インタビュー プレゼント

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三日月の夜に出会ったのは闇のサーカス団。
『道化師のカタルシス』が描き出す物語の裏側に隠された真実とは――。

2018年、結成15周年&メジャーデビュー10周年を迎え、ヴァンパイアストーリーの第2章としてシングル『Revive ~荒廃都市~』『Deadly sin』、『組曲「狂王」』、さらにベスト盤をリリースしたD。そんな彼らが新たに「闇のサーカス」をテーマに掲げ、シングル『道化師のカタルシス』を完成させた。過去曲の続編であると共に、童話『ハーメルンの笛吹き男』『長靴をはいた猫』『ブレーメンの音楽隊』をそれぞれモチーフとするオリジナルストーリーが描かれた最新作について、5人にじっくりと話を聞いた。

――シングル『Deadly sin』(2018年11月)以来の登場となります。前回のコメント動画で2018年中にやり遂げたいことを聞いていたので、その結果を伺いたいと思います。HIROKIさんは「海を見に行く」と。

ASAGI

HIROKI:…はい。

全員:(笑)

ASAGI:そんなこと言ったっけ?っていう顔してる(笑)。

HIROKI:海…移動中に見てはいると思うんですけどね…。

Tsunehito:ツアー中のフェリーの中からとかはね。

HIROKI:だから…通りすがりな感じですよね(笑)。

Ruiza:自らは行ってない(笑)。

HIROKI:自分の意思では行けていないですね…。昔行っていた海水浴場とか、改めて行ったらどんな感じがするんだろうなと気になってはいたんですけど…今年かぁ!

――(笑)。Tsunehitoさんは、HIROKIさんとRuizaさんオススメの「カイロプラクティックに初挑戦する」でした。

Tsunehito:あぁ…! まだ行けてないんですけど、周りに輪が広がりつつあります(笑)。行った人からは良い評判が聞こえてくるので、行かなきゃとは思っているんですけど…今年ですね(笑)!

――(笑)。HIDE-ZOUさんは「Fishing(海釣り)」と言っていました。

全員:(笑)

HIDE-ZOU:今年かな…! もう行くという計画は、皆で…。

ASAGI、Ruiza、Tsunehito、HIROKI:「皆で」!?

Ruiza:巻き込まれた(笑)。

HIROKI:竿とか全部準備してくれるならいいけど。

Tsunehito:まずは家で、磁石で魚を釣るオモチャで練習すればいいんじゃない?

全員:(笑)

HIDE-ZOU:まぁ、今年に持ち越しましたけど、必ず行きますので!

――Ruizaさんは「趣味のカメラで景色を撮影」ということでした。

Ruiza:カメラを持ってどこかに行くというのはなかなかできてないんですけど、スマホではめちゃめちゃ撮ってますね。小さいカメラを買い換えようと思っているんですけど、小さいなりの金額で、つまりはなるべく抑えて買いたいんですよ。Dをよく撮っていただいているカメラマンさんに相談したら、それなりの金額ではない、ものすごく良いものを紹介されてしまって、そこで止まっています(笑)。買い換えたら、HIDE-ZOU君を撮ります(笑)。

HIDE-ZOU:それはいいですね。ぜひぜひ。

――ASAGIさんは「ソロの楽曲を仕上げて、それからやり残したことを考えます」ということでした。

ASAGI:なるほど、それは制作以外に何も考えられなくなっている状態ですね(笑)。

Ruiza:『もののあはれ』をDのツアーの合間でレコーディングしていたから。

ASAGI:それが無事に終わって…ということは、ちゃんとやってますね(笑)!

――年末年始はプライベートの時間は取れたんですか?

ASAGI:年末年始…プライベートな時間はなかったような?

Ruiza:年末ギリギリまで動いていたんですよね。12月21日の豊洲PITの後に、インストアイベントもまだあって、その最後が12月28日でした。

HIDE-ZOU:年が明けても、ASAGIさんはすぐにソロのゲネがあって。

ASAGI:そう、品川インターシティホール(1月13日)!

