2011.12.09
BREAKERZ@渋谷公会堂
LIVE TOUR 2011 “GO”
5周年YEARに突入し、5thアルバム『GO』を引っ提げ10月から全国ツアーを駆け巡っていたBREAKERZが、渋谷公会堂にてファイナル公演を迎えた。ステージには存在感ある『GO』のモチーフが掲げられ、客席には『GO』Tシャツを着用したファンの姿が多く見受けられその開演を待ちわびていた。
立体的なステージセットの上段からメンバーが順に登場し、一瞬の暗転を挟んで1曲目はもちろんアルバムのタイトル曲でもある「GO」でスタート! 前に突き進むという彼らの精神が込められた楽曲に、DAIGOの力強いヴォーカルとAKIHIDE & SHINPEIのツインギターが冴え渡る。次いでステージは赤に色を変え「激情」へ。DAIGOはマイクスタンドを振り回し、サングラスを外し、タイトルの如く激しさを打ち出す。
「渋谷公会堂を渋谷“GO”会堂に変えてめちゃくちゃ熱いライブにしよう!」というDAIGOのMCを口火に、AKIHIDEとSHINPEIの掛け合いが絶妙にかっこいい「CLIMBER×CLIMBER」や、感情をぶつけるようなDAIGOのヴォーカルとAKIHIDEのむせび泣くギターソロが印象的な「LAST † PRAY」など、ロックナンバーで一気に駆け抜ける。
雰囲気は一変、温かいDAIGOの声に包まれた「Present」のあと、AKIHIDEが紡ぐアコースティックギターの優しい音色で始まった「寂しがりや」は、その静からのサビの突き抜け感がたまらなく心の奥底を強く揺さぶられる。アウトロはSHINPEIのアコースティックギターで締められ、その歌詞中の「誰かと繋がっていたい」と嘆く主人公のもとに「また遊びに来てくれた」というラストへの繋がりと3人の連鎖がリンクするようだった。
そして和の旋律が鳴り響き「月夜の悪戯の魔法」へと流れ、あるはずのない揺れる着物の袖が見えるようなDAIGOの仕草に見とれる。そして気が付けば月を思わす黄色の明かりが柔らかにしかし煌々と差していた。つい先ほど、会場に向かう道中に見上げた夜空にとても綺麗な月が浮かんでいたことを思い出した。
様々なエンターテインメントを魅せてくれるBREAKERZのライブはまだまだ続く。黒のうさ耳を付けたメンバー3人がバニーガールを捕まえようとする演出では、客席内の通路を走り抜けちょっとしたパニックになりつつも、その物語の結末で会場を笑いと歓声で沸かせ「BUNNY LOVE」に突入。可愛らしいうさ耳にエロティックな楽曲で魅了する。
続いてはチアガールが元気に登場し、DAIGOはメンバーの顔がプリントされたうちわを手に「スマイル 100%」の爽やかピースフルソングへ。メンバーがそれぞれ歌うパートやオーディエンスとの掛け合いもばっちり。なんともアットホームでまさにスマイル溢れる空間となり、さらに「絶対! I LOVE YOU」では手でつくったハートマークが会場いっぱいに溢れ、「LOVE FIGHTER~恋のバトル~」ではみんなで踊りまくり、最高にLOVE & PEACEな時をメンバーもオーディエンスも楽しんでいた。
しかしこのまま爽やかには終わらず、ロックナンバー「BIG BANG!」でがらりと雰囲気を変え、立て続けに激しいナンバーを繰り広げ一気にヒートアップ、あえて不完全燃焼にさせるかのように本編終了となった。
アンコールに迎えられ、このツアーを一緒に廻ってきた曲だという「世界は踊る」、そして「このツアーでみんなとの絆を確かめられ、その絆がもっと強くなったと思います。感謝の気持ちを届けたいと思います」とDAIGOが語り、「ありがとう~Beautiful day~」をアコースティックで披露。
「今年悲しい出来事があり、音楽をやり続けることに迷うこともあったけど、みんなからの言葉で、胸を張って音楽をやっていけると思えました。強くなった絆で支えあって一歩一歩生きていきましょう。希望の歌です」と「オレンジ色の空」の演奏を終え、深々と頭を下げる3人が印象的だった。メンバーが去りさらなるアンコールを待つ中、筆者の後ろの客席から「嫌だ…終わらないでほしい…」という声が聞こえた。このツアーをBREAKERZと共に過ごしてきたファンのリアルな声だった。この純粋な想いに胸打たれていると、メンバーが姿を現し「この距離がじれったい。密着したいくらい、みんなのことが大切です。もっともっとひとつになろう!」というDAIGOの言葉で「星の旅人」を熱唱した。
オーディエンスからの「もう1回!」の言葉に「DESTORY CRASHER」で暴れ倒し、さらに大合唱の「SUMMER PARTY」を終え、最後は全員でジャンプ! 「渋公“GO”ツアーファイナル最高うぃっしゅ!」と決め、“GO”ツアーは幕を下ろした。
公演の終了を告げるアナウンスが鳴っても、オーディエンスはなかなか帰路に着こうとはせず、いつまでも「もう1回!」とコールをし続けていた。この数時間でバンドとファンの相思相愛、そして絆の強さを改めて感じ、温かさをもらった冬の一夜…。会場を出ると先ほど見上げた月はほぼ真上に移動していて、より一層綺麗に輝いていた。
◆セットリスト◆
01. GO
02. 激情
03. CLIMBER×CLIMBER
04. CHANGE THE WORLD
05. LAST † PRAY
06. Everlasting Luv
07. Present
08. 寂しがりや
09. 月夜の悪戯の魔法
10. BUNNY LOVE
11. スマイル 100%
12. 絶対! I LOVE YOU
13. LOVE FIGHTER~恋のバトル~
14. BIG BANG!
15. 灼熱
16. Destruction
EN1
17. 世界は踊る
18. ありがとう~Beautiful day~
19. オレンジ色の空
EN2
20. 星の旅人
21. DESTORY CRASHER
22. SUMMER PARTY
(文・金多賀歩美)