インタビュー プレゼント

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Dが未来に遺す生前遺言。ヴァンパイアストーリー最新作『UNCROWNED KING』と共に、彼らは過去最大領域への挑戦を始める――。

10月20日に行われた高田馬場AREA公演において、決意表明として2023年に迎える結成20周年に過去“最大領域”に挑戦することを発表し、その後、それぞれが現在の思いを綴ったメンバー5人のブログを公開したD。そのあまりにも赤裸々な内容と彼らの決断は、シーンにも大きな衝撃を与えた。発表から僅か6日後の10月26日、今回の決意表明に至るまでの経緯と真意、そしてバンドの現状と物語の世界観を重ねて描いたというヴァンパイアストーリーの最新作『UNCROWNED KING』について、5人にじっくりと話を聞いた。

ASAGI

――10月20日に行われた高田馬場AREA公演で、決意表明として2023年に迎える結成20周年にD史上“最大領域”に挑戦することを発表し、その後、皆さんがそれぞれ現在の思いを綴ったブログ(ASAGIRuizaHIDE-ZOUTsunehitoHIROKI)が公開されました。弱い部分を素直にさらけ出し、現在の状況に至るまでのことが赤裸々に綴られていて驚きましたが、ここまで詳細に伝えようと思ったのはなぜでしょうか?

ASAGI:何か目標を立てて向かっていく時に、今どういう状況にあって、なぜそこに向かっていこうとしているのかをきちんと伝えないと、その時々での自分たちの行動や思いは伝わらないんじゃないかな?というのがあって。Dは自らの会社を立ち上げて独自のスタンスでやっていて、様々なことや新しい可能性に挑戦していくバンドなので、かなり悩んで考えて決めているし、あまり既存の型にもハマらない。だから、話せることはなるべく話して、ある程度わかってもらった上で活動を応援してもらいたいなと思いました。あとは自分たちの音楽人生がかかっているので、悔いのないようにやりたいなと。

――発表することを具体的に皆さんでミーティングし出したのは、いつ頃ですか?

Tsunehito:具体的には、発表の10日くらい前になると思います。

ASAGI:発表に向けてそれぞれ思っていることを話したのはその日で、20周年に向けての決意表明をしたほうが良いんじゃないかと僕が言い出したのは1ヵ月くらい前です。もちろん常に話し合ってはいましたけど、それまでは公言はしていないから、年内で止めようかという話にもなるし、もうちょっと頑張ろうという話にもなる。その時の状況によって違っていたんですよね。だからこそ、自分たちの中でだけじゃなく、ファンの子たちにも伝わるような形で、なおかつ突然何か予想だにしない結果だけを出して驚かれたりされないように、ちゃんと目標を設定しようということになりました。

――HIDE-ZOUさん、Tsunehitoさんの持病のことは、これまで公言していなかったことなんですよね。

HIDE-ZOU:そうですね。これまで全く支障がなかったわけではないので、メンバーにすごく助けてもらいながら活動してきました。20周年を迎えるに当たって強い決意を固めるために、そういう部分も知ってもらいたいという思いと、僕自身は同じ病気で頑張っている方々に感銘を受けたし、同じ病気で苦しんでいる方々に、目標を達成する姿を見せたいなというのがあったので、メンバーにも相談して、このタイミングで伝えさせてもらいました。

Tsunehito:今は自分の体調は良くなっているんですけど、当時に公にすることはなかったですし、20周年に向けた決意表明のこのタイミングでしか言えないことの一つだったかなと思います。応援してくれているファンの子たちに色々知ってもらうことで、自分としても気合いが入るというか。こういうこともあったけど、20周年に向けてもっと頑張っていこうという気持ちになれていますね。

――ASAGIさんのブログには、ここ数年、心と体のバランスがうまくとれなくなってきたということも綴られていましたが、これは誰にでも起こり得ることだろうなと。

Ruiza:そうですね。もちろん好きで楽しいからやっているのは間違いないんですけど、16年半活動しているので当然年齢も重ねますし、それぞれに人生もあります。精神的な面や体調の面、色々なことを含めて、ただ楽しいからということだけでは続けられないですよね。楽しくワイワイやりたいですけど、色々なことを考えていかなければいけない。逆に、楽しくやるためには何ができるだろうと考えます。今は皆に色々と伝えたその先にいるので、そういう場があって良かったなと思えたし、すごく前向きな気持ちですね。

