其の参 ~活動終了、そして「終活」に込めた思い~

其の参 ~活動終了、そして「終活」に込めた思い~

2月25日、突如舞い込んできた「年内をもってレイヴが全ての活動を終了する」というニュースにショックを受けた方も多かったことと思う。だがその一方で、告知文のポジティブさや、コメント動画の4人の笑顔に驚いたのではないだろうか。連載「レイヴのすゝめ‐2020‐」第参回目となる今回は、あの発表から2週間(※取材時)経った今の心境、そして彼らが宣言した「終活」に込めた思いを語ってもらった。ぜひこれを読んで、残された時間を駆け抜ける4人が、しっかりと前を向いていることを感じていただきたい。

◆発表したことで、この先の明確なヴィジョンが見られるようになった(凪)

――この取材日で、活動終了の発表からちょうど2週間が経ちました。今の気持ちを教えてください。

悠:発表する前と後で心境が変わったりするのかなと思っていたんですけど、そんなこともなく。これは語弊があるかもしれないですけど、発表に対していろんな大きなリアクションがあったことがちょっと嬉しいんですよね。

凪:それ、わかる!

レン:俺らくらいのバンドで、こんな風にニュースになるんだ!って思ったよね。

悠:うん。自分たちが思っていたよりも反響があったんですよ。もちろん、悲しんでいるファンがいてくれることは理解した上で、世間の注目がちょっとでも僕らに向いたことが嬉しかったというか。

レン:8年続けてきた重みを感じたよね。

――山陽新聞や北海道新聞にも載っていましたね。

nisa:長崎新聞にも載ってたよね。

悠:そうそう! 長崎新聞のTwitterに取り上げられたんですよ。

nisa:長崎出身の二人が~って名指しで書かれていて、これはすごいなと思いました。

レン:友達から「Yahoo!ニュースを見たよ」って連絡が来ましたからね。

悠:言葉では上手く言い表せないですけど、蓋を開けてみて「おぉ!?」という感じでした。こういう反応があったことで、僕らが掲げている「終活」に対して、よりしっかりやるぞという気持ちにもなれましたし。

凪:僕は、発表したことで、個人的にもこの先の明確なヴィジョンが見られるようになったなと思っていて。8年続けたバンドがなくなるのは悲しいですけど、何かスッキリしているんですよ。

――nisaさんも、そういう趣旨のことをツイートしていましたね。

nisa:そうですね。悠のブログにも書いてあったんですけど、売れるためというのが大前提の活動だったので、今までそこに向かって闇雲に活動してきたんです。でも今は、ここまでという頑張る先が見えている。それによって、ちょっと気が楽になったというか。

――明確なゴールが設けられたわけですね。

nisa:そうです。今までは、どこにゴールがあるかわからないものを手探りでやってきていたので、なおさらそう思うのかもしれないですね。

凪:この1年楽しいと思いますよ。

レン:凪がそう言うと何かすごいな(笑)。

凪:(笑)。でも皆が言うように、売れること前提で活動してきて、毎回壁にぶち当たって、そのたびに落ち込んで…ということが今後はなくなるわけですよ。重圧というか、壁がなくなるなら、あとはもう楽しむだけじゃないですか。

nisa:数字のプレッシャーがなくなるわけだからね。

凪:うん。もちろん全くなくなるわけではないですけど、これからは売れるということは考えずに、皆と楽しんでやることが目標になるので、楽しいですよ。

――それは、とても正しい音楽への向き合い方のような気がします。

凪:確かに本来はそういうものですよね。

nisa:これからのライブは毎回楽しいと思うんです。やっている側も、観る側も。

凪:これまでも楽しかったですけど、その結果を見なくてはいけなかったので(笑)。でも、もうそんなことは気にしなくていいというのは大きいです。

――それにしても、活動終了の告知文やコメント動画がとても明るくて驚きました。

凪:深刻な感じにはしないようにしようって言っていたんだよね。

nisa:昔、活動終了なんて全く考えていなかった頃に、「もし解散になったら」という話をしたことがあって。その時、「レイヴは真面目に『解散します…』という感じじゃないから、解散の理由は、『女問題でやめます!』とか『金で揉めてやめます!』みたいな、ふざけた感じにしようぜ!」って言っていたんですよ。今回、俺はその時の話を思い出して、「大切なお知らせ」みたいな感じじゃなくない?と思って。

――「バンドがここで終わります」というより、「ここから終活が始まります!」という前向きな姿勢が伝わる告知でした。

nisa:ファンの反応も、悲壮感の漂うものは少なくて。本当は悲しんでいるんでしょうけど、俺らの前向きな発表を見て、みんなも前向きになろうとしてくれているんだろうなという感じが伝わってきました。

――関係者やバンド仲間の反応はいかがでしたか?

