2022.10.23
Ricky@渋谷REX
R☆MY BIRTHDAY TOUR 2022「THE☆MOMIJIGARI☆CKY」~ひとつとせ 歳を重ねて 意気紅葉~
2022年10月15日より10月23日に、Ricky(DASEIN、RIDER CHIPS)のバースデー東名阪ワンマンツアー公演 「R☆MY BIRTHDAY TOUR 2022「THE☆MOMIJIGARI☆CKY」~ひとつとせ 歳を重ねて 意気紅葉~」が行われた。Rickyとしてのワンマン公演は今回のツアーが年内最後ということもあり、そのぶん、内容を濃密にしてゆくところがRickyらしさ。ここでは、10月23日に渋谷REXで行われた2days公演の2日目であり、ツアーファイナル公演の模様をお伝えしたい。そして、2023年4月1日、ソロデビュー14周年記念ワンマンも渋谷REXにて決定している!
壮麗なエレクトロサウンドがフロア中へ波紋のように広がる。Rickyはオートチューンを用いた声で「SEQUENCE」を歌い、ライブの始まりを告げた。彼はエレクトロサウンド/レーザーやカラフルな照明から一人一人が手に付けたリングライトも用いた演出効果/加工した自らの歌声を重ね合わせ、この場所を現実から遠ざけたサイバーな空間へ染め上げる。とても美しくも幻想的/壮麗な幕開けだ。
メンバーが舞台に付き、楽曲が次第に音を激しく彩りだす。ここからは、バンドスタイルへ。最初のブロックでは、Rickyのライブではお馴染み、気持ちと身体を熱く騒がせる楽曲を連発。Rickyと観客たちが、〈↑UP←SIDE→DOWN↓〉の歌声に合わせて身体をアップダウン。大きく手の花を咲かせれば、左右にモッシュし続けた「↑UP←SIDE→DOWN↓」。Rickyとファンたちが、2本のサイリウムを手に同じ動きをしながらダンス。一つに溶け合った空間を描き上げた「HURRY UP!!!」。リングライトを両手に付け、フロア中のリングライトを両手に付けたファンたちと一緒に、この空間にカラフルな光揺れる世界を作り出したファンキー/ダンスエレクトロな『裸☆KING』。この曲では、リッキー・トラボルタと化したRickyのフィーバーなダンスに合わせ、フロア中の人たちが真似て踊る姿も印象的だった。軽快にバンプを踊りながら甘い歌声を響かせれば、一緒に腕やタオルを振りかざし、腰振り踊り続けた「雨のスパイラル」。
このブロックでは、会場全体を暗くし、照明やレーザー、リングライト、背景に映し出した映像など、この空間をキラキラとしたカラフルな光が飛び交うダンスホールへ染め上げ、観客たちと一体化してゆく様を見せていった。今回のライブでも、Rickyはさまざまなデジタル要素を用いた演出も含めたライブを作り上げていた。ただ、騒ぐだけじゃない。この公演に参加した観客たちも、ライブを作り上げる演出の一つとして欠かせない要素にしてゆくところが、Rickyらしい冴えた攻め方だ。
活動初期に作曲されたミドルナンバー「NIGHT&DAY」では、透明感がありながらも深みを持った歌声に、会場中の人たちが終始耳と心を傾けていた。哀愁を帯びたエレピ(エレキピアノ)の演奏に乗せ、言葉のひと言ひと言を大切に歌いあげた「唯我独SONG」。この曲でも観客たちは、その歌声を少しでも心から零すまいと、胸にしっかり受け止めていた姿も印象的だった。
アバンポップなエレピの演奏、そこへ絡むサイレンの音。フロア中から何度も高く突き上がる拳を合図に、Rickyは雄々しい声を響かせ、時に煽る様も見せながら、スペクタクルなドラマ曲『生命の声明』を熱唱。人類の起源から世紀末まで、混沌とした人類の歩みを、Rickyは危機的なメッセージも吐き出しながら、長大な音絵巻を描くように歌っていた。
次のブロックでは、熱狂を描くアップチューンを次々と披露。フロア中の人たちが大きく手を振り上げ、思いきり飛び跳ね続けた「ヨウコソサヨウナラ」。メロディテスな歌系楽曲なのに、めちゃくちゃ気持ちをアゲるアッパーチューンなのが嬉しい。電飾満載のエレクトロタンバリンを手にしたRickyと観客たちが,「Hi」「Techno-Boy」の声に合わせ、大きく手を振り上げ、一緒に祭り上がった。いや、この会場にいるすべての人たちがダンスフロアという海の中で揺れ動く電子クラゲと化し、Rickyと共に色鮮やかな空間を「Hi-Techno-Boy」を通して作りあげていった。