――発表後、皆さん精神的な部分では楽になれたようですね。

ASAGI:かなり楽になれましたね。公言することで、そこに向かって何ができるだろうと考える時間が増えて、ネガティブなことを考える時間が減ったので、これはやっぱり間違いなかったなと。すごく悩んだ末に出した答えだったんですけど、今は目標に向かって必死に考えていくだけですね。

§

Ruiza

――ファンの方々はメンバーの皆さんの体調を心配していると思いますが、「活動ペースを抑えれば、メンバーの生活面はおろか、今のクオリティの音源や映像制作、衣装やメディア、また全国ツアーさえも叶わなくなるでしょう」という具体的な現実問題も率直に綴っていましたよね。

ASAGI:特にここ数年、シーンの低迷は目に見えてわかるくらいになっているので、それに抗っていくためには、きちんと目標を立てることが大切なんだと思います。結成当時の僕らはメジャーデビューを目標としてきたので、それを果たした今、やっぱり新たな目標が必要なんだと。ヴィジュアル系のCDショップや雑誌がなくなってきてしまっているのも、そのお店や媒体だけの問題ではなくて、当然アーティストにも影響は出てきますから、それに抗うためにはどうすべきかというのは、今、本当に皆必死にもがいている時期だと思うんですよ。

――そうですね。日々感じます。

ASAGI:自分たちの在り方を常に考えていかなきゃいけなくて、明日明後日にも新たな何かが生まれるような時代に突入しているので、生き残るために変わっていかなければいけないというのは現実問題として絶対にあるんです。ただ、変わっていくバンドに対する不信感や、変わらないでほしいという思いを持つのは自然なことで、その気持ちはすごくわかるんですよ。もちろん、世界観を大切にして、そこに重点を置いて活動していくという核の部分が変わらないことは、Dのファンだったら皆わかってくれていると思うんですけど、様々な面で時代に合わせて活動の仕方を変えていかなければいけないことは、理解してもらわないとダメなんじゃないかと思ったんです。そのためには、バンドが置かれている状況をちゃんと説明しないと、絶対に伝わらないと思いました。もちろん、過去のDを応援してくれていたことは感謝すべきことなんですけど、今のD、そして未来のDも応援してもらいたいというのが一番伝えたいことです。この激変する時代を生き残るために、良い意味で変わり続けなければいけない。それが出来なければもう未来はないでしょうね。

――発表後の今、ファンの皆さんの結束力も高まっているんじゃないかなと思います。

ASAGI:それは本当にそうであってほしいです。それでも常に全てを話せるわけではないので、今のDを応援できない人もいるのは仕方のないことだと思うんですけど、僕らに届くファンの子の声は、応援してくれる人のほうが圧倒的に多いのが現状なので、それはすごく心強いですね。それが心の支えです。

――どんどんDを世に広げていってもらえると良いですよね。

HIROKI:過去最大領域という未知数に挑戦することは、自分たちの努力次第でどうにでもなると思うので、自分がやるべきこと、やりたいことを全てDに変換させていきたいですね。メジャーデビューに辿り着いた時の景色は今でも覚えているんですけど、それを上回るものを皆に提示できるように頑張りたいなと。やっぱり口に出すことによって自分を奮い立たせることができて、さらなる高みを目指せると思いますし、言った手前やるしかないですからね。これからやること全て意味のあるものにしていきたいです。

――“最大領域”について、具体的な会場の目星は付いているのでしょうか?

