SLAPSLY

対極のバランスを取るのが、美しく楽しくちゃんと生きるということなんじゃないのかなって

そして、「ESPOIR」ですが…。

CHIYU:変な曲でしょ?

はい、めちゃくちゃ変な曲(笑)。

CHIYU:(笑)。もうこれは変を追求した結果こうなったんですよ。同じ構成が1回もないパターンにしようと思ったんですけど、まぁサビが2回来てもいいかと。それ以降は同じところは全くないですね。ちなみに、途中でプチューンって音が止まるじゃないですか。あれはパチンコとかスロットの激アツ音です(笑)。この曲はギャンブルにまつわる名言で歌詞を書いたんですよ。結局ギャンブルも沼っていくと闇属性じゃないですか。そういうところは『RELAXED』にはまるし、今回のテーマは振り切ろうだから、この曲はギャンブルで振り切ろうと。それで、パチンコとかパチスロの大当たり中に流れていそうな歌にしようというところから広がっていきました。で、俺はパチンコ屋でナナのメンバーと出会って勧誘されて加入しているから、やっぱりここはSARSHIに振るべきだろうとアレンジをお願いして。もう20年ぐらい前のあの日から、こういうところでもまだ繋がってるっていう。

ギャンブルの曲ではありますが、人生をギャンブルに喩えた歌詞なのかなと。

CHIYU:そうですね。最終的に世界は一つ的な感じにしたくて。世の中いろんなことが起こって、いろんな人の人生があるわけですけど、最後は皆で手を繋ぎながら、アホっぽく合唱しようみたいなイメージです。だから最後の部分はアホっぽく歌っているんですけど、あそこはいろんな人のコーラスが入っています。そこに美月がいたら、美月にもやらせていましたけど、今回呼んでないから(笑)。

(笑)。気になるのが、「Canʼt stop feeling」の最後の歌詞と「ESPOIR」の冒頭の歌詞がリンクしているんですよね。なので、今作中2曲が「Canʼt stop feeling」と絡んでいることになります。

CHIYU:よく気づきましたね! あの運命の女神が、男目線バージョンの運命の女神と、運命の女神から見るバージョンみたいな。基本的には『EXCITED』は男性寄り、『RELAXED』は女性寄りのイメージなので、そこの架け橋として全く同じ言葉が出てもいいかなと思って。そうするには何がいいんだろうと考えた時に「Canʼt stop feeling」が一番腑に落ちたんですよね。お、〈運命の女神〉行けるぞ!と思って。だから、男性目線なのか女性目線なのか、同じ言葉だけどちょっと違う見え方ができればいいなというイメージですかね。

そして「ESPOIR」の最後には、突然のヘドバンタイムもやって来ます(笑)。

CHIYU:この曲、マジで意味わかんないっすよね(笑)。多分この曲、ライブでは俺はベースを弾かないんですよ。だけど、ああいうセクションってどうしたらいいんやろうと、今ちょっと悩んでいます(笑)。

(笑)。この曲の英詞部分も結局は人生のことになるので、そこからラストの「Fanfare」という流れは、意味合いがより増すような感じもあるなと。

CHIYU:ただ、情緒しんどいっすよね、このアルバム(笑)。

でも、とてもエンディング感のあるラストです。

CHIYU:バラードにするか否か、めっちゃ悩んだんですけど、結局この形が一番腑に落ちたんですよね。まだ他にもデモが何曲かあったんですけど、これが一番正解というか、全てを包み込んでくれて、この二部作を終われそうだなと思ったので。バラードって難しいんですよね。せっかく作っても、なかなかライブでできる機会が少ないし、それだったら盛り上がる曲のほうがいいよみたいなところもあるんでしょうけど、作品的にはこういうのがあるほうが締まりますよね。

この曲タイトルと歌詞の内容、リリース時期も含めて、卒業ソングにも取れるなと思って。

CHIYU:おー、確かに! いいっすね! 卒業ソングにしましょう!

