ライブレポート

2018.7.10
T-BOLAN@中野サンプラザ
「30th Anniversary LIVE『the Best』~励~」

4人組ロックバンドのT-BOLANが7月10日(火)、東京・中野サンプラザで「30th Anniversary LIVE『the Best』~励~」を行った。1988年7月22日、前身の「BOLAN」としてインディーズレーベル「YEAH」からEP『I WAITED FOR A TIME』をリリースし、インディーズデビューして今年で30周年。さらに7月10日は、1991年に『悲しみが痛いよ』でメジャーデビューした記念日だ。1994年3月19日の「LOOZ」ツアー以来の公演にもなった中野サンプラザは、開演前から約2000人の期待にあふれていた。

純白の紗幕に覆い隠されたステージ。場内が暗転すると、ノイジーなスチール音が鳴り響くと同時に、ステージを覆い隠した純白の紗幕にグリーン、オレンジ、マゼンタ、そしてターコイズブルーのカラフルな彩りが加わる。
「励(レイ)」
コンサートタイトルにもなった一文字が映し出され、ヴォーカル森友嵐士の「いくぜー!」の声とともに、会場のボルテージも一気に上がった。青木和義の印象的なドラムで始まる「Only Lonely Crazy Heart」でスタート。ステージデザインは普段は「黒」が基調のイメージが強いが、この日は「白」に統一されていた。森友は「今夜が、俺たちとみんなとの第二章の始まりの日。またみんなと始まりを共できることが何より嬉うれしい」と話し、新たな幕開けを予感させた。

大ヒット曲「マリア」を歌い終えると、9曲目は「あこがれていた大人になりたくて」。ブルースロックを感じさせるこの曲のイントロは、ギターの五味孝氏とサポートベースの人時だけのセッションだ。すると、1階席の後方ドアが突然開き、森友と青木が登場。サプライズ演出に目を奪われる中、パフォーマンスを終えると、森友が呼びかけた。「皆さんおまちかね。奇跡の男、上野博文!」。大歓声の中、上野が手を振りながら登場し「ヒロフミー!」コールに「ありがとう!」と応えた。「Happiness」「刹那さを消せやしない」「Lovin’ you」「遠い恋のリフレイン」、そして「悲しみが痛いよ」「離したくはない」を上野もともに演奏。2015年にくも膜下出血で倒れた上野だが、リハビリの甲斐もあって、6曲に参加できるまでになった。

上野はアンコールの2曲にも参加。この日、会場限定で販売された最新曲「Re:I」を初披露した。コラボレーションが決まった、生誕80周年の漫画家・石ノ森章太郎の「サイボーグ009」のキャラクターも登場するミュージックビデオが流れる中、パワフルなサウンドを響かせた。

森友は今回のタイトル「励」について「励ますって、一方通行ではないなって。上野を励ますつもりで、僕らが逆に力をもらったり。それをまた周りで見てる人たちも勇気をもらったり。励ますっていう力はすごいエネルギーがあって、すばらしいと上野の生還を通じて改めて感じた。バンドって家族みたいなもの。励まし合う力、そこから復活が導き出された気がして、このタイトルになった。俺たちだけじゃなくて、みんなとのエネルギーの交換でもある。今夜、その始まりの日だと、そんな風に思ってます」。

さらに新曲については「この『Re:I』って曲は、お前(上野)のための曲なんだよ。いろいろ曲作りする中で、その中心には上野への思いがあった。俺たちだけじゃなくて、ここにいる全員がロックンロールスターという思いで、そこに行こうぜ!という曲。またここから愛し合っていこうぜ!」と意図を明かした。

この日の森友は上野だけではなく、MCでメンバーへの熱い思いや感謝を次々と語るシーンも象徴的だった。
青木に対しては「太陽みたいなヤツ。最初に会ったのは藤沢の駅のホーム。若い頃は対バンライブをやったりして、凹むときもあった。正面向いて歌うのがつらいときもあったんだけど、振り返って青木を見ると、パワーが充電できる。音だけじゃないんだな、俺たちの関係って」
五味に対しては「94年くらいかな? 同じ曲をずっと1年間スタジオで歌い続けたことがあった。来る日も来る日も、思うよう歌えなくて納得がいかなくて…。そんなとき、何も言わずにずっと横にいてくれたのはこいつ(五味)で。こんなこと言ったことないけど…。五味、ありがとな」。
30年の思いが詰まっていた。

