2021.02.26
Kra@TSUTAYA O-WEST
景夕からアナタヘこの歌を届けよう~「景夕と結良とメルヘンポップ」

Kraのヴォーカリスト景夕の誕生日当日に当たる 2月26日(金)、TSUTAYA O-WESTを舞台に景夕のバースデーを祝う2部制公演『景夕からアナタヘこの歌を届けよう~「景夕と結良とメルヘンロック」「景夕と結良とメルヘンポップ」』が有観客/配信ライブとして行なわれた。サポートメンバーに刻(G)と宏崇(Dr)が参加。こちらでは、第二部に当たる「景夕と結良とメルヘンポップ」の模様をお伝えしよう。

Kraの中でもメルヘンかつポップな要素を色濃く出した楽曲を集めたのが、第二部の公演。軽快なマーチング演奏のSEに乗せ、メンバーらが舞台へ姿を現した。ライブは、心弾ませるよう軽やかに歌い奏でる「artman」から幕を開けた。景夕のサビ歌が終わると同時に、楽曲が一気に走り出す。華やかさを持ちながらも、演奏は次第に熱を増してゆく。愛らしさと凛々しさを重ね合わせた歌と楽曲を魅力に、彼らは観ている人たちの心を咲き乱れさす。フロア中のあちこちで大きく揺れながら咲き誇る手の花の光景も、目に鮮やかだ。

演奏は激しさと勢いを増しながら、華やいだ音の花へさらに力強さと華麗な色を濃く塗り重ねてゆく。飛びだしたのが「無拓と無択と」だ。景夕の華やかでメロウな歌声がとても心地好い。未来を見据えた哲学的かつ文学的な歌詞ながら、楽曲自体が躍動性を持っているからだろう。景夕の歌声や言葉の数々に心は惹かれながらも、身体は騒ぎたくてうずうずしっぱなしだ。

景夕の「気持ちを吹っ切って楽しくやっていきたいと思います」の言葉に続いて披露したのが、昨年リリースしたシングルの表題歌「DisWORLD」。新体制になった当時の心境を歌にした楽曲のように、この歌からは、苦悩や弱さも認めたうえで、ここから新たに花開こうとする強い意志が伝わってきた。マイナー系の曲調とネガティブな感情が重なり、気持ちの内側をチクチクと刺激する。でも、力強く躍動したグルーヴと前向きな歌詞を携えた曲でもあるように、景夕の歌にもどんどん希望と力と熱が漲りだしていた。

結良のベースのフレーズをリードに幕開けた楽曲は、情熱を秘めたエスノテイストの旋律や胸華やぐ音色の数々を届け、気持ちを騒がせてゆく。愛しい人へ想いを告げるように、景夕は愛しさたっぷりに「恋歌」を歌っていた。切なさを掻き消すように華やかな音を重ねてゆく演奏陣。でも、壊れそうな気持ちのままに揺れ動く想いをメロウに歌う景夕の声に触発され、胸はキュッと疼き続けていた。最後に見せた、哀切な気持ちのままに歌う景夕のアカペラも心を潤していった。

続く「夢のような日々」でも、Kraは忘れられないし忘れたくない愛しい人への想いや姿を追いかけるように歌っていた。決して派手な演奏ではない。でも少し華やいだメロウな演奏が、切なさを零すような景夕の歌声へ希望を塗り重ねていた。

ここで、本日2回目となる景夕の誕生日を祝うコーナーへ。ここでは、ギターの刻が景夕への想いを込めた手紙を手渡していた。

次のブロックは、久し振りに披露した「少年と空」から。軽快に弾む楽曲の上で、景夕は心を弾ませながら夢馳せる想いを歌っていた。ここから世界へ向けて羽ばたこうとする夢を抱いた少年の想いへ、気持ちを同化させながら歌う景夕。希望を抱くマーチングナンバーに乗せ、景夕はこの舞台から飛び立とうとしていた。その場で大きく跳ねながら、想像の中に広がる大空に向かって心の翼を羽ばたかせてゆく。フロアでも、大きく腕を振り飛び跳ねる人たちの姿があちこちに広がっていた。

