2021.07.30
THE MICRO HEAD 4N’S Still Night@高田馬場AREA
「THE MICRO HEAD 4N’S Still Night~ZERO BIRTHDAY EVENT~」

今年5月末の赤羽ReNY alpha公演をもって、ヴォーカル脱退により第三期の活動に終止符を打ったTHE MICRO HEAD 4N’S。その後6月20日に行われたYouTube生配信にて、「THE MICRO HEAD 4N’S Still Night」「OFIAM」という現メンバーによる二つの新たなプロジェクトを始動させることが発表となった。その第1弾、THE MICRO HEAD 4N’S Still Nightのお披露目となるライブが7月30日、高田馬場AREAで開催された。

「10年間それぞれの時代を彩ったメロディーを、ヴァイオリンやピアノ、そしてアコースティックサウンドに乗せて新たな表現へ」というコンセプトのもと、インストゥルメンタルで楽曲を表現していくのがTHE MICRO HEAD 4N’S Still Night。昨年、コロナ禍でライブが開催できない状況になったこと、オンラインFC旅行で4人で演奏を披露したことが、今回の活動の布石となった。さらに遡れば、20年以上前からkazuya(G)が抱いていた「いつか自分が作ってきたメロディーを歌ではないもので表現したい」という夢が、ヴォーカル不在、コロナ禍という逆境をきっかけに、図らずも少し早く実現することになったのだという。

タイトルにあるように、この日はZERO(B)のバースデーイベントであり、前半はトーク、後半はライブという構成で行われた。THE MICRO HEAD 4N’Sのバースデーライブでは、誕生日を迎える当人がセットリストを決めることが恒例となっているが、今回はトークブロックに関しても主役であるZEROが進行を務め、様々なお題で緩いトークが繰り広げられていった結果、「これは楽屋トークを皆に見てもらう会(笑)」という結論に。

そんな和やかな時間を経て、いよいよ幕を開けたTHE MICRO HEAD 4N’S Still Nightの1stライブ。事前に伝えられていた通り、ピアノ(笹沢早織)、ヴァイオリン(星野沙織)を加えた6人編成で行われたステージは、主にヴァイオリンがメロディーを奏で、大きく分けると前半戦はアップテンポなナンバー、後半戦はミディアムナンバーというラインナップとなったわけだが、この曲順については「1回目のライブなので、しっとり始めるよりはバンドっぽさを残しつつ」というのがZEROの意図だった。

kazuya
SHUN.

原曲では起爆力抜群の「FACT IS STRANGER THAN FAKE!!!!」が妖艶さと切なさを纏い、8月にリリースされるオールタイムベストの収録曲ファン投票でも1位になったTHE MICRO HEAD 4N’Sの始まりの曲「HELLO MY CLONE」は、ギターのカッティングがアクセントとなり軽快さがプラスされつつも、ピアノによる間奏が儚く、さらにアウトロはこの編成だからこそ、より鬼気迫るものに感じられた。「アコースティックアレンジにするには珍しい曲」(SHUN./G)、「バンドの時とコード進行が全く違う」(kazuya)という前置きから披露された「SCANDALOUS」は、原曲のダンサブルなムードは保ちながらも、よりスリリングな世界観を描いてみせた。

なお、TSUKASA(Dr)はTHE MICRO HEAD 4N’Sとしてのアコースティックライブの際にはボンゴを叩いているが、Still Nightではそれがなかったり、通常のバンドスタイルとは違いタムが一つだったりと、シンプルなセットゆえリハでは身軽だったそうだが、「SCANDALOUS」で「ノリを出したくて、一箇所キックを三つにするためだけにツインペダルにした!」というこぼれ話も。

また、普段から緊張しがちなSHUN.が、この日は特に緊張している様子で、「今日、(ルーティーンである)SHUN.さんが『人』を書いて飲むのを見てないのと、SHUN.さんの背中を叩いてないですね」というZEROの気付きに対して、「あー!! やってなかった! だからアカンのか」と、ステージ上で改めてその二つを行うという、ある種レアな一幕も見られたのだった。

