インタビュー

Soanプロジェクトwith芥

Soanプロジェクトwith芥

Soanプロジェクトwith芥が提示する、更なる深化を遂げた“動”の世界。2ndミニアルバム『調律、その脈動に問う』の魅力とは――

昨年6月1日に行われた1stライブで幕を開けたSoanプロジェクト。Soanが二人のヴォーカリスト、手鞠と芥(Chanty)と共に“静”と“動”の二つの世界を巧みに描き、前作ミニアルバム『静謐を制し征する音』『慟哭を鼓動として道とする音』、そして回を追うごとに精度を増すライブで我々を驚かせ続けてきた。そんなSoanプロジェクトwith芥が放つ2作品目となるミニアルバムには、前作を上回る“動”の世界を余すことなく閉じ込めた珠玉の7曲が収められている。“よりバンドになった”という言葉通り、更なる結束力で生み出した彼らの最新作について、Soanと芥に語ってもらった。

◆全員がバンドを始めたときの初期衝動と高い人間性を持っている(Soan)

――5月26日に高田馬場AREAで行われた『URGE OF K BIRTHDAY』を拝見して、以前にも増してパワフルなライブに驚きました。

Soan:ありがとうございます。芥はこの前の東名阪ワンマン(今年2月に行われた、Soanプロジェクトwith芥 Oneman Tour『慟哭を鼓動として道とする音』)が一つのターニングポイントになったと言っていました。去年の10月からKにも参加してもらって5人でやり続けてきたんですけど、限られた時間の中で濃密な時間を共有できたからこそ、1年という短い時間の中でもライブに対するアプローチや、Soanプロジェクトwith芥としての芥、K、Shun、そして自分自身のあり方が見えてきた。それが、みんなが急成長を遂げられた結果なんじゃないかなと思います。

芥:よりバンドになった、ということをすごく感じるんです。ゲストやサポートという立場を超えたものが、言葉じゃないところで一つ見つかったんじゃないかなと思って。

Soan:芥はChantyをやっているし、Shunちゃんは19年間DuelJewelを、Kは10年近くBORNを、そして自分もMoranをやってきた。そのおかげで人間性がワンステージもツーステージ上がったメンバーが自分の周りにいる。全員が、バンドを始めたときの初期衝動と高い人間性を持っているからこそ多くを語らずしてお互いをリスペクトし合えるし、それが刺激にもなっているんです。そういう環境でやれることは本当に幸せだと思いますね。

――別々の個が一つになるとこんなに一体感のあるライブ空間になるのかと思いつつ観ていました。

Soan:お客さんの存在も大きいんです。反応がすごく良いんですよ。皆、限りあるチャンスの中で1本1本のライブを見逃すまいとして来てくれるからこそ、こちらも1本1本に対する重みや熱量がすごく大きくなる。そういう化学反応があの空気感が生み出しているんじゃないかなと思います。

芥:会える数が限られているというのは本当に大きなポイントだと思うんです。Soanさんも、プロジェクト始動当初は去年の6月1日の自分の誕生日を乗り切ることに重きを置いていたのかもしれないですけど、今は次の展望を色々思い描いていると思います。僕もSoanプロジェクトにかける気持ちの純度が上がってきたと感じているし、Kさんの誕生日のときには僕が母体でやっているChantyが活動を止めてしまっていたこともあって、自分たちがお客さんからもらっているものを改めて痛感しました。他のメンバーたちも自分のバンドをやり切ったり、終わりを経験したりしたことで、このプロジェクトへの思いの純度が以前より上がったことが、ライブの勢いとして出ているのかなと思います。より磨かれて、針が更に鋭くなったと言ったらいいのかな。

――お客さんの思いの純度も上がっていることは、Soanさんが以前呟いていた「Soanプロジェクトも各メンバーの熱いファンがいますが、『Soanプロジェクトとして』メンバーや俺を体感しにきてくれるということが最近より伝わってきて本当に嬉しい気持ちになってます」という言葉からも伝わってきました。

Soan:そうですね。Soanプロジェクトという音楽を認めてくれて、その音楽が好きで来てくれている人たちがいる。そういう意識が自分たちの中で芽生えたことが、すごく大きかった1年だと思います。