Ruiza:さらに翌日はDのFCライブもあったから、その準備に追われていたんですよね。

ASAGI:そう、そうだよね。年末年始はお仕事が忙しかったです。全部メンバーに言ってもらってますけどね(笑)。

§

Ruiza

――ニューシングル『道化師のカタルシス』は「闇のサーカス」がテーマで、2005年リリースのアルバム『The name of the ROSE』収録曲「Art de la piste」「狂人舞踏譜」とも深く繋がっているということですが、このタイミングでこのテーマで作品を作ろうというのは、どのようなきっかけだったのでしょうか?

ASAGI:続編を作りたいものはたくさんあるんですけど、今作のきっかけは、このスタジオ(※今年6月8日にオープンしたGOD CHILD RECORDSの自社スタジオ「Studio Rosarium」)で。カーテンや小物を見ていたら、サーカスのイメージが湧いてきたんです。そこで前から描きたかった「Art de la piste」「狂人舞踏譜」の続編をやりたいなと。イメージが湧いて来ているうちに、すぐに制作に取り掛かったという感じですね。なので、衣装もカーテンのデザインのイメージを取り入れているんです。

――視覚的なものから生まれたんですね。今作は各曲が独立した物語でありながらも、全て関連性がありますよね。各物語を考えてから、作曲に取り掛かったのでしょうか?

ASAGI:「闇のサーカス」がメインテーマですけど、童話の要素も入れていきたいなと思って。「道化師のカタルシス」は『ハーメルンの笛吹き男』のイメージとサーカスをミックスさせようと考えて、それができてから『ブレーメンの音楽隊』のイメージの「ミシュマシュ」、最後に『長靴をはいた猫』のイメージの「オーガを喰らった牡猫の奇術師」ができたという流れでした。

――「道化師のカタルシス」は冒頭のワルツからサビ始まりのサウンドが劇的な幕開けです。

ASAGI:まさに「闇のサーカス」というイメージから思い浮かぶ音を構築していって、最終的に『ハーメルンの笛吹き男』ということをよりわかりやすくするために、笛から始めた形ですね。

――Aメロに入っているピアノが、主張していないんだけど、実は楽曲の聴こえ方として結構重要な存在なのではと思いました。

ASAGI:確かに、そうですね。ピアノやアコーディオンの音も入っていて、笛、オルゴールとか、サーカスの楽団が演奏しているような楽器をふんだんに入れました。

――ギターソロがドラマティックで、切なさがどんどん増していきます。

Ruiza:小さい頃にサーカスを観に行ったことがあったので、その時のイメージや、こんな感じだったなぁというのを思い返したりして、楽しくてドキドキするところもあれば、次はどうなるんだろうっていうドキドキ感やちょっとスリリングな感じとか、「闇のサーカス」なので、そういう暗い部分も含めて表現したいなと思いました。締めの部分はタッピングを入れているんですけど、その音が上がったり下がったりする感じも、サーカスのいろんなことが起きるという部分とリンクするかなと思って、音の並びを考えました。

――例えば同じAメロでも、1コーラス目と2コーラス目でギターのフレーズが違いますが、そういう細かい部分もASAGIさんのデモ段階で入っているのでしょうか?

Ruiza:そうですね。自分で考えた部分もあるんですけど、2コーラス目のギターのゴリッとした感じは、元々入っていました。ここでミュートじゃなくなるんだ、という新鮮さもありましたね。この部分だけじゃないんですけど、自分とは違う、ASAGI君ならではのフレーズがたくさん入っていたし、アドバイスも色々受けて、新鮮でした。

HIDE-ZOU:ASAGIさんのデモはいつも新鮮さがありますね。今回特に感じたのが、リフは主に低いほうの和音で弾くことが多いんですけど、単音でオクターブ高くして、ちょっとトリッキーな感じになっていて、自分だったらそこには行き着かなかったなと。より映像が浮かんでくる、確かに納得のいくフレーズだなと思いました。「道化師のカタルシス」の中でリフの担っている部分というのはすごく重要で、実は弾き方もちょっと特殊なので、プレーヤーが聴いたら「これ、どうやって弾いているんだろう?」と思わせることができると思います。