悠:本来なら、関係者の方々には前もって伝えておくべきだったのかもしれないんですけど、今回、本当に身近な人とか、言っておかなくてはいけない人にしか伝えていなかったんです。なので、ほとんどの人が2月25日の発表やその後に知ったと思うんですけど、今のところ「何でやめるんだよ! もっと続けろよ!」と言う人はいないんですよね。

レン:俺もいないです。「今まで頑張ったな」って言われることが多いですね。

凪:「みんなで決めたなら、最後まで頑張って」とかね。

レン:これは、レイヴの活動終了の理由が、金の問題や不仲じゃないということをみんながわかってくれているからこその反応だと思うんです。ある仲間に、「お前らが楽しそうに終わる画が見える」「人間で言うところの寿命が来て、終わりを迎えようとしているのがわかる」と言われた時に、すごく納得しました。それに、誰も金の問題や不仲について疑ってもいないことについて、「レイヴってすごいね」と言われましたし。

nisa:「本当は何かあるんでしょ?」なんて勘ぐられもしなかったもんね。俺は発表の1時間前くらいに、関係者の皆さんに連絡したんですけど、その時に一応気を使って「仲が悪いとかじゃないんで! そこは安心してください!」って書いたんです。でも、「それは見ればわかるから。そんな心配は一切してないよ」って言われましたからね(笑)。

――悠さんのブログにあった「方向性の違いだとか、不仲だとか、大人の事情等ではなくて、僕ら自身で時間をかけて決めた事だし、誰かが納得していないわけでもありません」という言葉にとても納得しました。

nisa:そうじゃないと、あんな動画撮れないですよね(笑)。

レン:結成した時から、もしくだらないことでお互いを嫌いになったりしたら、レイヴをやめようとは言っていたんです。例えば、誰かがメンバーの陰口を言うようなことがあったら、それは解散したほうがいい。そういうバンドは結構いるけど、ああいう風になってはいけないという思いは全員にありましたね。俺の悪口は…いや、わからないですよ? わからないですけど、みんな言っていない…気がする。

全員:(笑)

レン:だからこそ、続けて来られたというのはありますね。

――こうしてインタビューをしていても、皆さんの仲の良さが伝わってきます。それに、「解散」ではなく「活動終了」という表現がふさわしいと思いました。解散というと本当に「それぞれがバラバラな道を行く」という感じがしますし。

悠:そうなんですよね。そもそも、「何で終わるの?」と言われても、ブログに書いたことくらいしか明確に答えられないんです。

nisa:感覚としては、「レイヴとして売れるという活動をやめただけ」なんですよ。これまでコンスタントな活動ペースでやってきたことをやめる、という宣言に過ぎないんです。

悠:売れるために活動してきたから、活動自体が終了するというだけなんです。「だったら半年に一回でもいいからやればいいのに」と言う人もいると思うんですけど、そもそもが売れるためにやってきたことだから、それでは意味がないんですよね。他のバンドが解散という言葉を使うのは、例えば、こいつとはもうやりたくないとか、それぞれのやりたいことが違いすぎるとか、他にやりたいことができたとか、大人の事情とか、金とか、明確な理由があると思うんですけど、うちはそれがないから解散じゃないのかなと思って。じゃあ何でやめようと思ったんだろうと考えた時に、逆算して紐解いていくとそういうことだったんです。なので、解散じゃなくて、活動が終わるというのが一番しっくりくるのかなと思ったんですよ。

――こういう終わり方ができるのは稀有なことだと思いますし、レイヴの強みを最大限に生かした終わらせ方ですね。

nisa:これは、レイヴというバンドのキャラクターじゃないとできないと思うんですよね。すごく黒いバンドが「終活します!」なんてできないじゃないですか。

悠:ここに来てやっと俺らの強みが生かせるのか…!

