OFIAM

ある意味これこそ終わりがないバンド(ZERO)

ZERO

他収録曲として「斑」「証」を選んだ理由というのは?

kazuya:僕は自分で作っているから、どれも愛着があって選曲にあまりうるさくないんですよ。「証」はメンバー内での評判が良かったから入れようと思ったというくらいですね。

SHUN.:「証」が決まって、OFIAMはインストバンドという見え方が大きいので、語りとかも入っていない純粋なインストものも入れようということで、「斑」が良いんじゃないかと言った覚えがありますね。

「斑」はメインのホーンセクションのメロディーが印象的ですが、ライブではSHUN.さんのギターが際立つなと思いました。

SHUN.:これはkazuya君から「前に出てくれ」と言われていたので、「あ、そうなんすか」と。

kazuya:イメージとして、SHUN.さんの曲という見え方になってほしいなと思っていて。キル・ビルっぽいというか。前でバーンとやってほしいなと思ったんですけど、プルプルしてた(笑)。

ZERO:いずれSHUN.さんがセンターでギター担いで、バックシルエットでステージがどんどん上がっていくみたいなのを(笑)。

kazuya:やりたいー(笑)。

めちゃくちゃ大掛かりですね!

kazuya:この曲は元々、マイフォのライブの開場から開演までファンの人が待っている時間にエンターテインメントをしたいなと思って作ったBGM集の中の1曲で、今回確かSHUN.さんがこれやろうよと言ったんですけど、そのままだと面白くないので、それをベースにして作り変えた非常に短い曲です。

2分11秒という短さで。この曲もヴォーカルチョップがポイントですよね。

kazuya:そうですね。いろんな声がいっぱい入っていて、シャウトとかも全部サンプリングです。だから、聞き様によっては洋楽っぽい音楽もすぐ作れるんですよね。僕は今そこの自由度をすごく楽しんでいます。OFIAMでしかできないものですね。

ZERO:やっぱりこの曲は、SHUN.さんに真ん中に行ってもらって、もう独壇場みたいな、布袋寅泰さんがソロを弾いているくらいのレベルで演ってもらいたいですね。ステージが上がるのは現実的に可能性が低いと思うので、花道と客席の真ん中にステージを作って、回転台で一人でグルグル回って弾くという(笑)。

kazuya:俺ら多分ニヤニヤしながら見てるよ(笑)。

SHUN.さんが苦笑いを(笑)。

SHUN.:はい(苦笑)。

kazuya:ちなみに、まだメンバーも知らないんですけど、ライブver.はまたちょっとアレンジを変えたので、お楽しみにという感じで。もうちょっとSHUN.ちゃんに死んでもらおうかなと(笑)。

楽しみです(笑)。「証」は唯一まだライブで披露していない曲ですが、kazuyaさんが人生で初めて、自分の歌をスタジオでエンジニアさんに録ってもらったとのことで。

kazuya:僕、歌が本当に苦手で、カラオケも絶対行きたくないし、歌わされそうになったらトイレに逃げたり、歌えという圧力と必死に戦っていたんですよ(笑)。でも、どんなにボロくてポンコツでも、綺麗に磨いたら、それ相応の社会の役に立てるものになれるんじゃないのかなと、今年ふと思ったんですよね。で、恐る恐るボイトレに行って基礎から勉強して、今も続けているんです。下手っぴなんですけど、僕にしかできないことってあるんじゃないのかなと、デモを作ってメンバーに聴いてもらったら、意外と「良いんじゃないの?」っていう僕の予想に反した答えが返ってきて、「あ、アリなんだ? へー」と思って…歌っちゃった曲です(笑)。

