11月15日にリリースされるニューシングル『ツミトバツ』の度肝を抜くプロモーション、そして11月18日からスタートするPS COMPANY PRESENTS レイヴ ONEMAN TOUR『罪と制裁』の全公演のセットリストを事前に公開…と話題に事欠かないレイヴ。今回は連載3本目となるパーソナルインタビューでドラマーの凪をクローズアップ。謎めいたそのパーソナリティー、そしてバンドを取り巻く現状と自身の思いをたっぷり語ってもらいました。

◆あの場には自分たちの味方しかいなかったと思えた

――先日、PS mobile会員100名限定ONEMAN 『静と狂~限定三昧~』が池袋CYBERで行われましたが、振り返っていかがですか?

凪:すごく緊張しました。あの炎上騒ぎ後、初のライブだったので変に身構えちゃって、一部の「静~暴れない曲限定~」が終わるまで緊張しっぱなしだったんです。でもみんなすごく温かくて、ライブが終わってみると、あの場には自分たちの味方しかいなかったなと思えました。なので、来てくれた人たちに対して身構えてしまって申し訳なかったなと思います。

――ライブは一部の「静~暴れない曲限定~」と二部の「狂~暴れ曲限定~」の二部制でしたね。

凪:そうですね。特に一部のセットリストがほぼバラードだったから、余計に緊張してしまって。でも二部はいつも通りできました。今回の炎上のことで、あの場に来てくれたみんなに心配をかけた部分もあったと思うんですけど、それを振り切る意味も込めて、とにかく何も考えずに100%の力で行けたので本当に楽しかったです。

――二部ではニューシングルのc/w曲「アンチメランコリック」が初披露されましたね。

凪:実はライブ中あまりに必死だったので何も覚えていないんです(笑)。あの曲は本当に難しくて。テンポ的にはBPM180だからこれまでにも叩いたことがあるんですけど、その倍で叩いているような感じなんです。なので、あの曲を叩き終わった時は、「俺の今日の任務はここで終わった!」と言っても過言ではないくらいの安心感がありました(笑)。

――ライブ映えする曲ですごくカッコよかったですし、パワフルなプレイに圧倒されました。

凪:よかったです! あの曲はアクセントに集中しているとダメで、アクセントを入れていないゴーストの部分を意識しながら叩かないといけないんですけど、それをあの速度で叩くのはとにかく難しいんですよ。

――ドラムについては作曲者のnisaさんから指示があったんですか?

凪:送られてきたデモに入っていました。悠が作曲する時はそんなに作り込まないんですけど、nisaは結構作り込んで送ってくるので、基本的にそれをほとんど変えずにいくんです。手数的にここはちょっと厳しいとか、ここはこうしたほうがいいんじゃないかという部分は伝えて変えたりするんですけどね。

――今回はタイトル曲の「ツミトバツ」も大変だったそうですね。

凪:イントロから大変でした。右手はずっと四分で刻んでいるんですけど、八分で刻まないとスネアを入れるタイミングが難しい曲なんです。でも、八分で刻むと曲の雰囲気が壊れちゃうという…。今回のシングルは「ツミトバツ」でも苦労しましたし、「アンチメランコリック」はとにかく音も詰まっていて大変だったんですけど、それを叩き切った俺はすごいなってライブ後に自画自賛しました(笑)。昔のレベルだったら全然叩けなかったと思うんです。なので、「良かった! 成長してる!」と思えましたね。

◆レイヴはできるべくしてできたバンド

――さて、今回は謎多き凪さんのパーソナリティーを少しでも解き明かせたらと思います。以前、悠さんのパーソナルインタビューの時に凪さんを「飄々としている」と表現しましたが、ご自身ではどう思っていますか?