全員:(笑)

◆もらったものが大きすぎて、200%の気持ちで返しても返しきれるかわからない(レン)

――活動終了に際して宣言された「終活」について教えてください。

nisa:売れるための活動はやめます、今後はやりませんと言うにあたって、8年の活動の中でやり残したことをやりたいと思ったんです。応援してくれたファンへの感謝を込めて。それに、すぐ目の前に終わりがあるというのも嫌だったので、この1年でやりたいことをやろうという宣言ですね。

――冬までの比較的長い時間が残されているということと、時期も含めた今後の展開がはっきりと提示されているのは、ファンにはとても嬉しいことなのではないでしょうか。

nisa:そうなんですよね。スケジュールが2ヵ月先までしか出ていないような、先の見えないバンドもいますけど、俺らは「この先どうなるんだ?」と思われるより、「ここまでは絶対に僕らはいますよ」ということを提示できたほうがいいだろうと思うんです。そして、この期間にファンのみんなにも気持ちを消化してもらえれば、より嬉しいですね。

――レンさんが「もらった以上の愛をお返ししていく」とツイートしていましたが、まさにそんな期間になりそうですね。

レン:もらったものが大きすぎて、200%の気持ちで一生懸命返しても、返しきれるかわからないんですけどね。

――今回の告知文にも、「感謝」という言葉が多用されていましたが、そういうところにもファンへの愛を感じました。

nisa:俺は、他のバンドのこういう告知文を見ていて、「ごめんなさい」とか「理由はこうで…」とか「コメントを控えさせていただきます」とか、何だそれ!と思っていたんです。そういうのがすごく違和感あって。何ならTwitterに載せた【レイヴ 活動終了のお知らせ】の画像も、あの形式にするか悩んだくらいなんですよ。一応ああいう趣旨のものなので、普通のお知らせとして白い紙に明朝体という体裁で出したんですけど、そのすぐ後に終活の画像とコメント動画を出して、そういう空気じゃなくしたいと思ったんです。

――そのせいか重く受け止めるというより、今後の展開に目が行きました。終活の一覧には#7まで書かれていますが、これは増減したりはしないんでしょうか?

悠:誰かが「どうしてもこれをやりたい!」と言わない限りは、基本的にはこの内容です。

nisa:このリストも全てではないんですよ。

悠:例えば毎年やっているハロウィンイベント(「ハメ外し大変身」)をこの一覧に入れるかどうかという案もありましたからね。そういえば、あの発表後に久々に「レイヴ」でエゴサーチをしたんですよ。いろんな感想がある中で、「私、これからハロウィンどうしたらいいんだろう」っていうツイートがあって。

全員:(笑)

悠:色々ある中で、あれが一番面白いツイートでした。

レン:6年続けてきた結果、そう思ってもらえるようになったんですね。でも今年もやるつもりでいますから! ラスト「ハメ外し」やります!

nisa:いろんなバンドからも聞かれるんですよ。「今年もスケジュール空けているんだけど、やるの?」って。

レン:ファンもそうですけど、バンドマンも待っていてくれていますからね。普段なかなか一緒にライブができないバンドも、「ハメ外し」はすぐにOKが出たりするし。

nisa:去年、レイヴの九州の後輩バンドのMIMICに出てもらったら、「レイヴさんがずっと続けてきた、あの伝統のハロウィンライブに出られるんですね!」って言ってくれていましたからね(笑)。いつの間にかそういう感じになっていたのか!と。

凪:今年まではやりますので安心してください(笑)。

レン:もう俺ら、年1でハロウィンだけ復活する?

全員:(笑)

◆最後にレイヴというバンドとして8年間一緒にやってきた仲間たちとライブを(nisa)

――終活について現時点で発表できる限り詳しく教えてください。

#1 ONEMAN TOUR「序章」※開催済み

#2 6月 8周年ファン感謝祭『帰ってきた耐久レース!全曲ワンマン』開催

nisa:これは「レイヴ 8周年ファン感謝祭 企画大臣総選挙」で、悠の公約が選ばれて決まりました(※他3人の公約は、レン「初のファン旅行in沖縄」、nisa「ファン感謝DAY「レイヴの日」開催」、凪「九州全県ライブツアー」)。

悠:前回は2016年の1月頃じゃなかったかな。東高円寺二万電圧でやったんですよね。

――全曲ワンマン、演者としてはどういう捉え方をしているんですか?

悠:まぁ嫌そうにしているメンバーもいますけど…

レン:だって辛いですもん!

