インタビュー

Soanプロジェクトwith芥

Soanプロジェクトwith芥

Soanプロジェクトwith芥が世に放つ3rdミニアルバム『動猛成る狂想、動脈に射つ。』。胸を打つ鮮烈なるバンドサウンドを堪能せよ!

数々のライブ、そして対をなすミニアルバムで、手鞠と芥(Chanty)という二人のヴォーカリストと共に“静”と“動”の世界を描き出してきたSoanプロジェクト。その“動”の世界を担うSoanプロジェクトwith芥が、3部作を締め括るミニアルバムを完成させた。狂おしいほどの熱を凝縮した何本ものライブで、既にその鮮烈な楽曲たちに触れてきた人も多いことと思うが、この作品を聴けば、楽曲、歌、そして歌詞の表現の深みが一段と増していることを強く感じ取れるに違いない。バンドとしての強固な結束すらも感じさせるこの作品について、そしてここに至るまでの互いの心の変化について、二人に話を聞いた。

◆芥は卓越したセンスを持っている(Soan)

Soan

――6月1日にSoanプロジェクトがめでたく2周年を迎え、現在は3部作を締め括るミニアルバムの制作が進んでいますが、ここまでを振り返っていかがですか?

芥:僕は自分の母体となるバンドが止まったところから、Soanプロジェクトの2年目が始まったんです。自分の中で向き合い方が大きく変わって、救ってもらったという気持ちと、何かを返したいという気持ちが強く出たところからのスタートでした。Chantyで活動ができなくなって最初にステージに立ったのは2周年の少し前のK君(G)のバースデーライブだったんですけど、その1曲目で「パラドクス」(2017年9月リリースの2ndミニアルバム『調律、その脈動に問う』収録曲)を歌った時の感じを今も鮮明に覚えていて。Soanプロジェクトでは1曲目に肝になる曲を持ってくることが多いんですけど、あの日はこれまでで最も印象深くて、すごく気持ちが込められて、改めて曲を咀嚼して歌うことができました。

――とても大きな心境の変化があったんですね。

芥:ありましたね。そこから1年間、本当に純度の高い気持ちでいられたし、母体があってSoanプロジェクトがあるという概念が消えたからこそ逆に気負いがなくなって。その前の1年間は自分が蚊帳の外にいると思い込んでいたんですけど、それが段々薄れていったんです。それも深くのめり込める一因になったんじゃないかなと思いますね。母体のChantyが復活してからも、双方のライブをやるごとに、その中で巡っていくものを感じるようになりましたし、自分の中で歌い手としての一つのサイクルが出来上がってきたような1年だったのかなと。だからSoanプロジェクトがより楽しくなったんだと思います。

Soan:俺と手鞠君は色々経験してきて、今いい意味で一周して達観した感じなんです。一方で芥はシーンの中心で常に戦うメインフィールドの母体がある。俺や手鞠君との違いは、こういうところにもあるのかなと思いますね。

芥:RPGで例えるなら、僕は今、着々とレベルを上げて次の街に行って、装備とレベルを上げているところというか。

Soan:その最中だよね。過程を踏んで、最後のボスを倒しに向かっているところ。

――Soanさんから見て、昔と今の芥さんの印象は変わりましたか?

Soan:元々このプロジェクトは、手鞠君には「手鞠そのものがほしい」「一緒に音楽をやりたい」、芥には「俺は芥の素晴らしい歌声に魅了されたから、Chantyの芥と同じことをやるのではなく新しい音楽を作りたい」「新しい芥というものを提示したい」と伝えたところから始まっているんです。でも、活動開始当初、芥には俺が口や音楽で表現していることで、わからない部分がいっぱいあったと思います。「Soanさん、何を言っているんですか?」みたいな(笑)。でも、最初のライブからわずか2、3本できっかけを掴んでくれたので、卓越したセンスを持っているし、人の心を読むのが本当に上手いと思ったことが印象に残っています。

芥:難しくて、最初はめっちゃ悩みましたけどね(笑)。

Soan:1本目のライブは何が何だかわからないまま終わったみたいな顔をしていたよね(笑)。

芥:掴む間もなくて、どうしたらいいかわからなかったです(笑)。戦うところでもないのに、変なところで戦いに行ってしまって。でも、2本目のライブは気分的に大分違いました。