凪:その表現も何となくわかる気がするんです。人から「よくわからない」って言われることが多いから、掴みどころがないのかなとも思うし。自分の中ではちゃんと温度やテンションの高低があるんですけど、他人から見ると変わらないらしくて(笑)。テンションがMAXのときも低いときもいつも通りに見られるし、自分としてはすごく大きな声で喋っているつもりでも声が小さいみたいだし…傍目には差がわからないみたいですね。

――いつも安定した感情の人という印象があります。人見知りはしますか?

凪:元々はすごく人見知りだったんです。でも、レイヴを始めてから「自分は人見知りなので」というのは言い訳だなと思うようになって。人と接することは得意じゃないんですけど、それを言い訳にして人との交流を遠ざけていたらチャンスもなくなるじゃないですか。なので意識して喋るようになりました。

――凪さんはレイヴで唯一のB型ですが、ご自身のことをB型らしいなと思いますか?

凪:思いますね。A型っぽいとも言われますけど、多分その人はまだ俺のことをちゃんと知らない人です(笑)。

――B型男子の性格を調べてみたところ、「マイペース」「協調性がない」「頑固」「こだわりを持って行動する」「熱しやすく冷めやすい」…ということですが、当たっていますか?

凪:割と当たっているかも(笑)。「頑固」というのも、すごくわかります。柔軟なところは柔軟なんですけど、自分の中でこだわりを持っている事に関しては仕事でもプライベートでも「俺はこれだから」って言って曲げませんからね。血液型診断は信じる方なんですけど、俺はB型なんだなと改めて思いました。B型に生まれて良かったと思うし、B型が大好きです(笑)。

――要領はいい方だと思いますか?

凪:そう言われたことはないし、自分でも思ったことはないですね。ドラムの覚え方も、俺のやり方は要領がいい方ではないと思います。悠は要領がいいと思いますし、nisaも結構いいかな。レンはあんまり良くないかも(笑)。

――凪さんは年齢に対してドラムのキャリアが長いですが、ずっと師匠に付いているんですか?

凪:確かに地味にキャリアが長いんですよね。もう6~7年目かな。師匠に付いて習い出したのは東京に来て1年くらいしてからで、それまではずっと自己流だったんです。以前から漠然と習いたいなと思っていて、東京に来たタイミングで友達に紹介してもらったんですけど、一度お会いしたら、ドラムの腕ももちろんですけど人柄もすごく良い人で。習うなら人としても尊敬できる人がいいと思ったので、その方にお願いすることにしました。

――師匠に付いたことで、今後は技が増えたりしそうですね。

凪:それはどうでしょうね。俺はやりたいことしかやらないタイプの人間なので、自分がやりたいと思わないと技は増えないんじゃないかな。むしろ、今持っている技を深く掘っていくタイプですね。狭く深く、ロックだったらロックドラムだけを突き詰めていきたいので。

――話の端々にB型男子の「こだわり」が見え隠れしますね(笑)。ドラムを始めたのはいつ頃ですか?

凪:中3の前半だった気がするので15歳くらいです。でもなぜか始めたきっかけを全然覚えていないんですよ。確か、リンキン・パークとかマイ・ケミカル・ロマンスとかパラモア辺りが好きで聴いていて、映像を見てドラムがカッコいいと思ったんだと思います。それで、気付いたらドラムをやっていました。でも普通、中学生はドラムに注目しないですよね(笑)。

――珍しいですね。ドラムは元々家にあったんですか?

凪:なかったです。最初はスティックを買って本を見ながらやっていたんですけど、そのうちに父がドラムを買ってくれて。初心者用の5万円くらいのやつでしたけどね。実家が田舎で気兼ねなくドラムを叩ける環境だったので、家で練習していました。

――最初に組んだバンドはどんなジャンルだったんですか?

