2025.03.29
THE MICRO HEAD 4N’S@池袋EDGE
THE MICRO HEAD 4N’S LIVE TOUR 2025「閃光のディストーション」

THE MICRO HEAD 4N’Sが最新シングル『BEHIND THE LIGHT』を引っ提げて3月9日にスタートさせたツアー「閃光のディストーション」。その東京公演が3月29日、池袋EDGEで開催された。東名阪+山形の全4公演からなる本ツアーは、あえて小箱の会場を選び、慣例にとらわれず、ファイナルを東京以外の地で行う。初日の山形公演はTSUKASA(Dr)のバースデーライブという側面が大きかったことから、2公演目である当夜が純粋な形としてのツアー初日となった。

KEKE
kazuya

軸となる最新作の表題曲「閃光のディストーション」でスタートを切り、“新しい時代の幕開け”を力強く歌う「GLORIOUS BLAZE」、ライブチューン「EARNEST GAME」と、フルスロットルの幕開けとなったこの日。先に記した会場の選定ありきで『BEHIND THE LIGHT』が制作され、本ツアーは攻撃的な内容になると事前に伝えられていたわけだが、当夜の序盤でも「いつもの爽やかなマイフォではなく、コンセプトとしてロックに振り切っているので、ネガティブなことを激しくロックで暴れて忘れようというのが、個人的なテーマでもある」とKEKE(Vo)が述べた通り、怒涛の展開が繰り広げられることに。

普段のTHE MICRO HEAD 4N’Sと明らかに異なるステージ展開は、多くの新鮮なトピックを含むものとなった。その最も大きな特徴は、本編で彼らの真骨頂とも言える美メロのポップス系ナンバーを封印した点。だからと言って決して単調になるわけではなく、ハードな楽曲を並べながらも、その中で様々なカラーを魅せ、THE MICRO HEAD 4N’Sが生み出す楽曲の多彩さを示す結果となった。

ZERO
TSUKASA

初日から当夜を迎えるまでの間に、イベント出演を2本挟んでいたこともあり、「ワンマンだから好き勝手やってもいいよな!? 一緒に俺たちの時間を作ろうぜ!」(KEKE)との投げかけから繰り出されたのは「慟哭のGYPSY」。ヘヴィーかつダンスチューンでもあるこの楽曲が2ブロック目の始まりに配されたことで、前ブロック「EARNEST GAME」との良い流れを生みつつ、後に続いた「FACT IS STRANGER THAN FAKE !!!!」「REBIRTH -the 3rd form-」の連投で、天井知らずに熱量を上げていった。

シリアスなムードを内包する「DECADENCE」と、ラップやデジタリックな要素を含む「BREAKING & SHOUT OUT!!!!!」、タイプは異なりながらも歪んだサウンドが共通する2曲のライブチューンの親和性は意外なほど抜群で、さらにそこに極悪ナンバー「UROBOROS」が投入されるという容赦ない展開に。「BREAKING & SHOUT OUT!!!!!」と続いたことによる効果か、そもそもこの楽曲自体が久々のプレイだったからか、よりトリッキーかつドラマティックに聴こえてきたのが印象深い。

KEKE/kazuya
ZERO/KEKE/TSUKASA

普段であれば、中盤にしっとりと聴かせる楽曲が入ってきそうなところ、ここまでで既に10曲を繰り広げており、早くも本編は後半へ。当夜、“しっとり”とは別のベクトルではあるものの、それに代わったのが次のブロックだと言えよう。打ち込みを主軸にバンドサウンドとのコントラストが魅力的な「黎明」「COLOR」が続けて披露され、一呼吸置いた後にミディアムバラード「陽炎」がエモーショナルに響き渡った。中でも最新作収録の「COLOR」は、あまりにも変則的なリズムパターンと構成ゆえ、ツアー前の時点でメンバー全員の不安要素となっていたが、プロとして見事に仕上げてきたのはさすがの一言に尽きる。

なお、「UROBOROS」「黎明」「COLOR」はZERO(B)の作曲によるもの。音楽理論を熟知したメインコンポーザーkazuya(G)作曲のナンバーを中心としながら、昨今、作曲へのモチベーションが高まっているというダークホースZEROの楽曲が3曲連続で供されるという配置もまた、THE MICRO HEAD 4N’Sにとって初めての形だ。そして、本編最終ブロックでは「FLY TO REBORN」「REINCARNATION」「MONSTER’S ROAR」を畳み掛け、ステージ、フロアともに白熱の光景を描き出したわけだが、本編ラストを煽り曲で締めくくったことも彼らとしては珍しく、まさに本ツアーならではと言えるものだった。

