12月27日、高円寺HIGHにて「NUL. Live 2023 “Resonance of Noise” featuring HELLO1103」が開催された。本公演は前日に誕生日を迎えたMASATO(G)のプロデュースdayであり、音と映像のユニットHello1103を迎えたコラボレーションによるステージとなった。

改めて補足すると、Hello1103はHitomi(Trackmaker&Engineer)、yukako(VJ&Vo)によるユニットで、NUL.のライブにおけるVJではお馴染みだが、二人がステージ上でNUL.と並ぶのは今回が初めてのこと。HIZUMI(Vo)から「今日はMASATOがやりたいことをふんだんに取り入れたライブ」との言葉もあった通り、MASATOのたっての希望で遂に共演を果たすこととなったのだ。

Hello1103による「Impro→Billion Balances」が今宵への期待値を高めていき、HIZUMI、MASATO、岸利至(Prog)が登場。言わば特殊な5人編成バンドとして「Noname SPECter」をスタートさせると、様々な場面を経ながら全18曲を披露し、まさにNUL.とHello1103、5人が共鳴した一夜となった。

例えば「From deep underground」「INFERNAL」ではデジタルビートがより誇張されたり、重厚かつエモーショナルな「残光」ではyukakoの声が加わったり、随所でHitomiが繰り出すノイズがNUL.のサウンドと重なり合い、「Dive」ではリアルタイムのメンバー映像も織り交ぜながらの表現を魅せたりと、これまでのNUL.のどれとも異なるステージを展開していき、後のMCで岸が思わず「カッコよすぎて飛びそうになっちゃいました」と笑みを見せる場面も。

HIZUMI
MASATO
岸利至

アンコールではMASATOの誕生日を皆で祝福する一幕もありながら、NUL.の3人のみで「EVILA」「abnormalize」「GREEDY BLOOD FEUD」「I don’t seek, I find」をプレイしフロアを湧かせた後、再びHello1103を迎え入れ「BLACK SWAN」「Plastic Factory」を、さらにダブルアンコールとしてNUL.の始まりの曲「XStream」で白熱のラストシーンを描きだしたのだった。

Hitomi
yukako

なお、この日の「Ground Zero」はHitomiによるアレンジだったが、HIZUMIが「共作もやってみたい」と述べれば、MASATOは「もっともっとダークな世界に寄ったライブをやっていきたい」と今後の夢も広がった様子。そして、岸から「こういうのもNUL.っぽくていいよね。何かとコラボすることも、NUL.を始めた時のテーマとして考えていたことだし」という言葉が聞けたことは、このバンドのあり方を示す重要なキーの一つだったと感じる。

HIZUMI
MASATO
岸利至

また、NUL.としてはメンバー全員この日が2023年のライブ納めであり、「年越しライブをやってみたい」(HIZUMI)、「じゃあ来年やりましょうか」(岸)という発言があったことも付記しておこう。さらに、2024年は毎月何かをやっていこうという話になったそうで、この日様々な案が出た中、まずは1月に新年会トーク配信をやるとのこと。3月7日には渋谷La.mamaにてHIZUMIのバースデー公演も決定し、そこに向けて彼が新曲を作るという宣言も。ぜひ2024年のNUL.の動向を見逃さないでほしい。

◆セットリスト◆
01. Impro→Billion Balances
02. Noname SPECter
03. Ground Zero
04. From deep underground
05. 残光
06. Dive
07. Dictate
08. Karma-Agnostic
09. INFERNAL
10. Kalima
11. ジル

En1
01. EVILA
02. abnormalize
03. GREEDY BLOOD FEUD
04. I don’t seek, I find
05. BLACK SWAN
06. Plastic Factory

En2
01. XStream

(文・金多賀歩美/写真・@Lc5_Aki)


【配信情報】
●NUL. Live 2023 “Resonance of Noise” featuring HELLO1103
2023年12月27日(水)高円寺HIGH
アーカイブ配信中
視聴期限:2024年1月3日(水)23:59まで

【ライブ情報】
●HIZUMIバースデーライブ(タイトル未定)
2024年3月7日(木)渋谷La.mama

NUL. オフィシャルサイト