ライブレポート

2011.12.31

Over The Edge2011@渋谷公会堂

 

大晦日恒例の「Over The Edge」も、今年で5回目。その年のヴィジュアル・シーンを賑わせた面々が一同に集結+この日だけのお宝セッションも登場(しかもメンバーは当日までシークレット!)ということで、チケットは即日完売。午後2時という陽も高い時間から終結した2000人を超えるオーディエンスは年を越えて深夜3時まで、13時間にわたり6年ぶりに名称復活した渋谷公会堂を揺らし続けた。

 

まずは昨年に続き2度目の「Over The Edge」参加となる新進バンドたちがステージを温める。トップバッターは全員黒づくめのシックな装いで現れた摩天楼オペラ。最新シングル「落とし穴の底はこんな世界」を始め、シンフォニックかつメタリックなパワー・チューンを、キーボードを交えた巧緻なプレイと強力メタル・ビート、そして延びの良いヴォーカルで届けながら、叙情性豊かな旋律でメロディックに泣かせるのはサスガ実力派の貫禄だ。狂おしく弾けるAnziのギター・ソロや、轟く苑のハイトーン・シャウトに、場内も熱くなるばかり。オーディエンスの拳を受けながら、ド頭からハイ・クオリティな濃厚パフォーマンスで目と耳をタップリ潤してくれた。

 

そこから一転、キュートな空気を振りまいたのがDOG inTheパラレルワールドオーケストラの面々。バンド名の通り、春が“ワオ~ン”と鳴いて始まったステージは、メンバー同士が微笑み合い、客席にジャンプと手拍子が満ちる可愛らしくて楽しいものだ。が、“初めての人も多いと思うんで”とメンバー紹介しつつ、ギターの準々はナゾの内田裕也物真似を披露したり、春はいきなりステージから降りて客席を一周したりと、大舞台でも物怖じすることなく破天荒な個性を魅せつけるのだから肝が太い。新曲「ベビラヴッ!」等、ポップな中にバンド・サウンドの“激しさ”を、ギュッと想いの籠もった歌で“切なさ”を織り交ぜて、ガッチリとオーディエンスの心を掴んだ。

 

さらに一転、今度はMoranが優しく、冷たくたゆたうメロディと真っ直ぐなヴォーカルで、彼ら独特の寂寞とした世界を創り上げる。……と思いきや、2曲目からはモッシュ&ヘドバン三昧のアグレッシヴ・チューンが連投! 客席にはカラフルなフラッシュ・リングが煌めき、軽快なシャッフル・ナンバーにSiznaは奔放な表情と動きで魅せ、Soanもドラム越しに声を出して煽り立てる。しかし、最後はバラード「同じ闇の中で」をエモーショナルな演奏と渾身の歌唱でプレゼンテーション。呼び起こすカタルシスのさざ波のなか、「音楽っていうものは形が無いから君の中に届けることができるし、触れようと思えば触れられるもの。君は君の音楽をずっと探してください」という去り際のHitomiの言葉に、場内からは静かに拍手が沸いた。

 

ここで早くも今日最初のセッションが登場。YUKKEがバンマスを務める“凛stic ムリー”はヴォーカル&ギターにPlastic Treeの有村竜太朗、ギターにaie、ドラムに凛として時雨のピエール中野という豪華メンバーで、ステージに顔を見せるや客席からは驚きと喜びの悲鳴があがる。「じゃあ、始めます」とボソリ竜太朗が呟いて、かき鳴らしたのは超有名すぎるイントロ・フレーズ。ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」をラフに届け、ここでYUKKEの何気ないツイートから結成されたセッションであると裏事情を暴露すると、ピエール中野も「軽い気持ちでツイートしたら、こんなことに……」と困惑気味だ。続くスピッツの「ロビンソン」では、フォーキーな楽曲と竜太朗の透明感ある高音ヴォーカルがベスト・マッチ。「今年はここに来れて良かったです。感謝」と頭を下げ、病気療養で出演を果たせなかった昨年のぶんまで、オーディエンスを楽しませてくれた。