KEKE
kazuya

アンコールのMCでは、名古屋でファイナルを迎えることに対して「このツアーはひん曲がった終わり方をする」というTSUKASAの独特の表現がありつつ、「こういうセトリというのもあって、ネジが外れていますけど、このまま大阪・名古屋とネジがぶっ飛んだままいきますので」と宣言したZERO。kazuyaは「ツアーは僕の生きる力になるというか。皆に会うと元気が出る。いい仕事しているなと思います。歳を重ねて思うのは、ライブ1本1本の大切さ。なるべく良いものを見せられるように努力しているんですけど、それが伝わっていたら嬉しいです。観られるうちにたくさん観ておいて。お互い元気なうちにね」と述べたのだった。

そして、「僕らは日々、皆さんを笑顔にするために生きています。(12月13日の)神田明神ホールに向かっていくということで、皆で楽しい雰囲気を作って、新しい仲間をもっと見つけて、どんどん大きい会場に挑戦していこうぜ!」というKEKEの言葉が、「まだ僕らを知らない君へ」に繋いだのをはじめ、「上弦の月のオーケストラ ~Stella Note Magic~」「銀河鉄道の夜 ~STARDUST EXPRESS~」と、本編で封印していたキャッチーな美メロ曲の数々を披露。本編との強い対比を生み出し、多幸感に包まれるラストシーンとなった。

これらの曲間にKEKEが「明日からまた、つまんないこともあるかもしれないけど、俺たちはステージの上で待っていますので、また会いに来てください!」と告げた場面、オーディエンスの大合唱に「この瞬間が俺は一番好きだ!」と叫んだ場面、曲終わりに「フーッ! やっぱライブが生き甲斐だよな…!」と本音を吐露した場面も忘れ難い。

ZERO
TSUKASA

本来「銀河鉄道の夜」がラストナンバーとなる予定だったが、ここで「ほんのちょっとだけ時間があるから、もう1曲やっちゃおうかな! 今日イチの声ください!」(KEKE)と、「閃光のディストーション」の再プレイが実現。演奏の終盤に「自分らしく生きてください!」と、この楽曲に込めたメッセージを絶叫し、最後に「日々、俺たちは常に君たちのことを考えて生きています。それを忘れないでください!」と締めくくると、「今日、名前を一度も呼んでない人がいるので、呼んでもらっていいですか!?」と、療養中のSHUN.(G)の名前を全員でコールし、幕となったのだった。

本ツアーはこの後、4月4日の心斎橋BEYONDを経て、5日に名古屋ハートランドで最終夜を迎えることになる。普段とは異なるTHE MICRO HEAD 4N’Sを体感できる、コンセプチュアルなツアーもまた一興。残りの二日間も、かつてないほどの熱い夜となることは必至だ。ぜひ心して臨んでほしい。

◆セットリスト◆
01. 閃光のディストーション
02. GLORIOUS BLAZE
03. EARNEST GAME
04. 慟哭のGYPSY
05. FACT IS STRANGER THAN FAKE !!!!
06. REBIRTH -the 3rd form-
07. DESIRE
08. DECADENCE
09. BREAKING & SHOUT OUT!!!!!
10. UROBOROS
11. 黎明
12. COLOR
13. 陽炎
14. FLY TO REBORN
15. REINCARNATION
16. MONSTER’S ROAR

En
01. まだ僕らを知らない君へ
02. 上弦の月のオーケストラ ~Stella Note Magic~
03. 銀河鉄道の夜 ~STARDUST EXPRESS~
04. 閃光のディストーション

(文・金多賀歩美/写真・岡本麻衣(ODD JOB LTD.))


【リリース情報】
●New Single『BEHIND THE LIGHT』
2025年3月10日(月)発売

[CD]THIR-0109 ¥1,700(税込)
※オフィシャル限定販売(ライブ会場、オフィシャルオンラインショップ

<収録曲>
01. 閃光のディストーション
02. DECADENCE
03. COLOR
04. 閃光のディストーション Original Karaoke
05. DECADENCE Original Karaoke
06. COLOR Original Karaoke

【ライブ情報】
●THE MICRO HEAD 4N’S LIVE TOUR 2025 「閃光のディストーション」
4月4日(金)心斎橋BEYOND
4月5日(土)名古屋ハートランド

●THE MICRO HEAD 4N’S MEMBERS ONLY LIVE「USUAL UNCOMMON」&トークイベント
5月3日(土)渋谷Starlounge
1部:THE MICRO HEAD 4N’S LIVE 「USUAL UNCOMMON」
2部:THE MICRO HEAD 4N’S トーク&ワイドチェキ撮影会
※参加対象:オフィシャル会員、MAIFO PREMIUM会員

●KEKE BIRTHDAY LIVE 「Worship god day」
6月29日(日)渋谷REX

●THE MICRO HEAD 4N’S “A NIGHT TO REMEMBER”
12月13日(土)神田明神ホール

THE MICRO HEAD 4N’S オフィシャルサイト