Angelo『OUTBREAK』リリース&主催イベント企画

Angeloインタビュー

破壊と再生、激しさと儚さ、過去と未来…
Angeloが放つ約1年2ヶ月ぶりのニューシングル『OUTBREAK』に迫る!

昨年11月のニューアルバム『RETINA』リリース以降、渋谷公会堂2daysや台北公演を含む24本のライブを展開してきたAngelo。さらに8月16日には昨年に引き続き2度目の開催となる主催イベント「THE INTERSECTION OF DOGMA」が控える中、約1年2ヶ月ぶりとなるニューシングル『OUTBREAK』をリリースする。今のAngeloが打ち出すものとは。各収録曲の作曲者であるキリト(Vo)、Karyu(G)、KOHTA(B)の3人に話を聞いた。

Angelo Presents「THE INTERSECTION OF DOGMA」Vif特別企画!

◆壊してもう一歩進むための段階(Karyu)

――今作『OUTBREAK』は、シングルとしては『RIP/MOMENT』以来約1年2ヶ月ぶりとなるわけですが、Angeloにとってシングルとはどんな位置づけでしょうか?

キリト:できれば毎回アルバムでも良いくらいなんですけど、そうもいかないので。

――シングルでどんなAngelo像を見せたいと考えていますか?

キリト:できれば曲数はたくさんあった方が、その時のAngeloを伝えられるので良いんですけどね。シングルだと限られているので…1曲でその時のAngeloをちゃんと表現するのは自分的には難しいんだけど、その中でもできるだけわかりやすいものを、という感じです。

KOHTA:その時々の見せたいもの、自分たちがカッコイイと思ったものを見せていくのはシングルだとわかりやすいのかなと思いますね。深いところまで掘り下げて見てもらうのは、やっぱりアルバムがわかりやすいと思うんですけど。そういう意味での明解さがシングルにはあると思います。

Karyu:必然的にアルバムの予兆になっていくきっかけになるものだと思います。

――今作は1枚の作品としてどのようなコンセプトで作り上げたのでしょうか?

キリト:今までの流れの上で『RETINA』というアルバムがあって、そこから次に一歩進んで、というところもあるし、単純に今の世の中にAngeloが新しい曲を出すとこうなる、というものが世界観の中にはあります。全部ひっくるめて“今ならでは”という感じです。

――「OUTBREAK」は4月12日、ツアー初日のCLUB CITTA’川崎で初披露されましたが、その時の感触はいかがでしたか?

キリト:最初からノリは良かったですよ。

Karyu:良い印象が持てて良かったなと。

KOHTA:うちのファンの子たちは反応が良いというか順応力が高いので、初出しでもなんら心配も気負いもなくできました。

――初披露の時というのは緊張はありますか?

KOHTA:良い意味ではありますね。単純に反応が楽しみというか、その場でできていく新しい空気というのが毎回感じられるので、そういう意味ではやる方も緊張感を持って良いものが生まれていると思います。

Karyu:緊張よりワクワクの方が大きいです。どういう反応なんだろうとか、メンバーはどういう動きをするんだろうっていうワクワク感ですね。

――6月9日Zepp DiverCity Tokyoでのツアーファイナルで聴いた際、進化をとても感じました。ツアーを経ていくうちにどこかのタイミングで楽曲の変化を感じることはありましたか?

Karyu:アレンジが実際に変わったりはしましたね。

キリト:やっていけばやっていくほど、段々自分たちのものになっていくというのはあるのかもしれないけど、取り組む気持ちは最初から全開でやっているので、あとは見え方としてバンドが“ものにしてる感”というのがやる度に出ているんじゃないかと思います。

――「OUTBREAK」作曲者としてKaryuさん一押しの聴きどころを教えてください。

Karyu:サビに行くまではヘビーになっているんですけど、サビで急にキャッチーになっていたり、儚さみたいなものが伝わればなと思います。全体的な雰囲気が伝わればなと。

――ご自身のギター的にはいかがですか?

