前作『LAMENT-ラメント-』を継承した新作『ALONE/アローン』が完成。“哀しみ”は、愛と生命力に溢れた“希望”へ――。
2017年3月のシングル『GAMUSHARA』『WHITE DUST』同時リリース以降モードチェンジを図り、EP連続リリースの3作目『LAMENT-ラメント-』(2018年10月)をもって、遂に一つの到達点に辿り着いたThe THIRTEEN。そんな彼らが、『LAMENT-ラメント-』を継承しながらも、さらにグレードアップしたEP第4弾『ALONE/アローン』を完成させた。前作で描いた“哀しみ”は、今作によって愛と生命力に溢れた“希望”へ。ピアノをフィーチャーし、歌モノに振り切った作品でもある『ALONE/アローン』について、真緒(Vo)と美月(G)にじっくりと話を聞いた。
◆アンサンブルの響きや空気感のほうを大事にしたい(真緒)
――前作EP『LAMENT-ラメント-』から約半年ということで、今回もスパンが早いですよね。
真緒:ツアーをやって、従来の曲と合わせてワンマンが構築できた時に、逆にまたこういう曲もできるんじゃないかという更新で曲を作ってきているので、絶えないっちゃ絶えないんですけど、やっぱりスパンは早いので、大変だなというのはありましたね(笑)。
――ただ、『LAMENT-ラメント-』はそれまでと違って、あまりライブを意識した制作ではなかったと言っていましたよね。そういう点で言うと、今回の『ALONE/アローン』はどちら寄りでしょう?
真緒:意識的には『LAMENT-ラメント-』を継承しているほうが強いですかね。EP3作目での自分たちの手応えと、自分が経てきた音楽性の今がこういうことなんだろうなというのが確認できたので、もう一段階肉付けというかグレードアップできたらなという作品が今作かなと思います。
美月:毎回なんですけど、出来上がってこういうインタビューをする時期に、「もう次はないで」って思うんですよ(笑)。
――出し切った感(笑)。
美月:はい(笑)。今、曲を作れと言われても、もう何もないですよという状態になるんですけど、ツアーを回ってライブをやると、不思議とまた出てくるんですよね。そういう意味では、制作の段階ではやりたいことが色々とあって、次から次へとスムーズに進んでいったので、何したらいいんやろかというような苦労はなかったですね。ただ、スパン的には早いしシングルではないので大変でしたけど(笑)。
――今作は、これまでのThe THIRTEENの作品の中で一番すんなり入ってきつつ、大人っぽい作品だなという印象があって。紆余曲折あった今のThe THIRTEENだからこそできた作品だろうなと。
真緒:おっしゃる通りだと思います。
――明るいわけではないのに、全体的なムードとして幸福感があるなと思いました。そもそも、Sadieは悲しみ、痛みから生まれるものを生きる力に変えてきたバンドですが、『LAMENT-ラメント-』からの『ALONE/アローン』の流れはまさにそういうものが表現されていますよね。作品として描くもののテーマとサウンドや楽曲のカラー、どちらが先に固まっていったのでしょうか?
真緒:うーん…イメージのほうが強いですかね。良し悪しはわからないですけど、今はチューニングがこうじゃないととか、ガツガツなヘヴィーじゃなきゃというような概念がなくなったんですよね。どっちかと言うと、アンサンブルの響きや空気感のほうを大事にしたいかなと。自分たちの音楽は、そういうものを色濃く出しやすいというか。だから曲を作る時に、こういうリフがあって、こういうチューニングで、メタルでとか、そういう会話は今回一切出てこなかったですね。色や情景で例えたりしながら作っていきました。なので、雰囲気と絵面ですかね。
――大人っぽいという印象にも繋がる要因の一つだと思いますが、今作は全6曲中4曲(「サイレン」「悪女」「alone without equal」「A Matter of Life and」)にピアノが入っていて、大分キーになっていますよね。各曲の中でここまでピアノをフィーチャーして、1枚の作品としてこれだけ多用するのも初めてですよね。
美月:『LAMENT-ラメント-』のその後というニュアンスで次の作品を作ろうとなって、いろんなパターンを考えた時に、パッとピアノが浮かんだんですよね。今までにもピアノが入っている曲はあったんですけど、自分の打ち込みの範疇だったので、今回はちゃんとピアニストを入れて、ディスカッションしながら作っていきました。せっかくなので作品として一つのキーになるように色々と入れようかなと。誰もやってないかな、なかなかないんじゃないかなと思って始めたんですけど、この間MUCCがやってました(笑)。
真緒:『壊れたピアノとリビングデッド』って言うくらいやからね。
美月:ただ、それを意識したわけでも何でもなく、ピアノをフィーチャーしたら面白いかなと思ったので。やっぱりアレンジの幅も広がるので、今までに聴いたことがないものが出るだろうなと思ったし。僕は弾けないので、ピアニストにイメージを伝えて一緒に作り上げていきました。
――ピアニストは、これまで真緒さんのクラシックコンサート、美月さんのバースデーライブに出演していた真島聡史さんですか?