跳ねたアッパーなダンスロックナンバー「人の振り見て我がREFRECTION」でも、フロア中の人たちが高く手を掲げ、その場で上に上に飛び跳ねながら、この地を新たなフロンティアへと作り上げていった。止まることなく演奏は「洗脳ビリーヴァー」へ。さらにテンポアップした高揚感満載の楽曲でも、Rickyは跳ね続ける観客たちの動きをけっして止めることはなかった。Rickyは強烈でアッパーなダンスチューンをノンストップで次々とぶち込み、限界を超えた先に生まれる熱狂と恍惚の世界へ観客たちを連れていった。
本編最後は、雄大な景観を描く「I’m Alive」だ。この曲を通しRickyは、互いに支えあい、想いを分かち合うことの大切さを伝えてくれた。温かい歌声と想いを詰めた「I’m Alive」を通し、「生きる喜び」を教えてくれた。フロア中の人たちと一緒に〈僕は生きるよ ただ生きてるよ それは間違いじゃないだろ~たとえ未来が闇であっても 目の前には今 愛する人がいるから〉と、一人一人に想いを伝えるように歌っていた。
最初のアンコールでは、レーザーの演出も効果的に用いながら、甘い歌声で「他愛」を歌唱。身体をゆったりと揺らし、その身を振動体にエモーショナルな歌声を響かせていった。一転、「ALIEN from TOKYO」ではアッパーでエレクトロなロックナンバーの上で、みんなで一緒に振りを合わせながらパーティーなクラブ空間を作り上げてゆく。甘くメロウな歌に心が優しく揺れた、ミドルソウルナンバーの「チギリノツバサ」。最後に、手にしたサイリウムをくるくると回し、メロウ&グルーヴな演奏の中へ感情をトリップ。ハイになって騒ぎ続けた「R☆MY WORLD」へと繋ぎ、幕を閉じ……ないのが、この日のライブ。
Rickyの歌いあげる声も胸を嬉しく騒がせる。2回目のアンコールでは、華やかでトランシーな「曖昧モラトリアム」を通し大きく手を振る景色など、ふたたびフロアに熱い空気を作り上げる。さらに、未来へ確かな輝きを振り注ぐように『闇の世界-Light to Light-』を温かい想いを胸に歌いあげ、フロアにいる人たちや、ライブ配信を通して見ている人たちの心に、未来へと導く輝きを降り注ぎ、ライブを閉じて…いかないのもまた、この日のライブ。
みたび姿を現したRickyは、アガってこそパーティーと言わんばかりに「キミリテラシー」、本編時以上にフロア中をめちゃくちゃ賑わせ騒ぎ祭った「↑UP←SIDE→DOWN↓」を通し、体力の限界を超えたところで一緒にHi!!になり、この楽しさを、未来へ繋げていった。
Rickyソロとしての次の大きな動きは来年以降になる。年内はDASEINのライブなど、まだまだいろんな形でRickyに触れられる。また近いうちに、形を変えて一緒に遊ぼうか。
<Support Member>
Gt:眞鍋香我
Ba:YUCHI
Key:おおくぼけい(東京)
Key:DIE(名古屋、大阪)
Dr:O-JIRO
Mnp:山田巧
◆セットリスト◆
01. SEQUENCE
02. ↑UP←SIDE→DOWN↓
03. HURRY UP!!!
04. 裸☆KING
05. 雨のスパイラル
06. NIGHT&DAY
07. 唯我独SONG
08. 生命の声明
09. ヨウコソサヨウナラ
10. Hi-Techno-Boy
11. 人の振り見て我がREFRECTION
12. 洗脳ビリーヴァー
13. I’m Alive
En1
01. 他愛
02. ALIEN from TOKYO
03. チギリノツバサ
04. R☆MY WORLD
En2
01. 曖昧モラトリアム
02. 闇の世界~Light to Light~
En3
01. キミリテラシー
02. ↑UP←SIDE→DOWN↓
(文・長澤智典/写真・折田琢矢)
【ライブ情報】
●Rickyソロデビュー14周年記念ワンマン「THE☆ANNIVERSARI☆CKY」
2023年4月1日(土)渋谷REX
※詳細近日発表