インタビュー

Soanプロジェクト

Soanプロジェクト

ex.MoranのSoanが二人のヴォーカリストと共に織りなす「静」と「動」の世界。音楽に真摯に向き合い、昇華し続ける三人が作り出した2枚のミニアルバムとは――

2016年6月1日、Soanの誕生日に行われた1stライブと共にスタートを切った「Soanプロジェクト」。彼の根底にある静と動という二極のコンセプトを、手鞠と芥(Chanty)という二人の表現者を介して具現化していくそのステージには、ライブという一言には収まらない圧倒的な密度と、この上ない熱が満ちている。これまで1本1本のライブに重きを置いた活動を展開してきた彼らが、今回それぞれの楽曲を収録した初の音源として2枚のミニアルバムをリリースすることを発表した。彼らの世界を見事に閉じ込めた2枚を通じて、より深くその世界に浸っていただきたい。無限の可能性を秘めたこのプロジェクト、そのキーマンであるSoan、手鞠、芥の三人に話を聞いた。

◆自分の人生をそのままバンドのテーマにしてみようと思った(Soan)

――初登場ということで、Soanさんは手鞠さんと芥さんを、お二人はSoanさんを紹介してください。

Soan:これはハードルが高いですね(笑)。まず手鞠さんはガンダムオタクです。それでいてアーティストとしての言葉選びがとても秀逸で、大人。でも子供心も忘れていなくて、さっきも「ペンキ塗りたての張り紙を見ると寄りかかりたくなる」と言ったりして、人間らしいなと思いました(笑)。そして、可愛いお酒を飲む人です。あと、手鞠君の育った環境はきっと体育会系なんだろうなと思います。上下関係がすごくしっかりしていて、常に気を遣ってくれるんですよ。人間像は、やんちゃ心を持ちつつも先輩を立てる人、ですね。そして、一見謙虚なんだけど自分をしっかり持った人です。

――芥さんはどんな方ですか?

Soan:芥とは、ここ最近急接近したんですけど、すごく器用でマルチな人です。

芥:いやいや、すごく不器用だと思いますよ。器用貧乏だって言われたこともあるし。

Soan:平均点以上のものを全て持っていると思うよ。あと、作品を聴いてもらえばわかる通り、宿題を出すと100点以上のものを持ってきます。でも、割とギリギリにやるタイプですね(笑)。

芥:実は昔からそれをすごく気にしているんです。でも、人間が追いつめられて出すものが一番ストレートで相手に響くんじゃないか、とも思っていて。正統化しているかもしれないですけどね(笑)。

Soan:なるほどね(笑)。あとは情が深くて、Chantyのメンバーに対する愛情もすごく感じます。相手を気遣ったり、思いやる気持ちが言い回しに出るんですよ。すごく優しい人間だし、言葉を発するのにも、すごくよく考えているんだろうなと。

――お二人の共通点はありますか?

Soan:野心家だということですね。手鞠君からは体育会系な空気を、芥からは優しさや思いやりを感じるんですけど、優しい言葉の中からも「なにくそ、今に見てろよ!」という思いはちゃんと伝わってくる。二人とも無限の可能性を秘めていると思います。

手鞠:じゃあSoanさんを紹介しますね。後輩からするとすごく兄貴肌です。僕がヴィジュアル系の世界に入ったときから活躍していた人で、尊敬する先輩の一人です。そんな先輩と、こうして直接関わることになって、人柄や今までやってきたことのすごさが更にわかって、改めて尊敬しました。曲作りに関しては、一人の人間がアーティストのエモーショナルさと、商業的にバンドを回すことを両立させるのはすごく難しいんですけど、Soanさんの曲は自身が持っている音楽知識を導入しつつ、すごくエモーショナルに作られていて、音楽理論だけではないから、堅苦しさを感じないんです。理論だけの曲はつまらなく感じてしまうんですけど、Soanさんの曲はそこにちゃんと感情が乗っている。だから、僕自身もすごく感情移入しやすいんです。そのバランスを一人の人間の中でやっていることも尊敬の対象ですね。

Soan:ありがとう。バンドやっていて良かったと思ったよ!