美月:そうです! 僕が「ジャズや」とオーダーして、最初はやっぱり置きに来るんですよね(笑)。で、「もうちょっと崩していいです。攻めていいです」「いや、これは攻め過ぎや、歌われへん(笑)」みたいなラリーを4~5回して、今の形になりました。
――今までに一緒にやってきた関係性があるのは良かったでしょうね。
美月:そうですね。こんなの好きでしょ?というのもわかるでしょうし、クラシックコンサートでほぼ全曲アレンジを担当してもらっていたので、僕らのバンドの空気感もわかってもらえていて、そういう意味では理解が早かったですね。
――今作の1曲目であり、リード曲「サイレン-siren-」はまさにピアノがキーになっています。特にAメロの裏でかなり主張していて驚きました。でも不思議と歌メロとの絡み合いが心地いいです。
美月:そこのバランスが、ピアニストと一番やり合った箇所です(笑)。いい感じになって良かったです。
――この楽曲は1曲で悲しみからの希望を感じられる曲ですが、「Lament」に引き続き、最後のブロックの転調の効果は大きいなと。
真緒:こういう展開が好きというのもあるんですけど、今回「サイレン-siren-」を作る時に「Lament」をあえて意識して、構築からほぼ一緒にしていこうと思ったんです。だから、歌始まりですし、曲の流れ方も一緒なんです。あえて同じもので、空気感が違うものを作ってみたいなというのがありましたね。
――「Lament」もそうでしたが、「サイレン-siren-」もグッとくる泣きのギターソロですね。
美月:「Lament」にあえて当てているというのもあって続編みたいなものなので、キーは全然違うんですけど、空気感やコードの流れを継承している部分もあります。ギターソロは大変でしたね。最初パッと何となく弾いたやつが、「Lament」やん!ってなったり(笑)。聴こえ方も普通の音ではなく、「Lament」と同じ感じでオクターバーという1オクターブ高い音とダブルで鳴らして「Lament」感は出しつつ、フレーズもグッと来るところを考えました。
――こういう泣きのギターソロは、もはや得意分野なのではと思いました。
美月:そもそも昔はお任せしていて、ギターソロなんて考えたことがなかったですから(笑)。でも、曲、歌詞に合わせたグッと来るものは確かに得意かもしれないです。
――美月さんはステージでの真緒さんのことを「感情の人」とよく言っていますが、美月さんも割とそうじゃないかなと。
美月:そうですね。僕も毎回その場の空気感で変えたりしますし。
真緒:彼は大きく感情の浮き沈みがあるタイプではないんですけど、インスピレーション、第一インパクトみたいなものを大事にする人なんだろうなとは思いますね。緻密にこういう理論だからこうじゃなきゃダメだみたいな考え方よりは、「これやろ!」みたいな、閃きの人なんだろうなと。
◆ライブが一番楽しみなのがこれかもしれない(美月)
――「悪女」はインパクトあるタイトルですね。
真緒:女の人の話だし、横文字のイメージもなくて、こういう曲調なので何となく良いかなと(笑)。
――歌メロの曲調の割に、バックのサウンドはハードですよね。
美月:この手の曲は、もっとジャズにできるんですけど、ライブを考えた時にそれも違うなと思って。もちろん、ジャズ要素が強いセクションもあるんですけどね。
――そもそもこの曲は、どのようなテーマから作っていったのでしょうか?
