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約2年振りとなるニューアルバム『BitterSweet』を完成させたvistlip。10周年を迎える5人が作り上げた最新作の魅力に迫る!

お菓子のように甘くほろ苦い…そんな愛らしいイメージのアルバムタイトル『BitterSweet』。だが実は全く異なる意味を持つ言葉だという。その言葉の意味するところは、リード曲「星一つ灯らないこんな夜に。」をはじめとする7曲(※lipperのみ8曲)の新曲と、今回収録された「MONOGRAM」「BABEL」「COLDCASE」「CONTRAST」「Snowman」という5曲の個性豊かなシングルに見事に描き出されている。新たな楽曲たちを携え、今年7月7日に迎える10周年のアニバーサリーへと突き進むvistlip。彼らの最新作について、そして目指す未来について、智(Vo)、海(G)、Tohya(Dr)の3人に話を聞いた。

◆お菓子のパッケージみたいに可愛らしくしておいて、開けてビックリしてもらおうかなと(海)

――久々のフルアルバムが完成しましたね。

Tohya:本当によくまとまったなと思います。入っているシングル5曲だけでもバラバラな感じもするんですけど、録っている時期も全然違うのに音もすごくまとまって聴こえて。久々に手応えを感じたというか、「vistlipカッケーな!」と思っちゃいましたね。みんなに早く聴かせたいし聴いたことない人たちにも聴いてほしいです。…あ、これ締めの言葉だった(笑)。

全員:(笑)

――個性的なシングルも含め、本当に見事にまとまっているという印象です。

海:最初、無理だと思ったもん(笑)。それで「シングルは何曲か入れなくてもいいんじゃない?」って言ったら、みんなに「何言ってんの!」って言われて「…ですよね」と(笑)。

――中でも「COLD CASE」はシングル曲として異色な印象がありましたが。

智:ですよね。でもアルバム曲として全部の曲の感じを見てもらうとそんなに違和感がなかったんですよ。

――ミニアルバムを得意とするvistlipですが、久々のフルアルバムの制作はいかがでしたか?

Tohya:逆にフルアルバムのほうが本領発揮できるかなと思いました。シングルだと物足りない感じがするし。

海:制作期間は3ヶ月くらいだったんですけど、周囲の話を聞くと割と時間がかかっているほうなのかなと。

Tohya:うちはレコーディングの仕方が贅沢なんですよ。他の人は結構パツパツのスケジュールでやっているけど、うちは1日かけてドラムを録って、ドラムを録ったらベースをやって…というやり方だから期間がすごく長いんです。

――良い環境で制作しているんですね。ところで、今回の『BitterSweet』というアルバムタイトルがとても気になっていたんです。タイトルを聴いて甘く可愛い感じを想像していたので、リード曲の「星一つ灯らないこんな夜に。」のMVでびっくりしました。

智:“BitterSweet End”の意味合いで付けているんです。“ハッピーなのかバッドなのかわからない、見ようによってはどちらにも取れてしまうエンディング”のことで、今回それをコンセプトに歌詞を書きました。可愛い曲を楽しみにしているファンはガッカリしちゃうかもしれないけど(笑)。

海:ジャケットもめっちゃ可愛くしてるからね。でも、よーく見ると可愛くないんですよ。

――歯車で構成されていますよね。

海:これは個人作家さんの実際の作品を借りて、写真を撮ったものを色々加工しているんです。パッと見はタイトルのイメージそのままに、お菓子のパッケージみたいに可愛らしくしておいて、開けてビックリしてもらおうかなと。

――その捻りがvistlipらしいですね。タイトルはどの段階で決めたんですか?