凪:ヴィジュアル系でした。最初から今までずっとですね。元々は洋楽が好きでドラムを始めたんですけど、周りにヴィジュアル系を聴いている子も多かったので全然抵抗感はなかったです。

――悠さんに会ったのもその頃ですよね。

凪:多分16か17歳になった頃だと思うんですけど、その頃、俺のいたバンドとレイヴの前身のバンドで対バンをしたことがあって。でも、その場では悠とは顔を合わせただけで話したことはなかったんですよ。その後、俺のバンドが解散してセッションや他のバンドのサポートをしている時に悠と仲が良かった人に紹介されて、そこで初めて話をしたんです。

――そこで悠さん曰く「詐欺師の手口」でメンバーに勧誘されたんですね。

凪:そうです(笑)。「とりあえずサポートでいいから」って言われて。俺は正直に言うと正式にやる気はなかったんですよ。信用していなかったから(笑)。だって紹介されて初めて喋ったのにいきなり勧誘されたんですよ? でも結果的に、そこからずっと一緒にバンドをやることになるんですけどね。

――レイヴのメンバーで最初に会ったのは悠さんですよね。どういう印象でしたか?

凪:その時は悠が俺に気を使い過ぎていたせいもあって、あまり印象に残っていないんです。何しろ初対面で初めて話したし、向こうはバンドに入ってもらいたいからすごく気を使っているし、今の悠からは想像がつかないかも…。レンに会ったのは、サポートをやることが決まってからなんですけど、チャラそうだなと思ったのを覚えています(笑)。

――凪さんが入った後に、みくるさんが入ったんですよね。

凪:そうですね。みくると当時の上手ギターが別のバンドをやっていて、その二人が入ってきてレイヴが出来上がりました。実は俺、16歳くらいの頃に対バンをしたのがきっかけで、みくるのことはレイヴの前の前のバンドにいた頃から知っていたんです。

――みくるさんの第一印象は?

凪:当時のみくるは常に怒っているやつでした。初めて見たとき、俺はホールで機材を組んでいたんです。そしたら後ろからみくるが歩いて来て、頭をガリガリ掻きながらキレていて。次に会ったときも苦々しい顔をしていたから、イライラが溜まっているのかなと思って見ていたんです。話すと全然そんなことはなかったんですけどね。後々みくるに「あの時ずっと怒っていたよね」って言ったら、「怒ってないよ!」って言っていましたけど(笑)。その後、ローディーだったnisaが加入したんです。彼はいいローディーでしたよ。ライブが終わって俺らが楽屋に戻ると服が畳まれていたり、靴が揃えられていたりして。

――それは今も?

凪:残念ながら今はないですね(笑)。でも当時は東京から福岡まで12時間一人で運転してくれたり、ドラムができるからドラムの手伝いもしてくれたりしていました。もちろんギターもやってくれていましたし。今振り返ると、レイヴには不思議といいタイミングで人が入ってくる流れがあって。できるべくしてできたバンドだなと思います。

◆メイクにしろ、髪型にしろ、自分の色を出していきたいなと思うようになった

――結成当初から現在までで、凪さんの中で一番大きく変化したことは何ですか?

凪:気持ちじゃないかな。結成当時はまだ10代で何も考えていなかったし、「楽しくできればいいや」と思っていたんです。でも、ここまで来てそれだけじゃダメじゃないですか。大きいところに行きたいし、そのために自分はどうすればいいのかも考えるし。そういう考えに至るようになったところですね。

――変化したのはいつ頃だったんでしょう?

凪:やっぱり東京に来てからだと思います。上京の影響は大きかったですね。さっき話した、人見知りを克服しようという気持ちがより強くなったのも東京に来てからですし。

――昨年リリースのシングル『UKIYO』のインタビューの時に「自分が福岡から出るとは思っていなかった」と言っていましたが、結果的に大きな変化をもたらしたんですね。

凪:そうですね。福岡から東京に引っ越すということ自体の実感はなくて、ご近所に引っ越したくらいの気分なんです。今の時代はスマートフォンもあるから、そういう意味での物理的な距離はなくなったのかなと思うんですよ。でも東京に来たら、身近なところに上手い人がたくさんいるじゃないですか。それで、自分もこれじゃダメだなと思うようになりましたね。

――ところで、レンさんは上京するときに「地元からマイクだけ持って出て来たんですよ」と言っていたのが印象的だったんですが、凪さんは?

