ファン待望のオリジナルアルバム『アンモナイト』を世に放ったPlastic Tree。彼らのサウンドの集大成ともいうべき濃密なる音世界に耽溺する――。
前作『ドナドナ』から1年4カ月。長い時間を経て遂に世に放たれるPlastic Tree11枚目のオリジナルアルバム。『アンモナイト』と名付けられ、プリミティブでありながら鮮烈なジャケット写真に彩られたこの作品にパッケージされたのは、彼ららしいサウンドを惜しげもなく散りばめた濃密な音世界。アルバムに込めた想い、そしてこのアルバムを携え行われる全国ツアー「アンモナイト(小)」についてアンケートに答えてくれたPlastic Treeの声をお届けします。
■バンドの歴史に恥じない新作だと思います(ナカヤマアキラ)
――前作『ドナドナ』以来、約1年4カ月ぶりのオリジナルアルバム『アンモナイト』がリリースされたわけですが、今どんな心境ですか?
正:今回のアルバムは制作過程でも色々とあったので、何か祝福されてリリース出来る感覚がありますね。
竜太朗:やっと届けられる、といった感じです。
――遂にみんなの手に届くんですね。
アキラ:まさにそんな感じです。皆さんの感想が楽しみです。
ケンケン:いっぱい聴いてライヴで一緒に楽しんでもらいたいです。
――今回のレコーディング、作業自体はいかがでしたか?
竜太朗:今回はいつもより長い製作期間だったので色々と試行錯誤を行うことができました。
アキラ:いつもどおりのハプニングといつもどおりのスムーズさと。
――(笑)。アルバムのイメージはどの段階で決まったんですか?
正:割と早い段階でイメージが固まっていたのですが、それを形にしていく作業が楽しくも大変でしたね。
――今回ケンケンさんが「雪月花」で初めて作詞を担当したということですが、苦労はありました?
ケンケン:初の作詞で、作詞の大変さを実感しました。ドラムの音作りでは曲のバリエーションを出すことにこだわってます。
――今回のアルバムタイトルは『アンモナイト』ということで、いかにもPlastic Treeらしい、不思議で意味深なタイトルですが、これにはどんな意味をこめているのでしょう?
竜太朗:記憶、記録、思考、夜…といったものが色々な意味が詰まったものです。
正:残ってゆくもの、といった意味合いでしょうか。
――なるほど、深いですね。てっきり化石が好きだからこの名前なのかと(笑)
正:化石は好き…というより、見るたびに不思議だなぁ。と思いますね。
アキラ:大好きではないのですが、興味はあります。
竜太朗:好きです。化石を見ながらいろいろ想像するのが好きです。
――化石のどのあたりに魅力を感じますか?
ケンケン:なんか不思議な存在的なところが良いですね。
――不思議と言えば、ジャケット写真のアンモナイトは様々な色が入り交じった、とても不思議な色になっていますが、さっき竜太郎さんと正さんが言っていたタイトルに込めた意味を具現化したものでしょうか? このデザインはど なたの案なんですか?
正:メンバーやデザインスタッフさんとのやりとりで「アンモナイト」という言葉が持っているイメージをデザインに落とし込んでいった感じです。
竜太朗:デザイナーさんの発案で。特別に作ったモノらしいです。なんかおいしそうだなぁーと思いました。
――美味しそう!? …言われてみれば質感も良い感じ(笑)。そんなジャケット写真が印象的な今回のアルバム『アンモナイト』は、これまでリリースしてきた作品の中でどのような位置づけですか?
竜太朗:現時点での集大成になったのでは…と思います。
正:バンドとして、ブレずに大切にしてきたものの一つの集大成的な感じですね。
ケンケン:自分が加入して2枚目で挑戦も多かったけど、今の自分を出しきれた作品になったと思います。
アキラ:前作の『ドナドナ』を現メンバーの1stとするならば、今作品でバンドとしての経験をふまえて、2ndといったところでしょうか? ただバンドの歴史に恥じない新作だと思います。
――完成後の『アンモナイト』を改めて聴いてみて、お気に入りの曲があれば教えてください。
竜太朗:「さびしんぼう」。出来てよかったなぁと思います。
正:「Thirteenth Friday」ですかね。アルバムの世界への導入としても大切な曲です。
ケンケン:~「作品ammonite」~。
アキラ:「デュエット」は今までにプラにはなかった楽曲ではないかと思います。
――アルバム『アンモナイト』を携えた全国ツアー「アンモナイト(小)」、地震の影響で一部延期にはなりましたが、ファンは心待ちにしていると思います。どんなツアーにしたいと考えていますか?