智:リード曲の歌詞を書いている途中にこうしたいと思ったんです。

――今回入っているシングル曲の歌詞はアルバムタイトルが決まる前に書かれたものですが、少なからず“BitterSweet End”ですよね。

智:そうですね。そもそも自分の思考がそうなんだなと思いました。「弱くてもいいんだね」とか。弱いって人によっては「いや、強くなきゃダメでしょう」って思われるんですけど、そういうのも全部そこに繋がっていると思うし。だからこのタイトルにしても違和感がないと思ったんです。今回は、とにかく早くみんなにタイトルの真意を知ってほしいですね。「全然可愛くない!」ってがっかりさせちゃったとしても、その真意を汲み取ってから向き合ってもらえたら、さらに良い作品だと思ってもらえるんじゃないかな。

海:ストレートに受け取っている子たちはがっかりするかもな。でもそう受け取った子たちも、こちらがギミックもなしに出すとは思ってないだろうけどね(笑)。

――今回、シングル曲の他に新曲が7曲収録されていますが、どのくらいの曲数の中から選んだんですか?

Tohya:結構あったね。

智:俺がわがままを言って、録っていた曲が他に3曲か4曲あったんですけどお蔵にしちゃったりしたんですよね。

――その曲たちの復活はありそうですか?

智:1~2曲はあるかなーという感じですね。今回、アルバムと同時期に録ったTohyaの曲があるんですけど、それは「アルバムとして違う」という理由で外したんです。なので他のタイミングだったらいいかなと思っています。

――なるほど。それにしても、アルバムが「BABEL」から始まることに意外性を感じました。

Tohya:並びはほぼ智が決めたんです。

智:でも「BABEL」についてはTohyaと話したよね。

Tohya:そうだね、「恋ダンス」の練習をしてるときに。

――…「恋ダンス」?

Tohya:誕生日ライブ(1月15日にTSUTAYA O-EASTで行われたvistlip oneman LIVE [ 智&Tohya HAPPY BIRTHDAY TO THE CENTER LINE ~season2~])で、二人で恋ダンスをやったんです。

智:うちのメンバーって、俺たちのバースデーライブになぜか本人に出し物をさせるんですよ。

海:別に俺らがさせてるわけじゃないけどね。

智:させたよ! それで今回は渋々、「恋ダンスをやるか」ってことになって。

Tohya:あれ? でも瑠伊の誕生日の時はなぜか瑠伊には何もやらせないで、みんなで何かしてあげようってなってたな…。

智:そうだね…。でも正直、時期的にあんなことやってる場合じゃなくて、仕事したかったんですけどね(笑)。

――まさか「恋ダンス」の練習をしていたなんて。

Tohya:まぁ色々脱線しましたけど、その時に「『BABEL』始まりだね」「だよね」という話をしたんです。

智:その時Tohyaが、「シングル『OVERTURE』は両A面だったとはいえ、「BABEL」は「MONOGRAM」に比べてc/w扱いになってしまっていたんじゃないかな。もう一度しっかり聴いてもらうために1曲目という場所がふさわしいんじゃないかな」って言っていて。

――確かにアルバムの1曲目に来ると印象が全く違います。

Tohya:ですよね。マスタリングの時に久々に聴いて「良い曲じゃん」って思わず呟いちゃいました(笑)。

◆みんなが模索しながら作ったアルバム(智)

――ではそんな「BABEL」から始まる今回のアルバムの聴きどころを教えてください。2曲目はTohyaさん作曲の「Antique」ですね。

智:実はこの曲、最終日のMIXで歌詞を全替えして録り直したんです。エンジニアは次の日、別件の仕事が早くからあるのに朝の6時くらいまでかかって。

――なんてエンジニアさん泣かせな…。

智:どうしても納得できなかったんですよね。元々リード曲に次ぐ早い段階で録ったんです。でもそれを改めて聴いてみたら何も掴めていないし、歌詞の雰囲気もちょっと的はずれだと思ったんです。それで前日にラスサビ以外の歌詞を全部書き直して。

――その甲斐あって、すごく良い歌詞ですよね。

智:そうなんですよ。だから作り直して本当によかったなと思って。エンジニアは背水の陣で取り組んでくれました。何度も「ごめんなさい!」って頭を下げましたけどね。

海:とは言え、何となく予想はしていて、「きっと1曲は録り直しがあるよね」って言っていたんですよ(笑)。でもいつもは「必ず今度おごりますんで」って言っても「いいよいいよ」って言ってくれるのに、今回は「ごちそうさま」って言ってたけどね(笑)。

――この曲は他の方も早い段階でレコーディングは済ませていたんですか?