凪:やっぱりドラムとヴォーカルがキツイと思うんですよ。

――何しろ1日で70曲近く演奏するわけですからね。

nisa:そうなんですよね。しっかり休憩が入れられるならいいんですけど、会場の時間の都合もあるので、そんなにゆっくりはしていられないじゃないですか。10曲やってちょっと喋って、またすぐやってという感じになっちゃうので。しんどいだろうな…。

悠:でも、前回もやる前はみんなすごく嫌そうだったけど、終わった後、「まだ全然いけるじゃん!」って言っていましたからね(笑)。

――それなら安心です(笑)。それに、これが堂々の1位を獲得したということは、ファンの方々は開催を待ち望んでいたのでは?

凪:どうなのかなぁ。お互いキツイんじゃないかと思うんですけど(笑)。

nisa:でも、反応を見ていると結構嬉しいらしいよ。

悠:確かに、チケットの申し込み受付が始まっているんですけど、申込数も普通に俺らがカッコつけてやっているワンマンツアーよりずっと多いんですよね(笑)。

nisa:今回の選挙では、他の3人の公約はどこでやるのかわからないし、九州とか沖縄の人しか行かれないじゃん!ということもあって、悠の案が選ばれたのかなとも思うんですよ。

――ファンの皆さんは意外と現実的なんでしょうか。

レン:確かに、そうかも(笑)。あー、沖縄行きたかった!

#3 2MAN LIVE SERIES『戦友-ライバル-』開催

――「ツーマンライブ」かつ「シリーズ」と銘打たれていますね。

nisa:これは「この月にやるよ」というものではないんです。今後レイヴは、ワンマンばかりになって、イベントにも徐々に出なくなるので、その合間に何かやりたいなと思って。そのときに、最後にレイヴというバンドとして8年間一緒にやってきた仲間たちとのライブがやりたいと思ったんです。この記事が出る頃には第一弾が発表されているかもしれません(※取材後、NEVERLAND、Chanty、ベル、DOFとのライブが発表された)。

――「戦友」ということで、相手が気になります。

悠:割と検討がつく相手だと思いますよ。

nisa:ちなみに、2MAN LIVE SERIES『戦友-ライバル-』をやると発表した時に、ファンから「このツーマンシリーズ、誰々とやってください!」という意見が来たんですけど、これは一応「戦友」というタイトルなので、いやいや”戦友”は俺らに決めさせてください!っていう(笑)。

――レイヴは戦友が多そうです。

凪:そうですね。

レン:確かに戦友は結構いますね。他のバンドからも「レイヴって愛されとるなー」って言われました。

nisa:このシリーズは何段階かで分けてやろうと思っているので、楽しみにしていてください!

◆終わるまでに、レイヴって自分にとってこうだったんだよというものを見つけたい(悠)

#4 夏 8周年里帰りTOUR『原点回帰』開催 (開催予定地:長崎県・宮崎県・福岡県)

――8年目にして、初めてのnisaさんの故郷である宮崎でのライブですね。

レン:とうとうですよ。

nisa:夏のこの時期は、東京でオリンピックがあるじゃないですか。なので、都内でのライブはキツイよねという話もあったんです。

――みんなで南に行こうと。

悠:そうです(笑)。事の発端は、nisaの誕生日を本人も地元で迎えたがっていたことと、こちらとしてもやってあげたいという気持ちからなんです。その流れで、それぞれの地元にも帰っておくかと。

レン:8月で8周年じゃないですか。それこそやっていないことをやろうということになった時に、nisaを宮崎に帰らせてないなと。最初のうちは、「宮崎に行こうよ行こうよ」って言うnisaに、俺ら3人は「行かんよ!」って言っていたんですけどね(笑)。

nisa:そうなんですよ。この案を出した時、3人とも「本当に行くの!?」って言っていましたからね。

レン:でも、やっていないことをやるという終活なので行こうと。

nisa:あと、このライブ、絶対来てほしい!って太字で書いておいてください。

レン:俺らが重い腰を上げて、宮崎まで行くわけですからね。

nisa:これでもし、全然お客さんが入っていなかったら…!

