本当にずっと変なものを作ろうと思っていた(ZERO)

ダンスチューン「PURPOSEFULLY」は歴代のZEROさん曲のどれとも違うタイプですが、今回はどんなイメージから作っていったのでしょうか?
ZERO:本当にずっと変なものを作ろうと思っていました。俺、いつも楽器を何も弾かずに作曲するんですけど、もう形にならないような変なものしか浮かばなくて。部分的にしかできないというのを繰り返していた中、締切日を過ぎた深夜0時頃にやけくそでベースを弾きながら歌ってみたところからパッとできた曲です。サビのフレーズを弾きながら鼻歌で歌っていて、これでいこうと。そう思ったら早いので、そこから数時間でデモを作りました。だから元々は変なものを作ろうと思っていましたけど、割とナチュラルに俺の中から出てきた曲ではあります。とはいえ、変なことを考えたうえでの結果だとは思うんですけど。
皆さん、デモを聴いた第一印象はいかがでしたか?
kazuya:ZERO君は毎回少しずつレベルが上がっているなと思って。今回、歌心がちょっと出てき始めた印象を受けました。前は楽器中心という感じでしたけど、今回は歌メロが結構ちゃんとしているなと。また成長を感じましたね。それと今、シングルを作るにあたって1曲は絶対ZERO君の曲が入るというルールでやっているんですけど、つまり自分以外に作曲者が一人いるわけなので、僕はそれが単純に嬉しいし、刺激にもなりますね。仲間ができた感じで楽しいです。
KEKE:僕はこのメロディの感じがなんか令和だなと思いつつ、BメロはZEROさんらしいなとも思いました。ただ、見た目からしてマイフォの中でヴィジュアル系という単語が一番当てはまるのは多分ZEROさんだと思うんですけど、そういう人が作った曲が一番ヴィジュアル系っぽくないというのは、ちょっと意外ですよね。
ZERO:俺は昔それで作曲をやめたから。当時、俺自身はハードなヴィジュアル系っぽいものが作りたかったんだけど、歌ものしか作れないから、もう作りたくないと思ってやめたんだよね。
KEKE:なるほど。kazuyaさんも言っていたように歌心を感じるというか、自分にはまるなと思ったし、最後をヴォーカルで締めるところも、曲の雰囲気として若いなと。僕はこの曲にすごく可能性を感じていますね。かず兄の曲はもちろん新しい可能性も秘めながら、僕の声質の良いところを伸ばそうみたいな感覚で、ZEROさんの曲は自分の新しい何かを引き出してくれるイメージ。作曲者が複数いることの旨味でもあるなとは感じますよね。
TSUKASA:最初に聴いただけでもライブで盛り上がりそうな曲だなと思ったんですけど、アレンジや練習で何回も聴いているうちに、サビのフレーズとかもう口ずさんじゃうんですよね。だから、中毒性のある曲だなと思いました。あとはAメロがデモでは16部でハイハットが刻まれていたんですけど、プラスで打ち込みが細かく刻んであったので、自分が叩いても打ち込みに負けるなとか色々考えまして。ライブを想定した時に、難しい動きをしているとお客さんを見られないんですよね。結果、打ち込みが刻んでくれているんだから、ここは8分でいいかなとZERO君と相談しながら決めました。なので、お客さんと視線でキャッチボールしながら楽しめそうですし、確実にお客さんが笑顔なのがもう見えているんです。あと、途中のリズム隊ソロみたいな部分も見せどころだと思っております。
そのセクションを含め、全体的にベースの聴きどころも多いですよね。
ZERO:そうですね。イントロ、Aメロ、Bメロがずっと同じではあるので、フレーズのパターンとしては少ないですけど、常に動いているうえにリズムソロもやろうと。ベースを弾きながら鼻歌を歌っていた作曲時点で、リズムソロがあるというところまで作れていて。その後に来るギターソロは俺には入れられないなと思って、kazuyaさんに丸投げしたんですけど(笑)。カッコいいのが上がってきた時に、もうバッチリだなと思って。
KEKE:うん、マジでやるやん!って。俺はkazuyaさんにギターソロを弾いてほしいタイプですけど、kazuyaさん自身はいつも「俺なんていらないよ」みたいなことを言うんですよ。で、今回kazuyaさんとZEROさんが「ギターソロどうだった?」って話を目の前で繰り広げていたんですけど、俺はレコーディングまでギターソロを聴く術がなくて。早く聴きたくて、ずっと気になっていたんですよね。そしたら、めちゃめちゃカッケーやん!と思って。舐めてたのかもしれないですけど、kazuyaさんがああいうソロを上げてくるイメージがなくて。
