特集-Special Feature-

◆光とか夢を感じてもらえるようなバンドでいたい(将)

――「メビウス」「“KID”」のEDM(Electronic Dance Music)的なサウンドに驚いたのですが、「“KID”」はJazzin’ Parkのお二人がアレンジで参加されているんですね。

沙我:アルバム『GEMINI』(2011年2月発売)か『“9”』(2012年2月発売)くらいの時点から、虎がEDMをやりたいって言っていて、選曲会でもヘヴィーなギターにちょっとEDMが混ざったような音楽を持ってきていたんですけど、今回のタイミングで本格的にやりたそうなデモ(「“KID”」)を持ってきたんです。本人はやりたいとは言わないんだけど、まぁやりたいんだろうなと思って。

将:あの人、言わないんだよ(笑)。


沙我:「選ばれてしまった」とか言ってました(笑)。で、やることになったんですけど、僕らはエレクトロに関してはイメージはあっても具現化する手段をあまり知らなくて。だからその手伝いをしてくれる人が必要で、その意図を知ったディレクターさんがJazzin’ Parkさんを紹介してくれました。

――原曲の時点で元々こういう方向性だったということですか。

沙我:ちょっと見えてはいたけど、原曲は全然違いました。空気感が似ているくらい。「メビウス」はメロディは同じですけど、サウンドは同じポップな路線でも全然違うポップでしたね。

将:「メビウス」はすごくシンプルになりました。もうちょっとギターロックよりだったんですけど、無駄なものを削ぎ落とした感じがすごく今っぽくなって、平出さん(プロデュース、アレンジ)の力をすごく感じた曲ですね。

――今回、全体的にレコーディングは順調でしたか?

沙我:順調っちゃ順調。将くんの歌録りはほとんど自宅でやってたし。

将:この二人はあんまりスタジオを使ってない人たちです。

沙我:そうなんですよ! 特にスタジオ代のかからない優秀な二人。僕なんて3曲を1時間で録ってますから。すごくないですか!? そのがんばって短縮した時間を…ギタリストのヒロトさんっていうすごくこだわる方がいらっしゃって、音作りに朝までかけていらっしゃいましたね。

将:夜から始まって、エンジニアさんが少し怒りながら朝6時か7時くらいまでやってたって。

沙我:みんな苦労しているとは思うんですけど、外部の人を苦労させてしまったのは、ヒロトさんの音作りじゃないですかね(笑)。

――(笑)そういえば、『Daybreak』c/wの「秘密」も将さんはご自宅でレコーディングしたんですよね。そこからの流れですか?

将:その辺からですね。マイクも新調したり。「shooting star」がその後にレコーディングした楽曲だったんですけど、それはスタジオで録って、c/wの「Affection」は家で録ってますね。一番良いものを作るために使い分けてやっています。

――レコーディングで、面白かったなというエピソードはありますか?

沙我:「+−」のコーラスで「オーオー」っていうセクションがあって、大勢の声が必要だから人をナンパしてこようって言っていたんですけど、レコスタの場所がマダムの多い街で、さすがにマダムに「オーオー」言わせるのはダメだなと(笑)。自分たちでやるしかないということで、まずは僕だけの声を5人重ねて、それをベースにヒロトと虎にやってもらって、それでもまだ孤独感があるってエンジニアさんに言われて(笑)、「だったらやってよ」ってエンジニアさんにもやらせて、まだ足りなくてマネージャーにもやらせてやっとでしたね。でも、虎が高い声が出なくて裏返っちゃうので、一人だけ1オクターブ低い声で歌っています。

将:僕も「+−」は録っていて楽しかったですね。文字数が多い曲だったので日本語をしっかり歌えました。自分が言っている言葉でテンションが上がるんですよ。そういう上がり方もあるんだなっていうのが新しい発見でした。

――歌詞に関しては作曲者の皆さんは結構お任せということでしたが、今回何か要望などはありましたか?