凪:俺は色々持って来ました。レンと悠と俺の3人が車で来たんですけど、レンは本当にほぼ何も持って来ていなくて、悠と俺の荷物でハイエースの荷台が全部埋まりましたからね。それで東京に着いてからは、悠と俺が同じ家に住んで。

――悠さんと暮らしてみていかがでした?

凪:…何もないですよ(笑)?

――2014年の凪さんの生誕記念ONEMANのタイトル(『両刀使い~ヤらないか?~』)が盛大な振りなのかと思っていたのに(笑)。

凪:あはは! 本当に何もないですから(笑)。むしろ二人の生活のタイミングが違いすぎて家ではほぼ会わなかったです。夜、悠がリビングで晩酌しているときにたまに会うんですけど、俺はめったに部屋から出ないので、かなりのレアキャラだった気がします。家では一人でいたいんですよね。

――家では一人でいたいという凪さんの対人関係が気になります。

凪:メンバーの中では友達が多いほうだと思いますよ。東京に出てきて、人見知りじゃダメだと思って頑張って、一生懸命自分から話しかけたり、話しかけられたりして、そこで仲良くなった友達が多いです。その中で本当に仲がいいのは4~5人ですね。

――ドラムへの向き合い方と同様に、狭く深く派なんですね。

凪:そうですね。「人数じゃない! そいつとグルーヴが合うかどうかだ!」という感じです(笑)。

――中でも一番グルーヴが合うのはTwitterにも度々登場する皇汰さん(ex.スタア区。)でしょうか。

凪:あいつはすごいですよ。グルーヴが合いまくりです。もう一人の俺なんじゃないかというくらい合うんですよ。毎日一緒にいても苦にならない。でも、出会った頃は大嫌いだったんです(笑)。彼は広島のバンドにいて、レイヴが福岡にいる頃から対バンをしていたんですけど、打ち上げで向こうのバンドのドラムの人が潰れた時になぜか俺が介抱して。その時に、「なんでリーダーのあいつ(皇汰)が介抱しないんだ!」と思ったんですよね。ちなみに向こうも俺のことが嫌いだったみたいで、挨拶しても無視されました(笑)。でもその後、福岡で俺たちが主催をやったときに出てくれて、そのとき初めてちゃんと話をしたんです。そこから仲良くなって、かれこれ4年ぐらいの付き合いですね。今では1週間の内5日ぐらいは一緒にいるんじゃないかな。ちなみにあいつもB型です。

――人生の中でそういう人に出会えるというのは、本当にラッキーですね。友人とは狭く深くのようですが、恋愛もそうですか?

凪:そうですね。好きになるのは一人だけしか無理です。

――…普通はそうですよね?

凪:ほら、一般的にバンドマンってそういうあまりよろしくない印象があるじゃないですか。遊んでる!みたいな。でも俺、めったに女の子を好きにならないし、最近初めて****したくらいですから。あ、ここは伏字にしてくださいね(笑)。

――結構ピュアな答えなのに、伏字にすると何だか意味深なんですけど…。

凪:そこをあえて伏字で!

――凪さんは一度好きになったら、「ツミトバツ」のMVのレンさんのように相手にのめり込むんでしょうか?

凪:多分そうです。すごく重いと思いますよ。絶対に浮気はしないですし、恐らく尽くすタイプです。その代わり、めったに好きにならないですけど(笑)。

――(笑)。そんな凪さんが今一番興味を持っていることは?

