THE MICRO HEAD 4N’S

東京に出てきて初めて世に出した曲(ZERO)

ZERO

c/w曲にはファン投票上位に選ばれた「The Wings Of Wind」「この先ずっと…」のリメイクが収録されています。必ずしも1〜2位の曲とは限らないということで、メッセージ性を重視したのかなと感じましたが、いかがでしょう?

KEKE:結局、本当に上位ですね。3位が「フォトグラフ」だったんですけど、コード進行が「まだ僕らを知らない君へ」とちょっと似ているから、普通に1〜2位の曲でいいんじゃない?となった気がします。でも、「この先ずっと…」というワードもやっぱりメッセージ性がしっかりありますし、結果的にそういうシングルに導かれていった感じがしますね。

この投票結果は、皆さん的には納得でしたか?

KEKE:「The Wings Of Wind」はちょっと意外だったかもしれないです。今ランキングを確認したんですけど、1位「The Wings Of Wind」、2位「この先ずっと…」、3位「フォトグラフ」、4位「Calling」、5位「Curtain Call」でした。しかも1位はぶっちぎりで。

kazuya:手に入らないからね。

ZERO:そうなんですよ。製品にはなってない曲(2014年「EARNEST GAMES」全5公演参加者対象の無料配布CD)だから、そういうレア感も加味された上でのランキングだと思うんですよね。あと、KEKE君がこの曲をやりたいみたいな発言もしていたので、それが聴きたいという気持ちに繋がった部分もあったのかなと思います。

なるほど。この曲はベースがめちゃくちゃゴリッとしていますよね。

KEKE: Aメロとかのベース、マジでカッケー!って思うんすよね。テンション上がりますよ。

ZERO:俺が東京に出てきて初めて世に出した曲だったんですよ。だから当時、気合いを入れて作りましたね。そういう意味でも、今回も攻撃的にという気持ちはもちろんあります。で、俺的には「The Wings Of Wind」の代わりに作ったのが「INSPIRE」(『NEW ERA -evolution-』収録)なんです。だから内容的にも同じような感じというか、自分を鼓舞していく曲ですね。

リメイクにあたって意識したことはありますか?

ZERO:アレンジを変えようかなと思っていたんですけど、そこまでの実力には至らなかったのと、製品になっていないから、根底の部分では別にいじらなくてもいいのかなというのもあって。kazuyaさんがギターで変えてはくれたから、その新しいニュアンスでいけると思うんですけど、全面的に何かが違うということはないですかね。

TSUKASA:この曲は、ドラムは再録していないですけど、チェックで送られてきた自分のドラムのツーミックスを聴いて、歴史を感じました。THE MICRO HEAD 4N’Sが始動してからD’ESPAIRSRAYの曲を久しぶりに聴いた時も同じように思ったんですけど、すごく細かいことをやり過ぎているみたいな(笑)。良いことでもあるんですけど、しっかり思い出してやっていかないとなと思います。

ZERO:確か当時も言っていたもんね。「こういうフレーズ、懐かしい」みたいな。

TSUKASA:そうそう。あとはやっぱり作曲者が考えてくれたリズムも僕は大事にしているので、サビでキックとシンバルを打つんじゃなくて、スネアとシンバルに行くというZERO君の感覚とか、D’ESPAIRSRAYのフレーズにもあったなと思い出すような部分が所々に散りばめられているんですよね。ライブでやるのがまた楽しみです。

kazuya:今回、音源制作とリリースタイミングの時系列がちょっとおかしくて、本来は『まだ僕らを知らない君へ』の後に『NEW ERA -evolution-』を出すのが通常の流れだと思うんですよ。というのも、『NEW ERA -evolution-』の僕の曲はシングルギターで作っているので、 4人でのマイフォはこうなりますよという僕の未来への提案だったんですよね。アレンジも以前とは全く違うし。だけど『まだ僕らを知らない君へ』は、c/w曲も含めてSHUN.ちゃんがいる時にプレイしたものだから、表題曲は僕がSHUN.ちゃんのレスポールを弾いているし、「The Wings Of Wind」も彼のギターをコピーしています。このシングルは5人で表現していた延長線上というか、その匂いが残るように作ったつもりです。

KEKE:僕、Rickyさんの「The Wings Of Wind」をすごく聴いていて、これ歌えるのかな?と思っていたんですよ。なので、Rickyさんに「どうやって歌ったらいいですか?」と聞いたら、「あんたの方がこういうの得意でしょ」って一言で返されて終わりました(笑)。何の参考にもならなかった(笑)。

kazuya:似てきたよね。Rickyの声が聞こえたもん(笑)。

全員:(笑)