Soan:“静”と“動”の“動”の意味を解釈するにはどうしたらいいのかを、芥自身で考えなきゃいけなかったからね。俺もある程度は説明するけど、センターに立つからには芥自身に切り開いてほしいから1から100まで説明するわけじゃない。その突破口を早々に掴んだので、本当に驚きました。ただ、さっきも言っていましたけど芥はその当時よく「蚊帳の外感」とか「自分は違う位置にいる」と言っていたんです。そういうところで、俺は俺みたいな線引きがすごかったですね。

芥:器用ではないので、ずっと心のどこかにそういうものを抱えていて。1年くらい経ったところで、そういうものがなくなってきたのは大きいと思います。最初はすごく悩んだんですよ。母体がああいう状況なのに、自分だけにステージに立っていいのかとか。そういう考えがあったから変に距離を置いてしまっていたところもあって、どこか自分が入り込めなかった部分もあるのかもしれない。でも、今思えばそういうことを考えていたこと自体がナンセンスだったなと。だから、自分の中で完結した上で、「大丈夫です。やらせてください」と伝えたんです。

◆Soanさんはその都度自分にきっかけを与えてくれる曲を用意してくれる(芥)

――今作で3部作が完結しますが、3作品で一番記憶に残っている作品はどれですか?

芥:僕はやっぱり1st(2017年1月リリースのミニアルバム『慟哭を鼓動として道とする音』)です。制作期間がChantyのイベントツアーと丸かぶりで、忙しさももちろんあったんですけど、まだ掴み切れていなかった部分もあって。それに、今までの人生で、誰かのためにとか、誰かのことをイメージして歌詞を書こうと思ったこと自体があまりなかったんです。最初の「不確かな箱庭」の歌詞は、Soanさんが荊だらけの荒野を歩き出したところをイメージしながら書いたんですけど、すごく入り込んで時間がかかりました。でもそれが、Soanプロジェクトというものがどうあるべきかということを大きく考えるきっかけになった気がします。

Soan:俺の場合、レコーディングが大変なのは正に今回の作品なんですけど、自分自身が楽曲量産型ではないので、1曲1曲に込める思いが重いんです(笑)。1曲に入魂しすぎるので受け止めてくれる人たちが大きい心で構えていてくれないと、重いよ!となってしまう。そういう意味では3作品のいずれかが、というよりも全部がイコールですね。

――では今回の作品で印象に残っている曲はありますか?

芥:僕はやっぱり「濁った瞳」がすごく印象に残っています。Soanさんが僕をイメージして書いてくれた曲で、この曲をくれたときに、葛藤や感じていることを素直に表現してほしいと言ってくれたんです。Soanさんはその都度自分にきっかけを与えてくれる曲を用意してくれるんですけど、それが3枚それぞれ「不確かな箱庭」、「パラドクス」、「濁った瞳」と全部頭の曲なんです。あと、僕の中ではそれ以外にも1枚1枚ファクターというか、気になる曲があって。1枚目だったら「透過幕」、2枚目だったら「sign…」で、覚悟のような意味の曲だったり、自分の本心に気付かせてくれるような曲だったり、色々散りばめられているんです。その中で今回こういうテーマをもらって「濁った瞳」を書いたときに、自分のバンドに対して思っている希望や絶望、それでも進んで行きたいという気持ちを余すことなく素直に書けたので、この曲への思い入れはすごく強いですね。

――今回の歌詞はスムーズに書けましたか?

芥:割とすんなり書けた気がします。SoanプロジェクトはChantyとは完全に別なんですけど、Soanさんが言っている別と、僕の別の定義は違っていて。僕は最初、形から入ってしまおうとしていたところがあったんです。でもSoanさんから、「ライブのMCや、間奏で何か語るときに、別に手鞠君みたいなことを言ってほしいわけじゃない。Chantyの芥が言うような熱量の籠ったことをSoanプロジェクトで言ってほしい」と言われて。最初は何を言っているんだろうと思っていたんですけど、それが段々わかってきた。そこから、歌詞も別ということの意味の捉え方が違っていたなと思うようになって、蚊帳の外ではなく真ん中にいる人間として、本心めいたものを書くようになったんです。3枚目が一番その要素が強くて、何か作る上でChantyやSoanプロジェクト云々ではなく、ヴォーカルとしての自分の気持ちを書くことができたから、割とスムーズだったのかなと思います。