――それにしても、Soanプロジェクトはライブ先行で音源化は後追いということは、あの客席との一体感をライブだけで作り上げて来たということですよね。

Soan:そうなんです(笑)。そこにメンバーとお客さんの凄さがあると思います。あとは芥が、“Soanプロジェクトwith芥としての芥”という部分をしっかり掴んでくれていることが大きいんじゃないかな。このプロジェクトは、“Chantyの芥ではない新しい芥を作りたい”というところから始まったんですけど、芥がどんどん日を追うごとに自分から発信するようになっていったことが、あの空間をさらに強固なものにしている気がします。

芥:嬉しいです! 自分では最近、ライブの反省のポイントが変わってきたなと思っていて。「その日を乗り切ったからよし」じゃなくて、「今日はお客さんが盛り上がっていたけど、ここをもうちょっとこうやりたかったな」と思うことが増えてきたんです。それがバンドだと思うんですよ。もし、僕がSoanさんから言われたことだけをやっていたのであれば、それを全うすればいいだけの話なんですけど、そうじゃなくて自分の意思ありきのものをやらせてもらえているからこそ、褒められたら素直に嬉しい。それと、この前のライブで自分の中で腑に落ちないことがあったんですけど、手鞠君にその話をしたら、「芥君がこういうことを掴んできたんだなって、すごく美しいと思った」と言ってくれて。プロジェクトで対になる手鞠君からそう言われてすごく嬉しかったです。手鞠君とは最近お互いに褒め合いをしているところがあるんですよ(笑)。1年経って、お互いが理解しようとしたことが一つの形になってきたんだろうなと思います。

◆幸せに感じるなと思うものを歌詞としてパッケージできた(芥)

――今回のミニアルバムを再生すると目の前にライブの光景が浮かびます。

Soan:ありがとうございます! 正にその景色をそのまま封じ込めたかった作品なので、そう言ってもらえるのが一番嬉しいです。

――今回、これまでライブでやってきた曲を音源にしてみていかがでしたか?

芥:改めて、このプロジェクトは“普通”だなと思いました。ライブで育てて、求められたものを形にする…そういう非常に健全なものがパッケージできているなと。インディーズバンドが何かを形にするには、色々な人の協力がなければ実現しないんです。でもSoanプロジェクトでは、お客さんから「聴きたい」「形にしてほしい」という声をもらって、その人たちに形にして返していくという健全な流れが自分の手の届く範囲でできる。そういう本来の形ができているんじゃないかと思って。

Soan:まさにその通りですね。至ってシンプルなんです。俺から芥へ、そしてメンバーへと「曲ができました。どうでしょう?」と渡していって、出来上がった曲をお客さんがライブで全身に浴びて、「いいですね! 音源がほしいです」と言ってくれる。そうすると、メンバーも「音源を作りましょうよ」と言ってくれて。今は、その出来上がったものをお客さんに、「できました、どうでしょう?」という工程です。そのキャッチボールで、Soanプロジェクトという一つのルーティンができあがっている。すごく健全=普通=バンドの根本的なあり方なんです。そもそも音楽って、聴いてもらいたいからライブでやるのが本来の形じゃないですか。もちろん、戦略としての音源先行というのはMoranでもやってきましたし、いいと思うんです。ただ、こうやって芥が「バンドの根本のあり方ってこれだよね」という言い方を自然にしてくれたことが、俺からするとすごく嬉しいことなんですよ。

――お二人が同じ思いを共有していることがよくわかります。今回の作品に前作との違いは感じましたか?

Soan:1作品目と2作品目を比べてみると全く違っていて、サウンド面は特にKが加わったことで変わったなと思います。あいつが歩んできた歴史が積み重なった音というものが“轟音”という漢字に直結していて、それがより深いパワーに繋がっているなと。KがいることでShunちゃんもまた活きるというか。Shunちゃんは元々5人でバンドをやってきたアーティストなので、役割分担がより明確になったことで、自分がやるべき仕事の濃度を上げてくれたんです。バックメンバーもすごくいい化学反応が起きていますね。

――ちなみに、今回KさんとShunさんの名前がGUITAR&VOICEとクレジットされていますが、Kさんの声はどこに入っているんでしょう?