手鞠:(笑)。あと、Soanさんのピアノを弾くタッチに、繊細さや性格の起伏がすごく表れていて。そこに歌を合わせると、こちらもエモーショナルな部分を掻き立てられて楽しいし、音楽を生き物として感じられるんです。そこにもすごくSoanさんという人が表れていると思いました。

――美しい関係性ですね。

Soan:今日はいい夢が見られそうです(笑)。

芥:僕もSoanさんにはお兄さん感を感じます。相談事をすると、一度咀嚼した上で提案してきてくれるんですよ。きっとSoanさんの中では、ある程度考えが決まっていることも多いと思うんですけど、自分の考えを押し付けずに、「こういうのはどうだろう」と提案してくれる。本当に愛がある人です。ただ、手鞠さんは先輩としての認識がすごく強いと思うんですけど、僕にとってはどちらかというと芸能人寄りの印象で。MoranとはChantyで何度か対バンをさせてもらったんですけど、Fatimaは自分がヴィジュアル系にどっぷりハマリかけていたときに雑誌で見ただけなので、文章でしか存在しない人達なんじゃないかと思ったり…どこか空想の人物のような印象です。

――そんな三人が主軸になっているSoanプロジェクトは、どういういきさつで始まったんですか?

Soan:昨年の9月にMoranが解散して、やり切ったなと思ったんです。なので、音楽活動はもういいかなと。そんな時、高田馬場AREAの店長に「来年の6月1日、AREAのスケジュールを空けているんだけど」という熱い話をもらったんです。AREAは6月が設立月なのでアニバーサリー月間なんですけど、その1発目の日を押さえてくれていて。「Soanが音楽を辞めるのは本当にもったいない。どんな形でもいいから何かやってみないか」と声をかけてくれたのがきっかけです。

――運命を感じますね。

Soan:そうなんです。その頃、ありがたいことにセッションやライブのお誘いの話が色々来ていたんですけど、半端な形では出たくないと思っていて。これは今回セッションにこだわった理由の一つでもあるんですけど、自分としてはカバー曲をちょろっとやるというスタンスではないなと。じゃあオリジナル曲を作ってみようと思ったときに、俺の作曲のスタンスはヴォーカルで決まると思ったので、そこで手鞠君と芥に順番に会ったんです。

――二人のヴォーカリストを通じて「静」と「動」を表現することは、早い段階で決めていたんですか?

Soan:そうですね。静と動というコンセプトは自分の人生のテーマなんです。人間のギャップってカッコ良いじゃないですか。自分が最初に衝撃を受けたのがX JAPANのYOSHIKIさんなんですけど、すごく繊細で、感情的なピアノを弾いて、人が泣いて、合唱が起きて…でも片や激しくドラムに突っ込んで、ぶっ壊す。でもその静と動の中で、ものすごく切ない一つの物語があるんです。それが自分の人生のテーマでもあり、ヴィジュアル系を好きになったきっかけでもあるんですよ。だからやるんだったら振り切りたいなと思ったし、自分の人生をそのままバンドのテーマにしてみようと思ったんです

――Soanさんの根底にある美学を感じました。それにしても、自分の人生を二人の表現者を使って具現化するというのは、とても贅沢なプロジェクトですね。

Soan:そうですね。自分が「いいな、一緒にやりたいな」と思っている人に言葉を託す…贅の極みですよね。

――その話をもらったときに、ヴォーカリストのお二人はどう返したんでしょう?

手鞠:わりと直ぐにお返事させてもらいました。Soanさんが考えている表現の形やヴィジュアル系に対する思いも含めて、いろんなものに共感できたので。それらを総合して、Soanさんとであればamber grisのときにやりたかったけど自分が未熟でできなかったことも実現可能かもしれないという、新しい希望が沸いたんです。僕もamber grisが終わった後、やり切ったと思う部分があって。でも、自分も音楽が日常に寄り添ってできているような人間だから、音楽から離れることはないんですよね。ちょうど音楽に対する向き合い方を考えていたときにいただいたお話だったので、すごく良いきっかけになりました。

芥:僕も音楽に向き合うことを考えていたタイミングだったんです。今、Chantyをやってすごく充実しているんですけど、自分に足りないものを感じることも多くて。そんなときに、自分にとっては空想の人物のような人から、空想の世界に招待されて。最初は恐いもの見たさも正直ありました。でも話をしてみて、一つバンドを長年やり切った人が、新しい人生を背負った表現を、自分を通して考えてくれている、ということが本当にすごく嬉しかったんです。

◆Soanさんからはレールを与えられるのではなくて、最初の駅を与えられる(手鞠)

――このプロジェクトではSoanさんが作曲、お二人が作詞をしていますが、Soanさんからどの程度イメージを伝えるんですか?

