15周年を迎えたKraが完成させた2枚のミニアルバム『宇宙トラベラー CORE盤』『宇宙トラベラー CELL盤』。珠玉の10曲に見る、彼らの足跡と未来とは――
15年という長きに渡る活動の中で、多彩な楽曲を世に送り出してきたKra。実力派の彼らが、新たに作り出したのは、『宇宙トラベラー』と名付けられた2枚のミニアルバム。目に見える動きのある5曲を集めたCORE盤、静けさの中に熱を内包した5曲を収録したCELL盤と、彼らの音楽の魅力と真髄を見事に二極化して見せた。4人揃ってのインタビューとしてはVif初登場となる今回、この2枚の最新作について、そして15年という歴史を振り返りつつ、今なお現状に甘んじることなく挑戦を続ける彼らが見据える未来について、たっぷり語ってもらった。
◆15歳を迎えて思ったことは、「成人したい」(景夕)
――Kraは9月11日に15周年を迎えますね。今の率直な感想を聞かせてください。
景夕:15周年、やはり今まで過ごしてきた一歩一歩を思い返す日々で…と言いたいところなんですけど、実はすでに20周年を見ているんです(笑)。
――既に次のアニバーサリーを見据えているんですね!
景夕:そうなんです。10周年が過ぎて次は15周年を目指していたはずなのに、いざ近づいてくると、「いや、20周年があるな」と(笑)。
結良:でも、20周年を迎えた時はきっと違うと思いますよ。実は我々はまだ、あまり大きな節目を体験していないです。10周年のときは、バンド的にちょっとバタバタしていて、あまり祝うムードでもなかったし、むしろちょっと必死でしたからね。
靖乃:記念日として考えるなら、去年の14周年に渋公でワンマンをやれたことのほうがバンドには大きかったかもしれないです。あの禊は絶対にやっておかないといけないと思っていたし、その翌月の10月から渋公の建て替え工事が始まるというタイミングの妙もあった。そういう意味では、9月11日に向けてスパークするのは去年やった感があるので、今は今やっていることを大事にしているという感じですね。
――タイゾさんは5年前の4月にKraに加入しましたが、15周年をどう感じていますか?
タイゾ:自分は、あまり何周年ということを気にしないんです。ファンメールで「加入して今日で何日経ちましたね」と言われて「お、そうでしたか」と思うくらい(笑)。そのときやれることを必死にやっていただけなので、あまり感慨はないんです。この先、すごく大きな会場でワンマンをやったりするときに、今までを振り返るかもしれないですけどね。でも、俺はまだ5年目ですけど、15年間同じメンツでバンドをやるというのはすごいことだと思いますよ。
結良:えー、でも、普通の会社だったら一回も職を変えずに、勤続20年という人もいるし、15年間部署が変わらない人もいると思うんですよね。それと同じ感覚なんじゃないかなと思うんです。
靖乃:バンドの捉え方って、人によってこんなに違うんやな(笑)!
全員:(笑)
――では、Kraの15年間を振り返ってどんな感想を持ちますか?
景夕:起伏が激しかった気がしますね。いろんな変化の道があったと思うし。
靖乃:端的に言って、もっと綺麗に進める術はあったんだろうなとも思うんです。これは後悔ではなくて、運命の掴み方というのは、もしかするともっと別にあったのかもな、と。例えばもっと売れていれば、もっとデカいところでやっていれば、もっと別の景色をみんなに見せてあげられたのかもな、と思う部分もなくはない。でも、逆に言うとそういう状況でもずっと見続けてくれている人がいて、支え続けてくれる家族やマネージメントがいる。変な言い方かもしれないですけど、下手に売れなくて良かったかもなって思っているんです。中途半端にお金を持ったりしていたら、特に元からいる三人は絶対に続いていないですからね(笑)。
景夕:えー、そんなことないですよー。
靖乃:嘘ばっかり(笑)。多分、俺と結良は無理だと思うんやけど。
結良:えー、僕もそんなことないけどなー。
靖乃:いや! 中途半端にお金を持っていたら俺は絶対に結良とやっていないと思う!