Soan:「undelete」の最後のサビにいく前の英詞の部分です。あとはAメロでスネアに合わせて、ヴォイヴォイ言っているのがKの声で、サビはShunちゃんです。あの曲はライブだとAメロはIvyで、サビはShunちゃん、Cメロ明けの最後のサビ前がKという流れで、全員が参加して結構面白い感じになっています。ここだけの話、「VOICE」というクレジットを入れたのは、Kが今ソロでヴォーカリストとして頑張っているからなんです。リスペクトと言うか、頑張ってほしいから。あ、でもこれは細かいことだから絶対本人は気付かないと思います(笑)。そういうリスペクトする気持ちを俺から直接言うのは恥ずかしいので、このインタビューをKが読んでくれるか、Kのお客さんが読んで伝えてくれたらいいなと思って。

芥:こういうところがSoanさんの凄いところなんですよね。「Soanプロジェクトを愛してくれ」じゃなくて、「それぞれの道を愛してくれ」と言ってくれる人なんですよ。それが根底にあるのがすごいといつも思います。そういう風に考えている人だから、ああいうメンバーが集まって、1年過ぎてどんどん“バンド”になっているんだろうなと。

――個を大事にするところにSoanさんの良い上司感を感じます。

Soan:今年の理想の上司ランキングに入りたいですね(笑)。でもそれは、自分でそういう環境にいたいと思うし、そういう人になりたい願望もあるからなのかもしれない。結構悩むことがいっぱいあるんですけどね(笑)。

――今回オープニングのSEも含む全7曲が収録されていますが、一推しの曲を教えてください。

芥:僕は最後の曲「刹那を駆ける命の一行に」ですね。すごく穏やかな気持ちで、ありがとうと伝えることができる曲です。自分は悩んだりキツいことがあったりすると、いつの間にか寝てしまうんですけど、そういう時は目を閉じていても眉間にしわが寄っているのがわかるんです。でも、この曲の歌詞は本当に安らかな気持ちで書きました。このプロジェクトへのありがとうとか、愛情というところから始まって、それぞれが歩んできたことだったり、出会わせてくれたことだったり、そこからまた積んでいくものだったり…単純に幸せに感じるなと思うものを歌詞としてパッケージできた気がします。

――穏やかな歌詞ですが、中でも〈疲れたでしょ?〉という歌詞にはとても癒されました。

芥:そうなんです。自分も癒されちゃって(笑)。こんなに安らかな顔で歌ったり笑ったりしている曲は、自分のバンド人生の中でもないんじゃないかと思うくらい、すごく自然な笑顔が感じられる曲になりました。〈刹那を駆ける命の一行にはそっと キミと咲かせた花を飾る〉と書きましたけど、自分が歩んできた音楽の道の中で、その花を一輪植えられたことは自分の中で大きな出来事です。ぜひ聴いていただけたらなと。

――この曲は今年のSoanさんの誕生日にアンコールで芥さんと手鞠さんのお二人で歌われましたが、この曲をwith芥の曲にしたということはSoanさんの中では“動”の位置づけなんですね。

Soan:そうですね。アコースティックで表現するより大地の力強さのようなものがほしくて、KとShunちゃんとIvyのバックがいいなと。これからも歩み続けるということはwith手鞠とwith芥に共通することなんですけど、込められた思いはやっぱり動だなと思ったんです。

――〈雨〉や〈太陽〉という言葉が散りばめられていて、歌詞からも大地の力強さを感じます。

Soan:手鞠と芥に共通して言えるのは、俺が思っていることを何十倍にも広げてくれて、何も言わずとも楽曲にリンクさせてくれるということなんです。今作は特にそれが如実に表れているんですよ。お客さんには、普段の芥や今までの手鞠とは違うという部分を、Soanプロジェクトを通じて感じ取ってもらえるといいなと思います。

――この曲は作品の締めくくりにもふさわしいですが、そのままループで再び1曲目の「beginning」を聴いても違和感なくリンクしている気がしました。

Soan:その部分は、元々そんなに大きく結びつけようと思っていたわけではないんですよ。でも、東名阪ワンマンで「刹那を駆ける命の一行に」を初披露した後に、エンドSEとして1曲目の「beginning」と「パラドクス」をかけたんです。そうやって自分の中で繋げていたので、そう思ってもらえたのはすごく嬉しいですね。

◆今、本当に純度の高い音楽にごく自然に向き合えている(Soan)

――Soanさんは今回の作品で、特にここのドラムを聴いてほしいという箇所はありますか?