真緒:単純に、いわゆるシャッフルビートの曲が今までなかったので。リズムだけシャッフルビートというより、もっとジャジーテイストが歌メロで反映できるようなニュアンスの曲が欲しかったんです。ジャズピアノをしっかり入れて、コードも濁したようなコード感というか。Sadieの時もシャッフルは色々と試したんですけど、もう一段階ブルースジャジーな雰囲気に持っていけたらなと思うことがあって、今回の作品のニュアンスにマッチングしそうだなと思って着手しましたね。
――ちなみに、歌詞にある〈フゼアの香り〉というのは、主に男性用香水に使われる香りの成分らしいですね。
美月:へー、そうなんや。
真緒:このフレーズのところにハマる3文字を考えていて、〈ムスクの香り〉もベタやなと思って。そういえばフゼアってあったなと。…マニアックなこと聞きますね(笑)。
――(笑)。知らない言葉だったので調べたら、そういうことかと歌詞の意味合いも納得できたので。
真緒:3文字で、あまり皆が口にしないようなワードということで。
――「Sinister Design」(TYPE-Cのみ収録)は今っぽさのあるサウンドメイキングだなと思いました。
美月:そこは意識しました。一つライブ曲は欲しいなと思ったんですけど、メタルじゃないなというのがあったので、何となく頭の中にあったこの曲の原型を、今のラウドロック界隈をイメージして具現化していきました。
――「Sinister Design」はTYPE-Cのみ収録ですし、その他の5曲で言うと今作は割と歌モノに振り切った感があるなと思って。『LAMENT-ラメント-』の時に、本当は歌メロに徹してシャウトを全部なくそうと思ったけど、最低限必要なものは入れたというお話があったので、今も引き続きそういうモードということでしょうか?
真緒:今更になって、歌メロの色々な振り幅を考え付くことが多くなってきたというか、閃きが多くなってきて。自分のキーも上がったので使える幅が広がって、それを今出したい出したいというだけかもしれないです(笑)。シャウトって、ずーっとやってきたので、パターンも限られてくるんですよ。皆、シャウトの部分の歌詞はあんまり気にしていないでしょうし、僕の中ではシャウトは楽曲のサウンドを支えるためにあるイメージなんです。やり尽くしているから、ここでシャウト入るんでしょ?と思われるのも嫌だし。自分の中で、また色々な声色とシャウトを使えるようになって、試してやりましょうとなったら、後にガンガン放り込むんでしょうけど、今は歌メロを作るほうが楽しいというか、もっと閃くなというところで。
――歌メロを重視する楽曲になると、必然的に歌詞も伝えることに重きを置くようになりますよね。
真緒:そうなんです。だから、めちゃくちゃ大変ですよ。
――前回、ライブを楽しませる人になりたいのか、自己表現者になりたいのかのスタンスの違いというお話が出ましたが、「alone without equal」はまさに後者のものだろうなと。
真緒:僕の中で、『ALONE/アローン』を1曲で表すならこれなんですよ。だからタイトルも「alone」が入っているんですけど。1曲の中で情景がちゃんと思い浮かべられるバックのサウンドの流れがあって、儚さと切なさが織り混ざっているものかな。
――ではリード曲が「サイレン-siren-」になったのは、なぜですか?
真緒:「『Lament』と似てない?」「あえてそうしたんだよ」という説明がしたかったんですよ。あとは、「サイレン-siren-」はいろんな要素を入れ込んだバランス感と、入りやすさはありますかね。それとMVにしたり、宣伝材料としてのわかりやすさというのも重要ですしね。
――ただ、本来のメイントラックは「alone without equal」だと。
真緒:僕の中でですけどね。このEPの中で、あるかないかで作品の重さの違いが一番出るのは「alone without equal」だと思うんです。他の曲は欠けてもそこまで印象は変わらないけど、これが欠けたら印象がガラッと変わってしまう、一番肝になると思いますね。
――確かに、そうですね。そしてこの楽曲は間奏がすごくお洒落ですね。
美月:これ、コードがわけわかんないんですよ。自分でもわからないので、譜面を書いてくださいと言われても書けない。自分が押さえているところはわかりますけど、これが何ていうコードかと言われると「?」です。ピアニストにも「これ何です?」と言われて、わからないからその場で弾いたら「なるほど、これは難しいですね」と言っていて。これが肝になるので、そのあえて引っかかっている部分をピアノでも当てていって、この空気感を継承してさらにブラッシュアップしました。コードと印象が「何かすごいですね」というのが伝わればいいかなと思います。逆にライブが一番楽しみなのがこれかもしれないです。
――ライブでどのような雰囲気になるのかまだ想像ができていないので、楽しみです。
美月:ほぼ皆、ステージの真ん中を見ているでしょうね(笑)。
真緒:ただ、最後サビが2周あるやんか。それが耐えられるかやな。「なげー!」ってなるやろな(笑)。
美月:思うやろな(笑)。まぁ、ムード重視の曲です。
◆この曲はベースが一番大事っす!(美月)
――打って変わって「last period.」はキャッチーです。既にライブで結構されていて、3月21~23日に行われた3周年記念3daysでは3日間とも本編ラストがこの曲でしたよね。
真緒:元々、掛け合いで一緒に歌えるものということありきで作りましたね。前作収録の「Rhapsody in Blue」の延長で、もう一つお客さん参加型のものをと思って。
――Sadieファンがすんなり入れる曲だろうなと思いました。
真緒:メロディーとテンポ感ですかね。
――そうですね。でも、曲調だけでなく歌詞で描いているものも大きな要因の一つかなと。真緒さんからファンの皆さんに向けたメッセージでもあるのでしょうか?
