2026.01.23-01.24
machine主催「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」@CLUB CITTA’


昨年10数年ぶりに再起動を果たし、多くのリスナーを熱狂させているmachineの主催イベント・ライブ「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」が、1月23・24日に川崎CLUB CITTA’で開催された。ヴォーカリストHAKUEI(PENICILLIN、The Brow Beat)とギタリストKiyoshi(hide with Spread Beaver、MADBEAVERS、Lucy等)により1999年に結成されたmachineは長い経歴を持っていながらも断続的な活動を行ってきたため、イベントを主催するという思考に至ったことはなかったという。そんな彼らが初めて企画するイベントということで「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」は開催がアナウンスされると同時に大きな注目を集めた。
さらにJILUKA、Psycho le Cému、Luv PARADE、摩天楼オペラ、LM.C、Gargoyle、CASCADE、有村竜太朗という幅広い年代をカバーした豪華な顔ぶれやMCをNoGoDの団長が担うことなども話題を呼び、両日ともに川崎CLUB CITTA’には多くのリスナーが集結。「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」は華やいだ熱気に包まれたイベントとなった。
【DAY1】



初日の公演は団長とmachineでサポート・ドラムを務めるCHARGEEEEEE..による軽妙なMCを経て、JILUKAのライブから始まった。現在のJILUKAは“EGM(エレクトロ×ゴシック×メタル)”というコンセプトのもとに独自の音楽性を構築していることで知られている。Ricko(Vo)のアグレッシブなシャウトやSena(G)のソリッドかつフラッシーなギター、Boogie(B)とZyean(Dr)による重厚なリズム・セクションなどを押し出したハードネスとメロディアスなサビや荘厳なオーケストラ、デジタル・テイストなどを融合させた楽曲は非常に魅力的だ。ドラマチックなサウンドとメンバー全員が織り成す激しいステージングを活かしたJILUKAのライブの駆り立て力は圧倒的だし、今回のライブでは「Screamer」にKiyoshiが飛び入りしたことも相まってオーディエンスは熱いリアクションを見せ、「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」は上々の滑り出しとなった。



続いてステージに立ったPsycho le Cémuのライブは「君がいる世界」からスタート。メンバー全員が極彩色の衣装に身を包んだカラフルなヴィジュアルとキャッチーなサウンド、そしてseek(B)を始めとしたフィジカルなステージングなどにより、ライブが始まると同時に場内をPsycho le Cémuの世界に染めたのはさすがといえる。さらに、ライブ中盤ではDAISHI(Vo)とAYA(G)、YURAサマによるダンスをフィーチュアしたスタイルで「シャクティ シャクティ アスティ」や「激愛メリーゴーラウンド」(HAKUEIが参加した)などを披露。妖艶かつ華やかなステージでオーディエンスを惹き込んだ後、グルーヴィな「MOON PRISONER」や煌びやかに駆け抜ける「愛の唄」で気持ちを引き上げるという巧みな構成でオーディエンスを大いに沸かせてみせた。



Luv PARADEは「FREAK PARADE」や「SHOOT IT DOWN」「MIDNIGHT SUN」といったハイエナジー・チューンを続けて聴かせるライブを披露。TAKAの力感とエモさを兼ね備えたヴォーカルとKaryuのヘヴィなギターを軸にした彼らの楽曲は内側に向かうヘヴィネスではなく、外に向かって弾けるアッパーさを放っていることが特色で、ライブ映えのよさは群を抜いている。Kiyoshiが参加した「Take On Me」(a-haのカバー)を経て、ライブ後半では「TONIGHT,TONIGHT,TONIGHT」と「ARROWS」を続けてプレイ。爽快感を湛えた轟音とアクティブなパフォーマンスで激しくいき上げる流れが決まって、Luv PARADEのライブ後の場内は心地いい余韻に満たされていた。