ASAGI:すごく大きな会場を今から押さえて、そこに向けて活動していくという方法もあるとは思うんですけど、やったから成功とは言えないじゃないですか。例え動員が少なくても、やったという意味では達成したことになるけど、Dとしてはそれじゃないんだよなと。なので、その打ち出し方はすごく悩みました。これまでやっていない大きな会場はいくつかあるんですけど、キャパだけの問題ではないんですよね。だから、具体的に今から決めるんじゃなくて、その時までの自分たちの努力が最大限に実るところで、今までの最大動員記録を塗り替えて、かつ会場も大きい場所というのがベストで、それがお客さんも自分たちも一番望んでいることだと思うんです。過去最大キャパと最大動員記録、どちらも兼ね備えたものにしたかったので、Dらしく“最大領域”という表現になりました。もちろん、どこまでも上は目指した上での話ですけどね。

――では、会場が決定するのはもう少し先になりますね。

ASAGI:そうですね。日々の小さなことの積み重ねって、1年くらいでは結果を出すのが難しくて3年はかかるなというところで、この段階で決意表明をしたという状況です。バタバタしてやれることもやれずに迎えるのは嫌ですからね。そんなに甘くないと思うので、コツコツできることを確実にやっていくために、今のタイミングがベストだったのかなと。かつ、今回の新曲に込めた思いでもあったので、曲を初披露するタイミングでちゃんと発表したいなと思いました。普通に考えると、今回のツアーファイナルで発表するのがよくある流れだと思うんですけど、「重大発表」や「大切なお知らせ」みたいな形でお客さんを過剰に心配させたり、それで集客するみたいなことは嫌だったので。それに、なるべく早く発表して、早く着手することが理想的でしたからね。

§

HIDE-ZOU

――「UNCROWNED KING」は、今Dが置かれている現実と物語の世界観を重ねて描いたということですが、昨年、ヴァンパイアストーリー第2章としてシングル『Revive ~荒廃都市~』(6月)、『Deadly sin』(11月)、そして『組曲「狂王」』(12月/会場・通販限定)のリリースがあり、今年は全く別のコンセプトであるシングル『道化師のカタルシス』のリリースがありましたよね。このタイミングで再びヴァンパイアストーリーの新作を制作することと、作品に現在のDの状況を重ね合わせることは、どちらが先に決まったのでしょうか。

ASAGI:ヴァンパイアストーリーにしようというのは決意表明よりも前に決まっていて、『狂王』からの流れは僕の中で大まかにはあったんですけど、それをもっと突き詰めるためには時間が必要だったので、それが整った段階で新作を打ち出そうと思ったんですよね。だから、もしかしたら整うのが今じゃなかったかもしれないし、整わなかった場合はまたいくつか別のコンセプトの作品を挟んでいたと思います。ただ、細かく物語の設定を突き詰めていくのと、決意表明する心境がリンクしたのがこのタイミングだったということですね。

――なるほど。

ASAGI:ジャスティスが人間としての部分を完全に失って、ハイブリッドヴァンパイアになって覚醒するというイメージで先にできたのがc/w曲「Antiserum」だったんですけど、決意表明の意思を固めている最中に「UNCROWNED KING」ができたので、こっちを表題曲にするべきだなと、割とギリギリに変わったんですよね。もちろん「Antiserum」も、より新しい自分になりたいという意思の表れの部分で現実とリンクしているんですけど、バンドとしては「UNCROWNED KING」が表題曲に相応しいなと思いました。

――「UNCROWNED KING」はバラードではないのに全体的に壮大でドラマティックです。レコーディングはいかがでしたか?

Ruiza:今のDが打ち出すべき強さや決意が表れている楽曲なので、それに相応しいサウンドを目指しました。ただ綺麗なだけでも、ただ歪んでいるだけでもダメで、良いバランスでこの楽曲に相応しい音はどういうものなんだろうと色々と試しましたね。プロデューサーの岡野(ハジメ)さんにも音のことで相談しましたし、結果ものすごくパンチのある音に仕上がって大満足です。

――「Revive ~荒廃都市~」「Deadly sin」では近未来感を出すための表現として、ダブステップをはじめとするデジタル要素がふんだんに取り入れられ、その印象がかなり強かったですが、「UNCROWNED KING」はバンドサウンドとデジタル要素、壮大感がより綺麗に混ざり合った感じがします。

Tsunehito:毎回、新鮮さ、新しい要素が取り入れられているんですけど、この楽曲は仰っていただいた通りバンドサウンドとデジタル要素が融合して、立ち向かっていく感じがすごく強烈に感じられる曲になっているので、自分でも奮い立つ、テンションが上がる曲ですね。ベースのレコーディングでは疾走感とドッシリした感じをどう両立するかということに気を付けて、リズム隊としてドラムと一緒に表現できたと思います。