智:今回は特殊だったんですよ。みんなが模索しながら作ったアルバムで、完成までのスパンがすごく長かったんです。俺も完成したオケで歌っていない曲もあったし。

海:俺はこの曲はかなり後で録ったな。音が作れなくて、アルバムの中で一番時間がかかりました。曲頭のクリーンを俺が弾いているんですけど、今まであんなドクリーンを使ったことなかったから自分の歪みとのバランスが全然とれなくて。

――あの部分を海さんが弾いているというのは、とても意外です。

海:確かに、今まで歪んだギターしか弾いてないですからね。今回、アルペジオとかアコギも多いんですよ。本当に難しかった。

――皆さん苦心したようですが、作曲者のTohyaさんはいかがでしたか?

Tohya:爽やかな感じ、ですかね。

海:それだけ!?

Tohya:いや(笑)、自分らしさを取り入れつつも次のステージに行ったなという感じはしているんです。これまで逆にやっていなかった普通のロックバンドっぽい曲というか。その中でちゃんと“Tohyaの作った曲”という感じは出せたし、さっき海が言っていた始まりのクリーンを打ち込みで入れたんですけど、これまでなかったアプローチができたと思うし。そういう意味では手の届いてなかったところに届いた感じですね。

智:ちなみにこの曲は、「星一つ灯らないこんな夜に。」とリードを争った曲なんですよ。

――これがリードだと、アルバムの印象が違ったかもしれないですね。

海:そうですね。ビデオのプランニングまでしましたからね。撮るとしたらプラネタリウムでと思っていたんですよ。

――では、見事リード曲に選ばれた「星一つ灯らないこんな夜に。」について聞かせてください。

智:ずいぶん前から、この曲を使うタイミングを計っていたんです。それで、アルバムを出すとなった時に「これで行くよ!」と(笑)。その後に「Antique」が出て来て二択になったんですけど、今回はこっちにさせてもらいました。

――タイトルを見たときに「星屑、ボクと君へ。」が浮かんだのですが、関連させているわけではないんですよね。

智:そこはあまり気にしませんでした。このタイトルは候補が三つくらいあったんですけど、今となってはこのタイトルしかありえないっていう感じですね。

海:俺はタイトルは即決でしたね。それにしても、この曲のタイトルで、MVになって、さらにこのアルバムのタイトルだったら、本当に可愛い感じのCDだとしか思えないよ(笑)。

智・Tohya:確かに(笑)。

――タイトルから、可愛らしい静かな曲を想像していたんですけど、思った以上にYuhさんらしい曲でした。さらに曲中に細かく色々な要素が散りばめられていて、ラスサビの〈星一つ灯らないこんな夜に〉のところのハモリも印象的です。

智:あれは最初いらないと思って、シンセでやったらいいと思っていたんです。でも試しに入れてみたらこっちのほうが良くて。自分もRECしながら心にグッときました。

――この曲はアップテンポで、リズム隊のお二人は大変だったのではないかなと。

Tohya:早い曲のほうが楽と言えば楽ですね、勢いで行っちゃえるから。

海:瑠伊は大変そうでしたけどね

――そういえば今回、瑠伊さんのベースがかつてないほど耳に残りました。

智:TDの帰りのタクシーで言っていたんですけど、すごく頑張ったみたいです。すごくベースを聴いてほしいって言っていました。そのせいか、TDでベースが聴こえるように仕掛けてきて、それがいき過ぎる時もあったんです。だから「それ以上は音量を上げないで」って言ったりもして。本人は、後でやりすぎたんじゃないかって気にしていたみたいですけど、それくらい聴いてほしいんだなと思いました。

