ライブレポート

2017.11.7
BadeggBox設立 5周年記念イベント@新宿ReNY
『Bible-想像する未来はいつも楽しい-』

BadeggBox設立 5周年記念イベント『Bible-想像する未来はいつも楽しい-』が11月7日に新宿ReNYにて開催された。BadeggBox所属バンドのThe Benjamin、怪人二十面奏、THE BEETHOVENをはじめ、過去に所属していたthe Sherry、ギガマウス、RUVISHが1日限定で復活。さらにえんそく、Dear Loving、ミニーを褒め称える会(Vo:慎一郎、Gt:TφRU、Ba:リウ、Dr:K)、ADAPTER。、Dacco、慎一郎&杏太といったBadeggBoxと親交のあるバンドやアーティストが集結した。フロアの上手に“お祝い駆けつけステージ”が設けられ、メインステージと交互に出演する構成でおよそ6時間にわたって繰り広げられた。この日はBadeggBoxの代表を務めるミネムラ“Miney”アキノリ(The Benjamin / THE BEETHOVEN)の誕生日ということもあり、会場は終始お祝いモード一色に包まれていた。

トップバッターはTHE BEETHOVEN。“『Bible-想像する未来はいつも楽しい-』へようこそ!今日は最高の1日にしようね!”とマコト(Vo)が声高らかに言い放ち、「L・S・L・G」の重厚かつダンサブルなサウンドが場内を支配する。次々と繰り出される躍動感あふれる激しいサウンドと、耳に絡み付くような色気のあるマコトの歌声が観る者の心と体を解放していく。そんなTHE BEETHOVENのどこかレトロ感漂う妖しく魅惑的な世界に観客たちは酔いしれた。

最初にお祝い駆けつけステージに登場したのはコントラリエ。“短い時間ですが僕らのできることを精一杯やりたいと思います”とぼん。(Vo)。12月20日発売のBadeggBox所属第1弾シングル「雪椿-ユキツバキ-」、そしてThe Benjaminメンバーの前身バンド、花少年バディーズの楽曲「乙女桜」の2曲をアコースティックバージョンで披露。初々しくも熱のこもった演奏と歌で聴かせた。

Dear Lovingは胸をくすぐるポップなロックチューン「今世紀最大限のラブソング」でライブをスタート。 “グリコサイン”で観客と一つになる「グリコ」や、The Benjaminの曲「バスタオル」のカバーなどを披露。“何より今日一緒に祝えたことが嬉しいし、またこうやって一緒にステージで歌える未来を描いて頑張っていきたいと思います”と語ったMASA(Vo)。リスナーの心に寄り添うようなサウンドと歌声で、場内はハートフルな心温まる空間を作り上げた。

The Benjaminからツブク“Mashoe”マサトシをゲストベーシストに招いて行った慎一郎&杏太。“残念ながら我々は明るい曲がありません。少し暗い歌詞ですが祝う気持ちはたくさんあります!”と笑いを誘って演奏されたのは「バースデイ」、そして花少年バディーズから「落陽」。シンプルながらも温かなアコースティックサウンドと共に、少し影のある伸びやかな歌声で丁寧に歌い上げた。

大きな歓声とデスボイスで迎えられたRUVISH。“俺たちがRUVISHだー!!ぶち上がるぜ、東京―!!”と威勢よく煽り、「ININITY」から激しいロックサウンドで一気に熱を高めた。“(1年8ヶ月での1日復活は)カッコいい、カッコ悪いあるけど、一番お世話になった人たちに何か恩返ししたいなっていう気持ち、それだけッス!”とレオン(Vo)。幾度となく笑顔でアイコンタクトを取りながら伸び伸びと演奏。久々のファンとの空間が楽しくて仕方ない様子だった。

お祝いの気持ち全開で登場したえんそく。熱狂する観客たちに、“わかるよ、キミたちの気持ち。みんなの幸せパワーを受けながら俺も絶対的ハピネスを感じてる”とぶう(Vo)。Mineyがアレンジを手掛けた「流星雨」では、Mineyがキーボードとコーラスで参加し初共演。メンバー全員楽器を置いて横一列になって踊る「狂い時計のネジ巻きマキナ」では、ぶうの誘いに渋りながらも曲が始まった途端、センターで踊り始めるMineyに観客たちは大爆笑だった。

スペシャルシークレットゲストとして登場したのは、謎の”とりん星”出身アーティスト、TЯicKY。“ちゃお!”と元気に挨拶し、ニューシングル「バナナの皮を捨てるな」を披露。間奏中には“ミネムラさんからOKをもらいました!”と言ってバナナをフロアに投げ、観客たちのハートを狙い撃ち(!?)する場面も。TЯicKYならではの一人エンターテイメントでお祝いした。