Soan:そのせいか、ライブをやる前の芥からのディレクションの回数が明らかに増えたんですよ。しかも、何かを探していると言うよりも、掴んだものをどんどん掘り下げてくれていることがすごく伝わってくるんです。以前はタイトルとか、歌詞のこの部分はどうなってる?という話をする機会が多かったんですけど、回数を重ねるごとに俺も何も言わなくなっていって。2作品目くらいからシンクロし始めたなと感じたし、今作は完全に爆発していると思います。

芥:さっきSoanさんから、手鞠君はそのままの手鞠君を、芥はChantyとは違う側面を見せたいという話が出ましたけど、きっとwith芥のほうは、Soanさんがプロジェクトスタート時に描いた像とちょっと違ってきていると思うんです。Soanさんは、最初のライブをする前の企画段階で1回イメージを変えているって言っていたんですけど、スタートしてからもその都度イメージの変化がある気がして。それは決して方向転換ということではなくて、より垣根を取っ払った、バンドっぽいやり方になっているんじゃないかなと。だから、これをやってくださいと言われている感じももちろんないし、でも返答を求められているのもすごく感じるし。この3枚目の作品は、プロジェクト感がいい意味で薄れてきて、本当にバンドという言葉に尽きると思います。

Soan:立ち返ると全部が繋がっているというか。with手鞠は一緒に経験してきて一つ越えた完成したものと考えると、with芥は出来上がったものをひたすら磨き合っているんです。俺もある程度積み上げて構築はするんですけど、メンバーに相談したり、芥が新しいものを掴んだり、他のメンバーの話を聞いて1回崩してまた積み上げていくという作業をしているから、芥はその感覚がバンドに近いと言っているんじゃないかな。俺もwith手鞠だと、完成した者同士がお互いブレない1本の芯で戦い合うんですけど、with芥では一緒に作り上げている部分があるので。芥が話していた「Soanさんがプロジェクトスタート時に描いた像とちょっと違ってきていると思う」ということに対しても、確かに修正しているんです。ただ色で言うと、白だったものを黒にしているというわけではなくて、歩くべき方角は全然ブレていないけど、ただ立ち止まったり、一回後ろに下がってみたり、また進み直したりしている。その過程は確実にwith手鞠よりもwith芥のほうが多いです。

――同じプロジェクトでも、その道のりに違いがあるんですね。

Soan:新しい芥を提示したいというところから、当初描いていたイメージとここまで違うんだなと自分でも改めて思いました。今こうやって芥の話を聞いて、考え方が変わった部分もあるなと思いましたし。

芥:自分の中で、進んだり休んだり、見直したりということに卑屈になっているわけではないんですけど、僕の力不足でそういうことが起こることもあるということもすごく感じているんです。でも、Soanさんとサポートする5人ないし4人が一緒に作るという感覚がより強いから、一緒の目線になって悩んでもらえて、その都度くれる答えに人間味があって、近く感じる。すごくありがたいです。…だから結果売れたいですよね(笑)!

――あれ!? すごいところに着地しましたね(笑)。

Soan:急に貪欲になった(笑)。

芥:当然の欲と言うか(笑)。他のインタビューで、「手鞠君のほうは聴き手を篩にかける音楽という部分もある」と言っていたんですけど、こっちはもっとお客さんを呼びたいし、もっと盛り上げたいし、もっと売れたいと純粋に思える場所だったりする。その純度が1周年終わってから高くなっていった気がするんです。

Soan:俺もそうあるべきだと思うので、その言葉が聞けてすごく嬉しいです。素直と言うか、むしろそれが一番だよ(笑)。

◆僕と手鞠君は、俯瞰でお互いが見えている中で距離感も含めて上手く収集がついた(芥)

芥

――Soanさんは、今回のミニアルバムで印象に残っている曲はありますか?