再び動きだし、新たな魅力も見いだしたT-BOLAN。それを全国に伝えにいく旅路も決まった。9月19日(土)の埼玉・東松山市民文化センターを皮切りに、全国23都市でライブを行うことが決まった。全国ツアーは実に23年ぶり。森友は「これからどんどん動いていく。ついてこいよ! みんなの街で待ってて。よろしく!」。五味は熱さたっぷりに「(森友)嵐士が(のどの)不調で歌えなくなったところから、また歌える奇跡が起きた。上野が倒れて、またそこから奇跡が起きた。あとはバンドとして奇跡を起こすのみ。ツアーもあるけれど、アリーナでやるまで辞めないからな。よろしく!」。
また、T-BOLANから目を離せなくなる日常が、始まりそうだ。

◆セットリスト◆
01. Only Lonely Crazy Heart
02. 悪魔の魅力
03. Bye For Now
04. おさえきれないこの気持ち
05. LOVE
06. じれったい愛
07. わがままに抱き合えたなら
08. マリア
09. あこがれていた大人になりたくて
10. Happiness
11. 刹那さを消せやしない
12. Lovin’ you
13. 遠い恋のリフレイン
14. 悲しみが痛いよ
15. 離したくはない
16. 愛のために 愛の中で
17. SHAKE IT
18. 傷だらけを抱きしめて
19. My life is My way

EN
01. Re:I(新曲)
02. Heart of Gold

(写真・田中聖太郎)


【ライブ情報】
●T-BOLAN 30th Anniversary LIVE Tour 「the Best」~励~
約23年ぶりとなる本格的な全国ツアーが決定。9月19日(土)、埼玉・東松山市民文化センターを皮切りに、全23公演。これまでに訪れたことのない地域も含まれており、初めてT-BOLANのライブを体感するファンも多くいることだろう。90年代に成しえなかった日本全国、全県でのライブ開催という目標に向け、秋以降、T-BOLANはギアを上げて加速する。

2018年
9月29日(土)埼玉・東松山市民文化センター
10月7日(日)神奈川・カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)
10月20日(土)滋賀・守山市民ホール
10月21日(日)京都・文化パルク城陽 プラムホール
11月18日(日)埼玉・三郷市文化会館 大ホール
11月23日(金・祝)兵庫・たつの市総合文化会館(赤とんぼ文化ホール)
11月24日(土)大阪・岸和田市立浪切ホール
11月30日(金)東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
2019年
1月14日(月・祝)群馬・太田市新田文化会館 エアリスホール
1月25日(金)千葉・市川市文化会館 大ホール
2月2日(土)愛媛・西予市宇和文化会館 大ホール
2月3日(日)香川・多度津町民会館
2月10日(日)大分・iichikoグランシアタ
2月11日(月・祝)宮崎・都城市総合文化ホール
2月15日(金)山口・周南市文化会館
2月16日(土)広島・ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 大ホール
3月2日(土)佐賀・鳥栖市民文化会館 大ホール
3月3日(日)福岡・アルモニーサンク北九州ソレイユホール
3月9日(土)千葉・松戸・森のホール21 大ホール
3月21日(木・祝)山梨・東京エレクトロン韮崎文化ホール 大ホール
3月24日(日)栃木・佐野市文化会館 大ホール
3月30日(土)石川・本多の森ホール
3月31日(日)長野・ホクト文化ホール 大ホール

【T-BOLAN×サイボーグ009】
2018年、インディーズデビューから30周年を迎えたT-BOLAN。同じ年、生誕80周年を迎える日本を代表する漫画家・石ノ森章太郎。T-BOLANのメンバーも、多感な時期に様々な石ノ森作品に触れた世代。
今年初め、たまたま知り合った両社のスタッフ間で、共に周年というタイミング「何かご一緒出来ないか?」という話し合いの場が幾度となく重ねられる中、森友は『サイボーグ009』の原作本を読みかえしてみると、俺たちと共通する点が多い…。「009の仲間・チームで助け、励まし合う姿が、T-BOLANとリンクする。自分が歌えなくなった時、上野が倒れた時・・・、互いに励まし合ってきたじゃないか? T-BOLANとサイボーグ009。新曲のテーマに通ずる点もある。ここから何かを創りあげていきたい」
そんな想いから、本日初公開された、新曲「励」のミュージックビデオにも、サイボーグ009とコラボレーションする瞬間が入っているなど、今後、両者の間で様々なコラボレーションを予定している。

T-BOLAN オフィシャルサイト
http://www.beinggiza.com/zain/t-bolan