将:今回はないですね。歌詞に関しても好きにやらせてもらっています。

――「+−」は将さんのパーソナルな部分が結構出ているのかなと思ったのですが。

将:そうですね。でも僕、原曲者に引っ張られる感じがあるんですよね。沙我くんの曲は音楽に対して誠実な感じがするので、僕も誠実な感じに引っ張られているんですよ。そういう気持ちになって歌っているというか。虎の曲だとちょっとチャラくなったり。

――どういうことですか(笑)。

将:イケイケな感じで歌詞を書いてる気がします(笑)。チャラいって別に悪いことじゃなくて、ノリがファンキーな感じという。ヒロトの曲だと、がむしゃら感が出たり。

――なるほど。今の現状に満足せずに光を求めたいという気持ちから、星や夜空をモチーフにした歌詞になるのかも、ということを以前言っていましたが、そこは今も変わらないですか?

将:基本SF好きだっていうのと、Alice Nineって光とか夢を感じてもらえるようなバンドでいたいという気持ちが根底にあるんです。

――曲のタイトルは基本的に将さんが考えるんですか?

将:そうですね。

――「開戦前夜」というタイトルはインパクトがありますね。

将:これは珍しく沙我くんに「どれがいい?」って聞いて決めた曲です。僕らにとって意味のある曲とタイトルになったと思いますね。この間のライブも「On the Eve of War」という「開戦前夜」を英訳したタイトルで、“アルバム発売前の開戦前夜ライブ”というものをやったんです。お客さんはこの曲で異様な盛り上がりを見せてくれたんですけど、僕らはまだまだいけると思っていて、大事な曲になってきているなと。ライブでのアンセムという感じがしますね。

――ところで、初回限定盤付属DVDの「SEVEN」MVは、通常の「Main ver.」の他にそれぞれのソロver.も収録されているんですよね。ぜひ見どころをお願いします。

将:沙我くんがすごくエッチなんですよ。

沙我:エッチなことを考えて撮っていました。

将:元々艶かしいシチュエーションなんですけど、沙我くんはセクシー担当みたいな部分があると僕は勝手に思っていて。そういうところがすごく出ていると思いました。

――ご自身のソロver.はいかがですか?

将:俺にしてはエロいってスタッフに言われましたね。

――相変わらず、カメラ目線が決まっていますよね。

将:ヴォーカルってカメラ目線をしなきゃいけない時が多くて。そうじゃないカットを撮っても、大体使われてないんですよね(笑)。

――なるほど(笑)。では沙我さん、ソロver.の見どころをお願いします。

沙我:撮影の仕方がですね、アダルトビデオぽかったんです。カメラを持った髭面のお兄さんと密接な感じで撮ったんですけど、例えばいい動きをしたとしたら「いいよ! Oh! Good!」って、すごくアダルトビデオっぽいリアクションで返してくれるんですよね(笑)。

将:「ふ~! これ惚れるわ~!」とか(笑)。

全員:(笑)

沙我:俺はグラビアアイドルなのかそっち系の女優なのか…それに近い空気感の中で撮っていたので、そういう意味ではメンバーがいつもよりセクシーなMVになったんじゃないかなと思いますね。

将:虎は完全に笑いを堪えてたけどね。

――(笑)今回も様々なリリースイベントが予定されていますが、中でも「Alice in KARAOKE」の特賞「お好きなメンバーとデュエットする権利」というのはすごいですね。

将:色々な形で思いを表現してくださるのに応えたいので、楽しく盛り上がったらいいなと思います。

沙我:Naoさん(Dr)のカラオケは一番すごいですね。表現しづらいんですけど、例えばナインティナインさんがやってる「歌ヘタ選手権」(※フジテレビ「めちゃ2イケてるッ!」内の企画「歌がへたな王座決定戦」)で優勝できるくらい(笑)。