結良の荒々しいスラップ演奏を合図に、Kraは激しく攻めるように「雨の告白」を突きつけた。これまでの柔らかい表情から、一変。ソリッドな演奏で、彼らは観ている人たちの心を騒がせる。でも、不安を乗り越え光をつかもうとする楽曲でもあるように、心地好く揺れ動くサビ歌に心が引き込まれ、華やぐ気持ちも覚えていた。攻める姿勢を軸に据えながらも、甘い笑みを浮かべ歌う景夕の表情を見ていたら、心にどんどん光が差し込んでゆく感覚を覚えていた。躍動する楽曲に刺激を受け身体は揺れながらも、気持ちは華やいでゆく。

「さぁ、もっといこうか!」
デジタルサウンドと激しく躍動する生の演奏をミックスしたKra流のダンスロック曲の登場だ。ときにデスボイスも交え、煽るように歌う景夕。サビ歌でも、がなるように歌いながら熱を持った感情をぶつける景夕の姿が舞台にはあった。Kraは「LOST NUMBER」を通し、もっともっと騒ぎたいんだろうと観客たちを挑発してゆく。やはりライブは気持ちを躍動させてこそ。終盤に生まれたシンフォニックなフレーズ。その後に続くラウドな演奏など、1曲の中にKraはドラマチックな展開を描き出していった。その様に触発され、身体が揺れ続ける。

騒ぎたい気持ちへさらに熱を注ぐように、Kraは豪快なロックナンバー「ダーリンインザダーク」をぶつけ、激しく挑発してきた。荒々しい姿に身を染めた景夕は、観客たちを凛々しい歌声で挑発してゆく。いくら激しかろうとサビ歌にグッと心をつかまれるのも、この楽曲が…Kraというバンド自体がポップメイカーであるという姿勢を示していた。愛しい人への熱情した想いも、ずっと気持ちを熱く騒がせてくれた。このまま最後まで、Kraの持つ激しくもメルヘンな色に心を染めてくれ。

「ずーっと、みんなとKraを共有しあいながら進んでいきたいと思います」
景夕の言葉に続き、Kraは最後に、自分たちを支えてくれる愛しくて大切な人たちとこれからも一緒に想いを分かち合おうと「2/4」を歌ってくれた。ネガティブな気持ち吹き飛ばすのではなく、負の要素さえすべて受け止め、ここから輝く日々にしていこうという彼らの想いが、「2/4」を通して伝わってきた。どんな環境さえもポジティブに塗り替えてゆく景夕と結良。その想いに少しでも共鳴したのなら、これからもKraと一緒に2/4拍子のビートに乗せ、笑顔ではしゃぎ続けようじゃないか。ともに永遠に歩み続けようという約束を最後にKraと交わせたのが嬉しかった。

◆セットリスト◆
01.artman
02.無拓と無択と
03.DisWORLD
04.恋歌
05.夢のような日々
06.少年と空
07.雨の告白
08.LOST NUMBER
09.ダーリンインザダーク
10.2/4

(写真・NORI/文・長澤智典)


【配信情報】
●コロポックルPRESENTS景夕バースデイ企画『景夕からアナタヘこの歌を届けよう』
<1部>「景夕と結良とメルヘンロック」
<2部>「景夕と結良とメルヘンポップ」
2月26日(金) TSUTAYA O-WEST
[全出演] Kra { サポート:Gt.刻・Dr.宏崇 }
配信サイトURL:https://www.kips.fun/mall/event/1069
※アーカイヴ配信、購入視聴期限:2021年3月3日(水)まで

【販売情報】
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※入会・継続は、コロポックル:https://fckra.emtg.jp/よりお手続きください。

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