Soan:ぼんやりと、ですね。「自分はこういう気持ちで曲を作りました」とか、ライブでの位置付けとして起承転結のどの部分なのかとか、あとは色で説明したりもします。手鞠君に投げるときは、わりと感情で説明しますけど、感謝の気持ちとか嫉妬憎悪の気持ちとか、断片的なことしか言いません。芥にも「こういう風になったら嬉しい」というライブの画を想像しながら書いてもらったりするんですけど、基本的には「あとは頼んだ!」と結構大きく投げています。

芥:そう言いつつ、Soanさんは「こういう歌詞が来るだろう」とある程度予測していると思うんですよ(笑)。でも、だからこそヴォーカルを誰でもいいと思って選んだのではないんだろうと思うんです。こちらも自由にさせてもらいつつ、余計なことを考えずに安心して寄り添っていけます。

手鞠:Soanさんは他のメンバーを活かすことが最終的に自分になり、バンドになる、ということがわかっている方なんですよ。多分Moranのときもそうだったと思うんですけど、ヴォーカルや他のメンバーをどうしたら活かせるかを考える人だと思うんです。それありきで曲をいただけるので、すごくやりやすくて。僕は上からマウントポジションを取られたり、束縛されるのがすごく嫌な人間なんですけど、Soanさんからはレールを与えられるのではなくて、最初の駅を与えられるんです。「そこからレールを伸ばす先と、見える景色は好きにしてくれていいよ」と曲やイメージが渡されるので、レールを伸ばす方向を自分で決められたり、そこから見える景色を描写できるのはすごく楽しいんですよね。

――お互いを尊重し合っているんですね。意地悪な質問ですが、やりやすさの中で特に苦心した部分はありますか?

芥:『不確かな箱庭』は本当に取っ掛かりなので、何を書いてスタートしたらいいのかと一番悩みました。でも、さっきSoanさんが言っていた「Moranが終わったときに本当にやり切ったと思った。音楽をやるかやらないを悩みながらも、人との繋がりがきっかけでまた始めた」という言葉を聞いて、自分が付けた歌詞で良かったなと思ったんです。やっぱり俺も自分のバンドに対して、常になくなってしまうことを意識しながら進んでいるところはあって。だから、それを経験して乗り越えて、また音楽を始めることへの一つの覚悟になるようなものを書きたいと思ったんです。「この主人公だったら、こういうふうに進みたいんじゃないか」と、思っていることを一つのストーリーの主軸、始まりとして書きたかった。最後に〈降り止まぬ音色ずっと掴み離さない僕がいる〉という一節があるんですけど、それはSoanさんの人生の中に常に音楽があって、それを前提に人生が進んでいることを表していて。手鞠さんもよく言っているんですけど、音楽はやり切るものじゃなくて寄り添っていくものなんですよね。その掴んで離さないものは剣なんですけど、それを掲げてSoanプロジェクトで振り下ろす。そういう旅の一つのスタートになるものにしたいなという気持ちがありました。

――導入が決まったことで、作品全体の流れが見えましたか。

芥:そうですね。全ての曲がストーリーとして繋がっているというわけではないんですけど、アルバムタイトルにも「慟哭」という言葉が入っている通り、イメージとして共通しているのは人が心から嘆いている部分で、なおかつライブにおいて高ぶるものなんです。すごく静かな「透過幕」も入っていますけど、それも書いている者にとっては「動」なんです。嫉妬心だったり、何かを掴みに行くようなものだったり。動という意味での中の人間の根底にある部分を書けたらいいなと思いつつ、これから書いていくであろう曲たちも、すごく楽しみにしているんです。

――「静」のプロジェクトはいかがでしたか?