真緒:そういう部分はありますね。最後の4行が大事で、そこを歌いたかっただけなんですよ。自分が今やっていること、3周年という流れもあったので、決意表明的なことを改めて言葉で発せられるものが欲しかったんです。
――ちなみに、「last period.」と同様に、Sadie活休前ラストシングル「Voyage」も最後がファンの皆さんと一緒に歌う〈lalala…〉だったなと思い、ふとMVを見返したら「Voyage」と「サイレン-siren-」のMVが近い雰囲気だなということに気付いたんです。歌詞テロップやロケ場所のテイストだったり。
真緒:あっ、言われてみれば確かにそうですね…! 全然関係なく、今回のロケ地は崖や!って言ってました(笑)。
美月:言ってた(笑)。
真緒:案の定、場所的に砂浜があって。
――勝手にいろんな点と点を繋げてしまいました(笑)。
美月:そうか、なるほどー。監督が一緒というのもありますね(笑)。
真緒:まぁ、今は今ですからね。特に関連性はないです(笑)。
――そしてラストは「A Matter of Life and Death」です。とてもグッとくる、物語のエンディング感があるドラマティックな曲ですが、淡々と進んでいくABメロのゴリゴリなベースが特徴的ですよね。
美月:作る時もそれがメインでした。kazuさんに聴かせるためのデモも、ギターはスンッと終わりましたけど、ベースのフレーズをずーっと考えていましたね。普通にコードと一緒にベースが動くのは嫌だったので、オンコードでずっと流れているような同じような空気感というのを考えて。「この曲はベースが一番大事っす!」というのをkazuさんに伝えてからデモを送りました(笑)。で、ちょっとブラッシュアップしてもらったら、抜群に良くなってさすがでした。
――あのABメロだからこそ、サビがものすごく開けるんだろうなと。前回、明るいコードなのに悲しく聴こえるものを研究中と言っていましたが、この曲はまさにそれに当たるものですよね。
美月:そうですね。サビはガチガチのメジャーなので、多分これを普通にやってしまうと、ただ明るい子供っぽいポップスになってしまうんですよね。そこは色々と、このテンションを入れたらちょっと暗く聴こえるみたいなものを考えて入れました。
◆「愛」や「涙」「生きる」とかは、自分の中で切り離せないものになってきた(真緒)
――今回、「Sinister Design」以外の5曲全ての歌詞に〈愛〉が含まれているのが気になりました。
真緒:何でしょう、愛に飢えているんですかね(笑)。でも、「愛」や「涙」「生きる」とかは、自分の中で切り離せないものになってきたんでしょうね。昔だったら、「悲しみ」「嘆き」というワードが多かったかもしれないですけど、今は丸くなったとかではなくて、自分ができる愛情表現、愛というものを届けたいし、僕は僅かながらの愛を糧に生きているつもりなので、そういう意味でも、これだけ使っているということは自分の中での大事なワードの一つになったんだと思います。あんまり意識はしてなかったんですけどね。
――年齢を重ねるごとに、愛の大切さに気付きますよね。愛で成立しているものって、たくさんあるなと。
真緒:昔は愛って何だよと思ったのが、年齢を重ねると確かにいろんなことに気付きますね。
美月:昔はそんなこと気にしてなかったです。自分のことばっかり気にしていましたから(笑)。
――そして、ツアーが5月4日から始まります。以前、ツアータイトルはあまり深く考えていないと言っていましたが、今回の「Stairway to Heaven」は意味合いが強いなと。
真緒:今回、「A Matter of Life and Death」ができた時にツアータイトルを決めたんですよ。元々この曲は1曲目にしようと言っていたんですけど、作っている最中にサビを変えたら、これはラストのほうが良いなとなって。「A Matter of Life and Death」は「天国への階段」という意味で、これをもう少しわかりやすい言い方でということで、このツアータイトルになりましたね。心の浄化みたいな、終わった後に歓喜の涙みたいな思いになってもらえればという感じかな。
――『LAMENT-ラメント-』リリース直後のライブでは、ようやくモードチェンジした1st EP『EVIL MAD SCIENCE』以降の楽曲だけで本編を構成できるということで、ただ、まだ本編とアンコールの楽曲の差がありすぎるので、もう1作品出したら、ちょうど良いバランスになると思うと言っていましたが、その作品が今回完成したことになります。
真緒:まぁ、もう1作品くらい欲しいですけどね(笑)、ってなるんですよね(笑)。どんどん欲が出るので。でもそれが途絶えたら、これ前の曲と一緒やんとなるだろうし、途絶えないほうがいいと思うんですよね。常に更新していって、振り返ると昔のあの曲、今なら使いたいなと思えるでしょうし。