トリ前を飾った摩天楼オペラのライブはメロディアスな「Eternal Symphony」で幕を開け、ラグジュアリーなサビを配した「EMBRYO」へと至る流れから始まった。メタル・テイストを基盤にしたうえで、突き抜けるようなハイトーンを織り交ぜた苑のヴォーカルやモダンな疾走感などを押し出した彼らのサウンドは心を強く引き上げる力に溢れていて、オーディエンスも激しいリアクションを見せる。そして、「BLOOD」でHAKUEIが参加して、HAKUEIがメタリックな楽曲を歌うというレアなシーンに客席からは大歓声が上がっていた。感情を揺り動かす楽曲や高度な演奏力を備えたバンドならではのタイトなサウンド、メンバーが織り成す感情を露わにしたステージングなどが折り重なった摩天楼オペラのライブは本当に魅力的で、彼らが創出する華麗な世界に浸る快感をたっぷりと味わせてくれた。



場内が終始いい空気感に包まれてイベントは進んでいき、いよいよmachineのライブが始まった。オーディエンスが発する大歓声と熱い拍手を浴びてステージに立った彼らは荒々しい「Hero 2025」やファットにロールするサウンドを纏った「Baby Blood 2025」、退廃的な「invader 2025」などを続けてプレイ。ライブが始まった瞬間からアクセル全開で突き進む彼らの迫力は圧倒的で、場内のボルテージがさらに高まったことが如実に感じられた。



「こんばんは、machineというバンドです。今日は平日に拘わらず、こんなに沢山来てくれて、ありがとうございます」とHAKUEIが挨拶。今年8月に東名阪ツアーを行うことを告げた後、「俺達の生き様を見てください。命尽き果てるまでmachineをやろうと思っています」という熱い言葉に続けて「Ash 2025」や「猿の惑星 2025」「010(ZERO-ONE-ZERO) 2025」などが演奏された。デジタル・テイストとパンクが香るハードネスを絶妙にバランスさせたmachineのラウドなサウンドは独自の魅力に満ちているし、妖艶なHAKUEIとクールなKiyoshi、ワイルドなseek(B)、常に全身全霊のドラミングを展開するCHARGEEEEEE…、ミステリアスなCOLA(Mp)という個性的なメンバーがひとつになって生まれる強固なケミストリーも実にいい。“machineはまさに唯一無二の存在だな”と、あらためて感じずにいられなかった。


ライブ終盤ではパワフルに疾走する「Phantom of the end」とアグレッシブな「機械児 2025」を畳みかけるようにプレイ。明日もライブがあることなどは全く気にしていないことが伝わってくる怒涛のいき上げでオーディエンスを熱狂させ、場内をひとつに纏めてmachineのライブは終わりを告げた。

その後は団長によりJILUKAのRicko、Psycho le CémuのDAISHI、Luv PARADEのTAKA、摩天楼オペラの苑がステージに呼びこまれて「ピンクスパイダー」(hide)が演奏された。豪華な顔ぶれによるセッションということに加えて、「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」のためにKiyoshiがhide with Spread Beaverがライブで実際に使用している「ピンクスパイダー」のデータを用意したという胸アツなサプライズに客席から大歓声が上がる。力強さとエモさを併せ持ったサウンドと豪華な顔ぶれが並び立ったステージに場内が笑顔で染まるという華やかな情景を描き出して、「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」の初日は幕を降ろした。
【DAY2】



「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」2日目はLM.Cのライブから始まった。キャッチーなメロディーとソリッドかつラウドなサウンドを融合させて、さらにAijiがギターでデジタル感覚を増幅させるという彼らの音楽性は独自の魅力に溢れている。また、小悪魔っぽさを振り撒いて歌うmayaと美麗かつアグレッシブなAijiが生むケミストリーも絶妙で、オーディエンスは何度となく熱い声援を送っていた。ライブ後半ではステージにKiyoshiが姿を現してAijiがKiyoshiの家に泊まった時の話などを披露した後、Kiyoshiを交えて演奏された「BOYS & GIRLS」とネイティブ・テイストが香る「The BUDDA」を続けてプレイ。「The BUDDA」では客席から合唱が湧き起こるという盛り上がりを見せ、川崎CLUB CITTA’の場内は早くも熱気が渦巻く空間へと化した。