手鞠:歌詞に関しては本当に自由にやらせてもらっているし、まだまだ書きたいと思うこともあって。自分の中の言いたいこと、伝えたいことのストックから広げていくこともできたし、曲とイメージをもらえたこともあって、すごくやりやすかったです。それとは別に大変だった部分は二つあって。まず一つは、ヴォーカリゼーション。音が少ないアコースティック形態でベースもいないし、アコースティックギターなので、音域的に今までギターでかき消されて見えなかったヴォーカルの粗い部分が丸分かりになったんです。だから技術的な自分の不完全さというか、まだまだ未熟だった部分が浮き彫りになりました。あとは表現ですね。もっと緩急やブレスを大事にして、もう一度ヴォーカリゼーションというものを見直さないと通じないと思い知ったんです。

――アコースティックならではの難しさですね。

手鞠:そうです。なので、このお話をもらってから1stライブまで、他からセッションに誘われたときは基本的にアコースティック形態のものを受けるようにしました。Soanプロジェクトに向けて、音数が少ない中で歌うというのはどういうことかを勉強しておきたかったんです。もう一つは、僕の頭の中で、Soanさんの曲を最初に歌うのはHitomiさんだということなんです。僕はいわゆるヴィジュアル四天王の世代に育っていて、そのブームの後のFatima、ムック、MERRY、蜉蝣…とたくさんのバンドがとんでもない個性を出す無茶苦茶な時代の影響を受けているんです。とにかくカッコ良くて、片っ端から聴いていたんですけど、その時代のヴォーカリストの中で歌詞の面で一番感動したのが、Hitomiさんだったんです。

――大きな存在なんですね。

手鞠:そうです。その後Moranでご一緒する機会があったんですけど、音源を聴いたりライブを観る中で、Soanさんの前でHitomiさんが歌っているイメージが出来上がって。Hitomiさんの言葉選びが自分のイメージの中にあるから、最初にSoanさんの歌を僕の中で再生する時に聴こえるHitomiさんの声を消さないといけなかったんです。自分がその立場にならなくてはいけない、ということがすごく大変でした。同時に、ライブを観に来るHolicさんやダウナーさんは、僕と同じようにSoanさんの前にいるのはHitomiさんをイメージすると思うんです。それを良い意味で裏切って、自分の力で、「こいつで我慢してやるか」じゃなくて「こいつでもありなんだ」と思ってもらわないといけないので、すごくハードルが高かったです。でも今は自分なりに、自分らしさが出ているんじゃないかと思っています。

――ライブのときに手鞠さんの語りが入りますが、あれだけの暗唱をライブでやることに驚きました。

手鞠:今までも導入としての語りはありましたけど、あそこまで1曲1曲きっちりと台本を決めたことはなくて。決まったら、噛まないようにお風呂で練習しています(笑)。覚えても、勢いに任せてしまうと絶対につかえてしまうんですよ。ちゃんと噛み砕いて口が動く状態にして、さらに感情を乗せないといけない。ただ、今のところは成功していますけど、来年はたくさんライブがあるので、どこかで転ぶ可能性もなくはないです(笑)。

Soan:手鞠君は語りの方が大変なんですよ。まず俺に台本を投げてもらって、リハで言ってもらう。そこで「もっと季節が絡んだほうがいいんじゃない?」なんて伝えると、また手鞠君が見直して、本番までに頭に叩き込む。ヴォーカリストというより、最早ストーリーテラーですね。舞台俳優の域に入っています。

――あの語りが入ることで世界観がグッと深くなりますが、努力の賜物だったんですね。

Soan:「あのセリフを入れたい。手鞠さんできるよね?」ってお願いしたんですけど…無茶振りですよね(笑)。

手鞠:先輩に言われちゃったから、そこは応えるしかないなと(笑)。

Soan:そもそも台本ありきというのは今までのバンドでできなかった表現なんです。FatimaやMoranで経験してきたのは全部即興なんですよ。即興にももちろん良さはあって、その場の空気感で出る言葉はすごく大事なんですけど、物語を作るに当たって、その曲順だったり、流れだったり、季節だったり、日が暮れる時間にライブをやるのか、日が暮れてからやるのか、ということも計算できる。そういうことも手鞠君とだったらやれると思ったんです。でも、そこに言葉選びの感性も含め、全てが合致しないと、この表現はできない。クレバーな人間じゃなきゃ、絶対にできないですよ。

――今、この組み合わせだからできることなんですね。

Soan:そうです。だからSoanプロジェクトで最初に声を掛けたのは、手鞠君なんです。「手鞠君にどこかに行かれたらヤバい! これができなくなる!」と思って。(笑)。やりたいことが見つかったときに最初に名前が出てきたのが手鞠君でした。その後、模索しているときにChantyでの芥の衝撃に一気に撃ち落とされて。それぞれ一緒にやりたいと思った理由は違うんです。