美月:『LAMENT-ラメント-』以降、感情を動かしたいと思って作った作品なので、フラットな気持ちで来てもらえたらなと思います。僕らもそうですけど、身構えるんじゃなくて、今日は最後どんな感じになるんやろうというのを、毎回楽しみながらできるんじゃないかなと。重々しく終わる日もあれば、穏やかに終わる日もあったり、そういう意味でいつもと違う部分でのツアーの楽しみがあるのが醍醐味かなと思います。終わったらどんな気持ちになるんやろうというのは、僕も読めないです。もちろん浄化という目的には向かっていくんですけど、いろんなパターン、エンディングがあるんじゃないかなと思っています。
真緒:楽曲のターゲット層が明らかに十代、二十代ではないことは、わかっているんですよ。昔は暴れることが前提とか、筋肉痛になってなんぼみたいな感じだったんですけど、今は体を動かすことよりは心を動かすことを大事にライブをしていこうというのがあって。色々な経験を積んできた三十代オーバーの方、年齢以上に人生経験があった方とかのほうが、今僕たちがやろうとしているライブに対して何かを見出してくれるかもなというのが何となくあります。そういう人たちに対して、僕らの音楽を届けられたらなと。心を動かすライブをするので、その覚悟をしといてくださいという感じですかね。
――今は盛り上がらなかったらどうしようという気持ちはないし、究極、クジ引きでセットリストを決めてもやれるようになりたいと言っていましたね。
真緒:そうですね。自分が発したものに対して、思ったよりもイマイチな反応だったら、やるせない気持ちになることってヴォーカリストはあると思うんですよ。責任を持って自分が声を発してお客さんに何かを届けられる唯一のポジションだと思うので。もちろんヴィジュアル系って激しいものからスタートしているので、それを望んでいる人も多いとは思うんですけど、どんな楽曲であれ満足させるという考えも大事だなということですね。
(文・金多賀歩美)
The THIRTEEN
<プロフィール>
2015年9月21日のZepp Tokyo公演をもって活動休止したSadieの真緒(Vo)と美月(G)によるユニット。2016年3月20日にその全貌が明らかになり、5月に1stアルバム『PANDEMIC』をリリース、6月に赤坂BLITZで1stワンマンライブを行った。その後も精力的に活動を展開し、2017年10月に1st EP『EVIL MAD SCIENCE』、2018年4月に2nd EP『URGE-アージ-』、10月に3rd EP『LAMENT-ラメント-』をリリース。最新EP『ALONE/アローン』を引っ提げ、全6ヵ所11公演のショートツアー「The THIRTEEN tour2019 Stairway to Heaven」を行うことが決定している。
■オフィシャルサイト
http://www.the-thirteen.com/
【リリース情報】
『ALONE/アローン』
2019年4月24日(水)発売
(GREEDY RECORDS)
【収録曲】
【TYPE-A】
[CD]
01. サイレン-siren-
02. 悪女
03. alone without equal
04. last period.
05. A Matter of Life and Death
[DVD]
「サイレン-siren-」Music Video
【TYPE-B】
[CD]
01. サイレン-siren-
02. 悪女
03. alone without equal
04. last period.
05. A Matter of Life and Death
[CD]
「サイレン-siren-」Music Video off shot & interview
【TYPE-C】
[CD]
01. サイレン-siren-
02. 悪女
03. Sinister Design
04. alone without equal
05. last period.
06. A Matter of Life and Death
【ライブ情報】
「The THIRTEEN tour2019 Stairway to Heaven」
5月4日(土)横浜BAYSIS
5月5日(日)横浜BAYSIS
5月11日(土)OSAKA RUIDO
5月12日(日)OSAKA RUIDO
5月18日(土)HooK SENDAI
5月19日(日)HooK SENDAI
5月26日(日)名古屋ell.SIZE
5月27日(月)名古屋ell.SIZE
6月1日(土)福岡DRUM SON
6月2日(日)福岡DRUM SON
6月7日(金)新宿LOFT