Soan:俺も1曲目の印象がすごく強いです。SEの流れから始まる「濁った瞳」は、始動当初からサポートギターをやってくれているDuelのShunちゃんのシャウトを生かしたくて、人生で初めてバラードにシャウトを入れました。あとは芥がパワーバラードが好きで、芥に歌わせたら他のバンドには負ける気が一切しないパンチのある1曲ができるという自信もあった。芥に対する思い一辺倒で作っている曲なので、すごく思い入れが強いし、大事な曲なんです。

――今回Shunさんは全編を通して大活躍ですよね。

Soan:大活躍です。言い方は悪いですけど、いちいちいます(笑)。

――「濁った瞳」の壮大なバラードの中に入ってくるシャウトは衝撃でした。

Soan:ありがとうございます。芥という人物は物事を外から俯瞰して見るのがすごく上手なんですよ。だから、Shunちゃんのシャウトが気持ちを代弁しているよう聴こえたら嬉しいと言うか、芥自身がまるで客席にいる人のような気持ちになってもらえたらというイメージで作りました。

――ところで、今回ライブ会場で期間限定販売されているエムカード収録の「紫陽花がまた咲く頃に」-芥ver.-の歌詞で、〈手まり咲き〉という言葉を初めて知ったのですが、素晴らしい言葉のセレクトですね。

芥:ありがとうございます。自分のCメロの中に、どこか手鞠君とリンクしている瞬間を作りたくて。最初、手鞠君ver.の詞を所々残す方向でいこうと思っていたんですけど、どうもしっくりこなかったんです。でも、あまり底抜けに明るいとか退廃的というのも違う気がして。そんな中、僕がよく通る道に紫陽花が咲いていて、毎日その前を通りながら、何て言ってほしいのかを考えていた時に、この言葉を知ったんです。手まり咲きって、紫陽花が球体になって丸く優しく咲いている状態のことなんですけど、イメージとピッタリだなと思って。

――Soanプロジェクトで芥さんが書く言葉として、この上ないものだと思いました。

芥:そうですね。僕も何かに出会うタイミングというのは必然なんだなと改めて思いました。この曲の歌詞を完全にフィックスさせる前に、いつも自分が通る道で紫陽花に出会えたのは、タイミングとしてバッチリだったと思うし。それに、紫陽花は土壌によって色が変わる不思議な花なんですけど、これはSoanプロジェクトのイメージの大元にも通じるなと思って。静と動があったり、Soanさんがいろんな土壌を用意してくれることで咲いているんだと思いながら毎日眺めていました。

――手鞠さんとの初めての合作はいかがでしたか?

芥:すごくすんなりできました。でも、手鞠さんと僕が単にすごく仲が良くて、普段からご飯や飲みに行くくらいの関係性だったら、多分こうはならなかったんだろうなという気がします。前に、「自分と手鞠君は同じ距離で、平行な距離で離れていくと思っている」と言ったことがあるんですけど、だからこそ、変に近くなって混じるというよりは、どんどん遠くなって、俯瞰でお互いのことが見えている中で、距離感も含めて上手く収集がついたんじゃないかなと思ったんです。この2年間そういう作業を続けて、どんどん良い距離になっていったからこそ、こういう結果になったんじゃないかなと。

――それにしても、エムカードに収められた芥ver.や手鞠ver.然り、アルバムに収められた合作ver.然り、二人のフィルターを通すと1曲がこんなにも多彩になるんですね。

Soan:似て非になると言う部分はあるかもしれないです。特に聴いてほしいと思うのは、with芥の「濁った瞳」と、with手鞠の「醜悪なる獣穿つ矢、致死を以て野卑を屠る」なんです。俺からすると、芥自身を投影している曲と、手鞠自身を投影している楽曲もあり、それに対するアンサーを二人が書いてくれていて。「紫陽花がまた咲く頃に」もそうなんですけど、歌詞も聴き比べ甲斐があると思います。今作には色々詰まっていますから、願わくば多くの人に一回触れてみてほしいです。

――聴き手の数だけ心に刺さる部分がありそうです。

Soan:そうだとしたら嬉しいです。歌詞を紡いでくれる二人にすごい文才と歌心がありますから。芥の言葉を借りるならば、俺は土壌で、土を均しているだけなんです。そこからいろんな花を咲かせてくれるのは、やっぱり芥、手鞠を中心とした俺以外のメンバーなので。それが一つの作品、集大成として完成した今回の作品は、一番爆発力のあるものになったんじゃないかと思います。それに、皆ベテランですから心強いですよ。一緒にやっていて不安になるやつがいないですからね(笑)。

――Soanさんが最初に想定していたものから、バンドマジックで完成形が大きく変わるということはあるんですか?