凪:ファッションですね。服が好きなんです。興味を持つようになったのはわりと遅くて、17~18歳の頃かな。バンドを始めてから急に興味を持ち出して、これも東京に来てさらに強くなりました。服と靴ばっかり買っているので、靴は玄関に入りきらないし、服も収まり切らなくて部屋中に散らばってます(笑)。

――本当に好きなんですね。確かに上京してからヴィジュアルが急激に変化しましたよね。私服もオシャレですし。

凪:メイクにしろ、髪型にしろ、自分の色を出していきたいなと思うようになったんです。自分でオシャレだとは思っていないですけど、もっと出していけたらいいなと。自分のSNSとか、Vifさんに手伝ってもらったりして発信できたら面白そうですよね。今後どうなるのか、乞うご期待ということで(笑)。

◆お客さんを信じて、もっと頑張って、みんなともっと大きいところに行けるように

――凪さんはバンドの中で一番年下ですが、バンドの中における自分の役割や立ち位置で意識することはありますか?

凪:メンバーとはもう6年以上一緒にいるので意識はしないですね。最初のうちは意識することもありましたけど、悠から「同じメンバーなんだし、気を使わなくていいよ。タメ口でいいから」って言われたのがきっかけで気にしなくなった気がします。もし、ずっと敬語だったら言いたいことも言えないし、すごく気を使ったと思うので、ありがたかったですね。

――凪さんにとってのターニングポイントを教えてください。

凪:「レイヴを始めたとき」「上京したとき」、そして「みくるが亡くなったとき」ですね。その各ポイントで、思うことや考えることが一番多かったです。まず「レイヴを始めたとき」についてですけど、レイヴは自分にとって初めて本格的にやるバンドだったんです。俺はそれまでずっと、どのバンドも途中加入で、全部1年もたなかったんですよ。レイヴは初めて初期からいて、なおかつ1年以上続いたバンドなんです。だからこそ、ずっと頑張っていこうと思えたんだと思います。二つ目の「上京したとき」は、周りに上手い人たちが多くて、そこで自分のドラムのことを改めて考えるようになったから。最後は「みくるが亡くなったとき」ですけど、実はその前から少しずつ自分の中でのモチベーションが下がっていたんです。

――それはいつ頃ですか?

凪:TSUTAYA O-WEST(2015年12月29日に行われた「ちかっぱ!シティーボーイ!!~俺たちイケとろーもん~」)が終わってから徐々にでしたね。本当は、WESTが終わった直後に解散するつもりだったんですよ。解散しなくても自分が脱退するつもりだった。本当にあのときは完全に心が折れていて、もうダメだと思ったんです。動員も、音楽的にも、バンド的にもこのままではいけないし、伸びないなと。俺自身にも悪かったことはいっぱいあるんですけど、やっていても意味がないと思ってしまって。でも脱退は、そう簡単にはできないじゃないですか。メンバーに迷惑をかけるし、俺一人が脱退して、はい終わり、ではないので。それもあって辞めなかったんですけど。

――解散の話が具体的に出たのはいつだったんですか?

凪:春頃でしたね。みんなで集まったときに俺が「解散しよう」って言ったんです。そうしたら悠もそれに同意して。レンとnisaとみくるは「続けよう」と言っていたんですけど、悠と俺は解散しようって。その時に、メンバーに気持ちを全部伝えて一旦解散が決まったんです。その後も自分でも色々考えたし、一番信用できる先輩に相談したりもしました。

――その後、悠さんが言っていた「凪から二人で飲みに行こうって連絡が来て「音楽を辞めないでほしい」って言われた」という流れになったんですね。

凪:そうなんです。俺と悠は解散したらもう音楽をやらないと言っていたんですけど、俺は悠に才能があると思ったし、続けてほしいと思っていて。その時、俺は「悠に音楽を辞めてほしくない」という話をしたくて飲みに行こうって誘ったんです。でも話しているうちに、俺も悠もまたレイヴで頑張ろうという気持ちに戻ったので、結果的には良かったのかもしれないですけどね。

――そこから約1年、レイヴを続けてきた現在の感触は?

凪:今はまだわからないですね。結果を判断する段階まで進んでもいないと思うんです。

――凪さんは、最終的な目標をどこに置いているんですか?