海:あと、スッと出てくるフレーズって手癖がベースになっていたりするんですけど、今回は手癖を徹底的に排除したらしいです。

Tohya:「ベース確認して」って言われて聴いた時に、全然聴こえ方が違うと思いました。1個1個の音をはっきり弾いている感じで、スゲーいいと思います。

――そんな今回のMVはスチームパンクっぽいセットでしたね。

海:個人的に好きなので、ついつい出ちゃいました(笑)。

――そんなMVで海さんは中指を立てていらっしゃいましたが(笑)。

智:そうなんですよ。あんまり良くないですよね(笑)。

海:初期の頃は、そういうアーティスト写真は却下されたんですよ。「これはメインにできません」って言われたりして。

――世に出すには少々刺激が強かったのかもしれませんね。今回、ところどころに歌詞と映像がリンクしていましたが、事前に映像のイメージがあって歌詞を書いたんでしょうか。

智:途中で織り込んだんです。実は今回、リード曲を録らなきゃいけないっていう時に、レコーディングを3回蹴っているんです。1回はインフルエンザだったんですけど、あと2回は納得できなくて。最初に書いた歌詞は悲しすぎたし。

海:悲しかったね、あれは。

智:もう録らなきゃいけなかったんですけど「嫌だ!」って言って書き直したんです。それこそ『BitterSweet』というタイトルそのものみたいな歌詞だったんですけど、俺が耐えられなくて。それをファンにも届けたかったんですけど、泣きそうなくらいテンションが下がっちゃったんです。

海:テンションが下がって、何回か歌録りをやり直して、中でも一番悲しい歌詞になったときに「テンションが下がった!」って怒ってたもんね。「なんでこいつはこんな風になっちゃうんだよ!」って。書いてるのはお前だっていう(笑)。

智:それくらい、ある意味ひどいものを書いてしまって。主人公たちが可哀想になっちゃったんですよ。

――かなり感情移入していたんですね。

智:それに今回、歌詞を書くにあたって、本当に気分が暗くなる努力をしたんです。外部と接触しなかったり暗いものばっかり見たり。

海:携帯も触ってなかったですもん。連絡がつかなくて困りましたよ。LINEの既読が二日つかなかったときは、死んだのかなって思いましたからね! MVの打合せをしなきゃいけないのに、歌詞がない状態で打合せをして、連絡しても既読がつかず…。次の歌の録りはできるのかなと思いました。無事できてよかったですけどね(笑)。

◆今のバンド全体の感じがすごく好き(Tohya)

――ではTohyaさんの推し曲を教えてください。

Tohya:「WIMP」(作曲:Yuh&Tohya)ですね。これはYuhがオケを作って俺がメロを作ったんです。無茶苦茶な譜割りにしたから「智は歌えるかな」と思っていたんですけど、仕上がりを聴いて拍手喝采です。超カッケー!

海:俺とエンジニアは録る前にメロのラインを聴きながら、これは無理だと思って、歌詞を修正してもらおうって話していたんですよ。

智:俺、信用がないのかなぁ。俺は案外気持ちよく歌えたんだよね。

Tohya:俺は智が歌っているのを想像して作ったから、心配しつつもすげーカッコ良くなるはずだって思っていたんです。それにしても見事でしたね。

――さすが智さん。それにしてもこの曲、全員がいい仕事してますよね。

智:そうなんです。すごく気持ちいいんですよ。ライブでも楽しくなりそうだなと思っています。

――譜割りと言えば、「The Walking Dead」(作曲:Yuh)も難しそうですよね。

智:これは難しいと思ったんですけど、海と相談しながら何とかしたという感じでしたね。

海:ちなみに俺の推しは、lipperに限定で入っている「Underworld」(作曲:Yuh)です。

――あれ? 「BLACK BOX」(作曲:海)じゃないんですか?

Tohya:自分の曲、推しとけよ。

海:いやーあれは、聴いてください、くらいの感じで(笑)。

Tohya:「BLACK BOX」はドラムがめちゃくちゃだったんですよ! まさしく「BLACK BOX」で、リズムもわからないし、出もズレてるし!

