其の九 ~ギタリスト・nisaが見たレイヴ~

其の十 ~ヴォーカリスト・レンが見たレイヴ~

レイヴのパーソナルインタビューシリーズ、最後に登場するのはヴォーカリスト・レン。バンドのフロントマンであり、2019年6月以降『BOTEKURI』『初恋』『ドリップ』と、3枚のシングルのタイトル曲を作曲したことでバンドに予想外の方向から新たな風を吹き込んだ彼の言動は、いつでも予想外の驚きに満ち溢れている。ライブでもインタビューでも、その思いを臆さずありのままに伝えるレンが語った、バンド、自身の未来、そして盟友みくるのこと――真っ直ぐに心に届く言葉を詰め込んだ3年半ぶりのパーソナルインタビュー。

◆俺がこの世に生を受けたのはバンドをするためなんだとわかった

――「レイヴのすゝめ-2020-」パーソナルインタビューシリーズ、最後はレンさんです。

レン:もう最後なんですね。早いです。

――これまでに掲載された他のメンバーのインタビューを読んで、どんな感想を持ちましたか?

レン:皆ストレートに発言していて、すごくいいなと思いました。どうしてもこのジャンルは発言をオブラートに包みがちなので、ロックバンドのインタビューを読んでいる感じで楽しかったです。

――レンさんも発言をオブラートに包まないタイプですよね。このジャンルではなかなか稀有な存在です。

レン:確かに、他の三人がオブラートに包んでいても俺は包みませんからね。下ネタも言いますし。包み方がわからないんですよ(笑)。

――レンさんのルーツが青春パンクやグラムロックというのも、理由の一つかもしれませんね。

レン:そうなんです。歌も曲もストレートなほうが好きだし、自分が憧れた人たちの発言も、こっちがソワソワするくらいストレートなものが多くて。「ああいうやつらは嫌いだね!」とかね(笑)。

――今回はそんなレンさんの3年半ぶりのパーソナルインタビューということで、楽しみです。さて、8~9月に行われたレイヴ 2020 SUMMER PREMIUM LIVE「夏果て。」に次いで、10月5日には凪さんの半年越しのお誕生会(レイヴ Dr.凪 生誕記念ONEMAN「凪のお誕生日会」@高田馬場CLUB PHASE)が行われました。コロナ禍で停滞していた「終活」が少し動き出したという印象です。

レン:そうですね。自分も、バンドしているなという感覚に戻れましたし。特に「夏果て。」では、久々に九州まで車で移動したのが楽しくて! 11時間くらい車に乗っていたんですけど、道も空いていて、天気も良くて、着いた時に「あれ、もう着いたの? 早いね!」って言ったくらい。朝6時に出て、着いたらそのまま皆でご飯に行ったりして、バンドしているな!と思いました。

――「夏果て。」から有観客ワンマンライブが再開されましたが、その前に行われた無観客ライブはやはり違うものでしょうか。

レン:全然違います。無観客ライブも面白いですけど難しいんですよ。目の前にお客さんがいるだけで、歌い方も全く違いますから。やっぱりお客さんありきじゃないと、バンドマンの存在理由を忘れかけるんですよね。目の前の人に対して心の叫びを届けているときが一番、バンドしているなと思えるんです。なので、このコロナ禍でライブをしていなかった期間、俺はバンドマンじゃなかったですね。

――コロナ禍は、アーティストとしての自身の存在理由を見直す機会にもなったんですね。

レン:そうですね。ライブができなかった期間中は曲を作ったりしていたんですけど、その時に「ライブをしていないバンドマンて浮浪者やん!」と思っていました。だからこそバンドマンは、応援してくれている人たちにどういう存在意義を与えられるかが大事なんだということに気づけたし、人前で歌わないと俺の存在する意義はないなという考えに辿り着いたんです。おかげで、お客さんに気持ちを届けたいという思いがコロナ前の1.7倍になりました。

――1.7倍とはまた不思議かつ具体的な数値ですね。

レン:2倍だとマスターベーションぽくなるかなと思って(笑)。ライブを再開してみて、自分がすごく成長していることにびっくりしました。俺がこの世に生を受けたのはバンドをするためなんだとわかったし、自分を見つめ直すことができて、すごく良い期間だと思います。