(笑)。ファンファーレ自体、希望や祝賀、新たな始まりの象徴として使われるようなので。

CHIYU:今までの自分だと、「よし、頑張ってね。背中押すよ」みたいなノリなんでしょうけど、今回は誰かを応援というよりも、自分自身を鼓舞するイメージのほうが強いかもしれないですね。もう全部が嫌になって投げ出そうとした時に、今までなら「いや、でもやっぱりこっちで頑張るんだ」みたいな感じでしょうけど、今回は「もういいや、罪でいい」みたいなノリの、ちょっと人間っぽさが出たんじゃないのかなと思って。自分の人生を広げるのは自分ですから。

やっぱり今作は、全体を通して人生というものが軸になっていますよね。

CHIYU:そうですね。結局、対極って敵じゃないんだなというところには辿り着かせたかったです。どちらかに優劣をつけるより、お互いがちゃんと共存し合って、楽しく生きていけたらいいねっていう。対極のバランスを取るのが、美しく楽しくちゃんと生きるということなんじゃないのかなって。そういうオチに行ければいいなと、最終的にまとめていきました。自分にはできないものももちろんあるでしょうけど、自分にしかできないものもあるでしょうし、いろんな人がいるから、この世の中が成り立っているんだろうなと。『新世紀エヴァンゲリオン』の最後、地球の周りに人がいっぱいいて「おめでとう!」みたいなイメージです。俺はそこまで壮大にできるわけではないけど、イメージ的にそういうところに落とし込めればなと思っていました。

ちなみに、この曲のギターソロがエモいなと思ったのですが、どなたの考案でしょう?

CHIYU:デモ時点では元々一緒にやっていたうちの弟で、そのデモをなぞりつつ、Kyrieさんがちょっとアレンジしてくれました。この曲自体のアレンジは今回初めて一緒にやったYAMATO君なんですけど、元々ドラムの人なんかな? ギターはそんなに慣れてなくて、アレンジのフレーズはいいけど、音がちょっと微妙だなみたいなところから、じゃあギターに関してはKyrieさんが弾こうとなりました。Kyrieさんが清書してくれた流れで、ちょっと変わってきたっていう。確かにエモいっすよね。

二部作完結編のツアーなので、いい対比をブロックごとに作り上げられたら

今回、ベースで特に試行錯誤したのはどの曲ですか?

CHIYU:一番ムズいのは「Gift」ですね。「Nothing is Over」は速いので、追いつくのが大変というのはあるんですけど、別にそこまで難しいことはしてないんですよ。「Gift」はノリがドラムとベースで出るみたいなところもあるので、一番ムズくて、これは多分、弾きながら歌えるレベルではないですね。作品として良くなると思って作っていっているだけで、最終的にライブでどういう風にするかは後で考えようっていうスタイルだから、大変なんでしょうけど。単純にロー感も出したいし、要所要所のスラップ音みたいなのも埋もれずに出していきたいという、ベースの音色のバランスでも結構悩みました。せっかく生で弾いているなら、生の感じをもっと出したいなという音作りで、ここのベースに関しては、ミックスは何回もラリーしましたね。

では、歌録りで特に苦戦したのは?

CHIYU:歌録りは基本的に毎回全部苦戦するんですよね(笑)。苦戦というか、もう時間がなさすぎて、歌録り前日の夜中にやっと歌詞が書けるとか、そんなんばっかりやったから。プリプロをする時間もなけりゃ、全部ぶっつけ本番で、これどういう譜割りにしようみたいな、レコーディングで悩みながら作っていく作業で。ある程度イメージしながら作っていたから基本的には上手いことはまったんですけど、要所要所ではまりが悪いところを微調していく作業が結構大変でしたね。思ったより「「L」」のキーが高かったからビックリしました。え、こんな高かったん!?と(笑)。

