初回限定盤
通常盤

結成時からの仲間であったドラムの靖乃、メンバーとして8年の歳月を共に過ごしてきたギターのタイゾ。2人のKraから卒業の発表は大勢の人たちに衝撃を与えた。今の4人でのステージは、1月25日にマイナビBLITZ赤坂で行う「Kra LIVE 2019『創りし者 / FOUR CHILDREN』」が最後になる。
Kraは、景夕/タイゾ/結良/靖乃の4人として最後の作品となるアルバム『ブレーマー』を10月31日に発売する。11月からは、この作品を手に全国ツアー「Kra LIVE TOUR 2018『QUARTETTO』」もスタート。1月25日には、マイナビBLITZ赤坂を舞台に今の4人での最後の公演「Kra LIVE 2019『創りし者 / FOUR CHILDREN』」も控えている。
ここでは、改めてタイゾと靖乃の旅立ちの真相。今後もKraとして活動を続けてゆく景夕と結良の意志。今後のツアーへついての想いを4人に語っていただいた。


タイゾと靖乃、旅立ちへ向けての想い

――すでに言葉として発表はしていますが、改めてタイゾさんと靖乃さん、Kraを旅立つ決意をした理由を教えていただけますか。
タイゾ:コメントでも出したんですけど、4人それぞれのKraというバンドに対しての価値観がちょっとずつ擦れてきてしまったのかなっていう。それもしょうがないと思うんですよね。俺以外は17年間もやり続けていれば、その中でさえ個人個人いろいろ環境や考え方も変わるだろうし。みんながみんな、バンド始めたての頃の気持ちでずっとやるなんて不可能なこと。自分はKraとして長く活動を続けてゆく中つらくなる部分が出てきたことから、このまま一緒に歩むことは難しいなという気持ちからの判断でした。

――アルバム『ブレーマー』を通し、タイゾさん自身が多様な音楽性を持ってきたように、それだけタイゾさんの表現枠が一つのバンドという器を越えてしまったからなのかなとも感じました。
タイゾ:結良さんがKraの王道の面を描いてくれるぶん、俺は自由にKraの中で表現出来ていた部分があったのは確かなこと。やっぱりバンドはバランスが大事なんだなということを、アルバムを作ると余計に思うというか。自分の色だけじゃ完結しない部分もあるし、だからこそ続けたかった部分もあるんですけど。まぁ、そこは苦渋の決断と言うか…。

――靖乃さんは17年間Kraとして歩んできています。そこでの脱退発言は衝撃でした。
靖乃:オリジナルメンバーですからね。まさか自分も辞める決断をするとは思っていなかったんですけど、今回の決断もまた自分で下したことなので。メンバーどうし折に触れ、「この先の展開をどう描く?」という話をしてきたんですけど。長年活動をしてきたこともあるのか、ライブ中のMCでも「20周年が」とか「その先も」といろいろしゃべったりもしてきた中、その言葉を現実にしてゆくためにとみんなで話し合うたび、自分の中で5年後10年後という具体的なプランニングを描き出したときに、みんなとは価値観が違うなというところも感じて。自分の場合、けっこう我が強いので、「こういう風にやってみたら、どう??」といろいろ提示をしては、それを実践してゆく経験を重ねてきた日々ではあったんですけど。それが最近になって,「ひょっとしたら、今のKraには俺のやり方のほうがフィットしてないんじゃないか」と思うことが増えてくれば、「それって、Kraが伸びやかに進んでいく歩みを逆に邪魔しちゃってるのかも」とも感じるようになってきた。だったら、「お互いに自分の思う理想に向かって走れるほうがいいんじゃないか」という想いから、今回の決断を下しました。

――みなさん、その発表には驚きましたよね。
靖乃:発表させてもらった、その10日後に17周年のライブをTSUTAYA O-EASTでやったんですけど。発表してのタイミングも、ライブのときも、そう。みなさん一様に「靖乃が辞めるとは思っていなかったので、油断してました」という言葉や書き込み、手紙を俺に届けてくれました。自分で言うのもあれですけど、自分もまたKraというバンドのアイデンティティの一つやと思うので、「俺がおれへんかったらだいぶおとなしくなると思うけど、大丈夫??」という感じは、今もありますね。

Kraとして歩み続ける景夕と結良の意志と意識

――お二人は、これからもずっとKraを続けてゆく意志を持っているわけですよね。
景夕:そうです。演れるところまで演り続けます。じつはこの話しあいが出たときに、俺も「辞める」という話を一回したんですよ。でも、やりきらないで辞めるよりは、やりきってみないとわからないなと思って、その言葉は飲み込みました。
ここでKraを辞めたら、俺自身は何も出来ることがない。実家に帰っても就職先もないだろうし。だったら、自分の声が出なくなるまでKraとして全うしたい。今までに作ってきたKraの楽曲が全部好きなのに、それが歌えなくなるのは一番嫌なことじゃないですか。別に喧嘩別れでもないように、この先もKraとして活動を続けてゆく中、辞める2人ともまた何処かで関わることも出てくるかも知れない。そんな楽しみも抱きつつ、これからもKraとしてやり続けようと思います。

