今回nisaがゲストに迎えたのは、事務所の先輩であるK。同じPSファミリーにしてギタリストという共通点以外にも、6月にTSUTAYA O-WEST他で行われたrivabook presents 「June Cup Tour」でnisaがKのステージで初のサポートを務め、さらに最新のKの作品のアートワークもnisaが手掛けるなど、その関わりは実に濃密。公私ともに仲の良い二人の初対談、とっておきの話題満載でお届けします。

◆レイヴはネタが山積みのバンドで、事務所に入った早々から面白かった(K)

――お二人の出会いから教えていただけますか?

nisa:最初にお会いしたのは、レイヴがPS COMPANYに入る直前でしたよね。

K:そうそう。福岡のDRUM SONでやったBORNのワンマンに来てくれて。

nisa:その時、BORNのメンバーがすごく優しかったのが衝撃的でした。バンド業界は縦社会だと思っていたし、BORNはイメージ的に怖そうだと思っていたんです。でも会ってみたら笑顔だったから、「この人たち笑うんだ…!」と思って(笑)。

K:俺たちもPSで先輩たちにそうやって接してもらってきたからね。BORNが事務所に入ったとき、the GazettEの葵さんが初対面なのに、「レコーディングのアンプとか貸すからね」って言ってくれて。普通はもっと仲良くなってから、「こいつになら貸してやる」とかじゃない?

nisa:ですよね。PSは先輩方がみんな優しいです。

K:むしろ俺たちが事務所に入りたての頃はスタッフがすごく厳しくて、コテンパンにやられたからね(笑)。今思うと、あれは社会人としての研修期間だったんだと思うけど、当時はすごく凹んだ。でも、先輩たちはそういう気持ちもわかってくれて、NAOKIさんが「頑張れよ」って言ってくれたりした。

nisa:幸か不幸かレイヴはそういう経験がないんです。だからこそ羨ましいという気持ちもあって。ずっと自主でやってきて、事務所に入ってからもわりと自由にやらせてもらっているから、俺たちのことを思って言ってくれる意見がもっとほしいんです。

K:ぜひ、あの洗礼を受けてほしい! 実は俺、「レイヴもあれを経験すればいい」ってずっと思っていたんだよね(笑)。不思議なことにああいう状況の時のほうが数字が伸びて、会場もどんどんデカくなったんだよ。俺はあの時代には戻りたくないけど、人生どっちがいいんだろうって思うよね。

――Kさんは、事務所に入ってきた当時のレイヴにどんな印象を持っていましたか?

K:レイヴはネタが山積みのバンドで、事務所に入った早々から面白かったんですよ。噂によると、みくるがライブハウスのキャビを破いたりしたらしいね(笑)。

nisa:そんなこともありました(笑)。当時、ライブのオープニングで「みくるボード」というものを持って、曲が始まったらボードを後ろに放ってギターを弾くというのが恒例だったんですけど、その日は放った先がライブハウスのギターアンプのキャビで、ネットをぶち破ってしまって…(笑)。

K:そういう話を色々聞いていたから、レイヴと飲みたかったんだ。中でもレンの話題が多かったな。

nisa:問題児でしたからね(笑)。

K:最初はそういう破天荒なイメージで、「面白い。これは仲良くなれそうだぞ」と思っていたんだけど、いざ対バンで会ってみたらみんな上手いし、nisaも若いのに落ち着いたオーラがあって、レイヴはみんなしっかりしているんだと思ったんだよね。もちろんミュージシャンだから、ちょっと外れているところはあるけど(笑)。それに、福岡で人気のあるバンドだとは聞いていたけど、ステージでの立ち振る舞いもビシッとしていて、空気ができ上がっているバンドだなと思った。

――事務所に入った後、先輩と後輩はどうやって仲良くなっていくんですか?