歌ってみて気づいたと。

CHIYU:自分のボーダーラインはある程度わかってはいるんですけど、歌詞によってこんなに歌いにくいのか、みたいなのってあるじゃないですか。母音が〈あ〉は言いやすいけど、〈う〉は高い声が出ないとか。そういうところでやられたっていうのは結構ありましたね。あ、「「L」」で思い出した。キーが高いなと思ったから、アレンジの段階でちょっと下げて、自分にはまるキーに設定したんですよ。で、歌録りの前日にベースのレコーディングをしなきゃとなって、1日で「「L」」「Gift」「Fanfare」の3曲を録ったんですけど、まさかのまさか、五弦ベースで一番低い音のBのさらに半音下を使っていたから、チューニングが大変になったという。まさかのB♭使ってるやんって、JOHN君と笑ってました(笑)。

歌に合わせたら今度はベースが(笑)。さて、今回のツアーのSLAPS MEMBERは、JOHNさんとRyoさんの組み合わせですね。

CHIYU:前にもやったことがある組み合わせなので、3人のステージのイメージは湧くんですけど、マジでまだ全然曲に触ってないから、俺ができる気してないっていう(笑)。できるかな…どうやってやろう(笑)。二人ともメタル寄りのミュージシャンだから、今回のMVも俺よりあの二人のほうが似合ってるんですよ(笑)。

(笑)。今回のツアーはどんなイメージですか?

CHIYU:セットリストももう決めないといけないんですけど、まだ決めてなくて。でも、二部作完結編のツアーなので、いい感じに『EXCITED』の曲もはまって、いい対比をブロックごとに作り上げられたらな、みたいなイメージだけはあります。実際まだ組んでないですけど、いろんなパターンを考えていたんですよ。対になりそうな曲を交互にやっていくとか。うーん、難しいなぁ。どうしよう。

1ステージで二作の10曲は全て入れるつもりですか?

CHIYU:いや、それも悩んでいるんですよ。入れてもいいし、あえて入れなくてもいいしなっていう。でも、基本的には今回の5曲が肝ではあるから、それは絶対に外せないですけど、これが活きるなと思ったら10曲とも入れるし、違う曲のほうが活きるなとなったら、多分そっちにすると思うんですよ。でも、『RELAXED』の曲の演奏順は、収録順と同じにするとは思います。その間、例えば1曲目「「L」」と2曲目「Nothing is Over」の間に何曲か入ってくるみたいなやり方を多分するんじゃないかなと。

では、ファンの方には結果どうなるかを楽しみにしていただいて。

CHIYU:はい。頑張らなきゃ。あ、最後に一つ言いたいことを思い出しました。限定盤のDVDが過去一盛りだくさんな内容になっているんですけど、“エトセトラ”を頑張って探してね。

(文・金多賀歩美)

SLAPSLY

CHIYU(Vo&B)

オフィシャルサイト

リリース情報

New EP『RELAXED』
2025年3月26日(水)発売

[通常盤](CD)FAM-10009 ¥2,500(税込)
(発売元:FUN ALL MUSIC/販売元:ダイキサウンド)

[限定盤](CD+DVD)FAM-10010 ¥12,500(税込)
(発売元・販売元:FUN ALL MUSIC)
※数量限定生産

収録曲

[CD]※共通

  1. 「L」
  2. Nothing is Over
  3. Gift
  4. ESPOIR
  5. Fanfare

[限定盤DVD]
・「L」Music Video
・RELAXED MAKING
・Tour 2024 〜One grows「EXCITED」〜 2024.11.3 赤羽 ReNY alpha / All Songs
・etc

ライブ情報

●SLAPSLY Tour 2025 ~Discipline has「RELAXED」~
4月5日(土)渋谷REX
4月12日(土)名古屋 HeartLand
4月13日(日)大阪 福島 LIVE SQUARE 2nd LINE
4月20日(日)表参道GROUND
SLAPS MEMBER:JOHN(G)、Ryo(Dr)