ZERO
TSUKASA

後半戦、「ローレライ」ではベースの跳ねるようなフレーズと、それに重なり合うピアノの和音、アダルトなギターフレーズなど、原曲のイメージを変化させ、新たな一面を感じさせてくれたのが印象的で、アコースティック定番曲でありながら、もちろんこれまでとは異なるアレンジになっているという「Nocturne」では、ヴァイオリンのメロディーとkazuyaが紡ぐアルペジオのアンサンブルが実に魅力的だった。さらに、演奏すること自体が約2~3年ぶりとなった「眠れる森の前奏曲 ~REVOIR~」は、THE MICRO HEAD 4N’Sというバンドの持ち味とアコースティックサウンドの相乗効果により、その美しいメロディーが際立っていた。

バンドのメインコンポーザーであり、Still Nightのアレンジも手掛けているkazuyaは、「音楽やってるなーって感じがして、めちゃ楽しい。曲書きにとっては贅沢な遊びをさせていただいているというか。自宅で作ったものがこういう形になるんだなと、命が宿るとすげーいい曲だな、みたいな」と話した。このプロジェクトはkazuyaからメンバーへプレゼンした当初、「皆、ポカンとしていた」という。kazuyaの頭の中では当然ヴィジョンがあったものの、実際に当日リハーサルで音を出した時に「これだ!」と自身の想像の上を行ったのだと、笑みを見せていた。

「5月30日以来ステージに立つのは初で、Still Nightとして初めてのステージで、自分たちもどうなるんだろうという不安と期待が入り混じっている感情でしたけど、結果、静かなライブだろうがうるさいライブだろうが、やっぱり楽しいものは楽しいなと感じています」とSHUN.。そして、「最後は第一期の時からの曲で、今の自分たちにもピッタリなんじゃないかなと思っています。いろんな形のTHE MICRO HEAD 4N’Sがありますけど、この先もずっと皆と一緒にバンドを育てていけたらいいなという願いを込めて」と、「この先ずっと…」を贈ったのだった。

さらに、「ここまではStill Nightでしたが、ここからアンコールというか…特別ver.をお届けします。その前に…」(SHUN.)と、ケーキとプレゼントでZEROの誕生日を祝福。各メンバーから言葉が伝えられた。

「こういう状況になって、僕はアイディアなんてものは無限に出せるわけですよ。でもそれを受け入れてやろうと、諦めずに前に進もうとするメンバーをめちゃめちゃ尊敬していますし、大好きです。だから僕らは止まることもなく、前から言っているように、望まれた未来じゃないかもしれないけど、新しい未来を作っていこうと思って、こういう形をまず一つ作りました。本当は年に4回くらいこういうことができたらいいなと思っていたけど、めっちゃいいじゃん! 秘密基地っぽくない?この感じ。皆でこういう遊びしようよと思っちゃって。なので、年内にまた急にやると思います。もちろん配信も。僕らの姿勢としては、現場で皆にお会いしたいという気持ちはもちろんあります。でもそれと同じくらい配信も大切にして、皆に楽しんでもらえるバンドになりたいと思います。次はOFIAMです。めちゃめちゃビビってます。だけど、そのビビリを逆転させて、半端なく自信あるところを見せようと思っていますので、期待していてください。そして、今日はZEROさんの誕生日ということで。毎年メンバーのお祝いを順番にやってファイナルが僕になるんだけど、この順番が来るのが誰よりも好きで。今年もまたお祝いできたことに感謝しています。なんかわからないですけど…頑張るからついてきてください」(kazuya)

「今回はチャレンジが色々とありまして。4人でどこまでできるかわからないですけど、この4人が崩れることはないでしょう。ずっと4人で音楽をやっていけることがすごく幸せだなぁと感じています。どんな状況になっても僕らはプラス思考で頑張っていきたいと思っていますので、今後も応援していただきたいなと思います。そして、ZERO君と一緒にいる時間が、親と一緒に暮らしていた時間を超えてしまったんですよね。だけど昨日のYouTubeでZERO君の声を当てられなかった(笑)。声はわからなかったけど、この先の未来もZERO君と歩んでいくでしょうなっ。これからも相棒、リズム隊で頑張って、そして4人で走り抜いていきましょう!」(TSUKASA)

「これからいろんな変化を見せていくTHE MICRO HEAD 4N’Sだと思うので、そういったところも皆さんと一緒に楽しんでいけたらいいかなと思っています。もちろんStill Night、OFIAMだけじゃなくて、THE MICRO HEAD 4N’Sのヴォーカルを1日も早く見つけて、また皆さんと一緒に叫べる日が来ることを願っていますので、その時はまたライブハウスに遊びに来てくれたらなと思います」(SHUN.)