Soan:楽器隊だけをフォーカスするなら、あまり変わらないです。もちろん、弾いている人の熱量や音の厚みという部分では大きく化けるんですけど。でも、特に彩を付けてくれるのはIvy(B)ですね。あいつが一番自由に遊んでくれる。「Soanさん、何でもいいって言いましたよね!」みたいな(笑)。自由にやらせたほうがあいつ自身の威力が出るし、良いものを返してくれるので。KとShunちゃんに関しては、わりと忠実な再現を心がけてくれるので、タイプが違うんです。

――そういうメンバーによってプロジェクトが成り立っているというのも面白いですね。

Soan:そうですね。そしてボトムを支えているIvyが、意外とキーマンになっていたりします。あいつもちゃんと彩のある花を咲かせてきて、「ベースなめんなよ」ということを出してくるので(笑)。そういうところは、Moranのときから一緒にやっていてやりやすいし、今も一緒にできて本当に良かったと思います。

◆夢や野望はいくらでも出てくる。そこはwith芥、with手鞠共通なんです(Soan)

――発売中のエムカードには、Soanプロジェクト初のMVが収録されています。

Soan:リリース日からフルサイズ見られるようになるので楽しみにしていただきたいです。MVは、手鞠君と一緒にやれたことが、まず感慨深かったですね。一緒に映像に映ってる!みたいな(笑)。amber grisとMoranは同じ完成された美しさを追求していたバンド同士だと俺は思っていて、これまでも一緒にやる機会が多かっただけに、感慨深いです。

芥:何となく二人を当たり前のセットとして見てきてしまっていたんですけど、考えてみると二人が一緒にMVに映るというのはすごいことだなと今更思いました(笑)。

Soan:そして、芥のほうは観て、聴いて、売れたい。俺も売れたい(笑)。そこに映像物を提示することで、Soanプロジェクトはこういうことをやっているんだなということが、より伝わったらいいなと思います。映像のディレクションは、手鞠君もしてくれたりして、皆で作っているんですよ。名前はSoanプロジェクトだけど、俺が独裁者なわけではなくて、すごく企業っぽい言い方をすると、プロジェクトリーダーなんです。皆はプロジェクトの一員みたいな感じ。プロジェクトだから解散しても集合できる。「集合! やるよ!」みたいな。それぐらいでいいと思っています。なおかつwith芥のほうはさっき言ってくれたように、虎視眈々と売れるチャンスを狙っているということで、いきなり大きい箱でやり始めるかもしれない。そういう自由さがいいんじゃないかなと思うんです。

――自由に楽しんでいる感じが伝わってきます。さて、3部作もできた今、その先に見据えているものはありますか?

芥:大きいところでライブをやりたいです(笑)。

Soan:with手鞠もそうなんですけど、劇場でやりたいんですよ。手鞠君にもずっと、いつかバレエダンサーを使いたいね、と言っていて。夢や野望はいくらでも出てくる。そこはwith芥、with手鞠共通なんです。

――どこか具体的に想定している場所はあるんですか?

Soan:俺は、究極の理想というわけではないですけど、規模としてはAXぐらいの箱がいいです。

芥:いいなぁ…AXでやりたい。

Soan:スタンディングのあのキャパ感がいいですよね。あえて言うなら、旧赤坂BLITZ。

芥:あ、僕も今同じところが浮かびました。

――残念ながらどちらも今はもうない会場ですが、あの規模の会場で観るSoanプロジェクトはまた格別でしょうね。

Soan:ぜひ実現したいです。でも、with芥のほうで特にステージに何かするということは、俺は今したくないんです。こっちが着たいものを着て、やりたいものだけで勝負するくらいの感覚でステージに立てたらいいなと思います。

芥:まさにライブですね。

Soan:そして、その一端は活動に現れている気がするんです。with芥は貪欲にライブをやれるときにやって、どんどん巻き込んでいくというスタンスでやっているし、with手鞠のほうはチェリストを使ったり、祐弥(G)が二胡を弾いたりしていて、新しくて面白そうなことをどんどんやっているので。

