2016.7.28-7.30
Angelo@Zepp DiverCity Tokyo
INTER PLAY MEMBERS PRESENTS’16「THE CHAIN OF GROWTH」

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「みんなのために、梅雨をぶっ飛ばしてきました」とキリト(Vo)の口からあったように、関東の梅雨明けが発表された7月28日。そこから3日間、完璧なまでの晴天に恵まれ、Angelo“INTER PLAY MEMBERS PRESENTS’16「THE CHAIN OF GROWTH」”がZepp DiverCity Tokyoで開催された。近年、主催イベント&ワンマン公演2daysという形で恒例の“夏のAngelo祭り”の3日間を過ごしてきた彼らだが、今年はワンマン3daysとして、より濃密な時間をファンと共有した。

キリトが緩やかなウェーブのかかった金色のロングヘアー、KOHTAが銀髪で登場し、フロアが驚愕と歓喜の悲鳴に包まれた初日に続き、2日目にはキリトは初日のロングヘアーを一つにまとめた三つ編みを右サイドに流し、軍帽をかぶって登場、3日目には前日までのロング部分がなくなり金髪姿&近年のキリトには珍しく黒のシャツ&ネクタイという出で立ち、そしてKOHTAが黒髪に戻るという、ヴィジュアル面の変化でも衝撃を与えてくれたことを、まず記しておきたい。

今回の3日間は、「自分たちで自分たちにムチを打って臨む」(キリト談)という、全曲異なるセットリスト(新曲を除く)で構成されることが前ツアーファイナルで宣言されており、結果的にそのトータル数は70曲に及ぶこととなった。このAngeloの歴史上でも初となる試みはファンの期待感を募らせたことは言うまでもなく、全てを完遂した最終日、ギル(G)から「自信がつきました」という言葉があった通り、バンドにとっても良い緊張感と刺激、そして達成感をもたらしたようだ。

その70曲の内訳は、シングルのc/w曲も含め満遍なく新旧様々な楽曲で構成されつつ、初日は本編頭とラストのブロックに昨年リリースしたEP盤2連作の第1弾『FACTOR』の楽曲が、2日目にはそこに連作第2弾にあたる『RESULT』の楽曲が配され、各日で完結されたものでありながら両日通してのコントラストも美しく、2013年11月発表のアルバム『FAITH』収録の3曲から幕を開けた3日目では、満を持してライブ鉄板曲「Script error」「SCRAP」が放たれ、最終日にふさわしい熱狂のラストシーンを描いてみせた。

10月4日にはTOKYO DOME CITY HALLでの10周年アニバーサリーライブが決定しているAngeloだが、初日のMC中、9月28日にフルアルバム『CORD』をリリースし、11月より全国ツアーを開催することがキリトの口から発表された(「君たちの時間がほしい」とのこと)。おそらくその最新作に収録されるであろう新曲が3日間通して披露されたわけだが、「初めて聴くはずなのに、なぜか次の展開がわかる、暴れ方がわかる、君たちはニュータイプです」とキリトが認める通り、最高の暴れっぷりを見せたAngeloファンの順応力の高さはさすがの一言。「テレパシーで俺の気持ちを読め!」というキリトの冗談すらも、彼ら彼女らなら可能なのではないかと思ってしまうほどだった。

3日目のアンコールでは、ファンにとって大切な楽曲の一つ「Crave to you」も披露されたが、ラウドな楽曲が並ぶ中、シンプルな歌詞で訴えかけるバラード曲の数々もAngeloの魅力。5人が奏でる音とまっすぐに向き合い、様々な思いを胸に、そこに込められたメッセージを受け取る。それはライブでこそ、より深く私たちの心に浸透していく。

また、弦楽器陣が勢いよくステージを駆け巡り激しく煽る中、キリトが悠々と歌う光景は、より一層、彼の存在感を際立たせていた。バンドの形というのは様々あれど、圧倒的な統率力を持つフロントマンの存在は、バンドの確かな強みとなる。そんなことを改めて実感した3日間でもあった。なお、「Angeloも10周年、前のバンドも結構長くやっていて、キリト全体としては年数だけはベテランの域になってきて。でも、まだまだです。あと30年は頑張りたいなと思います」という頼もしい発言があったことも付記しておきたい。

Karyu(G)曰く「Angeloが唯一夏を感じられるイベント」の3日間が幕を閉じた。「THE CHAIN OF GROWTH」とは、直訳すると「成長・発展の連鎖」。まさに10年という歳月の中で進化・深化を繰り返してきたAngeloの底力が存分に発揮された3公演だった。最終日にキリトがつぶやいた「今日はあっという間だ。なんでだ。楽しいからだな」という言葉も印象的だったが、バンドとファン双方が全てを出し切った“夏祭り”は、TAKEO(Dr)から見えた景色もキラキラと輝いていたそうだ。「3日間もみんなに会えるなんて幸せです。みんなの顔を見ていると、疲れなんてぶっ飛びます」というKOHTAからの嬉しい言葉も贈られた。

そしてAngeloはこれからレコーディングに入るとのこと。キリトから「3日間、見えない何かをいただきました。こちらも与えたつもりですけど。キャッチボールなんでね。そのパワーを糧にアルバムを作りたいと思います」と伝えられた。「すげーのを出しますから」とのことなので、私たちの期待を上回る最強の作品が誕生することを心して待ちたい。

◆セットリスト◆
【2016.7.28】
01. BLACK FLAG
02. FACTOR
03. URGE
04. 断末魔に耳すまして
05. Forbidden Fruit
06. 結晶
07. RETINA
08. EVE
09. Calvary
10. SEVEN DEADLY SINS
11. CONVICTION
12. 新曲
13. THE CROCK OF ULTIMATE
14. AI(Artificial Intelligence)
15. RIP
16. Experiment
17. 狂人
18. Collapse parade

EN
01. 異境に咲く花
02. LOVE STORY
03. FEATHER
04. REBORN
05. Holocaust
06. MICRO WAVE SLIDER

【2016.7.29】
01. Prelude
02. RESULT
03. Pendulum Clock
04. PANDEMIC
05. CONTRACT
06. SIGN
07. DANCE
08. 声にならない声
09. Nostalgia
10. 評決
11. Doll
12. 新曲
13. MADMAN MAKE QUANTUM VARIATION
14. Deep Psyche
15. SCARE
16. PERFECT PLAN
17. DAY OF THE END
18. CALL

EN
01. 霧雨頬を濡らして
02. White fury
03. Manic State High Pressure
04. Angry sheep
05. EASTER AGAIN
06. PROGRAM

【2016.7.30】
01. FAITH
02. OUTBREAK
03. ディスプレイ
04. My Strife
05. 連鎖
06. Arès
07. ULTIMATE WORLD
08. Voice of the cradle
09. Rebirth
10. Climax Show
11. 薔薇の花
12. 新曲
13. SELF AWAKE
14. CEREMONY
15. Destruction impulse
16. Brainwash
17. Blind Light
18. PLOSIVE

EN
01. EDEN
02. Crave to you
03. 想像の楽園
04. MULTI PERSONALITY
05. Script error
06. SCRAP

(文・金多賀歩美)