◆声だけでも伝えられるのが俺の考えるSoanプロジェクトの理想であり、攻撃の仕方(芥)

――手鞠さんも言っていましたが、Soanさんの曲が本当にエモーショナルで。感情が聴き手まで強く伝わってきて、Soanプロジェクトは、ライブの域を超えた特殊な舞台という印象です。

Soan:すごく嬉しいです。エモさに関しては命をかけているんですよ。俺のエモいという意味の根源が、「激しかろうが激しくなかろうが、心や感情をくすぐるもの」なので。ただダイナミックだからエモい、ではなく、もっと深いところまで聴いてくれる人に伝わっていたらいいなと思っているので、そういうふうに思っていただけるのは光栄です。

――客席との一体感も圧巻でした。6月1日の1stライブ以降、わずか3回のライブ(※取材時点)で、こういう光景が観られることに驚いたんです。

Soan:ヴォーカリストはもちろん、ゲストミュージシャンの力や、お客さんの存在があってこそだと思います。ライブ1本1本を貴重な機会だと思って大切に思ってくれていて、全神経を傾けて全力で聴いてくれるスタンスが、3回目にしてこの空気感に繋がったんでしょうね。

――ステージも客席も全力で挑む、不思議な心地良さを感じる空間でした。

芥:そうなんですよね。それもお客さんが縦横無尽に動いているから心地良いというより、本当にみんなが全神経を集中させていて、前を向いて視線がぶつかり合っている感じが気持ちいい。意思が統一されていて、掴み逃さないようにしているのが感じられました。

――さて、Soanプロジェクトはこの取材の段階でレコーディング真っ最中ということで。

Soan:今ちょうど、さっちゃん(Violinを担当する黒色すみれのSachi)が録っています。今回、ありがたいことに、お客さんが音源として聴きたいと言ってくれて。各ゲストメンバーのお客さんの力もあって、多くの人が足を運んでくれるこの状況で作れるということに感謝しています。自分も作品になるのは当然嬉しいし、手鞠君や芥が書いた歌詞が文字になったらより見やすいだろうし。アートワークの一つとして世に出たらいいなと思っています。

――2枚それぞれにライブにも参加しているゲストメンバーが名を連ねていて、『慟哭を鼓動として道とする音』には、1曲目からShunさんのシャウトが入っていますね。

芥:入っています。すごく攻撃的でライブに行きたくなりますよね(笑)。

――クリスマスライブ、そして2017年のツアーとSoanプロジェクトが活発に動き始めた印象です。

Soan:一気に慌ただしくなりました。でも、その後に関しては今のところは未定です。別に終わるわけではないんですけど、今のところは発表されているところまでなので、このタイミングでぜひライブにも来てもらえたらなと思っています。

――では今後のSoanプロジェクトの展望をお聞かせください。

手鞠:僕自身がもっともっと良くなればと思います。今、Soanさんや、Sachiさん、ギターはRuizaさん(D)や祐弥さん(ex. DuelJewel)、タイゾ君(Kra)と、魅力的なプレーヤーの人たちと一緒にやれていることがすごく嬉しいし、自分の励みにも、勉強にもなっています。あとはもっと僕が今やれることを増やしていったら、もっと良いものになると思うし。amber grisが終わった時点で、自分にしては頑張ったんじゃないのここまで来て、と思っていたんですけど、Soanさんと一緒に音楽をやっていく中で、「お前、こんなこともできるんだ」って客観的に思えたので。そういう部分を伸ばしていけたら、もっともっといろんなことができるし、プロジェクトにも貢献できるんじゃないかと思います。そして、もっともっと純粋に楽しんでいきたいです。

芥:このプロジェクトに関わって、歌うことが武器なんだと改めて感じました。気付いていたようで、気付いていなかったことを思い知らされて。だから展望としては、極端に言えば、一歩もそこを動かず、目も開かずに歌っていても届くような歌を歌えるようになりたい、ということですね。ステージでは動きや目線も大切ですけど、声だけでも伝えられるのが俺の考えるSoanプロジェクトの理想であり、攻撃の仕方なんです。バンドをやっていると経験やほしいものは、どうしても足し算方式になりがちですけど、このプロジェクトに関しては、引き算。なるべく削いで行って純度を高められたらと思います。自分はヴォーカリストとして、SoanプロジェクトやChantyで生きて行って、「歌えて最高だったぜ、この人生!」と思えるような人生を送れたらいいなと。来年のことというか、一生のことになってしまいましたけど(笑)。

Soan:いいテーマだね。

芥:はい! そういう感じで歌っていきます。

――Soanさんはこの先に思い描いていることはあるんですか?