 

ここからは「Over The Edge」常連組が続くことに。まずは皆勤賞のMix Speaker’s.Inc.が、海賊をモチーフとした奇抜すぎる新衣装で、オーディエンスの度胆を抜く。中でも超厚底靴で巨大なタコと化したseekの威圧感は半端ない。その他、クリオネにAYA、タツノオトシゴにkeiji、フグにSと海の生き物に扮した面々が、出だしから全員マイクを握って歌い踊り、和風ナンバーでは扇子を振って桜の花びらを撒き、煽り曲ではseekが客席に乗り込んでマイクを向けたりと、ビックリ箱のようなステージを展開。中でも新曲「Shiny tale」は希望に向かう強い信念の滲むナンバーで、YUKI&MIKIが放つツイン・ヴォーカルの凛としたハーモニーが聴き所だ。1月からアニメ「男子高校生の日常」のオープニング・テーマとしてもオンエアされるので、ぜひチェックしてみてほしい。

 

続くlynch.は前日に隣の渋谷AXで迎えたツアー・ファイナルの余勢を駆って、とにもかくにもパワフルに圧倒。各バンド5~6曲平均のところ、なんと8曲!のメニューを携え、ファストなナンバーを休みなく畳み掛ける様は、まさしく爆走列車の如く。それでいて緩みも淀みもないタイトなプレイがオーディエンスをガッチリと惹き込み、絶え間ない拳とヘッド・バンギングを巻き起こすのだから「お見事」の一言だ。Mix Speaker’s,Inc.の置き土産を目ざとく見つけ、「年末だというのに桜の花びらが落ちている…」(葉月)と笑わせる余裕も見せつつ、「pulse_」で葉月が「SEXしようぜ!」と煽れば、客席中から「ヤリタイ!」の大コール。そこから一転、真摯な願いを綴った“歌”で聴かせる「A GLEAM IN EYE」への締めくくりでもグッと胸を熱くさせ、シーンの枠組みを超えた純粋なバンド力を魅せつけた。

 

熱く沸き返った場内のムードを受け、「lynch.さんの男らしいパフォーマンスの後で、俺……?」と不安そうな夢人に率いられて登場したのはAYABIE。「もう女々しくいくよ」と開き直り、電車の中で遭遇した悲しいエピソードを披露しながらも、そのステージングはなかなかに強引なものだ。サイリウムを掲げるファンに「くるくる回って!」と遠慮なく注文し、アグレッシヴな演奏に乗せてインテツは大きく身体を振る。サウンド面でも、同期を多用したデジタリックなナンバーと、ギター・タケヒトの叙情フレーズが映えるシングル「流星」等のメロディックな楽曲で、しっかりと持ち味を発揮。また、KENZOのイケメンぶりだけをフィーチャーした雑なメンバー紹介等、コミカルなアプローチも彼らならではの魅力と付け加えておきたい。

 

2組目のセッションはMix Speaker’s,Inc.のYUKIが主催。でんぐり返ししながらの登場で笑いをとった準々(DOG in theパラレルワールドオーケストラ)に、まゆ(Daizy Stripper)、コースケ(heidi.)の本日出演者に加え、ドラムにはアンティック-珈琲店-の輝喜が参加! まずはUVERworldの「GOLD」を披露するが、普段は絶対に聴くことのできないYUKIのヒップホップ色強いヴォーカルが、とにかく新鮮だ。続いて「SHAMROCK」の爽やかな響きに客席から拳があがり、そしてラストはL’Arc〜en〜Cielから「READY STEADY GO」をプレイ。お馴染みのドラム・ビートを輝喜が叩けば一瞬にしてオーディエンスはワッ!と沸き返り、すぐに歌をYUKIと掛け合ってしまう。フレッシュな顔合わせかつ、それぞれの個性が活きたプレイに、誰もが笑顔で手を振ったハッピーなセッションだった。

 