HIDE-ZOU:決意の塊を打ち出せたので、それが楽曲の力強さに良い作用をもたらしているんだと思います。録り音の良さ、Mixの音使い、全て含めて今作の洗練された感を感じました。もちろん、レコーディングでの試行錯誤はそれぞれあると思うんですけど、トータルでそう思いましたね。毎度自信作だと言える作品ですけど、今回は客観的に聴いてもすごくパワーがあるなと。だからこそ、いろんな人に聴いてほしいという気持ちが強くなりました。

HIROKI:前までドラムプレイ的には結構腰高なテクニカル要素があったんですけど、「Revive ~荒廃都市~」「Deadly sin」からビート感、グルーヴを大事にして、逆にドッシリしたプレイで皆をグイグイ引っ張っていくようなアレンジを心掛けていました。今回の「UNCROWNED KING」はミドルテンポですけど、ゆったりした中にもスピード感を感じさせるようなプレイを心掛けつつ、音の厚みも他の楽曲とは違うドッシリしたパワー感を感じられると思います。フレーズ的にもテンポ感もすごく得意な楽曲ですね。

――この楽曲はドラムの音色がすごく気持ち良くて、カッコいいなと。

HIROKI:レコーディングスタジオが結構天候に左右されるところがあって(笑)、晴れた分、音の抜けが抜群に良かったんですよ。自分の理想の音が突き詰められましたね。革なので、湿気があると結構デッドになっちゃうんですけど、この時はカラッカラでヘッドも絶好調だったので、めちゃくちゃ良い音で録れました。

Ruiza:晴れた日は、シンバルの余韻がめっちゃ長いんですよ(笑)。

――そんなに違うものなんですね…!

ASAGI:湿気があるとダメだったわけではないんですけど、今回、曲にすごく合っていたと思うんですよね。広がりやテンポ感とシンバルの長い音も合っているし、それが壮大さにも繋がってきているんだと思います。だから、上手いこといったんじゃないですかね…天候も左右するHIROKI(笑)。

HIROKI:ライブは雨なんですけど、レコーディングは晴れさせるっていう(笑)。

――ぜひライブもお願いします(笑)。

HIROKI:ツアーは気を付けます(笑)。

§

Tsunehito

――「Antiserum」はさらにたっぷりとしたテンポ感のミディアムナンバーです。個人的には、普通に聴くのとイヤホンで聴くのとで、楽曲の印象が変わるなと思って。

ASAGI:確かに、イヤホンだと伝わり方が生々しいかもしれないですね。

――そして、ギターソロがものすごくメロディアスですね。

Ruiza:ありがとうございます。曲がめちゃくちゃカッコいいので、すごく考えました。音数は全体的にそんなに多くないんですけど、内に秘めた熱い感じを出したくて、ペンタトニックを上手く使いたいなと、音の選び方をめちゃくちゃ考えましたね。

Tsunehito:この曲はゆったり、ドッシリしていて、チューニングもすごく低いので、リズムを走らずヘヴィーさを出すというのが難しくて。テンポがゆっくりめなので、イントロの休符の感じ方、ギター陣とユニゾンで合わせていってノリを出すということや、サビの前半部分は休符が入っていて、それで抑揚を出すというのが難しかったですね。普通にルート弾きでコードを支えて弾く部分も、のっぺりしないように抑揚にすごく気を付けました。

HIDE-ZOU:この曲は本当に低いんですよね。開放弦ローGまで下げているので、曲の印象としても楽器は低いところでドッシリと支えていて、そこにメロディアスな歌があり、曲の意味合いもすごくリンクしていると思います。今までの僕らの曲の中でも特別な位置になるんじゃないかなと。先日ライブで初披露した時もすごく入り込めました。ギターの録り方も実験的なことができて、ローチューニングの楽曲としてのレコーディングの仕方を学べたので、今後に活かせればいいなと思います。