nisa:最初に、全先輩たちのライブに行って挨拶をするんですよね。

K:そこから対バンで楽器や機材の話をしながら少しずつ喋っていく感じですね。でもお互いに「飲みに行こうよ」と言いつつ、なかなかタイミングが合わなくて行けなくて。だから最初にPSのギタリストで集まって飲んだ時期はわりと遅くて、舞浜(2016年4月に舞浜アンフィシアターで行われたPS COMPANYのイベント「攻撃ハ最大ノ防御ナリ。2016」)の時だったりするんだよね。元々俺はしっぽり飲みたいから、ダウトのひヵる君とか、Kraのタイちゃん(タイゾ)と飲むことが多かったんだけど、ある日ひヵるから「nisaが来るよ」って言われて。

nisa:そうでした。そういえば、PSのギタリストはドンチャン騒ぐタイプはいないですよね。

K:最低限の常識はみんな持っているかも。でも、ヴォーカルはそうでもないのかな。猟牙からレンの飲みの話は色々聞いたよ(笑)。

nisa:そのレンが、6月28日のTSUTAYA O-WESTのライブで、「Kさんと飲みたい!」って言い続けていたんですよね。Kさんは曲作りが忙しいから帰るって言っていたんですけど、「そこを何とか。俺、Kさんと飲みたいんです! 終電まででいいので!」ってずっと言っていて。

K:そういう話を聞くと、終電まででも行ってやれば良かったかな…。

nisa:でも終電で終わるわけがないので、行かなくて正解です(笑)。

K:なるほど(笑)。

――お酒が絡むシーンで他に印象的な人はいますか?

nisa:Rayさん(ex.BORN)ですね。Rayさんは普段あまり熱いことを言ってくれないんですよ。でもこの前一緒にお酒を飲んでいたら、すごく熱くなってきて、「俺はレイヴに頑張ってほしいから!」って。それまでそんなことは一切言われなかったのに(笑)。

K:え、あいつ、そんなこと言うの!? 楽しいね(笑)。

nisa:熱くなってきたら、愛を込めて言ってくれます。

K:そもそもあいつが熱くなることがあるんだ…。

nisa:普段はあまり飲まないんですけど、急にそういう真面目スイッチが入るんですよ。

K:意外! 「酒の場で音楽の話なんてしたくない」とか「真面目なことを話したくない」って言うのがレイチェルだったのに! でもそういうことを言いつつ、ミーティングで誰よりも理解力があるのがレイチェルだったな。ノリが軽いんだけどすごく要領がいいやつなんだよね。

◆Kさんの音楽は、本当にバンドが好きでやっていく音楽という感じ(nisa)

――お二人は几帳面で真面目な感じが似ている気がしますが、ご自身ではどう思いますか?

nisa:性格はちょっと似ているかも。

K:でも俺はnisaみたいに器用ではないですよ。O-WESTで俺の横で弾いてもらってつくづく思ったんですけど、nisaは器用で度胸がすごい。そもそも、一緒に音を出すって、男と女で言うところの付き合ってみるのに近い状態だと思うんですよ。

nisa:おー! 俺たち付き合ったんですね(笑)!

K:例えだから(笑)! ギターのアンサンブルがすごく気持ち良くて。音作りもちゃんとやってくれているなと思った。

nisa:なんだかんだ褒められたいんですよ(笑)。せっかくやるんだったら、ちゃんとやりたいじゃないですか。

――サポートをお願いしたのは、いつ頃だったんですか?

K:それが結構ギリギリで…。ソロになって散々経験してわかったんですけど、LINEやメールでサクッと誘うと大体サクッと断られるんです。だから、何でやってほしいのかをちゃんと面と向かって言わないと伝わらない。そう思ってnisaに声をかけることにしたんですけど、何だかんだタイミングが合わなくて、結果LINEでの連絡になっちゃって…(笑)。

――nisaさんは、サクッとOKしたんですか。

nisa:メンバーに相談するために少し時間をもらいました。俺にはレイヴというバンドがあるから勝手には決められないと思って。実際サポートをすると、俺は当日二つのステージに出ることになるんです。そうすると、メイクの順番も機材もややこしくなってメンバーの負担が増えるなと思ったんですよ。でも相談したら、「頑張って来い」「勉強して来い」ってすごく快く送り出してくれて。

――「勉強して来い」と背中を押してくれるというのはありがたいですね。

nisa:良かったなと思います。いいメンバーです。

――nisaさんはサポートを頼まれた時、どんな気持ちでしたか?

nisa:「とうとう来たぞ」と(笑)。

K:あ、来ると思ってた(笑)? 以前nisaが俺のワンマンを観に来てくれてライブの感想を言ってくれたことがあるけど、それが「Kさんのライブ、思っていたより良かったです」だったよね(笑)。

nisa:違うんです! 俺はBORNのライブの延長線のイメージで観に行ったんですけど、Kさんのソロはすごくヘヴィでハードだし、BORNのイメージとはまた全然違うコアな方向だったから、「俺、そっちのほうが好きです」って言いたかったんです!

