HIZUMI(Vo)、MASATO(G)、岸利至(Prog)によるNUL.が、過去二度のツアーを共にしたKOHTA(B/Angelo、PIERROT)、初参加となるHIROKI(Dr/D)をゲストに迎えた新体制で、7月13日、渋谷Star loungeにて「NUL. TOUR 2024 “斑 -MADARA-”」をスタートさせた。

HIZUMI
MASATO
岸利至

NUL.としては3月に行われたHIZUMIのバースデー公演以来、約4ヵ月ぶりのステージとなった当夜、まさに新章の幕開けを感じさせる様々なトピックスが並ぶことに。本ツアーに向けて制作された、新たなバックドロップとSEが今宵への期待値を高めれば、ステージセッティングにも変化があり、岸とKOHTAの立ち位置がこれまでと入れ替わり、KOHTAが下手、岸とHIROKIが並ぶ配置となった。実際こちらの方がオーソドックスな配置ゆえ、メンバーもしっくり来ている様子で、本ツアーではこれが基本の形になるそうだ。

KOHTA
HIROKI

そして、新作アルバムを鋭意制作中のNUL.だが、そこに収録されるであろう3曲が初披露となったことは当夜最大のトピックス。「やっちまおうぜ! 体あずけてくれよ!」(HIZUMI)と、1曲目を飾った起爆力のある「Hyena」、中盤に投入されたNUL.史上最も高速(BPM209)だというハードチューン「crumble」、本編最終ブロックに組み込まれた、目まぐるしい展開を魅せる「God alone knows.」と、いずれも攻撃力の高いナンバー揃い。「プロの皆さんなので、ノレるんじゃないですかね」(MASATO)との発言もあったように、そのどれにも最高の熱量で応えたオーディエンスの順応力の高さはさすがの一言に尽きる。

HIZUMI
MASATO
岸利至

なお、バンドサウンドをより強く打ち出した楽曲たちは、HIROKIとの相性も抜群だったことに加え、この日のメンバーのやり取りから察するに、キャラクター的にも彼がNUL.に新たな風を吹かせつつ良好な関係性を築いている模様。この新体制がツアーを通してどのように変化と進化を遂げていくのか、実に興味深い。

最高潮の盛り上がりを見せたアンコールでの「From deep underground」「Plastic Factory」「ジル」をもって当夜は幕となるはずだったが、鳴り止まないフロアの声に応え、急遽ダブルアンコールが実現。本編で披露した新曲の中から、そのあまりの激しさに「バカでしょ? だから皆、バカになっていいよ」という発言が飛び出していた「crumble」を指し、「バカやる?」(HIZUMI)、「バカやろうよ」(岸)と、再びのプレイで白熱のラストシーンを描き出したのだった。

KOHTA
HIROKI

本ツアーはこの後、メンバーそれぞれの地元(山形、姫路、柏)を含む各地を巡り、10月25日に初台DOORSにてファイナルを迎える。「どんどん新曲も入れていこうと思うので、よろしくお願いします」(HIZUMI)とのことなので、当夜披露された3曲の他に、今後さらなる新曲も追加されていくことになりそうだ。“新”尽くしの本ツアーがこの先どんな物語を繰り広げていくのか、見逃さないでほしい。

(文・金多賀歩美/写真・大武ひろあき(コルボ クリエイティブ ワークス))


【ライブ情報】
●NUL. TOUR 2024 “斑 -MADARA-”
7月13日(土)渋谷Star lounge
7月21日(日)柏DOMe
8月3日(土)姫路Beta
9月22日(日)名古屋HeartLand
9月23日(月・祝)大阪Zeela
9月29日(日)横浜BAYSIS
10月6日(日)山形ミュージック昭和Session
10月25日(金)初台DOORS

GUEST MUSICIAN : KOHTA(B/Angelo、PIERROT)、HIROKI(Dr/D)

NUL. オフィシャルサイト