――結良さんの気持ちも聞かせてください。
結良:そんな特別感があるような考えではなくて、自分は何時も通りのまま4人最後の日も迎えるという感じなので。1月25日のマイナビBLITZ赤坂公演を終えても、Kraはその後も当たり前のように活動は続くように、普段通り、何時も通りにやっていこうという気持ちでいます。僕も、Kraを応援してくれる人がいる以上は、その期待に応え続けたいですし。さっき景夕が言ったように、辞めて何が出来るかと言ったら、僕はそんなに曲を多く作れるわけでもなければ、ちまちまサポート活動をやってと考えると「厳しいよな」とも思ってしまう。それに僕の場合、17年間続いてきたからKraをやっているし、これからも演り続けるけど。3-4年目で辞めてたら、僕はそれを繰り返す性格の人なんですよ。ここでKraを辞めてしまったら、次からはそうなってしまう。それが怖いなというのもあります。だったら今の環境を大切にしながら、たまにサポート活動をしていくのがいいバランスなのかなとも思います。

なぜ、『QUARTETTO』(四重奏)なのか

――11月からはツアー「Kra LIVE TOUR 2018『QUARTETTO』」が始まります。タイゾさんと靖乃さんは最後のツアーにもなるように、いろんな想いを含んだツアーになるんだろうなとも想像します。
靖乃:ツアータイトルに『QUARTETTO』、直訳すると四重奏と名付けました。今回の2人の脱退に関しても、度重なる協議のうえに、本当に時間をかけて決めたこと。それを決めたときから、自分の中で「『QUARTETTO』というワードは、何かで使いたい」という意識がありました。それを、今回のツアータイトルとして使ったわけですけど。俺自身の想いは、ホンマこのワンワードに集約されている感じです。今回の全国ツアーに関しても、ライブは生き物であり、一期一会の場であり、その瞬間瞬間にしかないものだから、その気持ちをみんなと一緒に大事にしていければなと思っています。

――「Kra LIVE TOUR 2018『QUARTETTO』」はアルバム『ブレーマー』を中心にしていく形でしょうか??
景夕:アルバム『ブレーマー』を中心にやらないと、この4人で演る機会がなくなっちゃうように、このアルバムが主体となったツアーになります。なので、みなさんにはしっかりと聞いて来てもらいたいですね。

――1月25日にマイナビBLITZ赤坂で行う「Kra LIVE 2019『創りし者 / FOUR CHILDREN』」が、今の4人での最後のライブになります。そこで、4人としての歩みを集約させる形になるのでしょうか?。
靖乃:どうなるんですかね。Kraって今までの歴史を振り返っても、すごい天の邪鬼なバンドのように「これやります、あれやります」と言ったことをやらないとか、シングルを出したのにシングルのリード曲をツアーでほとんどやらないこともよくあるんですよ。逆に、C/W曲のほうが客席とのレスポンスがいいねとなって、そっちを重用することも多いバンド。なので1月25日のライブに関しても、その時点でこの4人がジャッジした、「こういうステージを作りたかったんだよね」というのが投影されるライブになるのは変わらないと思います。

そして、1月25日のマイナビBLITZ赤坂公演へ向けて…

――1月25日が今の4人のKraとして最後のステージにはなりますけど、その意識よりも、普通にKraの歩みとしての日々を最後まで描き重ねながら突き進んでゆく形なんでしょうね。
靖乃:ですね。Kraは一度も歩みを止めることなく進んでいるバンド。つねに現在進行形。この先もバンドとして続けていくわけでと考えると、ノスタルジックに浸ってどうこうとか、ヒット曲を折り込んだライブをということよりは、今まで俺らがやってきたことと同じように、そのときこのバンドで何を見せられるかに集中してやるのが一番Kraっぽいなという気がしています。
タイゾ:俺と靖乃に関しては、今回のツアーはアルバムの曲たちを演奏できる最後の機会なので、ツアーを進めながら新曲たちをしっかり成長させたいなと思っています。ライブに取り込む気持ちに関しては、いい意味で何時も通りというか、ライブ中はアドレナリンも出てるんで、何時も通りはっちゃけれたらなと思っています。現状、まだ次にバンドをやるのかも、この先もわからない状態のように、個人的にはライブ中にどうこうよりも、高速道路のパーキングエリアなどで「もうこのパーキングに来ることないのかなぁ」と卒業を実感するような気がします。マイナビBLITZ赤坂に関しては、俺がKraに加入して最初のツアーファイナルが赤坂BLITZだったんで、またそこに立てるということと、自分の関わるKraの歴史が終わる日なので、自分の気持ち的にはそこでしっかりケジメをつけないとなという意識です。今後の自分がどうなるかわからないですけど、悔いだけは残したくないので、「俺はもうKraでやることはないな」とステージを降りたときに思えれば、俺はそれでいいなと思っています。
結良:アルバムの曲を覚えるのが大変だなというのは、アルバム制作を終え、ツアーの準備を始める頃になると何時も思うこと。その曲たちをツアーを通してバンドへ馴染ませるように、必然的にツアーの初日とファイナルとでは同じ曲でも違う曲のように成長していく。だからこそ、それぞれの新曲へ早く馴染みたいなと何時も思っていますし、今回のツアーでもそうなると思います。1月25日に関しては久々のマイナビBLITZ赤坂なので、久しぶりな感覚を楽しみたいなというところと、選曲がまだ読めない感じです。