――それにしても、コロナ禍にポジティブな気持ちでいられたというのはすごいですね。

レン:そうなんですよ。心が折れてしまった人もたくさんいただろうし、バンドへの熱がなくなってしまった人もいると思うんです。自分を見つめ直して、どちらに転ぶかはその人次第ですからね。でも、俺にはバンドしかないので、辞めるなんて考えは1mmもなくて、続けるためにどうするべきかを考えたんですよ。

◆ファンも自分たちも希望が見えてきた感じ

――凪さんのお誕生会は、「夏果て。」の時のようなステージと客席間のビニールシートがない代わりに、ステージと最前列の間を2m以上開けるという措置が取られましたね。

レン:やっぱりシートがないライブは楽しかったです。ビニールのフィルターがあると、ファンの顔がよく見えないんですよ。いっそ化粧しなくてもいいんじゃないかと思うくらい、ボヤッとした感じで見えるんです。ファンからしたらビニールのフィルターと盲目フィルター、2枚のフィルターがあるわけじゃないですか。1枚はいらんぞと(笑)。

――確かに(笑)。前回、nisaさんがインタビューで、ファンの方の反応を「見る側も緊張しているのかなという感じ」だと言っていましたが、ファンの方々も慣れてきている感じはありますか?

レン:コロナ対策のガイドラインの下で行う、声を出さない、モッシュをしないライブの形にも慣れてきているなと思いますね。コロナ禍で、初めの頃は「もうライブに行けないんじゃないか」と絶望していたと思うんですけど、ガイドラインも少しずつ緩和されてきて、ファンも自分たちも希望が見えてきた感じかなと。

――「夏果て。」では、セットリストも以前とは大きく変化しましたが、凪さんのお誕生会は久しぶりの激しい曲もありつつの全15曲でしたね。

レン:「夏果て。」は、ほぼツインギターでしたからね。お誕生会は凪がセットリストを考えたんですけど、結構激しめの曲も入りました。今回アンコールもやったんですけど、ライブで声を出してはいけないので、ファンからアンコールがかけられないんじゃないかということに気が付いて。なので、こっちから流そうぜ!と俺の提案で、自分たちでMTRから流して「アンコールありがとー!」と言いながら登場しました。こういうのも、すごく楽しかったです。

◆おじいちゃんになってもレイヴの自慢話ができるような、美しい終わらせ方にしようと思った

――これまで掲載したパーソナルインタビューで皆さんにもお聞きしましたが、活動終了を決めるまでのエピソードを、レンさんの視点で聞かせていただければと思います。悠さんから活動終了について聞かされた時、どう思いましたか?

レン:最初に聞かされた時、俺はまだ頑張ってみようと思っていたんです。悠に「全員変わらないといけない」「曲だって皆が作ってもいいし、そういう努力や姿勢も必要だと思う」と言われて、それがきっかけで俺は曲を作ろうと思ったんですよ。それでできたのが「BOTEKURI」だった。でも、この曲を作ったことが、俺の気持ちが活動終了に向かって大きく動いたターニングポイントにもなったんです。

――どういうことでしょう?

レン:「BOTEKURI」を聴かせたら、皆が「めっちゃ良い曲作ってきたやん!」って褒めてくれて。友達なんて「レンの覚醒!」って言ってくれて、もちろん嬉しかったし、もっと良い曲を作って楽曲の幅を広げて、メンバーで俺しか書けないロックテイストの曲も作っていこうと思ったんです。そんな中で、『初恋』を出して、やっぱりそこでも「すごいね!」「良い曲だね!」「もはや悔しい!」って周りからも褒められて。その時に、「やっぱり俺、こういうロックバンドがやりたいんだ」って気付いちゃったんですよ。曲を作り出したことで、才能に気づいちゃった(笑)。それ以降、「これをもっと他のところでやりたい」と強く思うようになったんです。

――そのやりたい音楽を、今の4人でやるという選択肢はなかったんですか?

レン:メンバーに、これからメイクを取って、ヴィジュアル系じゃないロックバンドをやろうぜって言っても断られることはわかっていたし、この先バンド自体やらなくなってしまうやつもいるだろうと思って。だからここで無理にやるより、レイヴはレイヴのままで、と思ったんです。

――nisaさんが「レイヴはここからなんじゃないかと思って。(中略)せっかく良い武器を手に入れたのに振らずに終わっちゃう感じがもったいなくて。『初恋』と『ドリップ』がすごく良かったんですよね。『BOTEKURI』から兆しがあって、『初恋』で開花したというか。」と言っていましたが、ご自身ではどう思いましたか?