LM.Cに次いでステージに立ったGargoyleは「ハレルヤ」を皮切りに、「完全な毒を要求する」や「影王」といった高速のメタル・チューンを相次いで披露。絢爛な衣装に身を包み男気に溢れた歌声を聴かせるKIBAが放つ鮮烈な存在感と重厚に突き進むハードなサウンドが生む説得力は絶大で、結成から39年、ライブ本数1500本あまりという歴史の重さを感じずにいられない。ライブを締め括った「DESTROY」はHAKUEIを加えた編成で披露され、HAKUEIがただ単に歌うだけではなく世界観を深める役割も務めたことからは、彼のGargoyleに対する深いリスペクトが感じられた。そして、Gargoyleはそれにふさわしいバンドと言える。長年に亘って活動していながらレイドバックすることなく、現代のロックにふさわしいスピード感を纏ったヘヴィメタルで勝負する彼らの魅力を再確認できたステージだった。



CASCADEのライブは「YELLOW YELLOW FIRE」と「Sexy Sexy,」を続けて聴かせる流れから始まった。楽器陣が奏でるダンサブルなサウンドと少年のような瑞々しさを放ちながら歌うTAMA(ちなみにCASCADEは、今年で結成33年)の姿にオーディエンスは華やかなリアクションで応える。そして、軽快なレトロ・テイストが心地いい「コングラッチェ」が演奏された後、Kiyoshiが「ハッピーバースデー」を歌いながらケーキを手にしてステージに登場。TAMAの誕生日を祝うサプライズとKiyoshiと共に演奏した「FLOWERS OF ROMANCE」でさらに客席を沸かせた後、高速チューンの「ヘッチャラッチャ・クラッシュ」やアッパーな「VIVA NICE TASTE」「しゃかりきマセラー」などを相次いでプレイした。明るい雰囲気で盛り上がる場内を見て、上質なポップネスで魅了する彼らのポテンシャルの高さをあらためて感じずにいられなかった。



陰りを帯びたオープニングSEが流れる中ステージに姿を現した有村竜太朗は、「≒engeki」からライブを開始。軽やかな哀愁を湛えたサウンドと儚さを感じさせる歌声が生む深みのある世界は非常に魅力的で、オーディエンスが深く惹き込まれたことが如実に伝わってきた。その後は内向的な歌中と力強いサビの対比を活かした「猫夢 / nekoyume」やせつなさと疾走感を融合させた「くるおし花 / kuruoshibana」などをプレイ。表現力に富んだヴォーカルはもちろんバックを務めるDEMONSTRATIONsの演奏も上質で、特に色彩豊かなアプローチ/プレイで楽曲のエモーションを増幅させる悠介(lynch.)のギターワークは見事なものだった。ライブ後半ではHAKUEIを交えたスタイルで披露したパンキッシュな「≒jukyusai」と力強くドライブする「≒fuyuu」を続けてプレイ。徐々に温度を上げていくライブ構成が見事に決まって、場内はいいムードで盛り上がった。



「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」の大団円としてステージに立ったmachineは、2日目はスケジュールの都合により参戦できなかったseekに代わってDEN(ex.BY-SEXUAL、ZIGZO、test-No.等)が加わった布陣で登場。machineでプレイした経験を持つDENということでコンビネーションのよさは抜群で、初日同様“エネルギーの塊”という言葉が似つかわしい完全燃焼ライブでオーディエンスを熱狂させた。そして、machineのライブに続いて、昨日同様「ピンクスパイダー」のセッションを披露。場内は華やかな盛り上がりを見せ、終演後の川崎CLUB CITTA’の場内は晴れやかな空気に包まれていた。



初の主催イベント「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」を成功に終わらせたmachine。今回の公演は強い個性を持った、いわゆる“濃いアーティスト”が揃っていたことが特色といえる。それぞれのライブが始まるたびに場内の空気感が大きく変わることに加えて、どのアーティストも魅力的で、ついぞ観飽きることがなかった。決して揺らぐことなく自らの個性を貫き、そこに磨きをかけ続けるアーティストの魅力を再確認できたという意味でも「ULTRA BEAST HAMMER BATTLE」は意義のあるイベントだったといえる。


