの2曲「DEVILS’ PARADE」「MIRROR」が続き、最後にはフロアにヘドバンの嵐が巻き起こったのだった。

アンコールでは「お前らの今日の“死に場所”はここだー!」というZEROの絶叫から、事前にアナウンスされていた通りスマホでの動画撮影OKとして、「DEATH POINT」(D’ESPAIRSRAY)をKaryu、ZERO、TSUKASAのみで披露。KaryuとZEROが背中合わせでプレイするなどマニア(※ファンの呼称)には堪らない瞬間の数々が。ラストは3人が向かい合った状態でのキメでフィニッシュを迎えた。

この日、発表になった通り、9月8日には再び同会場にて「DEVIL’S PARTY 2022 Vol.2」が開催されることが決定した。出演アーティストは、Luv PARADE(ゲストヴォーカル:TAKA)、Karyu Session BAND、そしてNUL.、GOTCHAROCKAというラインナップ。HIZUMI(ex.D’ESPAIRSRAY/Vo)率いるNUL.にはKOHTA(Angelo、ex.PIERROT)がサポート出演することも決定している。つまり、D’ESPAIRSRAY、Angelo、defspiralのメンバー同士の対バンも実現することになる。そして、このメンツの中ではある意味異色となるGOTCHAROCKAがどのような化学反応を生み出すのか。次回も刺激的な一夜になりそうだ。

◆セットリスト◆
【OFIAM】
01. 棘
02. 罰
03. 斑
04. 罪
05. 声
06. KAMIKAZE/D’ESPAIRSRAY
07. 時
08. 創

【Karyu Session BAND】
01. HUG
02. 熾-OKI-
03. Marry of the blood/D’ESPAIRSRAY
04. Flash dancers/TAG
05. HUG

【defspiral】
01. AURORA
02. PULSE
03. THANATOS
04. STARDUST
05. HALO
06. IRIS

【Luv PARADE】
01. Toxic/Britney Spears
02. Poker Face/Lady Gaga
03. The Hand That Feeds/NINE INCH NAILS
04. BITE THE BULLET/the Underneath
05. DEVILS’ PARADE/D’ESPAIRSRAY
06. MIRROR/D’ESPAIRSRAY

En(Karyu、ZERO、TSUKASAのみ)
01. DEATH POINT/D’ESPAIRSRAY

(文・金多賀歩美/写真・堅田ひとみ)


【ライブ情報】
●Luv PARADE主催 DEVIL’S PARTY 2022 Vol.2
9月8日(木)Spotify O-EAST
出演:Luv PARADE(ゲストヴォーカル:TAKA)、Karyu Session BAND、NUL.、GOTCHAROCKA
※詳細は後日発表

Luv PARADE オフィシャルサイト