KEKE:自分の声にハマるのかなと不安だったんですけど、ZEROさんがレコーディングの時に「『俺、カッケー』と思いながら歌って」と言っていて(笑)。

ZERO:大事でしょ(笑)。

KEKE:実際やったら、めっちゃハマってるやん!と思いましたよ。

ライブでの感覚を思い出しつつ、新しく聴かせられるようなドラミング(TSUKASA)

TSUKASA

今回「この先ずっと…」をBallad versionにしたのは、KEKEさんのソロライブ(ピアノと歌のみでのステージ)もきっかけの一つなのかなと。

kazuya:僕的には、それは結構あります。それが良かったから、なんとなくBallad versionだろうなと思っていて、KEKEも同意見だったので今回はそっち側にしました。

KEKE:2022年のかず兄のバースデーライブで、バンドバージョンはやっていたんですよね。それはそれで良かったんですけど、自分がソロライブでこの曲を何回かやっていて、かず兄もお客さんもすごく良かったって言ってくれているし、自分もハマってるなという感覚があったので、そっちだなと。かず兄がアレンジしてくれて、僕もこういうのが入れたいという大雑把なオーダーをするんですけど、それもしっかり反映してくれて。逆に前の音色として使っていたものが消えていて「いや、ここがこの良さだと僕は思うんですけど」みたいな話をしたら、「そう? じゃあ入れとこうか」と入れてくれたり。

kazuya:俺、そんなバカっぽい喋り方やったっけ(笑)?

KEKE:いや、バカにしているわけじゃないですからね(笑)。とにかく、俺の意見もしっかり入れてくれて、すごく良い仕上がりになったなと思いますね。

TSUKASA:実は、当初打ち込みでやろうかという話もあったんですよ。だけど、他の曲のドラム録りが割と早く終わったのと、お世話になっているLEVINさんからもこういう曲は絶対に生の方が良いと助言をいただきまして。ライブでの感覚を思い出しつつ、新しく聴かせられるようなドラミングにもしたいなと思いながら叩きましたね。ちなみに、「ジェネレーションのシンバル事件」と名付けている問題がありまして、簡単に言うと大人チックなフレーズと若いフレーズで、皆にどっちがいいか選んでもらったんですよ。それでKEKE君の意見を尊重しまして、大きいシンバルを叩くんじゃなく、スプラッシュでパンッとスパイスを入れました。

そうなんですね。

KEKE:曲によってそれぞれ歌い方を変えているのが、今作は一番伝わりやすいかなと思うんですよね。「まだ僕らを知らない君へ」と「The Wings Of Wind」は、ポップさと激しいロックの荒々しさで正反対だと思うし、「この先ずっと…」も声色は変えているので、そういった意味でも面白いかなと。レコーディングしていく度に、自分でも良くなっていっているなという実感がありますね。

さて、6月30日には目黒鹿鳴館でのKEKEさんバースデーライブが控えています。ビルの老朽化により現在の場所での営業が2024年末で終了するということで、やはりここでやりたい気持ちが強かったですか?

KEKE:そうですね。コロナ禍も鹿鳴館はなんとか切り抜けてきたライブハウスだし、なくなるってことを全く考えてなくて。移転するということですけど、やっぱりあの場所に意味があると僕は思っていたので、すごく残念だなと。で、当初の予定より1年間延びたというニュースを見た時に、絶対やりたいと思いました。なかなかタイミングがなかったんですけど、6月30日が空いていると聞いて、もう絶対にそこで!と(笑)。僕が見てきたすごい方たちが育ってきたライブハウスなので、自分もそういうところで頑張っていきたいなという気持ちと、雰囲気、景色も見ながら当日はやりたいなと思いますね。パワーをもらえる気がします。

今年も昨年と同じ冠「Worship god day」=神を崇める日ということで。昨年は「火の鳥」(FANATIC◇CRISIS)と「MIRROR」(D’ESPAIRSRAY)のカバーもやりましたが、今年は何が待ち受けているのかなと(笑)。

KEKE:メンバーが大変になる(笑)。

ZERO:想定内ですね(笑)。俺的には、1曲は思い出し作業もいらないぐらい弾けます(笑)。

TSUKASA:僕も1曲は何度かやってきた曲なので大丈夫です。

kazuya:僕は初めてコピーする曲ですね。ただ、これはいつか来るだろうなと思ってはいたんですよね。一人で弾くのはちょっと気が重い(笑)。僕、ライブって全く緊張しないんですけど、鹿鳴館や前橋RATTAN、渋公、移転する前のLOFTとかって伝説的過ぎる場所なので、特に鹿鳴館はちょっと緊張しやすい場所だったりするんですよね。僕らの世代は昔、楽屋を使わせていただけなくて、廊下でメイクをするのがデフォルトで(笑)。

ZERO:階段でしましたよ(笑)。

kazuya:だよね。だから今回、KEKEは階段でメイクして(笑)? 