HIROKI:イントロ部分で、8分を踏みながら16分フレーズを入れているのがポイントになっています。Aメロの裏打ちはミドルテンポなんですけど、音が途切れないようにギリギリまで引っ張ることを心掛けました。その音の繋ぎ目を丁寧に演奏することがグルーヴのきっかけにもなるので、そういう部分は上手く昇華できたと思います。サビはハットを16分で刻んでいるんですけど、そのハットとスネアとキックの兼ね合いも上手くできたと思いますね。でもやっぱりドラムとしてはイントロが聴かせどころで、そこに命を懸けたので、その辺を感じてもらえたらなと思います。

――「Absolute zero」は作曲者がRuizaさんとASAGIさんの連名ですが、原曲をRuizaさん、そしてASAGIさんが再構築という形でしょうか?

Ruiza:そうですね。ASAGI君から、キルヒアイスがドライツェンを凍らせるシーンという話を聞いて、「Deadly sin」「狂王」そして「Absolute zero」に繋がっていくところで、自分にそんな発想はなかったので、めっちゃすごいなと思って。そういうシーンの楽曲を作ってくれないかと言われたので、これはぜひ作りたいなと取り組んだ曲ですね。

――イントロのギターのタッピングのフレーズが印象的で。速い上に長尺かつたくさん出てきますよね。

Ruiza:はい(笑)。元々僕が作った時はそこにギターは入れてなくて、ピアノとハープシコードの音色で構築していたんですよ。それをASAGI君に聴いてもらった時に、その部分をタッピングでできないかなという話が出て、できるような音使いに調整していきました。元々はタッピングをずっと貫くようなフレーズじゃなかったんですけど、頭からイントロいっぱいまでずっとタッピングにしたことによって、ものすごく良くなりましたね。

――Ruizaさんはタッピングは得意なほうですか?

Ruiza:どうなんですかね。自分で上手いとは思わないですけど、好きな技法の一つですね。ピッキングでは届かない高低差が出せますし、ピッキングとタッピングで浮かぶイメージがまるで違うので、面白いなと思います。ピッキングとタッピングで同じことを弾けるフレーズもあるんですけど、聴こえ方は全然違うんですよね。

――HIDE-ZOUさんが得意な技法を挙げるなら何ですか?

HIDE-ZOU:色々な弾き方がありますけど、得意っていうのは…。

Tsunehito:ダウンピッキングじゃない?

Ruiza:めちゃくちゃ速いからね。

――そういえば以前、ダウンピッキングで自分の限界を超えるという話をしていましたね。

Tsunehito:本当にちょっと異常なくらい速いから、ヤバイですよ(笑)。

ASAGI:YouTubeに上げたほうがいいよ。

――ダウンピッキングコンテストをしようと言っていましたよね(笑)。

HIDE-ZOU:そうだ、やりましょうやりましょう。

ASAGI:この記事が上がった後に動画を上げて、「これがあの時の…」とリツイートしていただくと(笑)。

――ぜひ(笑)!

HIDE-ZOU:「俺のほうが速い」っていう奴がいっぱい現れますよ。

ASAGI、HIROKI:競えばいい。

HIDE-ZOU:まずは240のダウンピッキングを16小節続ける。

Ruiza:長いなー(笑)。

HIDE-ZOU:でも真面目な話、ライブの映像を見るとまだ無駄な動きがあるんですよ。その無駄を削ぎ落とせれば、もっとテンポを上げられると思うんですよね。…言っちゃったので、やるしかない(笑)。

――楽しみにしています(笑)。話は戻り、ASAGIさんは「Absolute zero」の再構築はどのような部分に重点を置いたのでしょうか?

ASAGI:原曲を聴いた時にこれはストーリーを表現できるイントロになっているなと思って、かつ氷や結晶の冷たいイメージが伝わってきたんですよね。キルヒアイスの感情が露わになるということを目指したかったので、人間的ではなくヴァンパイア的な感情を表現するのに、ギターのタッピングは必要だと思いました。あとは、とにかく曲の持つ可能性を最大限に引き出せればなというところで、全体像を含めメロディーやコード、構成の再構築に力を入れましたね。

――リズム隊のレコーディングはいかがでしたか?