凪:東京ドームです。やっぱりバンドをやっていて最終的に目指すべきところはドームじゃないですか。

――レンさんはパーソナルインタビューで「前は東京ドームを目指していたけど、今は自分たちの音に共感してくれる、そしてヴィジュアル系を愛してくれるやつらと一緒にいたいという気持ちに変わった」と言っていましたが、凪さんとしてはあくまでも東京ドームなんですね。

凪:レンみたいな考えもあると思うんです。でも、俺は東京ドームがいい。さらに言えば、東京ドームを小さいと思えるくらいの人になりたいんです。だって売れたくてバンドをやっているわけじゃないですか。小さいままで終わらせたくないんですよ。レンの言っていることもすごくわかりますけど、行けるなら行きたい。だから目標は武道館とかではないんです。

――1年前に音楽を辞めずにレイヴの続行を決めたことで、夢への道は再び続くことになったんですね。

凪:そうですね。今はまだ行けない確率のほうが高いですけど、でも夢は持っていたいです。

――ところで、今回の炎上した一件は、ご本人たちはどう捉えているんでしょうか? あれはあくまでも計算の上だったんですか?

凪:全然。もし炎上商法をやるつもりなら、もっと考えてもっと上手くやりますよ。あれじゃ下手くそすぎますから(笑)。俺たちは前々からワンマンツアーのタイトルを出していたし、ファンの子が見れば何となくわかってくれるんじゃないかと思っていたんです。よく見たら告知の文章もおかしいし、「詳しくはこの後20:00頃にお知らせします」って書いているし、そもそも速報なんて出すわけがない。でも、ああやって炎上して、それについて書かれたコメントも俺が見られる限りは全部見たんですけど…まぁ傷つきますよね、人間なので。それに、俺たちを本当に応援してくれている子たちに心配をかけたことや、俺たちに対して送られてきた辛辣なコメントをファンの子たちが見てショックを受けたことは、本当に申し訳ないと思います。でも俺は、謝罪は絶対にしないと決めているんですよ。だってあれは本当に演出だったんだから、謝る必要はないじゃないですか。

――あの後に凪さんが出したコメントはとてもシンプルでしたね。

凪:心配させたファンの方には、もちろんゴメンと思っています。ただそれ以外の人には謝りたくないし、謝罪したらダメだと思うんです。映画のCMで「誰かが死にます」という言葉を出しても、みんな怒らないでしょう? ただの演出であって、俺の中ではそれと一緒なんです。こっちも自信を持って出しているわけですから。でも、Twitterも更新する度に、「最低」とか「解散しろ」という言葉が投げかけられたし、中にはみくるのことまで出してくる人もいて、あれは本当にムカつきました。俺たちに対してよくそれを言えたなと。俺は、みくるがいても同じようにやってたよって言いたいし、みくるなら笑いながら悪ノリしていたと思う。だから、言われていることはちゃんと受け止めますけど、謝罪はしません。

――その姿勢が伝わってくるツイートでしたし、熟考した末に出した言葉なんだろうなと。

凪:そうなんです。何を書けばいいのかすごく考えて、その上で、「よし、シンプルでいい」と思えた。だからあのコメントは本当にそっけないんですけど、これでいいんです。

――あの騒動を経て、先日のワンマンライブ『静と狂~限定三昧~』で改めてたくさんの味方がいることがわかりましたね。

凪:本当にそうですよね。俺はすごくネガティブな人間なので、ライブが始まる前は心配して悪い方向にばかり考えていたんです。「ペットボトルが飛んできたらどうしよう…」とか。今考えると、そんなことあるわけないって思うんですけどね(笑)。だからこそ、みんなを信用しきれなくてごめん、そしてありがとうと言いたいです。