――感傷的な気持ちは、とくにない感じですね。
結良:あんま感傷的になると、残る2人もそうだし、辞める2人もそう。次に繋がらない気がしちゃって。完全にもう音楽を辞めます、引退しますというのなら話は別ですけど、2人もそうじゃないんで。だったら、それぞれの次に繋げるための「いいライブだったね」という風にしたいですからね。
景夕:お客さんたちにとって、この4人でのライブを楽しむ最後のチャンスが今回の全国ツアー。自分自身も、ツアーを通してこの曲たちがどういう風に成長するんだろうなという楽しみもありますし、タイゾの地方のパーキングでという気持ちも、俺自身も「そっか、この4人でここに来ることはもうないか」となったら、パーキングへ寄るたびに感傷に浸って移動時間が長くなってしまうこともあるかも知れないけど。そういうところもツアーでは楽しんでいけたらなと思ってて。1月25日の公演は、ホントに泣いても笑ってもこの4人での最後のライブだし、お客さんにとってすごく大事なライブにもなるだろうから、それを素直に出してあげるところと、そうはいかせないよっていうアプローチだったりなど、Kraっぽさを十分に感じてもらえるライブになればいいんじゃないかな。まぁ、この4人だとこうくるよねみたいにはなるんでしょうね。

――Kra自体は止まることなく、その後も歩み続けますからね。今後またどんな展開が待っているのかも示唆してゆくかも知れないですし。
景夕:そうですね。考えてはいかなきゃいけないことなので、そこはまた別として考えつつ、Kraとして1月25日のマイナビBLITZ赤坂公演は大きな節目ではあるので、そこに向けて今年しっかりとツアーをまわりたいなと思っています。

(文・長澤智典)

『GUSTAV』MVティザー


【リリース情報】
NEW ALBUM『ブレーマー』
2018年10月31日(水)発売

[初回限定盤](CD+36P BOOKLET)
YZPS-10017/¥3,700+税
[収録曲]
01.GUSTAV
02.It is What It is
03.フクロウ
04.犬も歩けば
05.夢駆け行く
06.ダイス
07.幻想的な音楽隊
08.メッセージ
09.黒猫と愚者
10.ブレーマー

[通常盤](CD)
YZPS-10018/¥3,000+税
[収録曲]
01.GUSTAV
02.It is What It is
03.フクロウ
04.犬も歩けば
05.夢駆け行く
06.ダイス
07.幻想的な音楽隊
08.メッセージ
09.黒猫と愚者
10.ブレーマー

【ライブ情報】
●Kra LIVE TOUR 2018『QUARTETTO』
11月4日(日) 神戸VARIT.
11月6日(火) 奈良NEVER LAND
11月12日(月) 福岡DRUM Be-1
11月13日(火) 福岡DRUM Be-1
11月16日(金) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
11月19日(月) 高田馬場AREA
11月22日(木) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
11月26日(月) OSAKA MUSE
11月27日(火) 名古屋Electric Lady Land
11月29日(木) 西永福JAM
TOUR FINAL
12月11日(火) 渋谷ストリームホール

【インストア情報】
<埼玉県>
10月19日(金) 17:00ST HMV大宮アルシェ店<サイン&握手>
<東京都>
10月28日(日) 音のヨーロー堂2階イベントホール(浅草):13:00ST <A演奏&握手>/16:00ST <サイン&握手>
10月30日(火) 18:30ST HMV&BOOKS SHIBUYA <A演奏(観覧フリー)&握手>
10月30日(火) 20:00ST SHIBUYA TSUTAYA<サイン&握手>
10月31日(水) 20:00ST タワーレコード新宿店<サイン&握手>:特典ポストカード(共通)
12月01日(土) 14:00ST ライカエジソン東京(新宿)<トーク&握手>
12月01日(土) 19:00ST ブランドエックス<トーク&握手>
12月02日(日) 14:00ST 自主盤倶楽部(新宿)<トーク&握手>
12月02日(日) 18:00ST 渋谷ZEAL LINK<トーク&握手>
<愛知県>
11月25日(日) 17:30ST 名古屋ZEALLINK<トーク&握手>
<大阪府>
11月03日(土) 19:00ST 大阪ZEALLINK<トーク&握手>
11月05日(月) 19:00 ライカエジソン大阪<トーク&握手>
<福岡県>
11月11日(日) 19:00ST SKULL ROSE<トーク&握手>

Kra オフィシャルサイト http://www.pscompany.co.jp/kra/
オフィシャルモバイルサイト PS mobile http://m.pscompany.co.jp/
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