レン:それこそ、俺もチャンスだと思ったんですよ。才能に気づいちゃいましたし(笑)。でも曲を作れば作るほど、ヴィジュアル系じゃない場所で輝いてみたいという思いが強くなっていったんです。それで、今のバンドではないところでやりたくなった。そんな時に悠から「やっぱり解散の気持ちは変わっていない」と言われたので、俺も「それなら終わらせよう」と言った…という流れです。そうしたらnisaが「え、え、え!? ちょっと待って!?」という感じになって。

――それが、前回nisaさんが話していた「レンが活動終了について「うん、わかった」という割と肯定的な意見だったんです。その時、「あれ? 思っていたのと違うぞ」と(笑)。」に繋がるんですね。

レン:そうです。でも俺、これで良いと思ったんですよ。レイヴを嫌いになりたくないんです。無理にダラダラ続けたら、絶対レイヴが嫌いになると思う。俺もそれは嫌だし、レイヴを終わらせて新たなところに行こうと決心したので、最終的な決定をする日に、悠が「変わらんのよね」と言ったことに対して、「それならもう綺麗に終わらせよう」という話をしたんです。

――綺麗に終わらせるための選択でもあったんですね。

レン:だって、もう辞めたいと思っている人を無理やり引き留めても、お互いを嫌いになるし、レイヴの思い出が嫌なものになって終わるじゃないですか。俺らは本当にメンバー同士の仲が良くて、悠も言っていたように仲間や友達とは違う家族みたいなものなんですよ。だから、絶縁するようなことになるのは嫌じゃないですか。それにそんな姿は、ファンも見たくないと思う。だからこそ、おじいちゃんになってもレイヴの自慢話ができるような、美しい終わらせ方にしようと思ったんです。

――レンさんの中でこれまでに、活動終了や脱退、活動休止が頭をよぎったことはありましたか?

レン:なかったですね。俺は常に止める側でした。結成3年目のWEST(2015年12月にTSUTAYA O-WESTで行われた「ちかっぱ!シティーボーイ!!~俺たちイケとろーもん~」)の後に、解散するか否かの大波が来たじゃないですか。あの時も「いやいや、まだ3年やぞ。ここからでしょ。もったいないて」と言って続ける方向で話をしましたし。それに、ヴォーカルが「やめよう」って言ったらバンドは終わっちゃいますからね。

――レンさんにとってバンドとはどんなものですか?

レン:バンドはもう一人の母ちゃんですね。俺を生んでここまで育ててくれた大好きな母ちゃん、そして、もう一人の母ちゃんがバンドです。

――バンドに成長させてもらった部分もかなりあったんですね。

レン:そうですね。俺、地元の長崎にいる頃はとんでもないやつだったんですよ。バンド自体は学生の頃からやっていたんですけど、バンドでご飯を食べていきたい、このステージで輝いてみたいと思って実際に行動に移したのは二十歳前後だったんです。その時に、ろくでもないことはやめようと思って。

――「バンドなんて不良や逆に陰キャが始めるもんだ!て世間的には言うし言われたこともある。しかし、陰キャだったやつらが勇気出して1歩踏み出し人前で堂々とスポットライト浴びて輝き、不良だったやつらが真っ直ぐな夢持って更生させたのもバンドなんよね!」とツイートしていましたね。

レン:そうなんです。悪いことをしたらメンバーやファンに迷惑がかかるじゃないですか。それで更生したんです。その時、夢や仲間やファンの存在はすごく大きいなと思ったんですよ。

◆だからもっと、ずっと一緒にいたかった

――10月26日に行われる、みくるさんの追悼ライブ(レイヴ Gt.みくる追悼 ONEMAN「Bora Bora Blue」@目黒鹿鳴館)が目前に迫っていますね。連載第3回目のインタビューで、色々計画していると言っていたのが気になっていたんです。

レン:今まさに詳細を詰めているところなんですけど、グッズの売り上げをみくるのお父さんに渡そうと思っているんです。俺らはもちろん音楽でも届けるけど、みくるを生んで育ててくれたご両親に、音楽以外でも何かしてあげられたらと思って。このライブに関しては商業的な考えはないんですよ。

――この計画について話を聞いた時と今では、世界的に状況が大きく変わっていますが、それでも商業的なものにはせず、チャリティを完遂するという姿勢が素晴らしいと思います。

レン:今、むしろメンバーの気力バリバリなんですよ。俺らは生き様がカッコいいんで(笑)! 実は俺、このライブに向けて曲を作ったんです。CDにはしないんですけど、当日ライブで聴かせようと思って。当日のセットリストは俺が決めるので、この曲のことはメンバーにもまだ話していないんですけどね。

――みくるさんへの思いが詰まった曲が聴けそうです。このライブで一番伝えたいことは何ですか?