kazuya:舐めてる(笑)。
KEKE:やればできるんだから、やればいいのにと思って(笑)。
全員:(笑)
kazuyaさんはあまりギターソロを入れたがらないですもんね。
kazuya:それは育った環境のせいですよ。ファナをやめた後に作曲家になろうと思って、いろんな事務所の人と喋ったり、コンペとかをやっていた中で、イントロやギターソロはいらねーよとか言われてきた教育が色濃く残っているんですよ。僕は、名ソロならあっていいと思っています。例えばX JAPANの「Silent Jealousy」のギターソロはこの世で一番カッコいいなと思うし、ああいうものは絶対あるべきだと思うけど、よくわからないソロを入れるくらいなら、Dメロとかがあったほうがいいという考え方ですね。だから、よっぽど良いソロが思い浮かんだら自分の曲でもやりますよ。今回はすぐにできて、1パターンしか考えなかったけど、もうこれでいけるわと思いましたね。この曲は確かにギターソロを乗っけづらいんですよ。
ZERO:シンセがバッキバキに入っているので。でも、kazuyaさんだったらバッチリ入れてくるだろうなという安心感はあったので、丸投げしました。
kazuya:まぁなんとか(笑)。
どんどん夢は叶っていくと信じています(TSUKASA)

「PURPOSEFULLY」の作詞はKEKEさんですよね。
KEKE:はい。「Time is limited」と言っていることは近いんですけど、ちょっと違って。僕は物心ついた時からバンドをやりたいと思っていたから、目的なく生きるということが、自分の人生でなかったんですよね。でも、「何のために生きているの?」と問いかけた時に、答えられる人ってどれくらいいるのかなと思うんですよ。一人の人間として生まれた以上、生きた意味を残すべきだと思っているんですけど、目的を持って生きている人って少ないよなと。人それぞれ個性はあるわけで、それを活かしながら自分として生きた意味をこの世に残して…みたいなことが言いたくて、この歌詞を書きましたね。
今夏のライブのMCでも言っていた、「もっと自分のオリジナルを突き詰めていかないといけない」というKEKEさんの思いともリンクするなと。
KEKE:多分そういうことばかり考えていたから、この歌詞が出てきたのかなと思います。例えば365日ある中で300本ライブをしていたら、絶対に何本か消化ライブが出てくると思うんですよ。でもそうじゃなくて、僕らは1本1本に何か目的を持って挑んでいる。そういう思いが詰まった歌詞ですね。
ラップ部分に〈beefをone two knockout〉とあって、なぜbeefなんだろう、絶対に意味があるだろうなと思って。スラングでは「不満・揉め事」などの意味のようですね。
KEKE:エセラップみたいな感じに聴こえるのが嫌で、自分の知っているヒップホップの言葉を片っ端から書き出して、意味を調べたんですよ。beefの部分は、自分の中ではスラングの意味よりも、個性のない自分、目的のない自分をノックアウトみたいな意味合いで今回は使っています。僕的には、ラップのブロックだからラップでよく使われる用語を入れてみたという感覚ですね。メロディ的にはサビの中で半キーのところが一番苦手で、ライブの時に毎回外すんじゃないかなと思っています(笑)。
ZERO:普通ではない感じにしたくて、最初のデモの時はもっと複雑だったんだけど、整理してちょっと歌いやすいようにはしたんですよね。レコーディングの時に面白かったのが、A、A#、A、A#の繰り返しのところでKEKE君が「たっけー!」とか言っていて、そりゃそうだろうな、自分のトップで歌ってんだもんと(笑)。中には一瞬Dぐらいが出てきて、無理やり歌ってもらいましたけど(笑)。キーは内緒にしていたので「これ高くないっすか?」と言われましたね(笑)。
kazuya:あえてキーを言わないっていう(笑)。
KEKE:最近そういう風潮があるんですよ。
ZERO:「大丈夫。出るよ出るよ」みたいな感じで(笑)。主メロがKEKE君のキーとしてはちょっと低いぐらいなので、どうしてもハモで上が欲しかったんですよね。
なるほど(笑)。最近、kazuyaさんが作る曲のメロに対して、KEKEさんがアイデアを提案したりもするということでしたが、今回そういったことは?
