2024.03.31
Ricky＠渋谷REX
Rickyソロデビュー15周年記念ワンマンLIVE 2024「THE☆ANNIVERSARI☆CKY」ー春めぐり ソロもそぞろに 十五年ー
歌道という言葉は、本来であれば和歌を学究していくことを称する表現であるそうなのだが。これだけ音楽がさまざまなかたちで生活に密着している現代においては、もはや歌唱の在り方を追求していくこともまた、“歌道”と呼べはしないだろうか。
自らをHYPER NEO SOLOIST（ハイパーネオソロイスト）と称するRickyとは、つまりここでいう“歌道”をひたすらに突き詰めてきたシンガーだ。キャリアとしては2001年に元SEX MACHINGUNSのドラマー・JOEと組んだユニット・DASEINでavexよりメジャーデビューを果たして以降、これまでにはR＊A＊P やTHE MICRO HEAD 4N’SのフロントマンとしてV系シーンでの大活躍をみせてきたほか、2005年からは東映公認の仮面ライダー専属オフィシャルバンド・RIDER CHIPSでもコンスタントに歌い続けてきているうえ、今年3月末には自身のルーツをたどる全編シャンソンで彩られたアルバム『R☆MY CHANSON』までをもリリースしており、まさに多才なヴォーカリストとして多岐にわたる活動を積極的に行ってきた人物だと言えよう。
ちなみに、そんなRickyがソロデビューに踏み切ったのは2009年４月。つまり、2024年とは彼にとってひとつの大きな節目にもあたるわけで、このたびはそれを祝しての「ソロデビュー15周年記念ワンマンLIVE 2024「THE☆ANNIVERSARI☆CKY」 ー春めぐり ソロもそぞろに 十五年ー」が渋谷REXにて開催されたのである。
幕が上がると、まずこの場でRickyが歌い出したのは15年前にソロデビュー曲として世に出た「唯我独SONG」。あくまでも歌そのものを聴かせるために、最低限のリズムとシンセだけで構成されたトラックを背景に、Rickyが伸びやかなヴォーカリゼイションを提示していくと、たちまち場内に集った聴衆たちがその深く柔らかな調べに惹きこまれていくことになったのは当然のことだったに違いない。
「やってきました、渋谷REX！みなさん、今日は盛大に15周年をお祝いしていただけますか！！」（Ricky）
2曲目の「NIGHT＆DAY」まではRickyのみがバックトラックを流しながら歌うというスタイルであったものの、3曲目の「ALIEN from TOKYO」からはGt：眞鍋香我、Ba：YUCHI、Key：おおくぼけい（アーバンギャルド）、Mnp：巧、Dr：KEN’ICHIという強力にして個性的なメンバーたちも参加し、ここからはRickyがオーディエンスとバンドを牽引しながらエキサイティングなステージングを領域展開していくことに。その結果として、フロアでは「ALIEN from TOKYO」「覚醒リフレーミング」などのダンサブルな曲において、Rickyによる歌いながらのフリと同調するように鮮やかな光を放つサイリウムが揺れだしたこともここには付記しておきたい。
「実は、前にもデビュー15周年っていうのをやってるんですけどね（笑）。今日は“ソロデビュー15周年”という２度目の節目なので、みなさんお祝いをしていただけますと嬉しいです！なんだかんだ、こうして15年続けて来られたのは支えてくれるメンバーであったり、スタッフ、そしてファンの皆様のおかげです！！」（Ricky）
おそらく、ソロ活動というものは“ひとりでするものではあるけれども、ひとりだけでは達成出来ないことが多い”ものなのかもしれない。ここでのRickyの言葉には、彼がこの15年間を通して経験し、感じてきた想いというものが凝縮されていたように思う。
特に、近年のRickyにとってはおおくぼけいとの交流が良き流れを生み出していると見受けられることが多く、今宵のライヴでも「ヨウコソサヨウナラ」などの曲を筆頭にして、おおくぼけいがキーボードの置かれた定位置から離れ、ショルダータイプのキーボードを駆使しながらの派手なパフォーマンスで加勢してくれていた場面がとても印象的だった。また、「↑UP←SIDE→DOWN↓」ではおおくぼけいにくわえて眞鍋香我とYUCHIまでもが軽快なステップをみせながら、華麗なるフォーメーションチェンジを披露。舞台上もフロアもおおいに盛り上がりまくった中、終盤にはRickyが自らフロアに降りて観客らを煽り倒す、というライヴならではの無礼講なワチャワチャ感も醍醐味たっぷり。
「ゴメンナサイ、ちょっと取り乱しちゃって（笑）。まぁ、そのくらい最高に楽しいっていうことです。ありがとうございます。こういう一時って凄くあっという間ですけど、生きてる！っていう感じがしますよね。今日は本当にありがとうございました。これからもこうやって、小さい幸せをみんなで作っていきましょう。そして、生きている喜びをわかちあいましょう！！」（Ricky）