景夕:ちょっと待って、15年を前に解散の危機ですか(笑)。
靖乃:違う違う(笑)! そうじゃない現状があって、その中で色々経験したり、みんなで乗り越えたりしてきているからこそ、今があるのかなと思ったの。周りに感謝することも増えて、順風満帆ではなかったからこそ、できていることがいっぱいあると思うから。
景夕:(小声で)あいつは、お金を持ったら辞める可能性ありだな。あいつには持たせないほうがいいから事務所に貯金しとくか…。
全員:(笑)
結良:でも、その発言で一番恐いのは、小金持ちになって、もうちょっと売れたときですよ。だって独立できる資金があるということですからね。「もしかしたら俺一人でCDを出せるかもしれんなー」とか思っちゃうじゃないですか。
景夕:お前、今の一瞬でよくそこまで考えたな…。でも一人でCDを出すってことは、のってぃ(靖乃)が歌うってことだよね? それはそれで聴いてみたいな(笑)。
靖乃:20代の頃だったらやっていたかもな。実際そういうことを言っていたし。ただ、一緒にそうじゃない10年を歩んで来てるやん。始めの5年ぐらいは「結構いけるんちゃう?」っていう気持ちのほうがデカかったし、やりたいことが叶うことも多かった。ダメだったこともいっぱいあるけど、その中で現実を教えてもらったし。今はこのフォーマットの中で次に何ができるかという目線のほうが大事になっているんだよね。15年で自分自身も随分変わったなと思います。
◆バンド人生で初めて、ギターは聴こえなくていいや、というくらい聴かせたい音ができた(タイゾ)
――作品のテーマは景夕さんの案だそうですが、それを元に皆さんが曲を作っていったんでしょうか。
タイゾ:実は逆なんです。テーマは選曲会が終わったあたりで降りてきました。Kraは毎回、出揃った曲を景夕が聴いて、そのインスピレーションでテーマが決まるんです。
――てっきり、テーマに沿って曲を作ったのかと思うほどの世界観を感じました。2枚組にするのはどの段階で決まったんですか?
タイゾ:元々はフルアルバムを考えていたんですけど、出揃った曲をフルアルバム風に並べたら、しっくりくる並び順が見当たらなくて。だったらテーマを二つに分けて、2枚にしたほうが綺麗なんじゃないかと。
――タイトルに「宇宙トラベラー」、「CORE盤」「CELL盤」と名付けた経緯を教えてください。
景夕:宇宙というのは実は人間の体の細胞の一部なんじゃないかという説があるんです。宇宙の図面と、脳の神経を映像化させた図面が酷似しているんですよ。他にも、宇宙自体が泡のような、本当に、ある日パッと消えてしまうようなものなんじゃないかとか、泡と泡が隣り合わせになっているように、隣にはまた別の宇宙があるとか、色々説があるんですが、その中で俺は、宇宙は誰かの体の一部なんじゃないかという説が好きで。そこから、この細胞の一つ一つに宇宙があったらどうなんだろうと考えたんです。その細胞と核という意味で、COREとCELLと付けました。
――宇宙というとても遠くて巨大なものと、細胞や核というとても近くて小さなものは、実は乖離したものではなかったということですね。
景夕:自分の中では一番近くにあってほしいと願ったものですね。そういうことを書いていきたいなという気持ちがあって。
靖乃:CORE盤とCELL盤は核とその周りの細胞という、対義語としてのCOREとCELLなんです。でも、どちらもあってこそのものだと思うし、同じフィールドの中で繋がっているものの中での対義語として使っている、対等な位置づけなんですよ。
――歌詞も宇宙の話というよりも、もっと身近なことが歌われています。
景夕:Kraは現実の身近なところから、考え方の違いでちょっと不思議な感覚になるな、ということを歌詞にすることが多いんです。俺からすれば、物事は考え方次第、というところが多いなと思って。だから、今回は宇宙にまつわる単語は出てきますけど、それが実際の宇宙かどうかというと、違うものもあって。そういう歌詞が今回は特に多いかもしれないですね。
――デモの段階から完成形までで、大きく変わった曲はありますか?
景夕:「流星シグナル」(作詞・作曲:景夕)は、最初は本当に必要最低限の音しか入っていない状態でデモとして出したんです。歌録りをして、コーラスを入れてから、同期作業をやったんですけど、そのときに華やかさが付け足されましたね。デモのときはギターすら入っていませんでしたもん(笑)。デモを作るとき、なぜか家でギターが録れなくて、タイゾには申し訳ないけど、「とりあえずのピアノのコード感だけ入っているから、よろしく!」と(笑)。
タイゾ:任された感じでした。
――タイゾさんは今回のレコーディングを振り返っていかがですか?
タイゾ:CELL盤の「メイデイ」が一番苦労しました。今回、途中で入ってくるストリングスのフレーズまで自分で考えたんですけど、ストリングスの立ち位置って結構難しくて。歌メロの邪魔になっちゃいけないし、ギターと同じウワモノでありつつ、ギターも乗っているのでどちらを聴かせるのかよくわからない状態にしたくはない。そんな時、「メイデイ」のサビのストリングスですごくいいフレーズが浮かんだんです。エンジニアさんにもミックスの段階で、「ギターはほとんど聴こえなくていいので、ストリングスをガツンと出してください!」と伝えて。今までは自分のギターが聴こえていないと嫌だったんですけど、バンド人生で初めて、それすらも聴こえなくていいや、というくらい聴かせたい音ができました。歌メロとユニゾンになったり離れたり、という絶妙な絡み方をしているので、暇な人はぜひ聴いてほしいです(笑)。
――これによって今後の音作りが変わってきそうですね。
タイゾ:そうですね。ギターが鳴っていない部分があっても面白いのかも、と思えるようになったし、今までギターをガンガン入れていたからこそできた引き算だと思います。
結良:あのー、僕は今回大変だったことが特になくて。難しいことをしていないんですよ。やりたいなと思っても、曲にハマる難しいことが録りの日までに思いつかなくて。こういうベースを弾きたいというのは頭の中に何となくあるんですけど、いざそれを弾くと合わないんです。先輩たちのベースを聴いていると、「こんなに難しいフレーズをこのフレーズに合わせられるんだ!」って思うんですけどね。
景夕:(小声で)何もできませんでしたって発表してんじゃねぇよ(笑)! ウッドベース弾きましたとかあるだろ!