レン:ファンに対してというより、みくるに「会いたい」ということをただ伝えられたらと思います。俺はずっと、見送ったふりをしているんですよ。お葬式でも、「もう大丈夫やけん」って言ったし、成仏したんだろうなーなんて言ったりするんですけど、でも嘘をついているんですよね。だって普通にまだ一緒にいたいに決まってるじゃないですか。今でも一緒にライブをしたり、飲みに行ったりしたい。追悼ライブでは、この「会いたいよ」っていう気持ちを、俺のこのでっかい声で、雲を突き抜けて響かせてやろうかなと。ただそれだけです。きっとファンも同じことを思っていると思うので、nisaがギターを弾いて、悠がベースを弾いて、凪すけがドラムを叩いて、そこに最後に俺の叫びと言葉をのせて、皆の思いを届けたいと思います。俺らにはそれしかできないですから。

◆その時、俺は皆から見える所にいたい

――取材を行っている今日、“終活”の一時休止と、終活再開前LAST ONEMAN「5×1=レイヴ」の開催が発表になりました。このライブについて教えて下さい。

レン:元々12月18日がレイヴのラストワンマンライブだったんですけど、コロナで終活を延期することになったので、このライブ後はきちんとライブが再開できるまで休もうと。公演2ヵ月前の急な発表になってしまったんですけどね。

――nisaさんが「きっと年明けからは、今みたいな延期の仕方はせずに、再開時期が見えるまで動かないと思います。」と言っていましたが、その一つの区切りなんですね。

レン:そうです。現時点では、ラストワンマンツアーをやるのか否かもはっきりとは言えないんですけど、それができるようになるまでは一旦活動を停止しようと。そして、本来であれば12月18日以降はレイヴは活動終了して存在しなかったわけなので、活動再開まではイベント等に出る予定はありません。ただし、表立って動きませんけど、地下活動は行うかもしれませんし、準備が整ったらレコーディングに入るかもしれませんよ? それに、その間はバンドとしては活動しませんけど、一人、もしくは二人で動くことがあるかもしれません。俺もきっと誰かに心の叫びを届けたくなると思うので。

――レンさんのこの先のヴィジョンを教えてください。

レン:俺は元々、ある一定の年齢になったら徐々にメイクを薄くしていこうと思っていたんですよ。憧れのロックスターたちがやってきたように。でもヴィジュアル系として活動しているとなかなかそれが難しくて。活動終了後は、元々のヴィジョンに向かって行こうかなと思っています。そもそも、俺がヴィジュアル系のバンドを始めたのは、グラムロックのアート的なメイクとド派手な衣装で、セクシーなオーラを放っている吉井和哉さんと、目の周りを真っ黒に塗っているパンクメイクのビリー・ジョー・アームストロング(グリーン・デイのヴォーカリスト)を見て、「カッケー! メイクしてステージに立ちたい!」と思ったのがきっかけなんですよね。これを足したような見栄えはないかな…ん?ヴィジュアル系ってものがあるじゃないか!ということで、このジャンルに入ったんです。

――ヴィジュアル系からは脱却するんですね。

レン:やりたい音楽で自分も夢を見たいし、関わってくれる人の夢になりたくて。俺はヴィジュアル系で結果を出せなかったから、これは逃げなのかもしれないですけど、自分が夢を叶えるのはヴィジュアル系では難しいかもしれないと思っていて。先輩からも「ヴィジュアル系で売れなかったのにロックで売れると思うか?」と言われたんですけど、俺はそれとこれは絶対に違うと思っているんです。「もう一回ヴィジュアル系でやってみたらいいじゃないか」とも言われたんですけど、元々思い描いていたところに行きたいんです、という話をしたら、「応援しているから行ってこい」と言ってもらえました。

――今後は、自分が本来進みたかった方向に行くぞと。

レン:そうです。本当はレイヴでそうなれれば一番良かったんですけど、一度ヴィジュアル系だとなかなか抜け出せないんですよね。そこまでのパワーがなかったというのは、悔しいところではあります。