アキラ:ライヴ自体が久しぶりなので楽しみたいですね。
アキラ:ライヴ自体が久しぶりなので楽しみたいですね。
竜太朗:新曲がライヴでどう変化していくのかも興味深いですし。
正:観に来てくれた人たちの心に何か残せるライヴにしたいです。
ケンケン:アルバムの曲をやるんですけれど、このツアーで演奏して完成されると思っているので会場に来てくれたみんなと楽しみながらやれたら嬉しいです。
――ところでツアータイトルの「アンモナイト(小)」の「(小)」とは?
竜太朗:(小)はライヴハウス中心だからつけた感じです。後はよく博物館のアンモナイトとかに(小)とかついてるし。
――可愛い理由で、ちょっとほっこりしました(笑)
■自分達にも、来てくれたみんなにも、この時にしか体感できないような時間に(佐藤ケンケン)
――久しぶりのオリジナルアルバムをリリースし、全国ツアーも決定していますが、今Plastic Treeが大切にしているもの、そして今後目指しているものは何ですか?
ケンケン:大切にしているのはみんなとの時間。目指しているのは、1人でも多くの方に知ってもらえる存在、ですね。
アキラ:自分の時間と練習の時間を大切にしながら、ロックバンドが出来うる可能性はチャレンジしていきたいと思ってます。
竜太朗:大切にしているのはバンド。ファン。クロ(猫)。目指しているのは次の作品作り、次のライヴですね。
正:個人的にも、バンド的にも「憧れ」は失いたくないです。目指しているのは一点もの。
――Plastic Treeのライヴは、他のバンドにはないまさに「一点もの」の雰囲気を持っていますよね。一瞬にして別世界へ紛れ込んだような感覚に陥るのですが、どのようにライヴを作りあげているんですか?
ケンケン:ありのままでやってますね。盛り上がる曲はできるだけお客さんの顔を見て一緒に楽しんでます。
正:ライヴとして特別な要素はそれほどないように思えますが、音楽とその場にいる人たちの作る空気の化学反応でそういった空間になるのではないかと。
アキラ:メンバーとの一体感、お客さんとの一体感かな。
――全国ツアーの後は、6月22日にJCBホールで「ゆくプラ くるプラ」振替公演「ゆくプラ きたプラ」が行われますね。意気込みをお願いします。
竜太朗:年末、出来なかったのが悔しかったので素直にうれしいです。
アキラ:去年年末を楽しみにしていただいた皆様の期待に答えるべくがんばろうと思います。
正:「きたプラ」を最大限に見せることが出来るようにしたいだけです。
ケンケン:振替公演らしく自分達にも、来てくれたみんなにも、この時にしか体感できないような時間になるようにがんばります。
(文・後藤るつ子)
Plastic Tree
<プロフィール>
有村竜太朗 (Vo)、長谷川正 (B)、ナカヤマアキラ(G)、佐藤ケンケン(Dr)によるメジャーデビュー13年を迎えるROCKバンド。インディーズ時代から精力的なライヴ活動で着実にファンを獲得し、1997年6月にメジャーデビュー。作品のジャンルは多岐に渡り、有村の特徴的な歌声とバンドが織りなす独特な世界観で唯一無二の存在として確固たる地位を確立。ワールドツアーを開催するなど世界的にも高い評価を受けている。
■オフィシャルサイト
http://www.plastic-tree.com/
『アンモナイト』
2010.4.6発売
(徳間ジャパンコミュニケーションズ)
約1年4カ月ぶりのリリースとなるファン待望のオリジナルアルバム。Plastic Treeの集大成ともいうべき1枚!
【収録予定曲】
<CD>
01. Thirteenth Friday
02.ムーンライト――――。(アンモナイト版)
03.退屈マシン
04.みらいいろ(アンモナイト版)
05.雪月花
06.アイラヴュー・ソー
07.アリア
08.デュエット
09.バンビ(アンモナイト版)
10.さびしんぼう
11.~ 作品「ammonite」~
12.ブルーバック
13.spooky(通常盤のみ収録)
【初回限定盤DVD収録内容】
01. Thirteenth Friday Music Clip
02.「月世界旅行~アジア編~」オフショット映像