歌っちゃった(笑)。

kazuya:本当に恐縮ですけど、デモを一応僕が歌ったので、その流れでやりました。ヴォーカリストはこういう気持ちだったんだとか、たかだか数時間ですけど、たくさんのことを得たレコーディングで、すごく楽しかったです。正直聴くのは恥ずかしいですけど、レコーディングというのは記録を残すということなので、今の僕はこうだよという感じですね。今回の経験で、僕の声の使い方ってこうすればいいんだというのを発見したので、僕という素材をこう使おうという未来が開けて面白かったです。

今後にも期待です。ところで、この曲はサビ以外の不思議なリズムがマニアックな曲だなと。リズムを取るのが難しくないですか?

kazuya:まだバンドで合わせてないからなぁ。

ZERO:ドラム次第ですね(笑)。「あの曲、多分難しいわぁ」と言っていたので(笑)。

kazuya:音源は全部あえて打ち込みなんですよ。TSUKASA君には監督という形で見てもらって。

SHUN.:僕、変な位置にスネアが入っていたりとか、ヘンテコなリズムが大好きなんですよ。kazuya君が確か3曲くらい一気にデモを聴かせてくれて、その中で僕はこれが一番良いなと、リズムがカッコいいなと思ったんですよね。でも、難しそうだなとは思っていました(笑)。

kazuya:絶対難しいでしょ。だってあなたピロピロ弾いとるから。

SHUN.:そうか、それがあったか…!

kazuya:そうや、リズムはお前はほぼ関係ない。俺が弾いとる(笑)。

SHUN.:そうや…。「斑」もそうなんですけど、OFIAMというものが、マイフォとは違う表現をしたいというのがすごくあったので、いちプレイヤーとしてもマイフォであまりやってこなかった引き出しで、どうせなら違う一面を表現したいなと思って、やたらタッピングやスラップをやるようになっちゃって。子供が新しいことを覚えて使いたがる時期みたいなものだと思います(笑)。

kazuya:マイフォ三期のアルバム『The Unfinished Story』の時期くらいから、やたらSHUN.さんのギターが開花してきたよね。

SHUN.:今までやってないことをやろうかなぁ、みたいなのは結構やり出していますね。それで「証」はタッピングばかりやっています。

ちなみに、ループしている不思議な音はギターですか? シンセですか?

kazuya:あれはサンプリングですね。実はあそこからできた曲なんですよ。頭のイントロに出てくるフレーズのサンプリングを聴いて、これいいな、曲にしたいなと思って作っていきました。この曲はバンド自体は結構シンプルなんですけど、声もめちゃめちゃ入っているし、サンプリングがかなり多いですね。

そして取材日現在、「棘」のMVをSHUN.さんが絶賛編集中ということで。

SHUN.:絶賛やっていて、今、2サビでーす。

全員:(笑)

SHUN.:もう本当にトライ&エラーの繰り返しで、昨日も別現場で映像に詳しい方に色々聞いたら、新たな事実が発覚して…(苦笑)。まぁ…本当に勉強ですね。今、編集しているというより勉強しています。

kazuya:それを見てケラケラ笑ってます(笑)。

SHUN.:プロだったら2~3日で終わるらしいんですけど、多分今、500時間くらい…。それはちょっと言い過ぎかもしれないですけど、それくらいの勢いで(笑)。辛くもあり、楽しくもあり。kazuya君のレコーディングの話と同じように、勉強して自分にどんどん知識が入ってくるのが楽しいんですよね。ただ、僕はkazuya君と違って、覚えた次の日には忘れているので、もう1回勉強するという(笑)。

kazuya:可哀想だね(笑)。年頃なので、すぐ忘れちゃう。

頑張ってください(笑)。

SHUN.:はい、頑張りまーす(笑)。

さて、12月18日はTHE MICRO HEAD 4N’S Still Night、12月19日はOFIAMで、kazuyaさんのバースデーライブが行われます。OFIAMは全曲出しプラスアルファとのことで。