芥:お客さんの構え方も、活動当初とは変わってきた感じがするんです。最初は個々の混ざり切っていない思いを感じたんですけど、1年くらい経つと、それがどんどん混ざるようになっていって。対バンをしていても、すごく音楽が好きな人が多いんだろうなということを強く感じるんです。どのバンドでも心から楽しんでいる。音楽への欲求の強い人たちとか、あの空間が好きな人が集っているから、メンバー間だけでなく、お客さんたちにも本気の遊びを楽しむという気持ちが伝染しているんだろうなと思うし、それが、ここ1年の大きな変化だと思います。お客さんの熱が満遍なく上がっている感じがするんですよ。すごくバンドとして感慨深い瞬間です。

――理想の形へと進化していっているんですね。Soanさんは、「Soanプロジェクトで静と動の二つのコンセプトを掲げることで、表裏一体の神秘とか、究極の意味のような境地に辿り着けた」そうですが。

Soan:そこはまさに俺が最近よく言っている「理想郷」なんですけど、ちゃんと辿り着けたと思います。

――9月30日にはSoanプロジェクト 3rd Mini Album Release Oneman Live『静廉鳴る共奏、静脈に宛がう。動猛成る狂想、動脈に射つ。』が開催され、11月にはSoanプロジェクトwith芥 3rd Mini Album Release Oneman Tourが始まります。ライブも進化している今、3部作が完成した後の次なる展開を楽しみに待っています。

Soan:嬉しいですね。「楽しみに待っています」と言われたらアーティスト冥利に尽きます。待っていてください。

芥:これで完了したんだね、じゃないですからね。ちゃんと次が見たいと思えるのは。

Soan:そう。Soanプロジェクトには、まだまだ伸びしろがありますからね!

Soan&手鞠&芥

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

Soanプロジェクトwith芥

<プロフィール>

ex.MoranのSoanによる新プロジェクト。「静」と「動」の二つの表現の場を設け、それぞれのヴォーカリストとして手鞠(ex.amber gris)と、芥(Chanty)を迎え入れた。Soanの誕生日である2016年6月1日に行われた高田馬場AREAでの1stライブより活動を開始。2017年1月に1stミニアルバム『慟哭を鼓動として道とする音』を、同年9月には2ndミニアルバム『調律、その脈動に問う』をリリース。2018年9月30日に新横浜NEW SIDE BEACH!!にてワンマンライブを開催し、11月10日の札幌Crazy Monkeyを皮切りに3部作を締めくくるミニアルバムと同名のツアー『動猛成る狂想、動脈に射つ。』をスタートさせる。

■オフィシャルTwitter
https://twitter.com/soan_official

■オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/moran-soan/

■SoundCloud:Soanプロジェクトオフィシャルアカウント
https://soundcloud.com/soan_project

 

【リリース情報】

動猛成る狂想、動脈に射つ。
2018年9月5日発売
(SPEED DISK)

動猛成る狂想、動脈に射つ。
S.D.R-337
¥2,600+税
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【収録曲】

01. heart
02. 濁った瞳
03. meteo trive
04. 朽ち木の行方
05. 月欺けば傀儡が笑う
06. frowery count
07. 紫陽花がまた咲く頃に

【ライブ情報】

●Soanプロジェクトwith手鞠 Oneman Live『真夏の夜の夢vol.2』
~菓子女装ブリオッシュ・ド・ロリィタ~
8月21日(火)渋谷Rex
~下駄と帯紐と私、愛する貴女のため・収穫祭~
8月22日(水)渋谷Rex

●Soanプロジェクトwith芥 Oneman Live『真夏の夜の夢-特別編-』~黒服限定GIG・奉納祭~
8月23日(木)東高円寺二万電圧

●Soanプロジェクト 3rd Mini Album Release Oneman Live『静廉鳴る共奏、静脈に宛がう。動猛成る狂想、動脈に射つ。』
9月30日(日)新横浜NEW SIDE BEACH!!

●Soanプロジェクトwith芥 3rd Mini Album『動猛成る狂想、動脈に射つ。』Release Oneman Tour
11月10日(土)札幌Crazy Monkey
11月11日(日)札幌Crazy Monkey
11月24日(土)大阪北堀江club vijon
11月25日(日)名古屋今池3Star