ギガマウスは活動休止から半年ぶりの1日復活。“新宿―!ギガマウスがやってきたぞー!今日はBadeggBox5周年、派手に祝ってやろうぜー!!”と叫ぶライ(Dr)。BadeggBox所属第一弾シングル「GIGA SPEAKER」から凄まじい勢いを持って飛ばしていく。当時とは違い、同期モノは一切ナシ。とはいえ音の薄さを一切感じさせることなく、むしろ3ピースバンドとは思えない圧倒的なパワーと熱いパフォーマンスでギガ級のカッコ良さを観せた。

続いてのお祝い駆けつけステージはDacco。ノーメイクにサングラスでステージに現れたLida。その訳は“ものもらい”ではなく、Lida曰く“恋わずらい”なのだとか(笑)。しばし漫才のようなテンポの良い掛け合いトークを繰り広げた後、歌いながらフィットネス並みの振り付けを観客と一緒に元気に踊って盛り上げた。

約3年ぶりの一日復活を果たしたthe Sherry。黒を基調とした衣装に身を包み、シックで大人っぽさを醸した彼ら。KØU(Vo)が深々と一礼してライブをスタート。“ただいま、the Sherryです”とKØUが挨拶すると“おかえり!”の声が飛び交う。ファンの大きな声援と嬉しさを全身で表現する姿に、自然と笑みがこぼれ、一日復活に至ったこの奇跡的な日を心から楽しむ彼ら。the Sherryの明るい未来を歌った音楽は今も光輝いたまま観客たちの心に届けられた。

慎一郎(Vo)&リウ(B)、TφRU(G)&K(Dr)、それぞれ花少年バディーズ時代の衣装を着て登場したミニーを褒め称える会。選曲はもちろん花少年バディーズの楽曲。ウスイ“Tacky”タクマがメインボーカルの「ブシドーマン」では、武士の格好をしたTacky本人が、「未来へと」ではMineyがギターを持って登場して盛り上げた。ラストの「バナナ」では大小のバナナのぬいぐるみが飛び交い、当時のライブ定番の光景のまま演奏された。

神奈川県横浜市が生んだテクノ番長、ADAPTER。。“さあ皆さんはりきっていきましょ〜か〜!ハイッ!”と呼びかけ、ピコピコ・テクノ・サウンドとヴォコーダーヴォイスに合わせて一斉に踊り出す観客。曲中、“ハイ、どうぞ!”と福助。が掛け声をかけて扇動し、観客たちは手を挙げたり飛び跳ねたり手拍子したり……会場がテクノダンスフロアと化した。

赤いペンライトがフロア一面に揺らめく中、颯爽と登場した怪人二十面奏。「愛増悪」の演奏が始まった途端、体を激しく揺さぶる観客たち。昭和レトロ感漂う音世界へと一瞬にして誘った。“(所属して)この1年半で素晴らしいレーベルなのはもちろん、ミネムラアキノリに魅せられた人間がこれだけいるっていうことです。最高にハッピーな空間にしようぜ!”とマコト。哀愁を抱いた躍動する甘美な世界観の中で観客たちは恍惚とした様で踊り狂った。

トリを飾ったのはThe Benjamin。TackyとMashoeの2人が登場した後、壮大なシンフォニックのSEが流れ、神々しい雰囲気の中、ステージに現れたMiney。結成以来、60年代のブリティッシュビートのポップでキャッチーなサウンドを根底に、世代を超えて支持を得る普遍的な音楽を生み出してきたThe Benjamin。この日もまた、良質な曲と歌と演奏で観る者の心と身体を躍らせるスタイルで、会場にいるすべての人をハピネスな空気に包み込み笑顔いっぱいにした。

アンコールはイベントを華やかに彩った出演者たちが再登場し、5年前のこの日にリリースした「Bible」(花少年バディーズ/1stアルバム『Bible』収録)を大セッション。“未来へ!未来へ! 二人で!”と心から幸せな未来を思い描き、願う気持ちが綴られたこの曲を、各バンドのボーカリストたちが順番に歌を紡いでいった。“これからもみんなで楽しい未来を描いていきましょう!!”とMineyが力強く言い放ち、最後はMineyの胴上げでイベントは終了した。

想像する未来はいつも楽しい──。今、世の中は子供も大人も夢や希望を描けなくなっている。人生を楽しく生きるのも幸せになるのも自分次第。楽しい未来への鍵はいつでも自ら開けられる。それを自ら証明するかのように、たくさんの笑顔で溢れていた『Bible-想像する未来はいつも楽しい-』。これからもBadeggBoxは音楽の持つ無限の可能性を信じて楽しい未来を想像し、そしてファンと共に創造していくだろう。

(文・牧野りえ)