ライブレポート

2017.6.5
DaizyStripper@TOKYO DOME CITY HALL
DaizyStripper 10th Anniversary 47都道府県TOUR 2017 GRAND FINALE 「KISS THE FUTURE~僕らの帰る場所~」

今年1月にアルバム『HOME』をリリースし、2月1日の徳島club GRIND HOUSEを皮切りに47都道府県を駆け抜けてきたDaizyStripperが、バンド始動から10年目となる記念すべき日にツアーのグランドフィナーレを迎えた。

ベートーヴェンの交響曲第9番「歓喜の歌」が鳴り響く会場は暗転と共にその景色を変え、ほの暗いステージ後方に並んだ8人編成の弦楽合奏団が「KAMAKURA」を奏でる中、穏やかなアナウンスがライブの開始を告げる。
しかし5人の登場で空気は一転。ヘヴィなロックナンバー「VICTORIA〜氷の女王〜」が投下されるとヘドバンの嵐が巻き起こった。間髪入れずに続く「PSYCHEDELIC HEAVEN」ではCO2が噴き出し、夕霧(Vo)の「頭頭頭―――!」の絶叫で会場は更なる熱気を帯びていく。そんな度肝を抜くアクトで熱をはらんだ客席に、「STARGAZER」の軽やかな鍵盤の音色と美しい光のかけらが心地良く降り注いだ。

「『僕らの帰る場所』50本目GRAND FINALE、そして俺たちの10歳の誕生日。東京、ただいま!」と夕霧が語り掛けると、「おかえり!」の大歓声が5人を包み込む。
「10年前の今日、俺たちは産声をあげました。あの時抱えていた不安や、あの時描いていた夢が今日、大きな花を咲かせることを願っています。今日は10年分ガッチリ愛し合おうぜ!」と高らかに告げると、「さぁパーティーの始まりだ!」という言葉に呼応するように炎が噴出。明滅する光の下で〈恐れず進め〉と高らかに歌い上げ、Reiのベースがうなりをあげた「GOD SPEED」、夕霧がアリーナ中央に設えられた花道を闊歩した「Flying New World」でオーディエンスの一糸乱れぬ振りが会場の一体感を高めていった。

MCでは10年前を振り返り、「俺たちはちょうどこのくらいの時間に始まって。この5人だから続くと思っていたけど、いざ最初に目指したゴールが目の前に迫っていると思うと感極まるものがあります。そしてたくさんの人たちが集まってくれたのが何よりの誕生日プレゼントです」と感謝の言葉を伝えると、開演前に「SEの『KAMAKURA』で泣くかも…」と自ら予想していたというまゆ(G)に水を向けた。
唐突に振られながらも、「楽しんでますか? ついに10周年がきました。本当にたくさんの出来事があって…」と、まゆが言いかけたところで、夕霧が笑顔で「ありがとう! 今日は盛り上がっていこうねー!」と割り込むお約束の展開でオーディエンスを笑わせる。この温かな空気は彼らの“HOME”ならではだ。

そんな温かな空気の中、彼らの新しい試みとして、この日のためのスペシャルメドレーが投下された。「Trigger」「罪な罰」「Derringer」「嘘と陽炎」「彼女はエメラルド」…彼らの歴史を彩ってきた全13曲のメドレーにオーディエンスの歓喜の声が重なる。さらに「色彩ヴィヴィッド」では、なお(G)から「10周年おめでとう! これからもよろしく!」と夕霧にキスが贈られ、会場を狂喜させたのだった。

DaizyStripperならではの多彩な楽曲を絶妙なバランスで配したセットリストは、ここから苛烈さを極め、まゆが拡声器を手にステージ上を駆け回った「KoppaMiJiN」、スモークマシンを手にしたなおが花道から客席に降り立ちオーディエンスを熱狂させた「The End of Music」を極上の激しさで叩きつけていく。
そしてこの上ない熱に満たされた会場に涼やかな風が吹き抜けたのは、風弥のピアノと弦楽合奏団が奏でる「明日が来るなら」。夕霧の囁くような歌声が重なり、繊細にしてダイナミックな美しい音が新たな景色を作り出した。

緩急をつけたセットリストを展開した本編もいよいよ大詰めになった頃、「ここまで来たんだな。でもまだまだここがゴールじゃないよ。11年目から本当のスタートだ。今日一緒にスタートダッシュかけようぜ。最高の10年を締めて最高の11年目をスタートさせようぜ!」という力強い言葉と共に投下されたのは、「トレゾア」。彼らと苦楽を共にしてきた宝物であるファン(=トレゾア)への思いを綴ったこの曲を、溢れるほどの気持ちを込めて歌い上げたのだった。

さらに、アンコールでは響き渡る教会の鐘の音と共に新郎を思わせるタキシードに身を包んだ5人が登場! 花道の奥に設えられたステージに立つと、夕霧の「結婚しようか」という言葉と共に「in Daylight」を、そしてこの日にふさわしい「BIRTHDAY SONG」を奏で、幸せな空気で会場をいっぱいにしていく。
夕霧は、「結婚しちゃったね(笑)。これでもう他のバンドのライブに行ったら不倫になっちゃうね。帰りに全員誓約書を書いてもらおう」――そんな言葉で笑わせつつ、「TOKYO DOME CITY HALLでは結婚式みたいなライブがしたいなって思っていました。永遠が誓い合えるような、気持ちを再確認できるようなライブがしたくて」と胸の内を語った。

その思いに応えるように、「キボウノカケラ〜Shiny Days〜」ではオーディエンスが歌い続けるシンガロングが大きなうねりとなって会場いっぱい広がり、5人はじっとその歌声に聴き入っていた。夕霧が風弥に「これがずっと聴きたかったんだよな?」と問い掛けると、深く頷いた風弥が花道の真ん中で「もっと聴きてー! もっと!」と乞う。すると、うねりはさらに大きなものへと変化し、夕霧から「ありがとう。最高にきれいな歌声でした」という感謝の言葉が贈られたのだった。

この日の最後を飾ったのは、結成当初から歌い続けてきた、10年を意味する曲「decade」。10年前の高田馬場AREAでのデモンストレーションライブでスタートを切った5人が迎えた10回目の誕生日は、彼らの一つの集大成ともいえる記憶に深く刻まれる一夜となった。

「みんながいたから俺たちここまで走って来られました。でも俺たちはまだまだ夢の途中。これからも俺たちの夢について来るかい? 俺たちと一緒に夢みたいな、すげー素敵な現実、見に行かないか?」
この日、夕霧からこんな言葉が投げかけられた。7月26日にリリースされるニューシングル『AGAIN』を掲げ、11年目の第一歩をメジャーシーンという新たなフィールドで踏み出すDaizyStripper。確固たる決意を胸に次の10年へと歩き始めた5人はきっと、「夢みたいな、すげー素敵な現実」を我々に見せてくれるはずだ。

◆セットリスト◆
01.VICTORIA〜氷の女王〜
02.PSYCHEDELIC HEAVEN
03.STARGAZER
04.GOD SPEED
05.Flying New World
06.蛙野郎
07.マネキン
08.ARREST
09.10th Anniversary Specialメドレー
10.NAKAYUBI
11.KoppaMiJiN
12.The End of Music
13.明日が来るなら
14.aquarium
15.トレゾア
16.MY WAY

EN
01.in Daylight
02.BIRTHDAY SONG
03.HOME
04.キボウノカケラ〜Shiny Days〜
05.ダンデライオン
06.decade

(文・後藤るつ子/写真・キセキミチコ)