「去年の誕生日と比べると、皆が会場に足を運んでくれる状況にあることが、まだ少しはいいのかなと思いますけど、オリンピックや緊急事態宣言もあって、どうなるのかなと思っていた部分はあったので、無事に開催できたことを嬉しく思います。今年、THE MICRO HEAD 4N’Sも10周年ということで、俺が東京に出て来てからのバンド人生、もうすぐ過去を超える年数をこのバンドとして継続していくわけですけど、きっとあっさり抜いていくんだと思うんですよね。この年月を活動できるのは、本当に皆のおかげだなと思っています。コロナを機に、足が遠のいてしまった人も多いと思うんですけど、まずは俺たちがめげずに頑張り続けることが一番大事だと思っているので、これからも俺たちが挫けない限り、応援し続けてください。挫けそうな時は、後ろから蹴りでも入れてくれれば。気持ち的にね。『おじさんたちもっと走れるでしょ? まだ杖は要らなくない? 椅子に座るの早くない?』と喝を入れてもらって(笑)。これからもまだまだ皆さんとたくさん楽しい時間を過ごしていきたいので、今後もここから10年を目指して、そのくらいの気持ちで、皆と何かを作り上げたいなと思います。まずは次、8月21日、10周年を迎えて、次の俺のバースデーも待ってるから。今日来たやつは絶対忘れねー」(ZERO)

そして。「ステージで、配信までされて、歌うのは正直俺だって嫌ですよ(笑)。でも今、満足にライブができないじゃないですか。だから俺やりますよ! 別に俺はTSUKASAみたいに歌いたいわけじゃない(笑)! こんな状況だからこそ皆に何かスペシャルなものを届けたいという思いだけで俺はやっているので、上手いとか下手とか気にせずに楽しんでいただけたらと思います。それでは本日ラストの曲、聴いてください」と、ZEROがヴォーカルをとり、メンバー4人のみで「Blue Moon」を披露。フロアにはオーディエンスが揺らすスマホの光が輝き、多幸感に満ちた美しく温かなラストシーンを迎えたのだった。

「俺たち、この曲(BGMで流れていた「REBIRTH -the 3rd form-」)のように、諦めずに突き進んでいくので、これからも応援よろしくお願いします! 今日はありがとうございました!」というZEROの挨拶をもってTHE MICRO HEAD 4N’S Still Nightとしての初ステージは幕となったわけだが、8月21日には、THE MICRO HEAD 4N’S 10th Anniversary 「THE MICRO HEAD 4N’S vs OFIAM」と冠した“ツーマン”の形で、マイフォの10周年(ゲストヴォーカル:Ricky(DASEIN)、TAKA(defspiral)、神谷玲(Strawberry Under World))、そしてOFIAM初披露となるライブが控えている。また、先述のkazuyaの発言によれば、Still Nightも年内には再び観られる機会が訪れそうだ。何度だって立ち上がれるのだと、身をもって証明し続けている4人の新たな物語が始まった――。

◆セットリスト◆
01. FACT IS STRANGER THAN FAKE!!!!
02. HELLO MY CLONE
03. SCANDALOUS
04. ローレライ
05. Nocturne
06. 眠れる森の前奏曲 ~REVOIR~
07. この先ずっと…
08. Blue Moon

(文・金多賀歩美/写真・KURO、土屋誠)


【ライブ情報】
●THE MICRO HEAD 4N’S 10th Anniversary 「THE MICRO HEAD 4N’S vs OFIAM」
8月21日(土)横浜みなとみらいブロンテ
OPEN17:00/START17:30
ゲストヴォーカル:Ricky(DASEIN)、TAKA(defspiral)、神谷玲(Strawberry Under World)

全席指定チケット:¥8,000

配信視聴チケット:¥3,000/グッズ付き¥5,000/グッズ+DVD付き¥10,000

THE MICRO HEAD 4N’S オフィシャルサイト
https://themicrohead4ns.jp/