続いてのheidi.も「Over The Edge」ではお馴染みのバンド。頭から義彦の喉も絶好調で、恐ろしく抜けのいい伸びやかなヴォーカルと、心のまま自由に動き回る楽器隊のパフォーマンスが、とにかく気持ちいい。とことん“いい歌”にこだわる彼らの楽曲は渋谷公会堂のようなホールとの相性抜群で、力強いドラムにシャープなギター、骨太なベースと各パートの音もクッキリ。「今日はお祭りということで……長い旅になると思いますが……」と、出口を見失いがちな義彦のMCも相変わらずだが、そのぶん自然体で楽しんでいることは彼の活き活きとした表情からもハッキリと伝わってくる。結果、「白昼夢」のようにダンサブルな曲にしろ、「五月蝿い」のようにギターが唸る激情歌にしろ、彼らにしかない特有の哀感あふれるheidi.節を爆発させて、本イベント皆勤賞の強みを露わにした。

 

そして、「Over The Edge」の顔とも言っていい存在のMUCCが登場。メンバーがステージに現れたときのオーディエンスの歓声も、振り上がる拳の勢いも、間違いなくここまでで最大のもので、浸透率抜群の「茫然自失」が頭から投下されるなり体感温度が明らかに上昇するのがわかる。何より目を瞠ったのが、目の表情、仕草一つで感情を訴えかける逹瑯のオーラで、その空気感と長年のバンド・キャリアで培われた息の合った演奏に、もう完全に呑み込まれるほかはない。さらに、そんな情念籠もったアグレッシヴ・チューンから、切れ目ないドラムで「フォーリングダウン」に繋いで、生音からデジタルへと移行する、その鮮やかな手さばきといったら! それまで内に籠もっていたベクトルは外側へと解放され、ハウス界の鬼才・DAISHI DANCEとコラボした「アルカディア」の4つ打ちビートに跳ぶオーディエンスと、そこに向かっていくメンバーの間に確かな一体感が生まれてゆくのが、実に心地いい。ラストの「大嫌い」では客席から合唱が自然発生し、威風堂々のライヴ・アクトで前半戦を締め括ってくれた。

 

ここで40分の休憩を挟み、後半戦の火蓋を大阪発のSadieが切って落とす。異世界への扉を開くような神秘的SEに続き、最新シングル「Rosario」が誘うのは地の底を這いずるような低音と爆音が蠢くカオティック・ワールド。顔を幾重にも覆う布の向こうからシャウト、グロウル、クリーンと自在に放たれる真緒のヴォーカルが観る者を翻弄し、その場に釘づけにしてしまう奇怪なインパクトは強烈だ。が、「渋谷、狂って来い!」という彼の叫びの後は、皆が待ちかねたライヴ・チューンのオンパレード。轟音で攻め、太いビートで跳ばせ、キャッチーなメロディで聴かせるツボを押さえた楽曲構成で、会場はジワジワと一つになってゆく。最後の「陽炎」で「もっと! ここに! 届くまで!」と胸を叩いて声を求める真緒、それを支える楽器隊の堂々たる風情に、2日前に同じ会場でファイナルを迎えた全国ツアーの成果を、しっかり感じ取ることができた。

 

すっかり黒く染まった場内の空気を、カラフルに染め変えたのはDaizy Stripper。最新シングル「絶望のフリージア」での幕開けから持ち前のポップ&キャッチーなメロディを全開にぶつける一方、客席ギリギリまで迫るフロント陣のステージングや容赦なく爆走するドラム、そして男子とは信じ難い夕霧のハイトーン・ヴォーカルでヘッド・バンギングの嵐を呼び、バンドらしい激しさも提示するのが興味深い。MCでは「2011年はいろんなことが起こったから、厄除け代わりに」と、夕霧がミゲルくんで話題の「消臭力」のCMソングをアカペラで披露するサプライズも! 素晴らしいビブラートで喝采を受け、「これで大丈夫。悪い物は全部消しました!」と約束してくれたのは嬉しい限りだ。

 