――難易度は高いということでしょうか。

HIDE-ZOU:単純に弾くのが難しいとかではなくて、どう弾けば、その音になるんだろうというのを細かく突き詰めていくと、すごくこだわりの部分が感じられると思いますし、計算し尽くされている感が出ているというか。なので、奥が深いという意味で、難易度が高いと思いますね。

――インストゥルメンタルでも十分楽しめるので、イコールそれは、細部まで突き詰められた結果なんだろうなと感じました。

ASAGI:突き詰めましたね。もちろん皆に任せている部分もあるんですけど、思い浮かぶ景色をどういうふうに表現しようかなと思った時に、単音のギターフレーズや、サビ後半のベースフレーズだったり、これはマストだなというものが色々とあったので、そこを上手く世界観と馴染ませることができたなと思います。

――BメロのベースのうねりはTsunehitoさんらしくもあり、サビに向かう場面展開を感じます。サビ後半のフレーズは意外でした。

Tsunehito:サビは前半後半でフレーズの感じが違って、後半の「タットッタットッ」というフレーズはマストな部分で、ASAGIさんからサーカスをイメージさせるものとしてこういうフレーズにしてほしいという話がありました。それプラス、最初のサビとかはドラムが速いので、ベースも同じように細かい音符で弾こうかとか色々と試したんですけど、結果的に細かい音符で詰めるよりは音数を減らしていって、サビ後半で「タットッタットッ」になるという流れは、景色が見えるようなものになって、すごく肝になっているなと自分でも感じます。サビ後半は、どこにどの音を置くかというのと、一音一音の長さも悩みながらやっていったので、その甲斐あって軽快さと粘る感じが上手く出せたなと思います。

――キメが結構たくさんありますが、それもDの楽曲の特徴の一つで、ライブでより映える要素でもあるんだろうなと。ドラムは今回も所々速いですね。

HIROKI:冒頭のマーチングドラムのところから0サビ突入の時のブラストビートは、デモの段階でASAGI君からインパクトが欲しいということで、フルショットでやらせてもらいました。ライブでも体感してもらえると思います。ABをメロウな雰囲気で展開していった後のサビで疾走感がある感じという食らいつき感は、上手く出せたなと思いますし、オーラスのサビでは0サビと同じようにブラストに戻るので、一音一音しっかり出るように心掛けましたね。ツーバスかつ全手足が一緒になっているフレーズなので、全音が重なる部分と、その隙間に入る音って、確実に後者の音が小さくなるんですよね。なので、全音に負けないように隙間の音をちゃんと出すように気を付けました。

――ところで、歌詞に出てくる〈アネモーヌ〉は赤色を意味しているのでしょうか?

ASAGI:そうですね。アルバム『The name of the ROSE』ではピエロが悪役として登場するんですけど、今回はピエロ目線の曲を描きたかったんです。ピエロが少女を攫ったのは、少女が親から酷い虐待を受けて苦しんでいて、その現実から救い出してあげるためという理由があったんだというのを、この曲で表現できればいいなと。なので、肌がたくさん赤く痣になっているというのを〈アネモーヌ〉で表現しました。

――MVはこのStudio Rosariumで撮影されたんですよね。

ASAGI:フラッグガーランドも含め、撮影の前日から皆で飾り付けをしたので、結構ギリギリでしたね(笑)。でも、すごくサーカスの雰囲気になって良かったなと思います。

――ちなみに、MVに出てくるネズミ役はどなたですか?

ASGAI:ん? あれはネズミの王様ですよ(笑)。『ハーメルンの笛吹き男』でネズミが出てくるんですけど、物語では川に溺れさせたという内容もあったので、自分がオリジナルで描くなら溺れさせたくないなと思って、チーズを差し上げて、ネズミの王を説得して、ネズミたちを森の奥に逃したという内容にしたんです。なので、MVにもネズミの王様が出てくれました。