――ファンの皆様、今夏はぜひ宮崎へ。

悠:(笑)。俺も、宮崎なんてなかなか行く機会がないからね。小さい頃に行って以来かも。

レン:俺も九州で唯一行ったことがないのが宮崎ですよ。シーガイアも行ったことないもん。でも、せっかく行くなら前々乗りくらいはしたいよね。前乗りくらいだと堪能しきれないんですよ。

nisa:前々前乗りくらいしていこうよ。チキン南蛮とか食べに行こう!

――初の凱旋ライブ、夢が広がりますね。

nisa:バンドの周年が8月18日で、俺の誕生日が21日なので、いつも霞んでいましたからね(笑)。今年は、他の長崎福岡含めこの原点回帰ツアーが8周年のスペシャルな出来事になればいいなと思っています。

#5 秋 LAST ONEMAN TOUR開催、#6 10月 Gt.みくる追悼ライブ開催

――ラストツアーは一足早く、秋に開催されるんですね。

悠:ワンマンツアーのファイナルを、ラストライブにはしたくなくて。別物にしたいということで、10月のみくる追悼ライブの前にやることにしました。

――この連載1回目に「追悼ライブはやらない」と言っていましたが、今回実施に至ったのはなぜでしょう?

悠:やっぱり、バンドが終わるとなったらやっておかねばならんなと。

レン:毎年やるのとはわけが違いますからね。最後の最後ですから。

悠:レイヴの歴史の中で切っても切れない出来事なので、そこにもしっかり触れておこうと思ったんです。

レン:あと、この追悼ライブは完全な営利目的にはしないにしようと思っていて。自分たちの中でそこは結構大事なんですよ。

nisa:会場も色々考えていますしね。思い出のあるここがいいんじゃないかとか。

レン:今はまだ詳しくは言えないですけど、色々考えているので、やるときに伝えられたらと思っています。

#7 冬 LAST LIVE開催

――そして、レイヴ最後のライブです。

悠:ここまでやったらもう思い残すことはないでしょうね。

レン:そうやね。この日はステージに出る前から、清々しい顔でメンバーと過ごせているんじゃないかと思います。

――年内にこれだけの内容を完遂すると考えると、かなり濃密な月日になりそうですね。しかも全て自分たちがやりたいこと、というのが素晴らしいなと。

レン:そうなんですよ。そこは大事だと思っています。

――活動終了の日までにレイヴとして成し遂げたいことや目標を教えてください。

凪:僕は、そんな明確な目標はなくて。最後の1年、本当に楽しんでバンドができればいいなと思っています。スケジュールが詰まっていて大変そうですけど、楽しみでしかないです。

レン:俺は、皆からもらったものを返しに行けたらなと。そして、最後までレイヴでありたいと思うし、これまで成し遂げてきたことを最後までやり遂げたいですね。

悠:自分自身、まだ答えが見つかっていないし、それこそ実感もしていなくて。レイヴというものが自分にとって何だったのか、バンドや音楽は自分にとって何なのかを、ファンの方にも時間をかけて納得してほしいと思っていて、それと同時に、自分自身もゆっくり考えたいなと思っているんです。終わるまでにレイヴっていうのは自分にとってこうだったんだよ、今までバンドをやってきてこうだったんだよというものを見つけたい。焦ることではないと思うので、じっくり考えたいなと思っています。

nisa:みんなが言う通り、終わるために、やり残したことを楽しくやるためにこの期間を有意義に使っていきたいです。よくバンドが解散を発表すると、「バンドがあるうちに行っておかないと、こうなるんだよ」と言ったりしますけど、ああいうのにも思うところがあって。どのバンドもいつ終わるかわからない中で、俺らには結構先まで残された時間がある。だからファンのみんなにはそこで後悔しないでほしいんです。「私が行っていれば活動終了しなかったんじゃないか」という後悔がこの期間でなくなってくれるといいなと。ライブに思いっきり来てほしいし、俺らも思いっきりやります。9ヵ月という期間の中で、ファンも俺らも気持ちの消化ができればと思っています。

【今月のお題】


Vifからのお題にメンバーが答えるこのコーナー。第3回目のお題は、この季節らしく「卒業」。レンさんと凪さんに、最近卒業したことを教えてもらいました。

レン

レン
なぜ今まで食べてこなかったかはわからないけど、お寿司の玉子を最近初めて食して「玉子童貞」を卒業しました。まぁ、言うなればあれは皿の上で解決するTKGやね!
そりゃ美味いに決まってる! 毎回食べることにする!
TKGうめぇ~