KEKE:今回はないですね。むしろ逆にできなかったことがあります。「Naked shadow」の皆が囁いている部分にラップを考えてと言われたんですけど、いやぁムズかったですね。何も出てこなかったのは初めてです。
kazuya:あそこ、ピアノでピーンて終わるじゃないですか。本当はもう1ブロックあって、そこにラップを入れようとKEKEに託したんですよ。だけどできなかったので、もうそこを全部消しちゃえと思ったら3分8秒の曲になったという(笑)。
KEKE:あと、「Time is limited」の最後もフェイクを考えていて、しょっちゅう車の中で色々なパターンを口ずさんでいたんですけど、逆に音源はフェイクなしで、ライブでその場の雰囲気、自分のテンションで毎回フェイクを歌うのも面白いなと。だから、あえて決めなくてもいいのかなと思って、今回は入れませんでした。
そうなんですね。11月14日には第四期の始動ライブから丸3年を迎える記念公演がありますが、始動ライブのセットリストを完全再現するそうですね。
KEKE:この日は、めでたいとかじゃなくて、人って3年でこんなに変わるんだというのを経験してもらいたいだけですね。
kazuya:だからDVDを持っている人は、それを観てから来てほしいですね。
その後にはツアーと神田明神ホール公演が控えています。
TSUKASA:今回の音源でちょっと激しいダークなTHE MICRO HEAD 4N’Sを見せつつ、11月末のツアーで育てていって、おかげさまでソールドしている神田明神ホールで最高のものを見せた後は、来年のツーマンなどを経て、良い15周年を迎えられたらなと思っております。先日のFCライブでも皆感じたと思うんですけど、アットホームな感じが皆のパワーになっていけば、どんどん夢は叶っていくと信じていますので、皆さんのお力をお借りしつつ、メンバーも全力で突き進んでまいりたいと思います。
ZERO:初のホールワンマンに向けて、しっかり準備していくので、今年の残り数本のライブで新しいTHE MICRO HEAD 4N’Sも見られると思います。今作の3曲を組み込んだセットリストで楽しさがまた新しく追加されるので、期待してもらえたらなと思います。ぜひ遊びに来てください。
kazuya:ツアーはセトリ的に結構ダーク系になるかなと。神田明神ホールは、それとはかなり変わるはずなので、繋がってはいるんですけど、全く繋がってない別物というか。ライブとコンサートみたいな分け方になってくるのかな。やっている僕ら的にも、観てくれる人も面白いんじゃないかなと思います。
KEKE:野音への道として去年のO-WESTからキャパ上げという意味で、皆で一丸となった結果が神田明神ホールです。予想外に早くソールドアウトしちゃったので、それを煽り続けるのもあれかなと、最近あまり口にしていなかったんですけど。日が近づくにつれて改めて噛み締めています。内容としては、ツアーは「Naked shadow」を軸にセットリストを組んでいるので、結構ダーク系に寄りますけど、その中に希望が盛り込まれているものになっていると思います。神田明神ホールは周年とまたちょっと違ったベスト・オブ・マイフォを、ホール仕様でのエンターテインメントの演出も含めてできたらなと。未来を感じさせることのできる、来年の15周年に繋げられるライブにできたらいいなと思っています。
(文・金多賀歩美)
THE MICRO HEAD 4N’S
KEKE(Vo)、kazuya(G)、SHUN.(G)、ZERO(B)、TSUKASA(Dr)
オフィシャルサイト
リリース情報
New Single『Silent Contrast』
2025年11月13日(木)発売

[通常盤](CD)THIR-0113 ¥1,700(税込)
[Official Limited Edition Box Set](CD+DVD+ジオラマ アクリルCDスタンド+ジャケットカード4種)THIR-0113-0115 ¥12,000(税込)
収録曲
- Naked shadow
- Time is limited〜君が君でいられる時間を〜
- PURPOSEFULLY
- Naked shadow Original Karaoke
- Time is limited〜君が君でいられる時間を〜 Original Karaoke
- PURPOSEFULLY Original Karaoke
[DVD]※Official Limited Edition Box Set
14th Anniversary Tour NEW GENERATION YOKOHAMA ReNY beta
ライブ情報
●RE:LIVE「KEep Kernel」
11月14日(金)池袋EDGE
●TOUR 2025 The Beginning of the Night
11月23日(祝・日)名古屋ハートランド
11月28日(金)岐阜CLUB ANTS
11月30日(日)心斎橋BEYOND
●THE MICRO HEAD 4N’S “A NIGHT TO REMEMBER”
12月13日(土)神田明神ホール ※SOLD OUT
●THE MICRO HEAD 4N’S presents MONTHLY 2MAN「B-EAST」
2026年
1月10日(土)川崎セルビアンナイト
出演:THE MICRO HEAD 4N’S、DuelJewel
2月14日(土)川崎セルビアンナイト
出演:THE MICRO HEAD 4N’S、FEST VAINQUEUR
3月15日(日)川崎セルビアンナイト
出演:THE MICRO HEAD 4N’S、XANVALA
※4月以降は後日発表
●SHIBUYA REX present「百歌彩乱」
2026年3月10日(火)渋谷REX
出演:IKUO、FEST VAINQUEUR、THE MICRO HEAD 4N’S、マチルダ