Soan:一応、こういうところでこういうことがやりたいというものはあります。それよりも自分個人の根幹的な部分で、感情がないとクリエイティブなことに繋がらないんですよね。人間やっぱり色々あって、人生山あり谷ありじゃないですか。全員がずっとピークなわけじゃないし、ずっとどん底なわけじゃない。それを自分の中で楽しんで、Soanプロジェクトの音楽として心に響くものをどんどん作っていけたらと思います。終わりなき旅ですね。Soanプロジェクトは、いつからいつまでではなく、参加メンバーにも各々の人生のメインとなるフィールドで頑張ってもらって、「本気で人に何か訴えかけるような、本気の音楽をやろうぜ」と思ったときに、またみんなで楽しく集まれたらいいなと。感情豊かな気持ちを忘れずに、これからも生きていけたらと思っています。

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

Soanプロジェクト

<プロフィール>

ex.MoranのSoanによる新プロジェクト。「静」と「動」の二つの表現の場を設け、それぞれのヴォーカリストとして手鞠(ex.amber gris)と、芥(Chanty)を迎え入れた。Soanの誕生日である2016年6月1日に行われた高田馬場AREAでの1stライブを皮切りに活動を展開。12月25日にEDGE IkebukuroにてSoanプロジェクトwith手鞠 Oneman Live「降雪と考察、曇る視界」/「結露と結論、至る氷解」を、2017年2月からはSoanプロジェクト『静謐を制し征する音、慟哭を鼓動として道とする音』Release Oneman Tourを展開することが発表されている。

■オフィシャルTwitter
https://twitter.com/soan_official

■オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/moran-soan/

■SoundCloud:Soanプロジェクトオフィシャルアカウント
https://soundcloud.com/soan_project

【リリース情報】

Soanプロジェクトwith芥『慟哭を鼓動として道とする音
2017年1月18日発売

Soanプロジェクトwith手鞠『静謐を制し征する音
2017年2月1日発売

慟哭を鼓動として道とする音

慟哭を鼓動として道とする音
(CD5曲)
S.D.R-306
¥2,500+税
amazon.co.jpで買う

【収録曲】

[CD]
01. 不確かな箱庭
02. arrive
03.隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬
04.透過幕
05.hysteria show time

静謐を制し征する音

静謐を制し征する音
(CD5曲)
S.D.R-307
¥2,500+税
amazon.co.jpで買う

【収録曲】

[CD]
01. 夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処
02. 投影された在りし日の肖像と云う名の亡霊
03.感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛
04.それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ
05.そして君は希望の光の中に消えた

【ライブ情報】

●Soanプロジェクトwith手鞠 Oneman Live「降雪と考察、曇る視界」/「結露と結論、至る氷解」
12月25日(日)EDGE Ikebukuro
第一部「降雪と考察、曇る視界」 開場:15:30 開演:16:00
第二部「結露と結論、至る氷解」 開場:18:30 開演:19:00
出演: Soan / 手鞠 / タイゾ(from Kra) / 祐弥 / Sachi(from 黒色すみれ) / Akiko Yamazaki

●Soanプロジェクト『静謐を制し征する音、慟哭を鼓動として道とする音』Release Oneman Tour
【Soanプロジェクトwith芥】
2017年
2月03日(金)高田馬場AREA『慟哭を鼓動として道とする音~東京編~』
2月11日(土)名古屋SPADE BOX『慟哭を鼓動として道とする音~名古屋編~』
2月12日(日)OSAKA MUSE『慟哭を鼓動として道とする音~大阪編~』
出演:Soan/芥(Chanty)/Shun/K/Ivy(ラッコ)

【Soanプロジェクトwith手鞠】
3月15日(水)名古屋ell.FITS ALL『静謐を制し征する音~名古屋編~』
3月16日(木)大阪RUIDO『静謐を制し征する音~大阪編~』
出演:Soan/手鞠/祐弥/Sachi/Lay(ex,Fatima,obscure)
3月23日(木)Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE『静謐を制し征する音~東京編~』
出演: Soan/手鞠/タイゾ(from Kra)/祐弥/Sachi(from 黒色すみれ)/Akiko Yamazaki