kazuya:全曲出しーの、「蒼」という曲があるんですけど、ヴァイオリンとピアノを生で入れちゃおうと。それと、「声」という新曲が、ぶっちゃけ早く出したいくらい今僕らの中で熱いんですけど、あれに入っている声を生でちゃんと再現したいなと。いずれ音源が出る時に同じことを言うと思うんですけど、デモであの声を聴いた時に僕、泣けちゃって。OFIAMの楽曲面のテーマの一つとして“叫び”というのがあって、この曲は〈call me〉と言っているだけなんですけど、叫んでいるように聴こえてキュンキュンしちゃって。それをちゃんと再現して、ファンの方に聴いてもらいたいなと。今回そういうことも実験的にやってみるので、今のOFIAMを結構理想的に表現したライブになると思います。それプラス、僕の誕生日ライブということで、2日間で僕がこれまで作ってきた色々な作品のさわりだけでも感じてもらいたいので、OFIAMの元となったKREUZの曲や、去年やった僕のソロのインストもやろうと思っています。なので、結構スペシャル版のライブになると思います。

盛りだくさんな2日間になりますね。最後に、OFIAMとしての今後の展望を教えてください。

ZERO:マイフォとは違うベクトルにあるというか、今まで入れ替わりながら5人でやってきたものに対して、ずっと一緒にやってきた4人の形なので、正直な話、ある意味これこそ終わりがないバンドかなという感じがしますね。マイフォは第一期、二期、三期と、常に始まりと終わりがありましたけど、本当に終わりがない、そして可能性がすごくありますね。先ほどツーマンの時の話が出ましたけど、これを読んでいるバンドマンに覚悟してもらいたいですね。対バンしたら無茶振りするからねっていう(笑)。歌う覚悟で対バンしてください(笑)。それと、映像という部分でも、初音ミクの立体映像でライブとかよくあるじゃないですか。ああいうのもやってみたいなと。プロジェクションマッピングとかもやってみたいし。どんな可能性でも形にしていけるバンドなんじゃないかなと思いますね。

SHUN.:実験的なバンドではあるので、やってみたいと思ったことは何でもやればいいと思っていて。もちろん、環境によってできるできないはありますけど、アイディアは皆からどんどん出てくるので、バンドとしては本当に制限がないと思っています。ライブにしろ、音源にしろ、色々なことにチャレンジしていける面白いバンドなので、それを皆さんも一緒に楽しんでいただけたらなと思っています。あとは早くツアーがしたいですね。

kazuya:バンドとしては夏くらいにアルバムを出したいなと思っているので、そこまで一気に駆け上って、とりあえず一個早く見せたいなと。今、作りたい意欲がすごいんですよ。既に13~14曲あるんですけど、「えいっ」とやったら曲ができるくらいの勢いなので、とっとと出して、もっと違うものを見せたいというアーティストとしての欲求がすごく強いですね。そんな僕らを見て、他のバンドの方々にも「こういうのもアリなんだね」と思ってもらえたら、僕らが生きている意味もあるのかなと。ファンの方々にも、こうやって頑張っている姿を見せて、それぞれの人生の中で少しでも力になれたらいいかなと思います。

(文・金多賀歩美)

OFIAM

kazuya(Guitar、Manipulator、Voice)、SHUN.(Guitar、VJ、Voice)、ZERO(Bass、Voice)

オフィシャルサイト

リリース情報

New Single『棘』
2021年12月15日(水)発売
(13th tones)

[CD]オリジナル紙ジャケット仕様 THIR-0062 ¥1,650(税込)

収録曲
  1. 棘(Backtrack)
  2. 証(Backtrack)

ライブ情報

●「2021 LAST LIVE THE MICRO HEAD 4N’S Still Night ~kazuya birthday music is a part of my life 1~」
12月18日(土)横浜みなとみらいブロンテ
※生配信あり

●「2021 LAST LIVE OFIAM ~kazuya birthday music is a part of my life 2~」
12月19日(日)横浜みなとみらいブロンテ
※生配信あり