もうひとつ、HAKUEIとKiyoshiが全バンドに飛び入りを果たしたことを筆頭に、MCに団長を据えたり、スペシャル・フードを用意するなど、オーディエンスを楽しませることを心がけたmachineの両名には大きな拍手を贈りたい。独自の色彩に彩られた良質なイベントだっただけに、今後もコンスタントに開催されることを強く願う。

◆01.23:DAY1セットリスト◆
【JILUKA】
01. Eclipse
02. Faizh
03. Screamer(with Kiyoshi)
04. Prisoners
05. KVLT
06. BLVCK
【Psycho le Cému】
01. 君がいる世界
02. Murder Death Kill
03. 激愛メリーゴーランド(with HAKUEI)
04. MOON PRISONER
05. 愛の唄
【Luv PARADE】
01. FREAK PARADE
02. SHOOT IT DOWN
03. MIDNIGHT SUN
04. Take On Me(with Kiyoshi)
05. TONIGHT, TONIGHT, TONIGHT
06. ARROWS
【摩天楼オペラ】
01. Eternal Symphony
02. EMBRYO
03. EVIL
04. BLOOD(with HAKUEI)
05. Paychic Paradise
06. 光の雨
【machine】
01. Hero
02. Baby Blood
03. invader
04. Ash
05. 猿の惑星
06. 010 (ZERO-ONE-ZERO)
07. Phantom of the end
08. 機械児
En
01. ピンクスパイダー
◆01.24:DAY2セットリスト◆
【LM.C】
01. GHOST†HEART
02. @FUNNY PHANTOM@
03. OH MY JULIET.
04. BOYS & GIRLS with Kiyoshi
05. The BUDDHA
【Gargoyle】
01. ハレルヤ
02. 完全な毒を要求する
03. 影王
04. 死ぬことみつけたり
05. DESTROY with HAKUEI
【CASCADE】
01. YELLOW YELLOW FIRE
02. Sexy Sexy
03. コングラッチェ
04. FLOWER OF ROMANCE with Kiyoshi
05. ヘッチャラッチャ・クラッシュ
06. VIVA NICE TASTE
07. しゃかりきマセラー
【有村竜太朗】
01. ≒engeki
02. 猫夢/nekoyume
03. くるおし花/kuruoshihana
04. ≒jyukyusai with HAKUEI
05. ≒fuyuu
【machine】
01. 機械児
02. Baby Blood
03. サイボーグ
04. Ash
05. Ooh Yeah
06. Hero
07. reset human
08. ATOMIC GOD
En
01. ピンクスパイダー
(文・村上孝之/写真・菅沼剛弘、折田琢矢)
【サブスク配信】
●machine『DEAD STOCK TOYS 2025 Vol.1』
2026年2月14日(土)サブスク配信開始
01. 動期 2025
02. invader 2025
03. サイボーグ 2025
04. Hero 2025
05. D.D.T 2025
06. ドラキュラ 2025
07. Gravity Attack 2025
08. 20th century 2025
09. 機械児 2025
●machine『DEAD STOCK TOYS 2025 Vol.2』
2026年2月14日(土)サブスク配信開始
01. reset human 2025
02. human gate 2025
03. Genesis 2025
04. 010(ZERO-ONE-ZERO) 2025
05. Lizard NO love 2025
06. SURVIVAL 2025
07. ATOMIC GOD 2025
08. SAMURAI MAN 2025
09. DEVIL WING 2025
●machine『DEAD STOCK TOYS 2025 Vol.3』
2026年2月14日(土)サブスク配信開始
01. Sorrow 2025
02. Baby Blood 2025
03. RED SUNDANCE 2025
04. Ash 2025
05. Perfect Star 2025
06. ダブルラブショック 2025
07. 猿の惑星 2025
08. baby 999 ×××× ×× ××× ×××××× ×××××××× ××××××× 2025
【machine「Hero 2025」Music Video】
【machine「機械児 2025」Music Video】