――でも、以前のキラキラした感じから、『初恋』でのヴィジュアルの方向転換は実に見事だったと思いました。

レン:パーソナルインタビューで悠も言っていましたけど、曲も曲なのでここらで大人な感じにガラッと変えようかと。俺はずっと年相応に見えるバンドマンになりたいと思っていたので、『初恋』『ドリップ』と年相応な感じにシフトチェンジできたなと思っているんです。若く見えることはすごいことだと思うんですよ。ヴィジュアル系をやっている仲間を見ていると皆若く見えるし、若く見せようと努力しているのは本当にすごいと思うんです。でも俺は、年相応に見えて、尚かつ発言力の有るアーティストになりたいし、ならないと人生悔いが残るなと思っているんです。

――それがレンさんの核の部分なんですね。

レン:そういうアーティストに惚れて音楽を始めましたからね。俺が惚れているアーティストたちの「愛してる」という言葉一つとっても、すごく心に突き刺さるし重みがあるんですよ。そういう言葉を発することができるヴォーカルになりたい。

――これからはもっと自分の好きな音楽を極めるんですね?

レン:そうですね。でも、追求はしたくないんです。頑張るのは今はいいかな…ただ爆音で叫んで音を出していたい。というか、元々頑張ってないのかもしれないです。好きなことをやっているだけなので(笑)。

――それが“音を楽しむ”ことなのかもしれませんね。前回、nisaさんのインタビューに対して、「10年後?乾杯しよや!」とツイートしていましたが、レンさんは10年後どうしていると思いますか?

レン:俺は10年後もバンドをやっていると思います。それで、メンバー皆で集まって、10年の間に何があったかを話しながら乾杯したいですね。同窓会みたいに。今の良い関係性のまま活動終了したら、それができると思うんです。その時、俺は今のメンバーや友達や家族やファンの皆から見えるところにいたいんです。槇原敬之さんの「遠く遠く」の〈離れていても僕のことがわかるように〉という歌詞みたいに、皆から俺のことが見えるように、もっともっと羽ばたいていたい。それが俺の夢です。長崎、博多、東京の仲間たち、そして応援してくれる全国の皆から見えるところに立っていたいです。

――連載第3回目のインタビューで、「俺は、皆からもらったものを返しに行けたらなと。」と言っていましたが、現時点でもらったものは返せていますか?

レン:返せているかなぁ…このコロナ禍に、またファンからもらっちゃったんですよね。会いたいって言ってくれて、俺の歌を待っていてくれる人たちの声がたくさん聞けて、オレンジ色の暖かいボールみたいなものを、いくつもいくつも。

――コロナ禍という厳しい状況下でも、そんな温かい思いを届けてくれるファンに感謝ですね。

レン:そうですね。こんなにたくさんもらって、きっと返しきれないだろうとも思うんです。でも、俺はこの気持ちを絶対に忘れずに今後も挑んでいきたいと思っています。愛をもらったら愛で届ける、それが人間だと思うので。

レン・ドキュメンタリー

約10分に渡ってレンの姿を収めたドキュメンタリー映像が完成。様々なシーンで映し出される彼の“素顔”をぜひご覧ください。


「バッグの中身&7つの質問」

普段見ることのできない、メンバーのバッグとその中身。そんな気になるバッグの中身を、今回は特別に見せてもらいました。バッグの形状からその内容まで、それぞれの個性が浮き彫りになった動画、必見です!

【nisa編】

【悠編】

<編集後記>

連載10回目となる今回は、レンのパーソナルインタビューをお届けした。
ライブのMC然り、インタビュー然り、いつも真っ直ぐに自らの胸の内を語ってきた彼は、今回も飾らず率直に、今の、そして未来への思いを聞かせてくれた。

たくさんのことが語られたその中で特に印象的だったのが「俺はずっと、見送ったふりをしている」という盟友みくるへの言葉だった。
素直であるが故に重みのあるこの言葉は、今なお薄らぐことなく胸の内にある友への思いの強さを端的に表すものだと思う。
最初で最後になるであろう盟友みくるの追悼ライブが、これまで「見送ったふりをしていた」彼にとって、真に友を見送ることができる場になることを祈ってやまない。

