特集-Special Feature-

◆プラは昔から明らかに異質なものをやっていた(長谷川正)

長谷川正

――c/wの「creep」はプラらしさの中の一つの疾走感ある楽曲です。バンド感のある攻めの「念力」のc/wとしては、色々と選択肢はあったと思うのですが、この楽曲が選ばれたのはどのような部分が決め手だったのでしょうか?

正:曲出しの時に何曲か候補はあったんですけど、メンバーがやってみたいと思う要素があったので、割りとノリで決めた感じですね(笑)。普通のフォーマットでいくと、対比を付けるためにもう少し静かめの曲にするという発想もあったと思うんですけど、今回はあんまりそういう考えはなかったですね。それよりは、今自分たちがやってみたいことをやっちゃえばいいんじゃないの?っていう。この曲はギターが主役なので、ベースは「念力」ほど邪悪じゃないですね(笑)。

――「creep」はケンケンさん作詞ですが、ケンケンさんが作詞を始めたのはちょうど15周年の頃で、その当時はインタビューで「少女趣味」というキーワードが生まれましたよね(笑)。

正:ありましたね(笑)。この歌詞を見る限りは、あまり少女性は感じないですよね(笑)。どちらかと言うと少年っぽい。リスナーの人がどういう印象を持ってくれるか、楽しみですね。

――そして「サーカス」ですが、デビュー15周年の時は1stアルバム『Hide and Seek』(97年発売)の全曲Rebuild(再構築)があったので、もしや20周年イヤーは「サーカス」が収録されている2ndアルバム『Puppet Show』(98年発売)を全曲リアレンジするのかなと…

正:いやー、それはちょっとわからないですね(苦笑)。いずれやってみてもいいなとは思いますけど、それが果たしていつなのかというのは未定です。今回の「サーカス」に関してはRebuildではなく、本来こういうものだよねというのを形にしたという感じですね。

――Live Arrange Versionということで。

正:そうなんです。『Puppet Show』にも入っているんですけど、あれは音源ならではのアレンジを施して収録したものだったので、ライブではあの形で演奏したことは多分ないと思います。

――今回の形は、いつ頃のライブアレンジが基になっているんですか?

正:作った時に、もうこういう形だったと思うんですよね。20年以上前ですね。ライブに来てくれている人は、こちらのほうが耳馴染みがあると思うので、それをちゃんとスタジオでパッケージしたものを今回残しておこうと。

――この「サーカス」を聴いて、改めてプラってカッコイイなと再確認しました。

正:おー、本当ですか。

竜太朗:ありがとうございます。

――こういう曲を初期にやっていたということがすごいし、今のプラが演奏してもカッコイイという。

正:逆に今こういう曲ってないですからね。マニアックですよね。

――時代を感じる=古さを感じる、みたいなものってプラにはほとんどないんじゃないかなと。そういうバンドって珍しいと思うんですよね。

正:時代を感じるようなものも、それはそれでいいのかなという気もするんですけどね。ただ、プラは昔から明らかに異質なものをやっていたので(笑)。

――今でも初期の楽曲をライブでやっていますし、いわゆる黒歴史みたいなものがないんじゃないかなと。

正:いや、ちょこちょこありますよ(笑)。

竜太朗:「バカになったのに」(2003年5月発売のシングル)とか、ビックリしますよね(笑)。

正:そうそう、あの辺はちょっと黒歴史っぽいですよね(笑)。「割れた窓」とか「本当の嘘」とか、今聴いて古臭いとは思わないですけど、何と言うか、青臭いなという感じはしますね。若干あの当時の空気感みたいなものがあるんじゃないですかね。今演奏しても違和感はないですけど。

――そういえば、「バカになったのに」「もしもピアノが弾けたなら」(2003年7月発売のシングル)とか、この時期の曲はあまり最近のライブでは聴かないですね。

正:あの辺は、ちょっと寄り道感がありますね。あとは黒歴史的なものはないなと自分でも思います。

佐藤ケンケン

――ところで、今回のジャケットですが、皆さんのソロジャケット(初回限定盤A:長谷川正/初回限定盤B:ナカヤマアキラ/初回限定盤C:佐藤ケンケン/通常盤:有村竜太朗)というのは、プラには珍しいですよね。

竜太朗:珍しいですね。

正:メンバーがジャケットに出るのも久々じゃないですかね。

竜太朗:『リプレイ』(2008年8月発売のシングル)以来ですね。

――このアートワークはどなたの発案だったんですか?

正:煙の案は竜ちゃんかな。

竜太朗:俺と言えば俺なんですけど、試しに撮ってみたら意外と良くて、ジャケットになったという感じですね。一番『念力』っぽい写真かなと。

――この煙はリアルな煙なんですか?

竜太朗:リアルですね。若干加工はしていますけど。

――そして、3~5月にはメジャーデビュー20周年“樹念”春ツアー「念力発生」20公演が決定していますが、東京が中野サンプラザというのもプラには珍しいですよね。

正:そうですね。前回やったのがもう15年くらい前で、大分お久しぶりの会場なんですけど、その時もすごく良い場所だなという印象があったので、今回もその時以上にいい感じにできたらなと思います。

――このツアーは、20周年樹念品付というのが気になります。

正:それね、これから考えなきゃいけないんですよ。皆さんに喜んでもらえるものを必ず用意するので、楽しみにしていてほしいです。

――最後に、2017年はどんな20周年イヤーにしたいですか?

