2010.11.5
Plastic Tree@品川ステラボール
2010秋ツアー「月世界旅行」

 

 

「月世界旅行」――。この言葉を聞いて思わずニヤリとした海月(=Plastic Treeのファン)もいたのではないだろうか。99年にリリースされたシングルのカップリングとして発表された「月世界」をタイトルに冠した今回のコンセプトツアー。この日はその最終日。

 

開始予定時刻を少しすぎたころ、赤色が印象的な衣装に身を包んだ4人が舞台上に現れる。そして穏やかに鳴り響いたのは「睡眠薬」。vo.有村竜太朗の言葉を借りるなら、<品川発、月面行き、最終列車>が幻想的にゆっくりとスタートする。そんな幻想的な空間をさらに深く深くしていく「1999」「梟」と続き、静かな中にあるアツいものが少しずつ顔をだすように会場の空気を変えていく。

 

全員で発射のカウントダウンした「ロケット」、満天の星空の下で披露された「ムーンライト――――。」といった今回のツアーならではの楽曲も随所に散りばめられたセットリストで会場の誰もがこの月世界への旅行を楽しんでいる。そしてこのツアーの核となるナンバー「月世界」。淡々と演奏されていたものの、オリジナル音源よりもかなり重厚なサウンドにアレンジされており、このライヴだからこそ体感できたひと時となった。

 

「月面まで行くよ!」の一言で始まった「MayDay」からはハードなナンバーが並び、オーディエンスも待ってましたとばかりに暴れる。どんな寒い日も一瞬でアツくしてくれる「メランコリック」の攻撃的なサウンドには拳で応える。

一転して、ゆっくりと照明が落とされ薄暗い中での「メタモルフォーゼ」。3人をしっかり支えつつ力の限りドラムを叩くケンケン、様々な音色でリズムを刻みながらサウンドに厚みを持たせる長谷川、クールな佇まいながら激しい音を繰り出すナカヤマ、感情を絞りだすように歌い、そしてギターを掻き均す有村。4人の化学反応をしっかりと見せ、本編は幕を閉じた。圧倒的なサウンドに、しばし動けなかった海月も見受けられた。

 

アンコールでは、長谷川のベースにトラブルがあったものの12月15日にリリース予定の「みらいいろ」を披露。タイアップも決まっているので既に耳にしている人も多かったようだ(「(テレビで)聴いた人?」の問いかけにほとんどの人が挙手!)。耳なじみのよいキャッチーなナンバーで全編聴くと、発売日がより一層待ちきれない思いの人も多くいたことだろう。瞬く星の演出が印象的だった「スピカ」をしっとりと歌い上げて一度目のアンコールは終了。二度目のアンコールでは重厚な「hate red,dip it」「puppet talk」で終了かと思った其のとき、急遽決定した「psycho garden」をプレイ。突然にサプライズに一瞬歓声が沸く。

会場中に響く「psycho garden!!」とヘドバンの嵐・・・・この日一番のアツい時間となった。

 

「月面着陸、大成功!!!」…ライヴのシメに有村の叫んだ言葉。この日のライヴの最高度合いはこの言葉に詰まっている。誰もが笑顔となったこのライヴ、この日集まった海月たちにとって最高の旅となった。

 

 

◆SET LIST◆

01.睡眠薬

02.1999

03.梟

04.ロケット

05.トレモロ

06.エとセとラ

07.Rusty

08.ムーンライト――――。

09.懺悔は浴室で

10.月世界

11.MayDay

12.ナショナルキッド

13.GEKKO OVERHEAD

14.メランコリック

15.アンドロメタモルフォーゼ

 

EN1.みらいいろ

EN2.リプレイ

EN3.スピカ

 

EN4.hate red,dip it

EN5.puppet talk

EN6.psycho garden

 

 

Plastic Tree オフィシャルサイト:http://www.plastic-tree.com/pc/