K:(笑)。そのときのサポート陣はCazqui(G/NOCTURNAL BLOODLUST)、叶真(G/ex. D.I.D)、NAOKI(B)、satoshi(Dr/ex. DIV)で、バランス感が特に良かったからね。

nisa:みんな上手くてカッコ良かったです。

――O-WESTのライブも上手にタイゾさん、センターにKさん、下手にnisaさんでしたが、ものすごい安定感でした。

nisa:ありがとうございます。そういえばあの日は全員が上手ギターだったんですよね。ところで、あのライブの後にファンの子から、「Kさんのサポートの時の方が生き生きしていましたよ」って言われたんですけど、それもどうなんだろう…。俺、一応メインはレイヴなんだけどな…(笑)。

K:俺もBORNをやりながら事務所のツアーでWKをやったりしたけど、どうしても「ちゃんとやらなきゃ!」っていう気持ちが強くなるんだよね。バンドって真面目にやり過ぎているところがあるけど、ソロを始めてから良い意味で真面目にやり過ぎなくていいんじゃないのかなと思えるようになったよ。

nisa:俺はこの前のライブが初のサポートだったんですけど、先輩のサポートだし、「ちゃんとしなきゃ!」ってちょっと意気込んでいたんです。それでKさんに音をもらってから、「どこをどう弾けばいいですか?」って聞いたら、「好きにしていいよ」って言われて(笑)。もっと「ここはこうで、ここはキッチリこうして、後はよろしく頼むぜ!」みたいな感じかと思っていたら、そんなこと全然なくて。なので好きにやらせてもらったんです。

K:俺も先輩であるNAOKIさんやDのRuizaさんのサポートをやらせてもらったときは、音源を完コピしないといけないと思っていたんだよね。でもみんな、「自由にやりたいようにやって」って言ってくれて、そのときにちょっと安心したんだよ。それに、レイヴのライブを観て上手いバンドだなと思っていたから、任せても何も問題ないと思って。

――nisaさんが、ファンの方に「生き生きしている」と言われたのは、自由にやらせてもらえたからだったんでしょうか?

nisa:Kさんの音楽性もあると思うんです。Kさんの音楽は、きっちり世界観をというより、本当にバンドが好きでやっていく音楽という感じがあったので。

K:ライブ中にちょこちょこメンバーを見ていたんだけど、nisaはすごく楽しそうだった。

nisa:1日目は、わりと真面目に弾いていたんですよ。でもライブ後に、タイゾさんやNAOKIさんから「初日だったから絡みに行けなくてごめんね」と言ってもらって、「え!? 絡んでいいんだ! じゃあ二日目からはガンガン行こう!」と思えたんです。

K:ソロと言ってもやっぱりバンド形態だから、周りが程よく個性を出してくれていたほうが、全てが映えるんだよね。その時、俺はヴォーカリストの気持ちがわかった気がして。あまり畏まられるより、ハチャメチャにやってくれていたほうが逆に安心して歌える。みんなが大人しかったりすると、「俺がもっと動かなきゃ!」「歌わなきゃ!」って思っちゃうからさ。

nisa:俺は今までそういうことを考えたことがなかったんです。でもバンドで他のメンバーがすごく目立っていたら、負けじと行くじゃないですか。そういう感じだったのかもしれないですね。

K:そうだね。あと、あのツアーはサポートドラムとしてBORNの昔からのローディーのSOYが参加してくれて。みんな俺のサポートをしてくれているんだけど、逆を返せば俺らがあいつのサポートをしているような感じだったよね(笑)。「若いから育ってくれ!」って気持ちが強くて(笑)。

nisa:スタジオでみんなが言っていましたよね(笑)。

K:俺は十代の頃からあいつを見てきたから、SOYが「いつでも叩くので呼んでください」って言ってきたときは、「おお…ここまで言えるようになったんだな…!」って思って。いろんな思いがこもったライブになった。

◆あの日のステージで俺はみくると同じ下手ギターだったから、全部繋がっていると思った(nisa)

――レイヴは、今でもライブ後に打ち上げはしているんですか?

nisa:最近は全然していないですね。昔はしていたし、したいんですけど。この前のO-WESTではやったみたいです。俺はKさんが行くんだったら行こうかなと思っていたんですけどね。ちなみにタイゾさんも同じことを言っていました(笑)。