将:耳に優しい感じではないですね(笑)。

――そうなんですね(笑)。MVで口ずさんでいる姿が印象的だったんですが。

将:彼が歌詞をわかっているわけないです。あれ、たぶん「タンタントッシャン」とか言ってるよね。

全員:(笑)

将:唇を見てると歌っているんじゃなくて「ドコドコドン」とか、自分のフレーズを口でも言ってるんですよ。

沙我:それはある意味すごいね。

将:歌うドラマー(笑)。

――(笑)そして4月からはツアーがスタートしますが、女性限定&男性限定ライブもあるんですよね。

将:男性限定ライブをやったことがなくて、いつかやりたいと思っていたんです。ただ男性限定をやるなら女性限定もやらなきゃということで。新しい試みなので楽しみですね。

――国内ツアーの後には全14公演のアジアツアーもありますし、『Supernova』は35カ国でiTunes配信されるということで、全世界の皆さんへ向けてメッセージをお願いします。

将:10周年ということで日本とアジアで計34本やりますが、バンド史上最長のツアーですし、男性限定や久しぶりの日比谷野音もあったり、初めての挑戦がすごく多いです。Alice Nineは10年経ちましたけど、まだまだ落ち着かずに色々なことに挑戦して、応援してくださる皆さんと一緒に成長していきたいと思っていますので、これからもがんばります!

沙我:こう見えてライブを中心に生きているバンドです。バンドにとって一番重要な場所はライブなので、そこに来てほしいですし、音源を家で聴いたりインタビューを読んでくださったりしてAlice Nineを知ったつもりでも、意外と生は印象が変わるものです。それは人と話すのと同じことだと思うんですよね。ちょっと話しづらそうだけど、意外と違ったっていう人はいっぱいいると思うんです。やっぱりAlice Nineは生で見ないと本当のところはわからない。MCでふざけたことを言っている時もありますけど、喜怒哀楽、人間っぽい部分もたくさんあって、そういう部分も見てほしいなと思いますね。ぜひ人間臭いAlice Nineをライブで見て、より好きになってほしいなと思います。

(文・金多賀歩美)

Alice Nine

<プロフィール>

将(Vo)、ヒロト(G)、虎(G)、沙我(Ba)、Nao(Dr)により2004年結成。メロディセンスが光る楽曲が注目を浴び、結成直後よりシーンで注目を集めセールス、ライブ動員ともに拡大。2011年には初の日本武道館公演を成功させる。同年発表した4thアルバム『GEMINI』はオリコンウィークリーチャート初登場3位を獲得。2012年2月、5thアルバム『“9”』をリリース。2013年の9th Anniversary Yearには、3ヶ月連続シングルをリリースし、ツアーを展開。2014年、結成10周年を迎え、アルバム『Supernova』をリリースし、4月より初のアジアツアーを含む全34公演のツアーをスタートさせる。


■オフィシャルサイト
http://www.pscompany.co.jp/alicenine/


【リリース情報】
『Supernova』
2014年3月19日(水)発売
(UNIVERSAL MUSIC NAYUTAWAVE RECORDS)
結成10周年を迎えたAlice Nineのニューアルバム。海外のファンからの熱い要望に応え、iTunes世界35ヵ国での音源配信もスタート。

『Supernova』初回限定盤
初回限定盤
(CD+DVD)
UPCH-29162
¥3,800+税
『Supernova』通常盤
通常盤
(CD)
UPCH-20345
¥3,000+税


【収録曲】
[CD]※共通
01. SHINING
02. +-
03. SEVEN
04. メビウス
05. Daybreak
06. shooting star
07. Exist
08. 1 Minute Kidding
09. KID
10. SHADOWPLAY(Supernova Edition)
11. 開戦前夜
12. Prelude -resolution-

[初回限定盤DVD]
『SEVEN』 MUSIC VIDEO (7 versions)
Main ver.
Multi Angle ver.
SHOU ver.
HIROTO ver.
TORA ver.
SAGA ver.
NAO ver