そして先日、12月18日に行われるレイヴ 終活再開前 LAST ONEMAN「5×1=レイヴ」@渋谷TSUTAYA O-WEST公演をもって、彼らの「終活」が一時休止となることが発表された。
ライブについては連載第九回で行われたパーソナルインタビューでnisaが、「少しでも妥協してしまわないように延期にした」と語ってくれたが、今回のこの決断は、一つ一つのライブとファンを大切に思うが故の英断であると思う。
みくるの追悼ライブ、終活再開前 LAST ONEMAN「5×1=レイヴ」、そしてその先にレイヴがどんな景色を見せてくれるのかを、ファンと共に楽しみにしている。

(文・後藤るつ子)

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ARTIST PROFILE

レイヴ

<プロフィール>

レン(Vo)、nisa(G)、悠(B)、凪(Dr)によるロックバンド。2012年8月に福岡県で結成し、1stシングル『ALIVE』をリリース。2016年10月にみくる(G)が病気のため永眠。2017年3月に1stフルアルバム『不幸福論』をリリース。2018年3月、24RECORDSに移籍し、5月に移籍第1弾としてミニアルバム『メンブレさん通ります。』を、その後シングル『ハラスメント』『スーサイドBABY』『BOTEKURI』『初恋』、2020年2月に会場限定シングル『ドリップ』をリリース。2月25日に年内をもって活動を終了することを発表し、「終活」を宣言した。

■オフィシャルサイト
http://rave-official.com/

【リリース情報】

無観客ライブ映像作品『レイヴ 8周年記念 無観客ライブ「フラチズム -∞-」
2020年8月21日(金)デジタルリリース

レイヴ 8周年記念 無観客ライブ「フラチズム -∞-」
本編
¥5,000(税込)
レイヴ 8周年記念 無観客ライブ「フラチズム -∞-」
Vo.レン 最前列視点ver.
¥3,000(税込)
レイヴ 8周年記念 無観客ライブ「フラチズム -∞-」
Gt.nisa 最前列視点ver.
¥3,000(税込)
レイヴ 8周年記念 無観客ライブ「フラチズム -∞-」
Ba.悠 最前列視点ver.
¥3,000(税込)
レイヴ 8周年記念 無観客ライブ「フラチズム -∞-」
Dr.凪 最前列よりもっと近い視点ver.
¥3,000(税込)

【収録曲】

01.ナミダヒロイン
02.人生つらみちゃん
03.サイコフラチズム
04.UKIYO
05.ドリップ
06.形ないモノ
07.メレンゲ
08.わりきりララバイ
09.君がアバズレ
10.オヒトリセレナーデ
11.アクメ狂詩曲
12.フラチズムディナー

■販売サイト
24 RECORDS ONLINE STORE

【レイヴ終活一覧】

#1 ONEMAN TOUR「序章」※開催済み
#2 6月 8周年ファン感謝祭『帰ってきた耐久レース!全曲ワンマン』開催
#3 2MAN LIVE SERIES『戦友-ライバル-』開催
#4 夏 8周年里帰りTOUR『原点回帰』開催 (開催予定地:長崎県・宮崎県・福岡県)
#5 秋 LAST ONEMAN TOUR開催
#6 10月 Gt.みくる追悼ライブ開催
#7 冬 LAST LIVE開催

【ライブ情報】
●レイヴ Gt.みくる追悼 ONEMAN「Bora Bora Blue」
10月26日(月)目黒鹿鳴館

●2MAN LIVE SERIES『戦友-ライバル- vs Chanty』振替公演
11月16日(月)渋谷REX

●レイヴ 8周年ファン感謝祭「帰ってきた耐久レース!全曲ワンマン – 2016~2020 -」振替公演
●レイヴ 8周年ファン感謝祭「帰ってきた耐久レース!全曲ワンマン – 2012~2015 -」振替公演
11月21日(土)池袋EDGE

●レイヴ 終活再開前 LAST ONEMAN「5×1=レイヴ」
12月18日(金)渋谷TSUTAYA O-WEST

[“終活”再開後に延期]
●8周年里帰りTOUR「原点回帰」
宮崎公演、長崎公演、小倉公演

●LAST ONEMAN TOUR「Day×Bye×day」
東京公演、仙台公演、広島公演、大阪公演、名古屋公演、福岡公演

●LAST ONEMAN
※本来とは別の形での開催の可能性もございます

[協議中]
●2MAN LIVE SERIES「戦友-ライバル- vs ベル」
●2MAN LIVE SERIES「戦友-ライバル- vs DOF」
●2MAN LIVE SERIES「戦友-ライバル- vs NEVERLAND」