§

HIDE-ZOU

――「オーガを喰らった牡猫の奇術師」は『長靴をはいた猫』がモチーフでありつつ、道化師とのストーリーになっていますね。

ASAGI:『長靴をはいた猫』のその後を描きたくて、あの物語の結末の後に旅に出て、闇のサーカス団と出会うという内容にしました。

――メロディアスだけど切なさがあるサビがグッときます。そして、2サビ後のグルグルするイメージの間奏が面白いなと。

ASAGI:回転木馬が高速で回るイメージにしたくて、それを表現するために最終的に構成を作り替えたんですよ。そこに置いてある回転木馬のミニチュアを見て、この曲の世界観を思い付いたんですけど、回転木馬には動物が12匹いて、亡くなってしまった動物たちが辿り着く楽園をイメージした「13月の夢見丘」(2010年リリースのアルバム『7th Rose』収録)という曲があるんですけど、そこに行くための回転木馬の番人をこの猫に担ってもらおうと思って。それで、回っている感じにしたくて、このへヴィーなイントロのギターリフが思い浮かんだりしました。動物たちは楽園に行くんですけど、間奏のところは、そこへ行きたいという醜い人間は振り落とされるというイメージにしたかったんです。それは、あの回転木馬におじさんがしがみ付いているのを見ながら、「あー、これは振り落とされるおじさんだな」と思って(笑)。

――かなり具体的に歌詞に反映されたんですね(笑)。楽器隊の皆さんは、この楽曲のレコーディングはいかがでしたか?

Ruiza:イントロのフレーズはすごく独特で、単音と和音の絶妙なバランスになっていると思います。完成したものを聴くと、インパクトもあるし迫力もすごいし、とても好きな楽曲ですね。

HIDE-ZOU:今作の楽曲はどれも個性があるんですけど、特にこの曲はライブ感を意識しつつ、今までならこうであっただろうという部分を全部取っ払って、新しい方向性に持っていけるように考えました。ASAGIさんにアドバイスをもらいながら、これまでとはまた違うギターが弾けたなと思います。リフもそうですし、全体的な雰囲気、サビの縦ノリを意識した感じもポイントかなと。

ASAGI:そう、サビの縦ノリは長靴を履いた猫がジャンプしているイメージでしたからね。

HIDE-ZOU:それに、一貫して物語の映像が見えますね。『長靴をはいた猫』も小さい頃に読んだり、演劇を観て好きだったんですけど、当時はあまり内容をわかっていなくて、何となくの雰囲気で好きなだけだったので、今回の制作を通して改めて見直して、「なるほど」と思うところがありました。

――意外と、しっかりとは覚えていないものですよね。

HIDE-ZOU:やっぱり断片的にしか覚えていなくて、今回の歌詞ができた時に、元の童話のことも含め色々な発見があったので、そういうのって純粋に楽しいですよね。

Tsunehito:リフや曲自体がヘヴィーだったので、それも意識しながらレコーディングしていたんですけど、これまでは回転木馬って自分の中ではすごくキラキラした印象だったのが、この曲の歌詞とストーリーでは人間のドロドロしたものを感じられたので、そういう意味でもヘヴィーさをどうやってベースで出せるか考えましたね。グリスやスライドのニュアンスも意識しながら、この曲ならではの弾き方というのを色々と試しながらレコーディングしました。

HIROKI:曲調が割とミドルテンポでゆっくりめなので、音の食らいつきを最重要視して演奏しました。かつ、フレーズを極力詰め込まずにタイトなビートを、頭の拍をしっかりと感じられるビートを上手く出せたと思うので、聴き手の皆にも感じてもらいたいなと。ライブで披露しても一体感がある気持ちいい曲だと思いますね。

――ちなみに、ここ何回かの取材で思っていたのですが、HIROKIさんは「食らいつき」という言葉をよく使いますよね。

HIROKI:はい。僕、しぶといので(笑)。食らいついたら、ずーっと離さないです。スッポンと同じです(笑)。

全員:(笑)

HIROKI:そのビートを手に入れたら、もう突っ走る人間なので。…表現がヘタクソですね(笑)。

§

Tsunehito

――「ミシュマシュ」はドイツ語で「寄せ集め、ごちゃまぜ」を意味するそうですね。そして、歌詞に出てくる〈フライマルクト〉はブレーメン最大のお祭りとのことで。

ASAGI:そうですね。〈フライマルクト〉は言葉のほうを先に知っていて、どういう意味なんだろうと調べたことがあって、その当時は「フリーマケット」という意味と知り、割と歌詞としては使いにくいなという印象だったんです。だけど、今回の「ミシュマシュ」ではその言葉の響きがスッと入ってきて、メロディーに綺麗にハマったのと、ブレーメンの音楽隊がそこに向かうというイメージがいいなと思って使いました。

――〈五つ目の季節〉が意味するものというのは?