Karyu:全部(笑)。壊すとか、壊してもう一歩進むための段階をイメージして作ったので、ヘビーさや儚さが全体で伝わったらうれしいです。

――大サビの盛り上がりがたまらないです。

Karyu:ドラマティックですよね。

――ところで、ツアー初日の時点で、c/wの「Rebirth」「Angry sheep」も完成していたんですか?

KOHTA:できてましたね。

――曲作りはいつ頃していたんですか?

Karyu:年明けすぐでした。

――それは制作期間としてガッツリという時期だったんでしょうか?

KOHTA:いや、途中からですね。まぁ前もってそれぞれが作っていました。

◆もっといろんな人に自分達の色を発信したい(KOHTA)

――c/wの「Rebirth」ですが、歌始まりというのは最近のAngeloには珍しいですよね。アルバム『BABEL』(2011年10月発売)以降はなかったと思うのですが、『BABEL』の前のアルバム『Design』(2010年10月発売)には結構ありましたよね。今回久しぶりという意識はありましたか?

キリト:しばらくやってなかったので、たまには良いんじゃないかなと。というか、曲がそういう曲ということです。曲によってどういう始まり方かっていうのは色々あるので。

――この曲はイントロ、アウトロのギターフレーズが少し意外でした。

Karyu:ハードという意識はしていました。感情が高ぶるイメージがあったので。

――ギルさんとのやり取りはスムーズに?

Karyu:毎回ああでもないこうでもない、というやり取りはしてますね。

――キリトさんは曲作りの段階ではどこまでサウンド構築のイメージが見えているのでしょうか?

キリト:んー。曲によってだけど、かなり細かくやっちゃうこともあるし。「Rebirth」みたいな歌モノの時は割りと歌中心で演奏に関しては、ざっくりしてる場合が多いかもしれないです。まぁその時によって違うので、特に傾向というのはないんですけど。

――今回はいかがでしたか?

キリト:あんまり細かく入れてなかったよね?

Karyu:そうですね。

――KOHTAさん作曲の「Angry sheep」は、イントロからベースが主張していますね。

KOHTA:リフっぽいものから作ることが多いので。この曲はリフとサビからできました。開けたイメージというか、マニアックなコアな層だけじゃなくてもっといろんな人に自分達の色を発信したいな、という気持ちが強かったというか。

――KOHTAさん作曲というと、「Forbidden Fruit」(シングル『Calvary』収録)のイメージがとても強かったので、ゴリゴリ系の重めのサウンドがお好きなのかなと思っていました。

KOHTA:そうですね、傾向としては好きですけど。ただ、見せていきたい方向性とか他の二人が書く楽曲と照らし合わせて、似たようなものを作っても仕方ないので、自分が思う“無い色”を良い感じに埋められたらなと思って。なので「Angry sheep」はもっと外に向かってというイメージで作りました。

――「Forbidden Fruit」は5人のアイディアが組み込まれてバンドで作った感が特に強かったということだったのですが、今作でそのような感覚のものはありましたか?

KOHTA:どの曲も出したいものの意向が入っているので、それでこそバンドなので良いのかなと。うまいこと付け足されていった感じです。

――ところで、ベーシストは変態が多いという話を昔からよく耳にしますが(笑)。

KOHTA:(笑)。

――マニアックな曲を作るイメージ、というのをよく聞きます(笑)。でもKOHTAさんはあんまりそういうイメージはないかなと。

KOHTA:それはその人の趣味趣向によるので(笑)。僕はそこには当てはまらないです。

――Angeloの中で言うと、Karyuさんが結構そういうイメージがあります。

Karyu:人と違うことを、というのは常に考えているので、それが変態と言われれば変態かもしれないです(笑)。

――キリトさんから見て、KOHTAさんKaryuさんが作る楽曲に感じる“らしさ”とはどんなものでしょうか?