Soan:難しいですね。実は俺は最近、ドラムがやりたいというよりも、どちらかと言うとライブがやりたいからドラムを叩いているんです。昔は違ったんですけど段々変わってきて、ドラマーで死にたいと思わなくなっちゃったんですよ。これは語弊なく伝わったらいいなと思うんですけど、ドラムも音楽ツールの一つという感覚になっているということなんです。それをまた冷静に分析してしまうと、向上心の部分が少々欠けてしまうかもしれないなとも思うので、間違った受け取り方はしてほしくないんですけど。

芥:一般的なパートとしてヴォーカル、ギター、ベース、ドラムがありますけど、その4つを並べれば音楽になるわけではなくて、どうしても他のファクターが必要になってくるんですよね。憧れたミュージシャンの中にも、この人がこのパートだからこのバンドが好きという人もいるし、その4人や5人のバンドが好き、というケースもあるじゃないですか。それは、バンドそれぞれのカラーという演出も影響していると思うんです。そのカラーの中で、Soanさんのファクターはドラムだけじゃなくてもいいはずなんですよね。

Soan:俺を全力で汲んでくれてありがたい! 今、本当に純度の高い音楽にごく自然に向き合えるという、ある意味究極の理想をモノにできていて、みんなに聴いてもらえる機会を与えられているんです。だからすごく充実感があるんですよ。今回の作品で、あえてドラマー目線での聴きどころを挙げるとしたら、自分も「刹那を駆ける命の一行に」かな。壮大なバラードでありながら疾走感も感じられる作りにしたのは初のアプローチなので。

芥:フレーズが細かいですよね。すごく詰め込んでいるし、こういう曲だからこそ、「俺はここに生きているぜ!」と感じられるというか。

Soan:ドラマーとしては、結構そこにかけてるよ(笑)。

――ちなみにSoanプロジェクトの曲は、Soanさんがどこまで作り込むんですか?

Soan:ベーシックなものはメロディーラインも含めて俺が決めます。ギターとベースに関しては、どうしてもここは決め打ちでやってほしいというところはお願いしているんですけど、基本自由です。曲がより良くなったらいいかなと思うので。

――「躁狂の踊り子」の冒頭のギターが印象的ですがこれはどなたが?

Soan:そこは俺が決めました。冒頭部分は元々自分の中でイメージがあって。いろんな感情や景色を全部詰め込んでそれをグシャッとさせたかったので、ああいう冒頭を付け加えたんです。

芥:いいですよね。僕はあれを聴いて、祭りや宴が浮かびました。祭りの終わりから逆回転でドン!となって、祭りの始まる前のところで火がポッとつく感じ。

Soan:いい表現だね!

芥:よくよく考えたら、あの曲はすごくカオスな感じですよね。

Soan:そうだね。その混沌という部分は描きたかった一つだったから。それが芥と共有できているところも、やっぱりいいですよね。

――with手鞠のインタビューの時に、元々はwith芥の曲である収録曲「sign… -resonance-」の話が出ましたが、その時にSoanさんが、「この曲は明確に淡い恋心を歌っていて、芥の中でもかなりドストレートな歌詞」と言っていました。芥さんとしては、あえてこういう歌詞にしたんですか?