ASAGI:老いた動物たちの寄せ集めという意味での「ミシュマシュ」なんですけど、寿命を終えてしまう直前に闇のサーカス団に入団して、そこは時間の流れが違うので、そこからもっと長い時間生きることができるというイメージにしたくて。〈終点に辿り着く〉というのも、余命が幾ばくもない時に闇のサーカス団が現れるというイメージにしたかったので、テンポを落として人生という列車がゆっくり止まるようなニュアンスが上手く表現できたなと思います。『長靴をはいた猫』と同様に、『ブレーメンの音楽隊』も物語の先を描こうと思って、そこで闇のサーカス団に出会うというストーリーにしたかったんですよね。

――最後のCメロの歌詞が「道化師のカタルシス」にも繋がりますよね。2コーラス目まで淡々と進行してきて、ギターソロ後がCメロのみという構成は結構珍しいパターンだなと。

ASAGI:珍しいですね。世界観ありきだったので、Aメロを4回登場させたかったんです。この4つの間にギターソロが入っちゃうと、物語が仕切り直しになっちゃうので、4匹が出会って、その先にギターソロがあったほうが物語が見えるなと思って。

――なるほど、確かに。そんな構成なので、ギターソロはより重要なものになりますね。

Ruiza:切ない感じが出るよう、気持ちを込めて弾きましたね。特別難しいことをしているわけではないんですけど、表現という意味では難しかったですし、何回も弾きました。この楽曲の物悲しさ、サビでリットしてまた戻って、ギュッとなる感じとか、上手くバトンタッチして弾けたらいいなと思いました。

――インストゥルメンタル曲「アンフィテアトルムはクロワッサンの夜に」のクロワッサンは三日月を意味していて、意訳としては、「サーカスは三日月の夜に」という感じでしょうか?

ASAGI:その通りです。サーカスが行われている空には、三日月が合うなと思って。この楽曲はまさに闇のサーカスが行われている舞台みたいな感じですかね。火の輪を潜ったり、ジャグリング、綱渡り、空中ブランコ、色々な芸が行われているというイメージです。

――これまでのインストゥルメンタルと同様に、Tsunehitoさんが大元のデモを作ったのでしょうか?

Tsunehito:はい。闇のサーカスで色々な出し物が繰り広げられているというのをイメージしながら、このシングルに向けて曲作りをしていたものの中から、フレーズを組み合わせていったりもしました。サーカスのドキドキする感じや、緊張感、スリリングさも入れられたらなというのと、これぞサーカスという音色が、いろんなところから聴こえてくるといいなと思って作りました。各ソロパートはそれぞれに任せて、始まり方やメインテーマはASAGIさんからアドバイスをもらって、頭から掴む感じにしようと調整しましたね。

――Dのインストゥルメンタル曲は、いつも本当に聴き応えがあって楽しめます。

Tsunehito:ありがとうございます。自分が聴いてきた中で、あまりそういうものがなかったんですよね。なので、楽器だけで飽きさせない展開をすごく意識しています。

――では、各パートの聴きどころを教えてください。

HIROKI:他の楽曲は音数を少なくしたんですけど、この楽曲に関しては、もうぶっ込みましたね(笑)。音数もギューッと詰まっていて、かつ、冒頭の部分からすごくソリッドなフレーズ展開もあれば、タイトなフレーズもあって、そういうものが混同しているのが自分たちらしくもあるアレンジです。ソロ部分に関しては各々のテクニカルな要素を詰め込んでいて、聴き応えがあるので、ライブでも見応えがあると思います。