気づけば時刻も23時。「2011年、君らが最後に観るヴィジュアル系バンドは俺やから!」と、ステージに上がったのはYUKIYA率いるJILSだ。一音一音に想いの籠もった豊かな歌声が乗るミドル・チューンは驚くほどに優しいもので、凝った心を解くような効能がある。が、1曲歌い終えて「盛り上げる曲も振りつけのある曲ないから」とオーディエンスを座らせると、彼の十八番でもある自虐トークが炸裂。「5年前に解散したバンドで、なぜ出ているかわからない」と笑わせるが、そのMCセンスと切なすぎる楽曲のギャップに客席は拍手を贈り、「ちょっとだけ楽しそうな曲をやる。バンギャル!」と煽られれば素直に拳をあげる。aieにkazuという「Over The Edge」ではお馴染みの面々もサポートに迎え、「俺が売るのは音楽だけだ」「好きなバンドをずっと応援してあげてください」と名言も飛び出した40分のステージ。それは2011年を締め括るに相応しい、とても温かいものだった。

 

ついに時刻は23時57分。YUKIYA、逹瑯、seekに続いて、出演者たちがステージにあがり(中にはやや足元がおぼつかない人も?)、よく見ると出演していないSOPHIA・黒柳の姿まで! そして全員でカウントダウンの後、24時キッカリに銀テープが飛び、「あけおめ!」の声がこだまする中、新年の祝砲とばかりにドラムをYUKKEが打ち鳴らす。

 

いったん幕が閉じて5分後。聴こえてきたのは、なんとLUNA SEAのライヴ・オープニングの名曲として名高い「LOVELESS」のイントロ! 幕が開くと、そこにいたのはLUNA SEA……ならぬ葉月セッションの面々だ。葉月が「eins …zwei」とRYUICHIさながらの低音で呟けば、defspiralのRyoがJ独特のうねるベースを爪弾き、笹渕啓史が正確なビートを刻む。一方「SLAVE」ではHIRO&ミヤ(MUCC)のギター隊が、原曲のエフェクティヴなサウンドを忠実に再現!「2012年最初のヴィジュアル系にして、恐らく今日一番のV系です」との葉月の言葉通り、皆プレイのみならずヴィジュアルまでもが90年代のLUNA SEA本家を意識したものになっていて、その意気込みのデカさを感じさせた。実はこのセッション、当初は弐(ギルガメッシュ)や美月(Sadie)といった葉月と懇意にしている友人たちと行う予定だったのだが、スケジュールが合わず、急遽lynch.のリーダー・玲央の広い交友関係を頼ってメンツを集めたとのこと。しかし、第一希望のメンバー全員に即答でOKを貰えたというだけはあり、締めくくりとして演奏された「PRECIOUS…」の完コピぶりは素晴らしかった。「かかってこい!」という煽り、ギター隊のコーラス、SUGIZOさながらに身体をのけ反らせHIRO。リスペクトに溢れた大物カヴァーで、ヴィジュアル・シーンの2012年を華々しく幕開けてくれたのが嬉しい。

 

バンドとして新年一発目となったのはドレミ團。哀愁のメロディが香る軽快な歌謡チューンで振りまく彼ららしい“和”の叙情ムードは、お正月を迎えたばかりのシチューションにもピッタリだ。先程のカウントダウンの瞬間に、結成10周年を迎えたという彼らだが、残念ながら3月20日・赤坂BLITZワンマンでの解散が決定しているとのこと。残り少ない時間、その一瞬一瞬を大事にしたいという想いは丁寧なプレイからも十二分に伝わり、ステージ上では時折メンバー間で笑顔を見交わし合って、お馴染みの「戀想遊戯」ではギター・龍とベース・ユウが額を合わせて微笑むシーンも。「あおぞらジェネレイション」ではフロント全員をセンターに集めてマコトが皆の肩を抱く、その光景を瞳に刻みつけようと腕を振るファンの姿は、こちらの胸にも焼きつくほどに美しかった。

 