HIROKI:得意なフレーズをふんだんに入れていて、イントロやサビはツーバスで突き進んでいるので、疾走感を感じてもらえると思いますし、Bメロの流れる感じのフレーズは理に適っている動きで、さらにサビで開けるというアプローチです。楽曲の展開がすごくメロディアスなので、そこを最重要視してアレンジしました。

Tsunehito:スピード感のある楽曲だったので、ドラムと共に疾走感は出せるように意識したのと、他の曲も含め今作のベースプレイはシンプルにしようと心掛けたんですよね。フレーズを最小限の動き方にして、細かい音符の連打もなるべく減らして、チューニングが低いので一音一音の太さを大切に、音数で埋めないようにドラムと共に下を支えるようにしました。他の楽器と上手く分離して、ベースが良い立ち位置で支えることができたなと。素晴らしい仕上がりになったと思いますね。

§

HIROKI

――今回もインストゥルメンタル曲が収録されています。

ASAGI:タイトル「Invisible enemy」は僕が考えましたが、全体の構成はツネですね。

――各パートのセクションがありますが、ドラムセクションの前に入っている異国感のある不思議なフレーズはどのようなイメージから?

Tsunehito:これまでも四騎士をイメージしてインストゥルメンタルを何曲か作ってきたんですけど、各ソロのコーナーの前に、それぞれが担っているキャラクターをイメージできるシンセなどのセクションがあってから主人公登場という形にしていて。Ruizaさんだったら氷や水、HIDE-ZOUさんは風や緑、僕だったら火や赤、HIROKIさんは土、琥珀色とか、そういうものが聴いてイメージできるような音色を目指しました。音使いもよりシリアスに感じられるように意識して作ったので、HIROKIさんの場合は異国感がウィルダネスのイメージでしたね。

HIROKI:中東っぽい民族音楽を取り入れた感じでアクセントもシンセで入っていたので、それに準ずる形で、あとはもう好きにやらせてもらいました(笑)。他の楽曲はドッシリと構えている分、これは楽器だけなので意識して音数も増やしましたね。ライブで観てもらっても「これは何をやっているんだろう?」というくらいの速さがあると思いますし、フレーズも休符を入れてみたり結構トリッキーなことをやっているので、見応えがあると思います。

HIDE-ZOU:ツネがデモで入れてきたフレーズがすごく良くて、印象に残るメロディーラインだったので、それを踏襲しながら作り変えていきました。風をイメージして、音がこだまする感じにするために、同じフレーズがディレイで返ってくるようなものにしてみたり、自分らしいソロになったなと思います。

Ruiza:キャラクターのイメージや、今回の強い気持ちを入れたいなと思ったので、全体的に熱いプレイができるように心掛けました。胸がギュッとなる感じというか、心を揺さぶるような、この思いが伝わればいいなと思ってフレーズを考えたのと、転調を結構しているので、その繋がりを滑らかにするのをすごく気を付けましたね。

Tsunehito:僕は火を司っている女性のヴァンパイア・カーバンクルの役どころなので、燃え上がるような雰囲気を心掛けました。でも、この曲も自分のソロパートは細かい音を連打するわけではなく、ドッシリとした感じで燃え上がる、ドラマティックになればいいなとスリリングさも出るようにしました。

――そして、初の試みとなるD、浅葱さん(ASAGI solo Works)、Ruizaさん(Ruiza solo Works)によるスリーマンツアーが11月15日からスタートします。スリーマンとは言え、メンバーによっては2ステージ、3ステージ立つ方もいますよね…。

ASAGI:ダブルH(HIDE-ZOU、HIROKI)は3ステージです(笑)。

HIROKI:フル出場(笑)。出たがりなので(笑)。

HIDE-ZOU:転換中も楽屋に戻らずにドラムセットに居続ければいいんじゃない(笑)?

全員:(笑)

HIDE-ZOU:衣装もそこで着替えて、綺麗に畳んで隣に置いておけばいい(笑)。

Tsunehito:ヤバイね(笑)。

――フル出場だと曲数も結構ありますよね?