芥:実は僕としては、そんなにドストレートなつもりはないんですよ。

Soan:「sign…」に関しては芥と俺の歌詞の捉え方がちょっと違うんです。俺には恐いぐらい真っすぐ、迫り来るように感じるんですけどね。

芥:これは正解も不正解もないんですけど、僕はこの曲に関してはどちらかと言うと俯瞰して見ているんです。歌詞の内容とか、こうしたい、ああしたいという思いはすごく直接的だと思うんですけど、僕の中では前作の「透過幕」と繋がっているところがある。歌詞に登場する二人が、正面切って向かってぶつかり合っているわけではないし、僕も遠巻きに見てしまっているから、景色や情景をフワッと見てしまうんです。

Soan:「透過幕」と「sign…」は、芥がお客さんで俺がムービーの中にいる演者なのかもしれない。

芥:なるほど。ちょっと合点がいきました。

――新たな発見ですね。

芥:自分の書いた詞は、後で発見することが多いんです。例えばさっきの「パラドクス」と「刹那を駆ける命の一行に」がループしているというのも、自分はあえてそうした気もするんです。「刹那を駆ける命の一行に」で〈疲れたでしょ?〉と言っているんですけど、「パラドクス」では曲頭で〈歩き疲れて振り返る〉と言っている。主人公がループしながらも前に進んでいくんです。でも自分でそういうふうに書いたつもりでも、この人はこういう気持ちだったのかもしれないな、ということが、あとから浮かんでくることは結構あるんですよ。

Soan:深いね。

芥:「パラドクス」と「刹那を駆ける命の一行に」は大体同じ時期にSoanさんから曲をもらったんですけど、その段階では曲順やリリースのことは聞いていなかったんです。でも、俺の中ではこの2曲に漠然と頭と終わりというイメージがあって。だから曲のイメージを教えてもらったときに、自然と「どこかリンクさせよう」と思ったんだと思います。

――その2曲が今回1枚のミニアルバムの頭と終わりに収まったんですね。

芥:そうです。とてもめでたい話ですよね(笑)。

――それにしても、芥さんの〈わたしのことを奪いさって〉に対して、手鞠さんは〈キミを今、奪いにいくよ〉…1曲で二つの目線の曲が完成するというのはSoanプロジェクトだからできることかもしれませんね。

Soan:手鞠君が芥のことをリスペクトして、「sign…」がどういうものかを手鞠君なりに解釈しているからこそ生み出された、手鞠君の言葉だと思います。ぜひ皆さんには両方を聴いてほしいです。

◆夏の延長戦をその先のツーマンツアー『Hitomi VS Soan』に持ってきてもらえれば(芥)

――今後、with手鞠の曲で芥さんが歌詞を書くこともあるかと思います。

芥:超プレッシャーです(笑)。すごくありがたいことなんですけど、その話が出てきたら困っちゃうなと思いつつ、ドキドキしているところなんです。

――でもSoanさんは前回「今後は逆バージョンもやっていきたいです。手鞠君の歌詞を芥がどう汲み取って違うものにするのか、というのも聴いてみたいので」と言っていましたよ。

芥:恐い(笑)!

Soan:恐いと言いながら芥も、今回のパターンがあるんだったら逆もあるだろうなって多分わかっているよね(笑)。

――Soanさんはこの曲を、という候補はあるんですか?

Soan:これまでそういうパターンを考えたことがなかったので、今はまだ、いつかやりたいなという希望的観測の段階です(笑)。今後、バンドアレンジがパッとハマりそうなものが出てくればという感じですね。ピアノで作った曲は、エレキにすると気持ちが悪くなってしまうんですよ。作曲目線だと、同時発音数と言ったらいいのかな。バーンと鳴らした時の最大種類が全然違うんです。自分がピアノで曲を作るので、そこから電気を通すアレンジはちょっと難しいんですよ。

芥:そんなことがあるとは露知らず…!

Soan:不可能ではないんですけど、with芥のエレキギターでやるとどうなんだろうなという心配が(笑)。

芥:でもこの先、with手鞠の音源でバンドアレンジできそうな曲だ!と感じた時は、覚悟しなきゃいけないのかな…(笑)。

Soan:そうかもね(笑)。ちなみに、現状でもアレンジが頑張れそうな曲が1曲はあるんです。with手鞠の2枚目の最後の曲「それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ」なんですけど、あの曲はギターが難しいんですよ。ShunちゃんとKが一番苦手とする部分かもしれない。恐らくあのギターはタイゾ(Kra/with手鞠にギタリストとして参加)じゃないと弾けないです。それだけタイゾは卓越しているんですよ。あ、そう言えばタイゾが「芥君って本当にすごいですね」って言ってたよ。

芥:え、嬉しい…!