深夜1時を回り、やや疲れが見え始めたオーディエンスに喝を入れてくれたのがギルガメッシュ。転換中からモーニング娘。やパフュームをBGMに流してテンションをアゲてから、現れた4人の顔は目以外真っ黒! 左迅いわく「気合を入れるためにメンバー全員で日焼けサロンに行ってきた。ガングロ/アゲポヨで行きたい」とのことだ(笑)。その宣言通り、無条件にノレるアッパー・チューンを次々に繰り出して、ステージ上を縦横無尽に跳ね回るが、スペシャルなメイク……いや、日焼けのせいもあって、その姿は何かのキャラクターのように可愛らしくも見える。しかし、放つサウンドは、もちろんハード。ポジティヴにバーストする「Break Down」を手始めに、季節外れなくらいに“アツイ”ライヴ鉄板曲を連射しながら、「evolution」では弐が寝転がって脚を開閉するナゾの動きをしてみたり。「バカでクレイジーで物凄いライヴをやっていきたい」という左迅の公約は、今年もしっかり守られそうだ。

 

そして、遂にバンド・アクトとしてのトリをMERRYが飾る。しかも、幕開けはガラの狂気的シャウトが空気を切り裂くDIR EN GREYのカヴァー「Schweinの椅子」! 嬉しいサプライズに客席は歓喜の嵐となり、誰に言われずとも「DNA!」の大合唱を贈るが、新年一発目のMERRYは我々の予想を超えてキレていた。壊れたオモチャのようにガクガク動き、杖を振り回し、「絶望」では突然「許してください!」と学習机の上で土下座をするガラを筆頭に、皆身の内から沸き上がる衝動を抑えきれないかのように激しく身体を振って、そのエモーションを演奏に落とし込んでゆく。曲間では「あけおめ」「こえが」「ちいさい」とガラが習字で心境アピール。墨を口に含んで吐き出し、顔から白いシャツから真っ黒になったあげく、今度は床に転がってマイクのコードに絡まりながら「バイオレットハレンチ」を熱唱する彼の極まったパフォーマンス、つまりは凄まじいオリジナリティには、思わず背筋が震えるほどだ。さらに、脱ぎ捨てたシャツと頭を振りたくった「消毒」で、新旧取り混ぜた全6曲の鉄板メニューを締め括り。10周年を迎えて自らの“独自性”に目覚めた彼らの進撃を、2012年も見逃してはならない。

 

15分後、長丁場のイベントも最終セッションによって、ようやくフィナーレを迎えることに。「Nausicaa requiem」をSEにその重責を担ったのは逹瑯、ガラ、seekの3人だ。そこに玲央(lynch.)、Sizna(Moran)、彩雨(摩天楼オペラ)、Яyo(ギルガメッシュ)を加えて披露されたのは「カントリーロード」。パンキッシュにアレンシされた名曲を、逹瑯とガラのツイン・ヴォーカルで時に交互に、時にユニゾンで歌い上げるという、今日だけのレアすぎる光景に、オーディエンスは大歓声をあげる。逹瑯のメンバー紹介(ガラは習字で「ラーガー」と自己紹介!)を挟み、THE BLUE HEARTSの「TRAIN-TRAIN」では逹瑯の歌にガラがコーラスを添えるという、贅沢極まりないシーンも見られた。そして「この仲良くないふたりがここで歌いますよ。仲が悪いがゆえに、これから深めてゆこうと思います」という逹瑯のツンデレ発言に続き、本年の「Over The Edge」のラスト・ソングとなったのが、THE BACK HORNの「キズナソング」。

 

二人が見つめ合い、珠玉のハーモニーを奏でるナンバーは、ワッと盛り上げて締め括られる例年の「Over The Edge」を考えると、確かに異色な選曲かもしれない。だが“今年の漢字”として“絆”が選ばれた2011年は、日本人なら誰もが“生”の喜びと、身近だからこそ忘れてしまいがちな“絆”の大切さを、今一度確認することのできた年だったはずだ。だからこそ、こんな優しいエンディングが相応しい――。会場中の誰もがそう感じ、その歌声に胸打たれたであろうことを、満場の温かな拍手が何よりも強く証明していた。

 

 

(文・清水素子 写真・平沼久奈)