HIROKI:Dの普段のワンマンでも20曲以上やっているので、曲数としてはそんなに大変ではないですね。もちろん皆全力でやらせてもらいますけど、ASAGIさんとルイちゃんのソロワークは、サポートという立ち位置を意識しながら、学ばせてもらおうと思います。

ASAGI:初の試みですけど、楽しいことは間違いないですね。「UNCROWNED KING」は20周年への決意表明というタイミングで打ち出す最高の曲で、今のDを象徴しているし、代表曲にもなり得るものだと思います。自分たちの思いを詰め込んだこの作品を聴いてもらって、最大領域という夢に皆で参加してもらえたらなと思います。結果、20周年を迎えた時に、自分たち自身はもちろん、お客さんに最高の景色が見られたと思ってもらえるような活動をしていきたいので、信じてついて来てもらいたいです。

――今作は「Dが未来に遺す生前遺言」なんですよね。

ASAGI:そうですね。ブログに書いた通り、“A will”は遺言=最期の言葉、“The will”は決意を意味するので、僕の中ではすごく前向きな言葉として捉えています。“Will”=未来に対してのものなので。Dにとって大切な曲になるだろうし、皆にとっても大切な曲にしてもらいたいし、一緒に最大領域を広げていって、その時々の最高の感じ方を毎回のライブで提示していけたらいいなと思います。まずはぜひ、今の冬ツアーに足を運んでください。会場で待っています。

(文・金多賀歩美)

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ARTIST PROFILE

D

<プロフィール>

2003年4月、ASAGI(Vo)とRuiza(G)を中心に結成。2005年に現メンバーASAGI、Ruiza、HIDE-ZOU(G)、Tsunehito(B)、HIROKI(Dr)となる。2008年5月、シングル『BIRTH』でavexからメジャーデビュー。これまでに世界10ヵ国のワールドツアーや47都道府県ツアーなど、ライブ活動も精力的に展開してきた。2018年4月、結成15周年&メジャーデビュー10周年を迎え、記念作品『Narrow Escape』を手に東名阪ワンマンを開催。その後、ヴァンパイアストーリーの第2章としてシングル『Revive ~荒廃都市~』『Deadly sin』、『組曲「狂王」』をリリース。2019年7月、シングル『道化師のカタルシス』をリリース。11月15日よりD、浅葱(ASAGI solo Works)、Ruiza(Ruiza solo Works)によるスリーマンツアーを開催し、11月20日にはヴァンパイアストーリーの最新作となる『UNCROWNED KING』をリリースする。

■オフィシャルサイト
http://www.d-gcr.com/

【リリース情報】

New Single『UNCROWNED KING
2019年11月20日(水)発売
(GOD CHILD RECORDS)

UNCROWNED KING
[限定盤 TYPE-A]
(CD+DVD)
豪華ブックレット仕様(24P)
GCR-192
¥1,800+税
amazon.co.jpで買う
UNCROWNED KING
[通常盤 TYPE-B]
(CD)
GCR-193
¥1,500+税
amazon.co.jpで買う

【収録曲】

【限定盤 TYPE-A】
[CD]
01. UNCROWNED KING
02. Antiserum
03. UNCROWNED KING(Instrumental)
[DVD]
01. UNCROWNED KING(Music Video)
02. UNCROWNED KING(Music Video Making)

【通常盤 TYPE-B】
[CD]
01. UNCROWNED KING
02. Antiserum
03. Absolute zero
04. Invisible enemy(Instrumental)

初回特典(封入):トレーディングカード(限定盤・通常盤共に全7種中1種ランダム封入)

【ライブ情報】

●GOD CHILD RECORDS Presents「Artistic Radiant Dream」
出演順:浅葱(ASAGI solo Works)、Ruiza(Ruiza solo Works)、D
11月15日(金)新横浜NEW SIDE BEACH!!
11月23日(土)仙台MACANA
11月25日(月)札幌cube garden
11月26日(火)札幌cube garden
11月29日(金)新潟GOLDENPIGS RED STAGE
12月6日(金)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
12月13日(金)金沢AZ
12月15日(日)福岡スクールオブミュージック&ダンス専門学校・イベントホール
12月17日(火)広島SECOND CRUTCH
12月20日(金)OSAKA MUSE
12月22日(日)名古屋ell. FITS ALL
12月26日(木)Veats SHIBUYA