ライブレポート

2011.08.27

JACK IN THE BOX 2011 SUMMER@nicofarre[第1部]

 

リアルとヴァーチャルの狭間を行き来する、イマドキならではのインタラクティヴ系最新型夏フェスがここに実現した。

 

このところ毎年行われて来ていた夏フェス(通称・夏JACK)が、今年はなんと[JACK IN THE BOX 2011 SUMMER@nicofarre]と題され、全く新たなスタイルで行われることになったのである。

 

会場の壁面が全てLEDパネルで囲まれ、随時その画面上にネットから上げられたコメントを映し出すことが出来るようになっている、六本木・nicofarreを拠点に開催されたこのイヴェントは2部制となっており、第1部の “ギルガメッシュナイト”ではムックの逹瑯と、ギルガメッシュの左迅が総合司会となり、今現在シーンの中で注目を集める若手有望バンドが続々とライヴアクトを披露。

 

その先陣を切ったのは、初っぱなから訴求力のある歌で聴衆の関心を惹きつけたフロントマン・芥が率いる、Administratorだ。来る10月5日に発売されるという、ファーストアルバム『CROSS』からの新曲「RED EYES」では、ダイナミックなバンドサウンドを存分に提示してくれるなど、短い持ち時間の中でもかなり強い存在感を放ってくれていたことは間違いない。

 

かと思えば、場内を思い切りカラフルな音で染め上げてくれたのは、かつてPhantasmagoriaのギタリストであったJUNが、 “NEW FASHION ROCK”の理念を掲げて始動させたソロプロジェクト・SPIV STATES。肩にかけたギターを自在に操りつつも、一方ではしっかりと堂に入ったヴォーカリゼイションを聴かせてくれたJUNの姿は、なんだかとても頼もしかった。

 

さらに、基本的にヘヴィメタルの好きなメンバーが集まっているというALSDEADは、その言葉通りと言えるようなハードでアグレッシヴなライヴを展開してみせ、場内では遂にヘドバンの嵐が勃発。実は、つい先日にベーシストが脱退したばかりという状況ではあったらしいのだが、今回は正規メンバー候補のサポートメンバーと共に、バンドとしての新章へと向けた力強い羽ばたきを、彼らはこの場で感じさせてくれた次第だ。

 

さて。今年2月に結成されたばかりでありながら、各方面で既に話題となっているバンドといえば…? そう、それは第1部のトリ前に登場したユナイト御一行。ヴォーカリスト・結が「まずは楽曲の良さを聴いてほしい」とライヴ前にコメントしていたとおり、ポップな曲でもアッパーな曲でも、独自のメロディセンスをたたえた楽曲は確かに魅力的だった。11月16日に出るアルバム『STARTiNG OVER’S』も、これは要注目だろう。

 

かくして、第1部もいよいよ大詰め。“ギルガメッシュナイト”の主役は、もちろんギルガメッシュにほかならない。先般にはZepp東京でのワンマンを成功させているバンドだけあって、ライヴ空間で人心を強くつかむのはお手の物。轟音がハジける「destiny」から始まり、ダンサブルで色気のある「睡蓮」などをはさみつつ、ラストはキラーチューン「evolution」でスパークして打ち上がるという流れは、言うなれば完全無欠だった。

 

とかく、先輩バンドの多いMAVERICK DCの中では若造扱いされることが多い彼らではあるが、もはやライヴの完成度と経験値においてはそろそろ中堅バンドと呼ばれてもおかしくないのではなかろうか? つまり、この夜のライヴはそんな貫録さえうかがえるステージングだった、ということになる。

 

なお、今回のイヴェントでは機材転換中に行われていた、逹瑯と左迅および各バンドの代表者によるトークが随時中継されていたほか、ライヴ演奏中に二コ生コメントが現場のLEDにもリアルタイムで流されたり、後半にはシドのマオが渋谷で営業中のL’Arcafeから生中継をする一幕もあるなど、場内とネット上がインタラクティヴに繋がれていた点が実に興味深かった。

 

ちなみに、大事なことをもうひとつ。これは第1部の終わりに告知された重大発表なのだが、なんと12月27日には武道館での“冬JACK”も決定したそうだ。題して、[JACK IN THE BOX 2011]。かれこれ10回目となる祭典では、一体何が飛び出すのか…これは今から楽しみだ!

 

(文・杉江由紀/写真・菅沼剛弘)