智:海が作るデモはいつも面白いよね。ヴォーカルも変な音でピーピーピーピー鳴ってたり(笑)。

海:ファミコンの音みたいなので入れてるからね。俺、電子音でメロディが入っていると、想像ができなくてダメなんです。実際に自分で歌ってそれを直してるんですけど、わけがわからなくなってくるから、すごく単純な音がいいなと思って。それで、リバーブも何も乗っていない、ファミコンのFM音源って言われているもので作ってるんです。

Tohya:非常に面白いですよ。

海:あと、ドラムに関しては自分でも「こうじゃねえな」って思っているんですけど、雰囲気がわかればいいかなって(笑)。

Tohya:いや、雰囲気もわからなかったからね。「BLACK BOX」は俺が一番いい仕事してますよ。よくあれからここまで持って来られたなと思いました。

海:多分、素人が聴いたら、俺がやっていることは理解できると思うんですよ。「これでこうしてほしかったんだな!」って。

智:え、素人寄りなの…?

海:だってわかんないもん(笑)。ドラムできないし。でもTohyaから送られてきた音を聴いて「かっこいいな」と思いました。

Tohya:「素晴らしいです」って言われました(笑)。

海:素晴らしくてびっくりしましたからね。

――では「BLACK BOX」は「Tohyaさんがとても頑張ったんだな」と思いながら聴いたほうがいいということですね。

海:そうですね。俺が曲を作ったらTohyaに頑張ってもらうしかないですから(笑)。あ、でもTohyaが作ってくるギターのフレーズのラインとかもわけがわからないんですよ!

Tohya:別にそのままやらなくていいんですけどね。

海:って言うんですけどね…。でも、個人的に一番好きなのは「Underworld」ということで(笑)。実はこの曲の歌録りをすごく楽しみにして、いつ録るのかなってずっとそわそわしてたんですよ。「いつ録り始めるのかな」「いつ歌詞が見られるのかな」と思って聞いてみたら「は? もう終わったよ」って…。

――え!

海:でもすごく聴きたかったから「録ったのを聴かせてください」って言おうと思ったんですけど、エンジニアも切羽詰まっていてそれも言えず…。

――悲しい…。それにしてもこの曲はYuhさん曲なのに、途中で一瞬Tohyaさんを思わせるフレーズもありますね。

海:すげー昔のYuhっぽいと思った。

智:Yuhにしては珍しいですよね。この曲はずっとシングルで使いたかったんですけど、誰も賛同してくれなくてお蔵入りになってた曲なんですよ。

海:アルバムでこれを入れようって話になった時に、デモの段階まで、ずっと疑問でしたからね。

智:瑠伊も「全然ピンと来ない」って言っていたんですけど、完成したらみんなが「いいね」って言ってくれたのでよかったです。最初はそんなに良くないのかなと思って不安でしたけど、俺としてはシングルレベルの作品になると思っていたんです。本編があって、この曲はlipperを買った人しか聴けないということも、ここでやっと一番前向きというか、未来を見据えた感じがするのも、全てにおいてピッタリだと思っていて。

海:この曲は絶対聴いてほしいよね。

智:聴いてほしいね。今後も大事な曲として残っていくと思うし、結構重要になってくると思っているので。

海:今回は音源然り、フィギュア(※PREMIUM EDITION特典)然り、買って聴いてほしいし見てほしいものがいっぱいです!

――10周年を前に最高の作品ができたんですね。ところで、7周年の時のシングル『Period』のインタビューで、智さんが「7周年の後すぐ10周年ですよ。それまでに少しくらい自分たちが納得したいんです。」と言っていましたが、今の自分たちに納得はできていますか?

智:良い方向に向かっているんじゃないかなと思っています。スタッフとの距離感も、こういう感じで仕事がしたかったということも。10周年に向けてのアルバムツアーでは、それぞれ自分たちが楽しむため、納得するためにしっかり準備するという心構えや責任感が強くなってきているんです。このまま楽しく進めたらいいなと思っていますね。

海:俺は半々ですね。満足しているわけじゃないですけど、ありがたいなと思えることがすごく多いので。その反面、自分に足りないものがわかっているから、そういう意味では納得しきれないし。始めの頃に思い描いていたことで、まだやれてないのかって思うこともあるし。

――それは10年目で達成できそうですか?

海:いくつかは。1個だけ準備はできているけどやる舞台がないものがあって。

――それはぜひ達成していただきたいです。Tohyaさんは、10年前に思い描いていた自分と今の自分を比べていかがですか?