キリト:それぞれ「らしいな」っていうのはありますけど、曲調もそれぞれなので法則的な“らしさ”というのは難しいです。聴いた感じ「Karyuっぽいな」「KOHTAっぽいな」というのはありますね。音なので言葉では表現しづらいですけど。持って行きどころの好みみたいなものは感じられます。

◆壮大な前振りと壮大な後振りの成果(キリト)

――歌詞に関して「Rebirth」「Angry sheep」はキリトさんの黄金率だなと思ったのですが、「OUTBREAK」はもう少し優しい印象を受けました。

キリト:そうですか? 一節を打ち出したいがための壮大な前振りをしたりするので、そういう印象を受けてもらえるのかもしれないです。案外、字数だけで見ればほんの一節だけだったりするので、そういう受け取り方をしてもらった時に、自分としては「うまくいったな」と思います。きっと優しい言葉のオンパレードだったら、優しかったという印象を受けないと思うので。壮大な前振りと壮大な後振りの成果というか。だけど実際は一節でしかない、というからくりです。

――今作のレコーディングにおいて印象的なエピソードはありますか?

Karyu:なんかスムーズに事が進んだ感じはありますね。『RETINA』を作った後だからなのかな、と思いました。

KOHTA:そうですね。特別な出来事はなく、いつも通りというか。その都度いろいろありますけど、それが“難航している”とは思わないし、お互い出したいものをぶつけてまとめてっていう作業ですね。

――今作リリース日の2日後、8月16日には主催イベント「THE INTERSECTION OF DOGMA」(出演:INORAN、MUCC、lynch.、heidi.)が控えていますね。Karyuさんの「僕たちム…」発言(※FM NACK5レギュラーラジオ番組「思考回路深夜版」内で「僕たちAngelo」と言うべきところを「僕たちム…(ック?)」と発言)も話題になりましたが(笑)。

Karyu:はい。どうしちゃったんでしょうね(笑)。

――Vifではライブレポートの掲載など特集を組ませていただくので、よろしくお願いします。

全員:よろしくお願いします。

KOHTA:去年も各バンド良い緊張感を持ってできたと思うので、みんなで出て楽しいというよりは、緊張感を持ってお互いがちゃんとせめぎ合えるようなものに、そこは去年以上にやっていきたいなと思っています。

――去年のメンツ(ギルガメッシュ、lynch.、MERRY、Sadie)もすごかったですが、今年も驚きました。とても楽しみです。

KOHTA:期待してもらえればと思います。

キリト:観に来てくれる人はもちろん、共演してくれるアーティストの人たちにも「やって良かったな」と思ってもらえるようなものに、いろんな部分で枠組みを作るので、観に来てくれる人も出演者も一緒になってその空気感を楽しんでもらいたいなと。主催という立場からはそういう感覚です。

(文・金多賀歩美)

 


Angelo

<プロフィール>

キリト、KOHTA 、TAKEOの3 人により結成され、2006年8月に正式デビュー。結成5 年目の節目となった2011 年8 月、Karyu(ex. D’espairsRay)とギル(ex.ヴィドール)のギタリスト2 名を迎え入れ、新生Angeloとして動き出す。同年10月、アルバム『BABEL』を発表し、翌月よりスタートした全国ツアーは各地ソールドアウト。2012年、シングル『Calvary』『RIP/MOMENT』、アルバム『RETINA』をリリース。2013年、2月には渋谷公会堂2days公演、4月〜6月にはツアーを展開した。8月16日に行われる主催イベント「THE INTERSECTION OF DOGMA」は即完。また、10月には東名阪でのライブも決定している。

■オフィシャルサイト
http://angeloweb.jp/

【リリース情報】


初回限定盤
(CD+DVD)
IKCB-95522~3
¥1,700(tax in)

通常盤
(CD)
IKCB-95524
¥1,300(tax in)

『OUTBREAK』
2013年8月14日(水)発売
(発売元:ブロウグロウ 販売元:ソニー・ミュージックディストリビューション)
Angelo、10枚目のシングル。初回限定盤のDVDにはキリトが監督を務めた「OUTBREAK」のミュージッククリップを収録。

【収録曲】
初回限定盤
[CD]
01. OUTBREAK
02. Rebirth
[DVD]
「OUTBREAK」 ミュージッククリップ

通常盤
[CD]
01. OUTBREAK
02. Rebirth
03. Angry sheep