レン

凪


最近「卒業」したことですが、小学生?の頃から毎週欠かさず買っていた週刊少年ジャンプを卒業しました。
卒業したというより、ただ買い忘れてもういいやって感じでしたが(笑)。買ってもほぼ読んでいなかったし、卒業できてよかったです。
よく考えたら卒業できそうなことまだたくさんありそう…
とりあえず次の卒業目標は「糖質」です(無理)。

<編集後記>

「活動終了」という言葉を彼らから聞いたのは、発表のほんの数日前のことだった。それまで行われてきた取材でそんな気配を微塵も感じなかっただけに、その突然の話に驚き戸惑ったし、何より残念でたまらなかった。
だが、このインタビューを行った今、悔しさや悲しさというネガティブな感情は薄らいでいる。それは、彼らの仲間が発したという「寿命が尽きる」という言葉がストンと腹に落ちたからなのかもしれない。
彼らは活動を終了することをくよくよと思い悩んではいないし、驚くほど明るく前向きに、本当に真っ直ぐに突き進んでいる。その姿が本当に頼もしく、今の私には彼らのこれからをVifで追えるということが嬉しくてならない。
こんな風に、最後の時間を全力で謳歌するバンドが他にいるだろうか。暗く欝々としているなんてもったいない。レイヴと過ごす時間が残されているという幸運を、心ゆくまで堪能してほしい。

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

レイヴ

<プロフィール>

レン(Vo)、nisa(G)、悠(B)、凪(Dr)によるロックバンド。2012年8月に福岡県で結成し、1stシングル『ALIVE』をリリース。2016年10月にみくる(G)が病気のため永眠。2017年3月に1stフルアルバム『不幸福論』をリリース。2018年3月、24RECORDSに移籍し、5月に移籍第1弾としてミニアルバム『メンブレさん通ります。』を、その後シングル『ハラスメント』『スーサイドBABY』『BOTEKURI』『初恋』、2020年2月に会場限定シングル『ドリップ』をリリース。2月25日に年内をもって活動を終了することを発表し、「終活」を宣言した。

■オフィシャルサイト
http://rave-official.com/

【リリース情報】

New Single『初恋
2019年11月27日(水)発売
(24RECORDS)

初恋
初回限定盤A
(CD+M∞CARD)
TFRV-1011
¥1,800+税
amazon.co.jpで買う
初恋
初回限定盤B
(CD+M∞CARD)
TFRV-1012
¥1,800+税
amazon.co.jpで買う
初恋
通常盤
(CD ONLY)
TFRV-1013
¥1,500+税
amazon.co.jpで買う

【収録曲】

[CD]
初回限定盤A
01.初恋
02.たかが世界の終わり

初回限定盤B
01.初恋
02.untouchable

通常盤
01.初恋
02.untouchable
03.たかが世界の終わり

[M∞CARD]
「初恋」MV + MV Making ※初回限定盤A、Bのみ

【レイヴ終活一覧】

#1 ONEMAN TOUR「序章」※開催済み
#2 6月 8周年ファン感謝祭『帰ってきた耐久レース!全曲ワンマン』開催
#3 2MAN LIVE SERIES『戦友-ライバル-』開催
#4 夏 8周年里帰りTOUR『原点回帰』開催 (開催予定地:長崎県・宮崎県・福岡県)
#5 秋 LAST ONEMAN TOUR開催
#6 10月 Gt.みくる追悼ライブ開催
#7 冬 LAST LIVE開催

【ライブ情報】
●レイヴ Dr.凪 生誕記念ONEMAN「凪のお誕生日会」
4月6日(月)高田馬場CLUB PHASE

●レイヴ 8周年ファン感謝祭「帰ってきた耐久レース!全曲ワンマン – 2012~2015 -」
6月13日(土)池袋EDGE

●レイヴ 8周年ファン感謝祭「帰ってきた耐久レース!全曲ワンマン – 2016~2020 -」
6月13日(土)池袋EDGE

●2MAN LIVE SERIES
『戦友-ライバル- vs NEVERLAND』
6月30日(火)原宿RENON

『戦友-ライバル- vs Chanty』
7月13日(月)渋谷REX

『戦友-ライバル- vs ベル』
7月22日(水)池袋EDGE

『戦友-ライバル- vs DOF』
7月28日(火)高田馬場CLUB PHASE