正:自分たちが残してきた足跡を振り返るのも、たまにはいいかなと思って。ただ、あまりレイドバックし過ぎるのもよくないし、ちゃんと今の自分たちを見せていくということを踏まえながら、過去にやってきたことも今一度やってみるのもいいかなと。今だったらできることっていうのもあると思うんですよね。20年ってやっぱり長いですからね。そこは誇りに思ってもいいのかなと思いつつ。結成20周年ではなくデビュー20周年なので、自分たちが残してきた作品についてもう一度考えてみようと。どういう形になるかわからないですけど、そういうものを再確認できる年になるといいなと思います。

竜太朗:結成が大きいのかデビューが大きいのかというのはあるんですけど、どっちも僕には大きなことで。メジャーデビューって、特に僕らは古い世代でインターネットも普及していなかったので、大分おかしなバンドをやっているくせに、一種、自分たちが社会性を持ちたいんだと決意したような年だったしタイミングだったと思うんですよね。そういう社会性みたいなものって、人がいないと、聴き手がいないと、それに大きなものが動かされないとあんまり意味がない気がしていて。ちっちゃな商店でも開業してから20年やれたという意味では、自分がやってきたことを客観的に知りたいですね。一通りのことはやってきたと思うんですよね。ライブとしての目標だったら武道館だったり、全国ツアー、海外ツアー、理想通りにいかなかったこともあるんですけど、それでもこのバンドを続けてきたことを、客観的に見てみる年にしたいですね。しかも、同時に自分たちが一所懸命やりながら。

(文・金多賀歩美)

ARTIST PROFILE

Plastic Tree

<プロフィール>

有村竜太朗(Vo)、長谷川正(B)、ナカヤマアキラ(G)、佐藤ケンケン(Dr)によるロックバンド。1997年6月にメジャーデビュー。デビュー15周年の2012年、4度目の日本武道館公演を成功に収める。2014年、結成20周年“樹念”イヤーを迎え、ミニアルバムとシングルをリリースし、二度の全国ツアーを開催。2015年には男子限定ライブや主催公演など、自身初となる試みも行った。12月にアルバム『剥製』を発表。2016年8月、シングル『サイレントノイズ』をリリースし、東京国際フォーラムホールA公演を含む全国ツアーを開催。2017年1月リリースのメジャーデビュー20周年“樹念”第1弾作品となるシングル『念力』を引っ提げ、3月から全20公演に渡る春ツアー「念力発生」をスタートさせる。

■オフィシャルサイト
http://www.plastic-tree.com/

【リリース情報】

『念力』
2017年1月25日(水)発売

念力
[初回限定盤A]
VBZJ-35
¥3,800+税
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念力
[初回限定盤B]
VBZJ-36 
¥3,800+税
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念力
[初回限定盤C]
VBZJ-37 
¥1,800+税
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念力
[通常盤]
VBCJ-30019 
¥1,200+税
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【収録曲】

【初回限定盤A】
[CD]
01. 念力
02. creep
03. 念力(Instrumental)
[DVD]
特典ライブ映像「Black Silent/White Noise」最終公演 於 東京国際フォーラムA・前編

【初回限定盤B】
[CD]
01. 念力
02. creep
03. 念力(Instrumental)
[DVD]
特典ライブ映像「Black Silent/White Noise」最終公演 於 東京国際フォーラムA・後編

【初回限定盤C】
[CD]
01. 念力
02. creep
03. 念力(Instrumental)
[DVD]
「念力」Music Video

【通常盤】
[CD]
01. 念力
02. creep
03. サーカス(Live Arrange Version)
04. 念力(Instrumental)

【ライブ情報】

Plastic Treeメジャーデビュー20周年“樹念”春ツアー「念力発生」
3月9日(木)川崎 クラブチッタ
3月11日(土)新潟 NIIGATA LOTS
3月12日(日)長野 CLUB JUNKBOX NAGANO
3月18日(土)横浜 YOKOHAMA BayHall
3月20日(月・祝)宇都宮 HEVEN’S ROCK UTSUNOMIYA VJ-2
3月25日(土)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
3月26日(日)静岡 SOUND SHOWER ark
4月1日(土)大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
4月2日(日)京都 KYOTO FANJ
4月8日(土)金沢 EIGHTHALL
4月9日(日)埼玉 HEVEN’S ROCK SHINTOSHIN VJ-3
4月15日(土)神戸 VARIT.
4月16日(日)名古屋 ボトムライン
4月22日(土)長崎 DRUM Be-7
4月23日(日)福岡 DRUM LOGOS
4月29日(土・祝)群馬 TAKASAKI club FLEEZ
4月30日(日)山梨 甲府CONVICTION
5月2日(火)東京 中野サンプラザ
5月5日(金・祝)茨城 mitoLIGHT HOUSE
5月6日(土)仙台 Rensa