K:俺も本当は行きたかったんだよ。どうせならNAOKIさんも巻き添えにして連れて行きたかった。NAOKIさんはいつもなかなか捕まらないんだけど、日本酒を1杯入れたら、もう帰らないからね(笑)。レイヴとはぜひ飲みたいな。凪も色々話したいことがありそうだし。でも残念ながら他のメンバーとはそこまで深い交流がないんだよね。悠はあまり喋らないでしょ?

nisa:そうですね。本人は意図していないらしいですけど、一見恐そうに見えるし。

K:事務所でちょっと喋って連絡先は交換したんだけど、いつも「今度飲みに行きましょうよ!」で終わっちゃう(笑)。みくるもそうだったな。

nisa:Kさんは、みくると最初に仲良くなっていましたよね。

K:うん。みくるは社交性があって、レイヴの営業担当っぽかったよね。

nisa:あいつは人の懐に入っていくのが得意でしたからね。でもみくるは、たとえ先輩でも本当に自分が好きな人じゃないと絶対に深く付き合わないんですよ。めっちゃ熱いタイプです。

K:女形やっていたのに、意外と男っぽいよね。そういえば、BORNの解散が決まって、俺がソロをやるのか、本当にセンターに立てるのか葛藤していた時期に、事務所のツアーでみくるが「ミラクルず☆」というセッションをやっていて。みくるがセンターですごく堂々と歌っているのを見て、「何であいつはあんなことができるんだろう!」って驚いたんだよ。みんなはあのステージを観て笑っていたけど、俺は真剣にすごいと思った。途中でみくるのマイクが抜けるトラブルがあって、俺だったら、「ちょ、抜けた! スタッフー!」って慌てちゃうのに、あんなにニコニコ笑っていて。それがすごく衝撃だったから、俺はみくるに、「お前スゲーよ」って言ったんだよ。

nisa:あの日、Kさんは楽屋でずっと「あいつ、すげーよな!」って言っていましたよね。

K:うん。自分がもうすぐそういう場所に立つかもしれないっていう状況だったから、あいつからすごく勇気をもらったんだよ。

nisa:あとずっと記憶にあったのは、みくるが亡くなって事務所に集まったときにKさんも来てくれて、「みくるはすごく俺のサポートがしたいって言ってくれていたんだよね」って話してくれたことなんです。「まだ俺のソロプロジェクトがきちんと始動する前だったんだけど、そのときから言ってくれていたんだ」って。みくるはKさんのソロの音も聴いていないのに、サポートしたいって言っていた。それはやっぱりKさんの人柄に惹かれた部分があるんだろうなと思ったんです。

K:nisaはそれもあってサポートを受けてくれたというのを聞いて、本当にありがたいと思ったよ。それでサポートをしてもらったのが、偶然なんだけど、あいつが最後にライブした「June Cup」ツアーだったんだよね。

nisa:去年の「June Cup」が、みくるが出たライブの最後だったんです。Kさんと飲んでいるときに、それをふと思い出して、「これって何か繋がっていますよね」という話になって。そういう事もあってすごくサポートをやりたいと思ったんです。でも、みくるができなかったことをやってあげたいという気持ちだけだとKさんに失礼だと思ったから、ちゃんと自分でKさんのライブを観て、その上で「やってみたい」と思えたからこそサポートを引き受けたんです。

K:点と点が線で繋がったね。

nisa:あの日のステージで、俺はみくると同じ下手ギターだったから、「あ、俺も下手だ!」と思って。全部が全部繋がっているなと思いました。

――あのときの元気なステージングに、みくるさんを感じました。

nisa:不思議とやりやすさはありました。下手でギターを弾いたのは何年ぶりだろうというぐらい久々だったんです。でも、どうしようと思ったときに、出てくる姿があいつだったから参考にしようと思って。実際ライブが始まったら全然考えていなかったんですけどね(笑)。

――みくるさんの貴重なエピソードが聞けて良かったです。

K:そうですね。さっき話に出たミラクルず☆を観たライブの後に、飲みの場で俺の前に座ったみくるから、「Kさん、解散したらどうするんですか?」って言われて。「悩んでいるんだけど、とりあえずReNYで一発ソロでワンマンをやろうかなと思ってる」って言ったら、「ReNYでワンマン!? 何ですかそれ!」って大爆笑しながら「やっぱりすごいですね」って。「俺からしたら、お前のほうがすごいよ」って言ったんだけど。そのときにみくるが笑いながら、「いつかギターを弾かせてくださいよ」って言ったから、サンキューって答えたんだよね。それからああいうことになって…そう思うと、全てが1年くらいのすごく短い期間の出来事だったんだな。この話、どこかでしたいとずっと思っていたんだけど、軽いノリで話すのもなと思って。だからちょうどいい機会と言ったらあれだけど、話すのは今かなと思ったんだ。