――いよいよ来月から始まるツアー『罪と制裁』が楽しみですね。

凪:そうですね。あのライブで人を信じようと思えたし、何も心配しなくていいんだとも思えたから、俺たちもみんなに応えられるようなライブを見せるつもりです。それに、あの炎上の件で叩かれはしたんですけど、応援してくれているファンの子たちからライブの時に手紙をもらったり、SNSで「変わらず応援しています」という言葉をもらったりして、これまで以上にすごく励みになったんです。俺たちも、もっとお客さんを信じて、もっと頑張って、もっとみんなと大きいところに行けるように頑張ろうと思いました。…なので、みなさん手紙をください。

――デジタルな時代に、手紙は嬉しいものなんですね。

凪:すごく嬉しいんですよ。手紙って直筆じゃないですか。もちろん普通のファンメールでも嬉しいんですけど、手紙はなおさら嬉しいです。そうやって届けられた声援は、本当にすごく励みになりますから。

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

<プロフィール>

2012年8月18日、福岡県で結成されたバンド、レイヴのドラマー。2012年12月にミニアルバム『フラチズム』をリリースし、精力的に活動を展開。2015年3月リリースのミニアルバム『ヨクバリーゼ』以降、4枚のシングルをリリース。2016年8月に4周年を迎え、バンド史上最大キャパとなる恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライブを開催。10月には「レイヴ5周年YEAR!!猪突猛進ノンストップGOGO!5大大大大大発表!!」と銘打ち、シングル『UKIYO』、2017年3月には1stフルアルバム『不幸福論』をリリース。11月18日からニューシングル『ツミトバツ』を掲げてのツアー、PS COMPANY PRESENTS レイヴ ONEMAN TOUR『罪と制裁』がスタートする。

■オフィシャルサイト
http://www.pscompany.co.jp/rave/

【リリース情報】

ツミトバツ
2017年11月15日発売
(PS COMPANY Co.,Ltd.)

ツミトバツ
初回限定盤(CD+M∞CARD)
PSIM-30056
¥1,800+税
amazon.co.jpで買う
ツミトバツ
通常盤(CD ONLY)
PSIM-20045
¥1,200+税
amazon.co.jpで買う

【収録曲】

[CD] ※初回限定盤、通常盤共通
01.ツミトバツ
02.アンチメランコリック

[M∞CARD]
「ツミトバツ」MV+メイキング映像 ※初回限定盤のみ

【ライブ情報】

●PS COMPANY PRESENTS レイヴ主催『ハメ外し大変身2017』
10月31日(火)高田馬場AREA
OPEN 16:30 / START 17:00
出演:レイヴ / アンフィル / 游彩
前売¥3,500 / 当日¥4,000 (税込、ドリンク代別)
受付URL:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002227946P0030001

●PS COMPANY PRESENTS レイヴ ONEMAN TOUR『罪と制裁』
『罪と制裁〜渋谷裁判〜』
11月18日(土)渋谷REX
OPEN 17:00 / START 17:30
受付URL:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002196594P0050001P006001P0030010

『罪と制裁〜大阪裁判〜』
11月23日(木・祝)心斎橋VARON
OPEN 17:00 / START 17:30
受付URL:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002196594P0050001P006001P0030011

『罪と制裁〜名古屋裁判〜』
11月24日(金)名古屋ell.SIZE
OPEN 18:00 / START 18:30
受付URL:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002196594P0050001P006001P0030012

『罪と制裁〜仙台裁判〜』
12月 2日(土)仙台spaceZero
OPEN 17:00 / START 17:30
受付URL:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002196594P0050001P006001P0030013

『罪と制裁〜広島裁判〜』
12月 6日(水)広島CAVE-BE
OPEN 18:00 / START 18:30
受付URL:http://eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002196594P0050001P006001P0030014

『罪と制裁〜福岡最高裁判〜』
12月 8日(金)福岡DRUM Be-1
OPEN 18:00 / START 18:30
受付URL:http://eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002196594P0050001P006001P0030015

<チケット販売情報>
全料金:各前売¥3,500(税込、各D代別)
e+(一般発売)※10月22日(日)10:00発売