Tohya:10年前に10年後のことは一切思い描いていなかったんですよね。先のことまで考える余裕もなかったし。でも今のバンド全体の感じがすごく好きなんです。完成はされてない気はしているから納得というと違いますけど、でもこのままずっと常に新しい何かを探して、自分たちを磨きながら進んでいくしかないし、納得しちゃったら終わりかなと思っているところもあるかもしれないです。探求し続けることが成長にもつながるし、成長できなくなったら終わりだし…。でも今から10年後のことはまだ考えられないですね(笑)。

智:この先10年もやるの(笑)?

Tohya:え、やろうよ。

海:辞める気も終わる気もないけど、今から10年って考えるとすげーな。

――10年目にやってみたいことはありますか?

Tohya:最近、海くんのおかげで新しい髪型に挑戦できたので、もっといろんなヘアスタイルに挑戦したいかな(笑)。

海:次は服装でもチャレンジさせようかなと思ってます!

全員:(笑)

(文・後藤るつ子)


ARTIST PROFILE

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<プロフィール>

智(Vo)、Yuh(G)、海(G)、瑠伊(B)、Tohya(Dr)の5人からなるロックバンド。2008年4月、ミニアルバム『Revolver』でデビュー。2014年4月にリリースしたシングル『Period』では初のオリコンチャート9位を獲得。2015年12月18日には国立代々木競技場第二体育館でワンマンライブ「Right side LAYOUT[SENSE]」を成功させた。2016年3月にミニアルバム『SENSE』を、11月にシングル『Snowman』をリリース。2017年4月16日の大阪IMP HALLを皮切りにvistlip ONEMAN TOUR「Taste of Bitter Sweet」がスタートする。

■オフィシャルサイト
http://www.vistlip.com

【リリース情報】

BitterSweet
2017年3月29日発売
(発売元:マーベラス/販売元:ソニー・ミュージックマーケティング)

BitterSweet
PREMIUM EDITION
(CD+DVD+GOODS)
<完全生産限定盤>
MJSA-01208~9
¥4,500+税
amazon.co.jpで買う
BitterSweet
LIMITED EDITION
(CD+DVD)
<初回生産限定盤>
MJSA-01210~11
¥3,600+税
amazon.co.jpで買う
BitterSweet
vister
(CD+DVD)
MJSA-01212~3
¥3,600+税
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BitterSweet
lipper
(CD)
MJSA-01214
¥3,000+税
amazon.co.jpで買う

【収録曲】

[CD]
01. M1:BABEL
02. Antique
03. 星一つ灯らないこんな夜に。
04. Walking Dead
05. COLD CASE
06. WIMP
07. MONOGRAM
08. CONTRAST
09. BLACK BOX
10. Snowman
11. BitterSweet Ending
12. Credit
13. Underworld ※Bonus track (lipper)のみ収録

[DVD]
PREMIUM EDITION
「MONOGRAM」「COLD CASE」「CONTRAST」「Snowman」のMusic Videoをフルバージョン収録

LIMITED EDITION
ROUGH the vistlip「謎解きはディナーのまえに」

vister
「星一つ灯らないこんな夜に。」Music Video + Making Video

【ライブ情報】

●vistlip ONEMAN TOUR「Taste of Bitter Sweet」
4月16日(日)大阪IMP HALL
4月21日(金)札幌Cube garden
5月3日(水)名古屋DIAMOND HALL
5月21日(日)品川ステラボール
6月4日(日)仙台MACANA
6月10日(土)福岡Drum Be-1

●Good vibes CIRCUIT Ⅱ’TURBO-EXTRA STAGE-
4月23日(日)青森Quarter
4月24日(月)秋田club swindle
4月26日(水)山形ミュージック昭和
5月5日(金)福井CHOP
5月7日(日)富山SOUL POWER
5月25日(木)徳島GRIND HOUSE
5月26日(金)高松MONSTER
5月28日(日)山口周南Rise
6月7日(水)長崎Drum Be-7
6月8日(木)佐賀GEILS
6月11日(日)沖縄桜坂セントラル