Tsunehito:歪みの音色でソロを弾いているんですけど、音使いも独特の怪しい感じをすごく意識しました。表題曲にもあった「タットッタットッ」というサーカスらしいフレーズをこの曲の中でも意識して、ソロの中でもスタッカートを取り入れています。速く弾いてバーッと流れて終わってしまうようなものにはしたくなかったので、展開として弾むようなものだったり、その弾むというのは、心臓がドキドキする感じを意識しながら、フレーズは緊張感がある感じにできたと思います。

HIDE-ZOU:僕はルイちゃん(Ruiza)の次にソロがあるんですけど、メロディアスなところとアグレッシブなところを入れたくて、後半はずっとタッピングで弾ききっちゃっています。自分の中ではタッピングが過去最長の尺なので、そこは挑戦でもあって、聴いてもらいたいところですね。情景が浮かんでもらえたら嬉しいです。

Ruiza:サーカスは色々な出し物があるので、それを見ていて楽しかったりキラキラした部分と、スリリングな部分を上手くミックスしたものを弾きたいなと思って、ちょっと跳ねるようなフレーズを入れて軽快さを出しているところもあれば、速く弾いたり、下から上まで一気に駆け抜けるような手法を入れて場面展開してみたり、上手く表現できたかなと思いますね。

§

HIROKI

――ASAGIさんの歌詞には知らない名称や言葉が色々と出てくるので、毎回勉強になります。そういう知っていく楽しみや、知れば知るほど深みにハマっていくのがDの魅力の一つでもあるんだろうなと。

ASAGI:ありがとうございます。確かにそうですね。限られた文字数の中で世界観を表現するには、説明が長過ぎると歌詞としてつまらなくなっちゃうので、短い言葉で色々な意味があったり、歴史を感じられるようなものだったり、意味の深い言葉は僕としては使いやすいんですよね。

――日々知識を身につけるように心掛けているのか、歌詞制作にあたってハマる言葉探しをするのか、どちらが多いのでしょうか?

ASAGI:両方ありますね。「これって何ていう言葉だっけ?」と思い起こして、「あ、そうだった!」ということもあるし、調べることもあるし、この言葉はいつか使ってみたいなと思うものもあるし。様々なパターンがありますね。歌を聴いただけではわからなくても、歌詞を見て、そこから伝わる世界観は絶対にあると思うので、そういう部分も拘っています。

――今回もコーラスがふんだんに入っていますが、ほとんどASAGIさんですか?

ASAGI:気合い系のガヤは皆で録って、それ以外は全部僕ですね。今回もクワイアがたくさん入っています。それと、ポイントは「ミシュマシュ」ですかね。それぞれの動物のセクションで、その動物になりきって歌うというチャレンジをしたので、楽しかったです。音源でじっくり聴いてもらいたいポイントの一つで、ロバはロバらしく、犬は犬らしく、猫は猫らしく、鶏は鶏らしく歌っています。

――その部分のレコーディングはすんなりいったのでしょうか?

ASAGI:ほぼ一発ですね。鳴き声の練習をしている時間のほうが長かったです(笑)。ちなみに、〈コケコッコー〉が高音だからすごく抜けてくるんですよ(笑)。ボリュームを結構下げているんですけど抜けてくるので、その音量バランスを最後まで調整していましたね。

――動物好きのASAGIさんにかなりフィットした楽曲ですよね(笑)。そして、7月17日からツアーがスタートしますが、楽曲はどんなラインナップになりそうですか?

ASAGI:今作をメインに、「Art de la piste」「狂人舞踏譜」も織り交ぜながら、動物が出てくる楽曲や、舞台っぽい世界観の楽曲を入れていけたらいいなという感じですね。あとは、童話っぽいものも入れたらより楽しめるかなと。

HIROKI:今作もライブ映えする楽曲ばかりですし、Dの歴史ある活動の中での楽曲との繋がりも楽しめるツアーになると思います。今作を聴いて、会場に足を運んでもらえたらなと思います。

ASAGI:「食らいついてこい」って言わないと(笑)。

全員:(笑)

Tsunehito:新たなテーマのシングルなので、それを一番に楽しんでもらいたいです。ライブが始まる前のドキドキ感もサーカスっぽいんじゃないかなと思うし、久々にやる曲もあると思うので、何が飛び出すかというのもドキドキ楽しみにしながら、一緒に熱い夏を過ごしてほしいです!