◆nisaとはルーツが違うようで、同じような感じ(K)

――では、お二人の音楽のルーツについて聞かせてください。

K:nisaはヴィジュアル系を通ってないんだよね。でも何でモッキンバードを持ってるの(笑)?

nisa:俺が人生で最初にコピーした曲が、Xの「紅」だったんです。

K:そこがすごいよね。普通は弾けなくて途中で投げちゃうのに。

nisa:俺は元々SEX MACHINEGUNSが好きだったんですけど、当時のXってメタルっぽいじゃないですか。それで最初のギターは何を買おうか考えたときに、変わったやつがほしいと思って。Vか、モッキンかで悩んだ結果、モッキンが一番癖があって変形っぽいからカッコいいかなと思って決めたんです。それに、Xの中でHIDEさんがカッコいいなと思っていたので。

――KさんもXが好きと言うよりも、HIDEさんが好きなんですよね。

K:そうですね。俺がギターを手に取ったきっかけもHIDE さんですし。HIDEさんが亡くなった時、少年時代からのパーソナルな部分をテレビで特集しているのを観て、じゃあ俺もやってみようと。うちは親が音楽好きで、楽器が家に転がっていたから、始めるタイミングが来たなと思って。さらに俺が小学生のときは音楽バブルで、当時はX JAPANが解散すると言ったら記者会見が行われたりして、すごい時代でしたからね。

nisa:すごいですね。俺がXを知った時にはもうHIDEさんが亡くなっていたので、その感じがわからなくて。

K:タイミング的にも一番カッコいい時代だったから、自分も影響を受けたのかもしれない。Xが1997年の12月31日の紅白を最後に解散して、翌1月1日の新聞にhide with Spread Beaverの全面広告をバーンと掲載してソロ活動を告知して。そして『ROCKET DIVE』を出して亡くなったという。

nisa:KさんたちにとってのXやLUNA SEAが、俺らにとってのGLAYやラルクなのかもしれないですね。俺たちにはXやLUNA SEAはもう少し上の世代のバンドのイメージなんです。

K:でもnisaは、すごくテクニカルな音楽に影響を受けているなと思ったよ。俺は全体のバランスで聴いてしまう人なんだけど。

――Kさんは影響を受けた奏法はありましたか?

K:速弾きが難しかった(笑)。あれは筋トレと一緒だから、ずっと弾いていないとできなくなっちゃうんですよね。昔、速弾きがやりたくて、弾けるようになったと思っていたんだけど、気付いたらできなくなっちゃって(笑)。

nisa:それに、歳を重ねるごとに、速弾きがカッコいいものだと思わなくなってくるんですよね。味のあるフレーズが好きになって、段々好みがおじさん化してくる(笑)。そうしたら速弾きって弾かなくなるじゃないですか。俺も速弾きに関しては昔のほうが上手かったと思います。でも味は今のほうがあるかなと。昔はバリバリ激しい音楽をやっていたから、そういう単純な技術は、その頃のほうがあったと思うんです。レイヴはどちらかと言うとポップな部分が多いから、その中にテクニカルなことを入れても面白くないなと思うようになって。そうすると渋さとか、音楽としての良さをギターとして入れていきたいと思うようになるんですよね。

K:nisaとはルーツが違うようで、同じような感じだよね。同じようで違うし、違うようで同じ。面白いね。

nisa:俺、Kさんは過去にベースをやったことがあるというところが大きいと思うんですよね。

K:そうだね。ギターを持ち替えたときに、こんなに狭いフレット弾けないよと思った(笑)。

nisa:ちなみに俺はドラムを通っているんです。

K:そうなの!?