ZERO:そうっすね(笑)。

KEKE:え、ステージに上がっていくまでの、あの細い階段ですか!? 暗過ぎてメイク見えないっすよ(笑)。

kazuya:あそこでやったんだよ(笑)。しかも自分で。まぁ、とにかくある種の緊張感は楽しみだなと思っています。

そして、7〜8月には13周年記念ツアーがあります。5月25日のKEKEさんのXで、「今の“予定”では、一期〜四期までを同じ曲数で満遍なく振り分けたスペシャルなセットリストにします!」と宣言していましたよね。

KEKE:そろそろ体を動かして踊ったりもしたいかな、なんて思っているんですよね。僕が加入して以降、まだやっていない過去曲はあと10曲強なんですけど、周年をガッツリ盛り上げていきたいなというところで、あえてバレンタインや自分の誕生日で外した曲もあります。だから、現体制で新たにやる過去曲はいつも1ステージに1〜2曲ですけど、今回はもうちょっと増えるかなと。例えば全部で20曲やるんだったら各期5曲ずつが理想ですけど、なるべくそこに近づけつつ、過去を振り返りながら現在進行形、未来に向かっている今の僕らに繋げていけたらと考えています。『まだ僕らを知らない君へ』をきっかけに観に来てくれた人にもわかりやすいような、一期から四期までをちゃんと伝えていけたらと思っていますね。

kazuya: KEKEは嘘をつくのが下手だから、先ほど話していた不安な感じは耳からも伝わってきていたんですけど、5月のツアーで大きな壁を1個乗り越えたと思うんですよね。別に問題が0になったわけじゃなくて、まだあるにはあるんですけど、壁を1個越えた後の周年ツアーというのは、ものすごくマイフォらしいライブが見せられるんじゃないかなと。ここ数年で実感したこととして、ファンタ然り、マイフォ然り、ヴォーカリストが楽しそうにしているライブが僕にとってもベストライブだったりするんです。本当に良い時のKEKEは「楽しい!」ってクソうるさいので(笑)、ああいうのがいっぱい聞けるライブになれば、それは必然とファンの方々にも伝わるんじゃないかなと思います。そんなツアーにしたいですね。

(文・金多賀歩美)

THE MICRO HEAD 4N’S

KEKE(Vo)、kazuya(G)、SHUN.(G)、ZERO(B)、TSUKASA(Dr)

オフィシャルサイト

リリース情報

New Single『まだ僕らを知らない君へ』
2024年6月19日(水)発売
(日本コロムビア)

[PREMIUM BOX盤](CD、DVD、PREMIUM Tシャツ、ジャケットカード4種、オフィシャルイベントQRコード付き応募カード)THIR-0097 ¥8,000(税込)※個数限定

[通常盤](CD)QAFJ-10025 ¥1,500(税込)

収録曲

[PREMIUM BOX盤CD]

  1. まだ僕らを知らない君へ

[PREMIUM BOX盤DVD]
・「まだ僕らを知らない君へ」Music Video
・「まだ僕らを知らない君へ」Music Video KEKE Solo Ver.
・「まだ僕らを知らない君へ」Music Video kazuya Solo Ver.
・「まだ僕らを知らない君へ」Music Video ZERO Solo Ver.
・「まだ僕らを知らない君へ」Music Video TSUKASA Solo Ver.

[通常盤CD]

  1. まだ僕らを知らない君へ
  2. The Wings Of Wind
  3. この先ずっと… 〜Ballad version〜
  4. まだ僕らを知らない君へ Original Karaoke
  5. The Wings Of wind Original Karaoke
  6. この先ずっと…〜Ballad version〜 Original Karaoke

ライブ情報

●KEKE BIRTHDAY LIVE 「Worship god day」
6月30日(日)目黒鹿鳴館

●THE MICRO HEAD 4N’S 13th Anniversary Tour「まだ僕らを知らない君へ」
7月28日(日)池袋EDGE
8月3日(土)川崎セルビアンナイト(※THE MICRO HEAD 4N’S Still Night公演)
8月4日(日)川崎セルビアンナイト
8月11日(日)心斎橋DROP
8月12日(祝・月)名古屋ell SIZE
8月25日(日)赤羽ReNY alpha