HIDE-ZOU:この世界観でのヴィジュアルは初めてなので、視覚面でも楽しんでもらえると思いますし、ライブは過去曲と新曲を織り交ぜながら、過去曲もお互いまた違った楽しみ方ができるんじゃないかなと思います。以前までのヴァンパイアストーリーとはまた違ったステージが観られるので、ぜひ来てください!

Ruiza:関連のある曲や、ASAGI君が言ったようなものは本当にハマると思うし、そういう部分はDならではというか。16年やってきて生み出した曲たちが見事にハマると思うと感慨深いです。Dだからできる闇のサーカスが出せると思うので、楽しみにしています。頑張ります!

ASAGI:新曲たちを主軸にDの歴史を感じられるようなライブはもちろんですけど、カタルシスを感じられるようなものにしたいなと思っていて。ピエロの恐ろしさ、その裏側に隠された悲しみや慈愛を感じて、心が洗われたような感覚になって帰ってもらえるようなライブにしたいですね。

Tsunehito:HIROKIさんとRuizaさんの地元にも行きますし、ファイナルはASAGIさんの誕生日当日で、初めての会場(赤羽ReNY alpha)でもあるので…食らいついてこい!

全員:(笑)

(文・金多賀歩美)

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ARTIST PROFILE

D

<プロフィール>

2003年4月、ASAGI(Vo)とRuiza(G)を中心に結成。2005年に現メンバーASAGI、Ruiza、HIDE-ZOU(G)、Tsunehito(B)、HIROKI(Dr)となる。2008年5月、シングル『BIRTH』でavexからメジャーデビュー。これまでに世界10ヵ国のワールドツアーや47都道府県ツアーなど、ライブ活動も精力的に展開してきた。2018年4月、結成15周年&メジャーデビュー10周年を迎え、記念作品『Narrow Escape』を手にアニバーサリー東名阪ワンマンを開催。その後、ヴァンパイアストーリーの第2章としてシングル『Revive ~荒廃都市~』『Deadly sin』、『組曲「狂王」』、ベスト盤をリリース。2019年7月17日より、最新作『道化師のカタルシス』を引っ提げた全国ツアーを開催する。

■オフィシャルサイト
http://www.d-gcr.com/

【リリース情報】

道化師のカタルシス
2019年7月10日(水)発売
(HPQ)

道化師のカタルシス
[TYPE-A]
(CD+DVD)
※豪華ブックレット仕様 
YICQ-10416/B
¥2,400+税
amazon.co.jpで買う
道化師のカタルシス
[TYPE-B]
(CD)
YICQ-10417
¥1,500+税
amazon.co.jpで買う

【収録曲】

【TYPE-A】
[CD]
01. 道化師のカタルシス
02. オーガを喰らった牡猫の奇術師
03. アンフィテアトルムはクロワッサンの夜に(Instrumental)
[DVD]
04. 道化師のカタルシス(Music Video)
05. 道化師のカタルシス(Music Video Making)

【TYPE-B】
[CD]
01. 道化師のカタルシス
02. オーガを喰らった牡猫の奇術師
03. ミシュマシュ
04. 道化師のカタルシス(Instrumental)
初回特典(封入):トレーディングカード(全7種中1種ランダム封入)

【ライブ情報】

●D Tour 2019「道化師のカタルシス」
7月17日(水)新横浜NEW SIDE BEACH!!
7月19日(金)高崎club FLEEZ
7月25日(木)広島SECOND CRUTCH
7月26日(金)福岡DRUM SON
7月29日(月)神戸VARIT.
8月2日(金)HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
8月4日(日)仙台CLUB JUNK BOX
8月7日(水)札幌cube garden
8月8日(木)札幌cube garden
8月11日(日)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
8月12日(月・祝)金沢AZ
8月17日(土)HEAVEN’S ROCK宇都宮 VJ-2
8月23日(金)OSAKA MUSE
8月24日(土)名古屋ell. FITS ALL
8月29日(木)赤羽ReNY alpha

●“浅葱”単独公演「妖狐の嫁入り~京都炎上編~」
9月22日(日)京都MUSE