nisa:元々ドラマーなんですよ。なので、最初に買った楽器はドラムです(笑)。

K:そういえばリハーサルのときに叩いていて、結構叩けるんだなと思ってはいたけど…本当にドラマーだったのか。

――Kさんも叩けますよね。

K:俺は、ただの8ビートとか、4つ打ちぐらいですからね。nisaはしっかり叩けていたから器用なんだなぁと思って。

――そんなお二人が色々な経緯を経てギターに辿り着いたというのは面白いですね。

nisa:10年後には、俺はベースを弾いているかもしれないですよ(笑)。

K:でも多分nisaにはそういう才能はあるんだろうなと思うな。ミラクルず☆ではドラムだったし。レイヴはすごいよな。悠はベースなのにミラクルずでギターを弾いていたもんね。

nisa:そうですね。悠は日に日にギターが上手くなっていて。だからレイヴのデモで悠の曲を聴くと、ギターソロも自分で入れていたりして普通に上手いんですよ。レンも元々ギターでしたし。

K:すごいね。レイヴは振り幅が広い。ミラクルず☆をやったり、アコースティックもやっているんでしょ? 本当に面白いバンドだと思うよ。

nisa:ありがとうございます。とりあえず、そんなレイヴと飲みに行きましょうよ(笑)。

K:まずはそこからだね!

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

K

<プロフィール>

BORNのギタリストとして活動し、2016年5月26日のZepp DiverCity公演をもって解散。その晩、いち早くソロ活動のスタートを発表する。ヴォーカリスト兼ギタリスト、コンポーザーとしての活動を展開し、8月19日には新宿ReNYでPS COMPANY PRESENTS K 1st ONEMAN LIVE『Rebirth of the Kingdom』を開催。当日、初の音源となる会場限定シングル『Rebirth』が発売された。2017年3月、2枚目となる会場限定シングル『Raging pain』をリリース。8月30日に初の全国流通盤CD SINGLE『STORY』をリリースし、9月には「ZEAL LINK TOUR NEXT 2017」に参加することが決定している。

■オフィシャルサイト
http://www.pscompany.co.jp/k/

【リリース情報】

Single『STORY
2017年8月30日(水)発売
(PS COMPANY Co., Ltd)

STORY
初回限定盤
(CD+M∞CARD)
PSIM-30055
¥2,778+税
STORY
通常盤
(CD ONLY)
PSIM-20044
¥1,852+税

【収録曲】

■初回限定盤
[CD]
01. STORY
02. Higher
03. -story forever-
[M∞CARD]
01. STORY -MV-
02. STORY -MV-off shot
03. Digital Photo

■通常盤
[CD]
01. STORY
02. Higher
03. 雀羅
04. -story forever-

【ライブ情報】

「ZEAL LINK TOUR NEXT 2017」
9月3日(日)金沢AZ
9月5日(火)仙台MACANA
9月9日(土)大阪RUIDO
9月10日(日)名古屋ell.FITS ALL
9月18日(月・祝)福岡DRUM SON
9月20日(水)岡山IMAGE
9月23日(土)高田馬場AREA

ARTIST PROFILE

レイヴ

<プロフィール>

2012年8月、福岡県で結成。レン(Vo)、nisa(G)、悠(B)、凪(Dr)。2012年12月にミニアルバム『フラチズム』をリリースし、精力的に活動を展開。2015年3月リリースのミニアルバム『ヨクバリーゼ』以降、4枚のシングルをリリース。2016年10月には「レイヴ5周年YEAR!!猪突猛進ノンストップGOGO!5大大大大大発表!!」と銘打ち、ニューシングル『UKIYO』をリリース、2017年3月に1stフルアルバム『不幸福論』がリリースされた。8月20日(日)六本木ニコファーレにてPS COMPANY PRESENTS レイヴ 5周年記念ワンマンライブ『ありがとうございました。』を開催する。チケットはソールドアウトしており、当日ニコ生独占生中継が決定している。

■オフィシャルサイト
http://www.pscompany.co.jp/rave/

【ライブ情報】

●PS COMPANY PRESENTS レイヴ 5周年記念ワンマンライブ
『ありがとうございました。』
8月20日(日)六本木ニコファーレ
◆1部:ファンミーティング&2ショット撮影会
OP 15:00 / ST 15:30
◆2部:ワンマンライブ
OP 18:30 / ST 19:00

【番組情報】

レイヴ 5周年記念ワンマンライブ「ありがとうございました。」@六本木ニコファーレ 独占生中継
■ニコニコ生放送番組視聴ページ
http://live.nicovideo.jp/watch/lv303435293
■ニコファーレ特設ページ
https://nicofarre.jp/schedule/archives/834