この言葉を受けて、本編ラストに歌われたのは〈僕は生きるよ〉という1節が真摯に力強く響いた「I’m Alive」。
「今日はあらためまして、皆様お集まりいただきありがとうございます。ここに辿り着くまでには良いことも悪いこともありましたけど、なんか良いことの方が多い気がします。今、凄い楽しいからいいのかなって思いますし。多分、良い積み重ねをして来られたからなんでしょうね。みなさんがここにいてくれてるっていうことは、まだ僕からの光が届いてるっていうことだと思うんで。もうちょっと頑張りたいと思います！」（Ricky）
アンコールでこのように語った後には、アコギを使いブルージーな香りがそこはかとなく漂う「銃爪」を弾き語り形式で聴かせてくれたRicky。一転してのテクノポップ調な「キミリテラシー」に、EDM的な「人の振り見て我がREFRECTION」、ロックとダンスの要素が交錯する「洗脳ビリーヴァー」と、つくづくRickyの変幻自在シンガーぶりには磨きがかかるばかりで実に素晴らしい。
なお、この日のライヴではWアンコールの前に今後に向けたティザー映像（公式YouTubeでも公開中）が流され、8月18日に渋谷REXでの「818 Acoustic Summer Carnival「ハイパー☆納涼祭’24」～夏メロお見舞い 猛暑アゲます～」を行ったあと、9月25日には待望のニューシングルをリリースするうえ、秋には東名阪での「15th Anniversary&Birthday TOUR 2024」も開催して、12月24日には「THE☆SHOW☆宇宙」（会場未定）も決定した、との嬉しい告知が目白押し。
この季節にふさわしいバラード「春風、吹く日に…」で一旦はしっとりじっくりと聴かせつつ、ある種のRicky節が全開となった「R☆MY WORLD 」では遂に場内のボルテージが限界突破するも、最後の最後には再び地に足を着けた歌で所信表明をしてくれたところが、また実にRickyらしい。時にはおちゃらけてもみせるとはいえ、彼の本質は実直さにある。
「また今日、この場所から新しい一歩を踏み出したいと思います」（Ricky）
歌詞の中で〈まだまだ行けるよ ここから始めよう〉と歌われた「現在」 ～此ノ場所～」は、それこそRickyがここまでにたどってきた“歌道”と、ここから進みゆくのであろう“歌道”を如実に象徴していたはず。Rickyの“歌道”に、きっと終わりはない。
◆セットリスト◆
01. 唯我独SONG
02. NIGHT&DAY
03. ALIEN from TOKYO
04. 覚醒リフレーミング
05. 雨のスパイラル
06. 背徳の空の下で
07. BLACK ANT
08. ヨウコソサヨウナラ
09. Hi-Techno-Boy
10. Ga.rA.Ku.tA
11. ↑UP←SIDE→DOWN↓
12. I’m Alive
En1
01. 銃爪
02. キミリテラシー
03. 人の振り見て我がREFRECTION
04. 洗脳ビリーヴァー
En2
01. 春風、吹く日に…
02. R☆MY WORLD
03. 「現在」 ～此ノ場所～
（文・杉江由紀／写真・折田琢矢）
【ライブ情報】
●818 Acoustic Summer Carnival「ハイパー☆納涼祭’24」
夏メロお見舞い 猛暑アゲます⤴
8月18日（日）渋谷REX
OPEN 16:00／START 16:30
※プレミア配信あり（予定）
＜CAST＞
Vo：Ricky
Gt：眞鍋香我
Ba：YUCHI
Pf：おおくぼけい
Per：MINAMI
Cho：山田巧
Sax：津田征吾
＜チケット＞
＊全席指定
モバイル先行 ￥7,000（D別）
一般 ￥7,500（D別）
受付期間：4月16日（火）12:00～5月1日（水）23:59
入金期間：5月3日（金）13:00～5月5日（日）21:00
一般発売日：5月18日（土）10:00
一般発売用購入ページ
●15th Anniversary&Birthday TOUR 2024
10月4日（金）大阪ROCK TOWN
10月5日（土）大阪ROCK TOWN
10月12日（土）名古屋HeartLand
10月13日（日）名古屋HeartLand
10月19日（土）渋谷REX
10月20日（日）渋谷REX
＜Support＞
Gt：眞鍋香我
Ba：YUCHI
Key：おおくぼけい
Mnp：巧
Dr：Shinpei
【リリース情報】
●New Single（タイトル未定）
2024年9月25日（水）発売
●New Album『R☆MY CHANSON -アール☆マイ・シャンソン-』
2024年3月27日（水）発売