Soan:多分、タイゾは面と向かって言わないと思うから今伝えておくね(笑)。

――それにしても、今回のミニアルバムは一人でも多くの方に聴いてほしいですね。

Soan:2年目を迎えたSoanプロジェクトの課題は、やっぱりそこですね。1年目は自分たちというものを形成する年だったので、2年目は外に少しでも出られるチャンスを積極的に掴んでいきたい。もちろん各々活動母体というものがあるし、それがあってのSoanプロジェクトなので難しさはありますけどね。1年目と2年目ではそういう面でも意識が変わりました。

――8月23日にはSoanプロジェクトwith芥 Oneman Live「真夏の夜の夢-下駄と帯紐と私、愛する貴女のため-」が行われます。一体どんなライブなんでしょう?

芥:Soanプロジェクトはどちらかと言うと、寒色のイメージじゃないですか。日本の夏とは少々懸け離れている感じがしますけど、あえて日本の夏を楽しもうというライブです(笑)。

――Soanプロジェクトには、祭囃子が鳴り響く印象があまりなかったのでとても意外です。

芥:今のところそうですよね。でも夏を充実して過ごせなかったな、と嘆きながら夏を終えていくのはもう終わりにしましょうということなんです。みんな嘆くのが好きですけど、この日ばかりは嘆きを渋谷まで持ってきてもらって、閉鎖的な気持ちを開放して夏を締めくくりましょうという。夏はそこで終わりなんですけど、夏の延長戦をその先のツーマンツアー『Hitomi VS Soan』に持ってきてもらえればと思います!

Soan:「真夏の夜の夢」にドレスコードはないので好きな格好でお越しください。いつも通り熱量を伝えていくライブになることは間違いないですし、芥と俺が描いている究極に、近づける準備ができたかなと思います。楽しみにしていてください!

(文・後藤るつ子)

ARTIST PROFILE

Soanプロジェクトwith芥

<プロフィール>

ex.MoranのSoanによる新プロジェクト。「静」と「動」の二つの表現の場を設け、それぞれのヴォーカリストとして手鞠(ex.amber gris)と、芥(Chanty)を迎え入れた。Soanの誕生日である2016年6月1日に行われた高田馬場AREAでの1stライブを皮切りに活動を展開。2017年1月、Soanプロジェクトwith芥が1stミニアルバム『慟哭を鼓動として道とする音』を、2月にはSoanプロジェクトwith手鞠が『静謐を制し征する音』をリリースした。8月23日にはShibuya REXでSoanプロジェクトwith芥 Oneman Live「真夏の夜の夢-下駄と帯紐と私、愛する貴女のため-」を行い、9月から、ウミユリ(Hitomi/ex.Moran)とのツーマンツアー『Hitomi VS Soan』がスタートする。

■オフィシャルTwitter
https://twitter.com/soan_official

■オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/moran-soan/

■SoundCloud:Soanプロジェクトオフィシャルアカウント
https://soundcloud.com/soan_project

【リリース情報】

調律、その脈動に問う
2017年9月6日発売
(SPEED DISK)

調律、その脈動に問う
S.D.R-318
¥2,600+税
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【ライブ情報】

●Soanプロジェクトwith芥 Oneman Live「真夏の夜の夢-下駄と帯紐と私、愛する貴女のため-」
8月23日(水)Shibuya REX

●『Hitomi VS Soan』
9月25日(月)高田馬場AREA『Hitomi VS Soan in Tokyo1』
出演者:ウミユリ(Hitomi)/Soanプロジェクトwith手鞠
9月26日(火)高田馬場AREA『Hitomi VS Soan in Tokyo2』
出演者:雨や雨 with青月 泰山/Soanプロジェクトwith芥
9月30日(土)大阪RUIDO『Hitomi VS Soan~大阪編~』
出演者:ウミユリ/Soanプロジェクトwith芥
10月1日(日)名古屋ell.FITS ALL『Hitomi VS Soan~名古屋編~』
出演者:ウミユリ/Soanプロジェクトwith芥