結良:あー…エレキのウッドベースは弾きました。でも、ものすごい挑戦をしたフレーズではなく…
景夕:せっかくフォローしたのに(笑)!
結良:(笑)。だって、納浩一さん(世界的に知られるジャズベース奏者)の音を聴いちゃったんですよ。そこまでできなかったから…
――志が高い!
結良:例えば椎名林檎さんや東京事変さんてヴォーカルがすごいじゃないですか。でも楽器の音も印象に残るんですよね。一般の方が聴いても、亀田さんのベースってすごいよねって思う。ヴォーカル以外にベースが聴こえてくるけど、それが曲に合っていて、他のパートとも絡みを持っている…というのが僕の理想なんです。気持ちとしては、もうちょっとウッドでガーッといきたかったけど、今の限界という感じですね。なので、この先に期待していただきたいです。
――Kraもヴォーカルと楽器陣が対等に渡り合っている印象があるのですが。
結良:いやー、まだまだですよ。東京事変さんと比べたら、あちらのファンの方に怒られちゃいます(笑)。でも、ああいう風に全員の音が生きていて、ベースを知らない人でもベースがわかる、聴こえてくる、というのはすごいなと思います。
――では今回の作品の中でお気に入りは?
結良:最近の作品の、ヴォーカルがちょっと上ずる感じが好きなんです。特徴のある景夕っぽい歌い方の癖がちょいちょい入っているなと思います。
景夕:歌い方は『Joker’s KINGDOM』(2013年リリースのアルバム)ぐらいから、ちょっと気を付けるようにしているんです。平歌(※メロディーの最初からサビまでの部分)のところでは、ラインを描くようなイメージで歌っていたり、〈な〉から始まる歌詞だったら、前に、Nを入れてちょっと柔らかい感じで入ったり。エンジニアさんがアドバイスをくれつつ、ニュアンスもしっかり録ってくれたので、みんなにも聴いてもらいたいです。
――ラインを描くような、というのがとてもよくわかりました。
景夕:そうですね。ただ、ラインをつなぐ癖が付いてしまって、逆に切ることを忘れることもありました(笑)。「メイデイ」のBメロの、デ デ デデデデというところなんかは、タイゾに「あ、そこちょっと切るような感じで」と言われたり。歌の聴こえ方は、みんなで試行錯誤しましたね。
◆ライブや俺らがスタジオで合わせている空気感に近い音像を感じてもらえる(靖乃)
――今回の全10曲の中でもCELL盤に収録されている「エクリプス」が特に異彩を放っていました。妖しくも美しい曲です。
景夕:この曲、歌がめっちゃ難しかったんです! まずデモの時点でタイゾが「ミュージカルっぽいような感じで歌ってくれたらな」と言っていたので、「そうかそうか」ということで仮の歌詞を書いて、仮歌を入れて、ちょっと癖のある感じで歌ったんです。そして本番になったらいきなり、「そこさ、無機質に歌ってほしいんだよね」と(笑)。
――その間に一体何があったんでしょう(笑)。
タイゾ:本番の歌録りのときに、横でツルッと録った歌を聴いたら、やっぱり前半は無機質なほうがいいんじゃないかと思っちゃって。思っちゃったら言わなきゃなって思って伝えました。やっぱり作品作りに悔いは残したくないじゃないですか。もし景夕が「俺は前半から絶対に感情を込めたい!」と言ったら、それはそれでいいかなとも思ったんですけど、「じゃあそれでやってみる」って、やってくれたので、ありがたいです。
景夕:あと、この曲はウッドベースだったので、普段のベースと聴こえ方がちょっと違ったんです。
タイゾ:あれは難しかったでしょう。
景夕:うん。俺が普通に歌ってメロディの音を出しているつもりでも、何かズレているように聴こえる。でも、聴き直すとそうでもないんだよね。聴く場所によって全然違って、自分の中の正解がわからないから、最初は「ベースがズレてるんじゃないの!?」って疑いましたけど(笑)。
結良:ウッドベースはフレットがないので、同じフレーズを繰り返していても、全部微妙に違うんですよ。エレキだったらフレットがあるから抑えるところが1~2mmズレたところで別に影響がないんですけど、ウッドベースは指の止まったところの音なんです。だから、大体ラ、みたいな(笑)。
全員:(笑)
結良:ちゃんとラのときもあれば、ほんのちょっとシャープしているときもあって。この微妙なブレがあるから歌いづらかったんでしょうね。
――ちなみに靖乃さんは…
靖乃:この曲、靖乃は2分半くらいやることないです。
全員:(笑)
靖乃:ライブのとき何しようかなって思ってるんですよ。
タイゾ:前半は木魚でも叩いてもらおうかな。
靖乃:まずは頭を丸めるところから…それも新しい試みかもしれないですけどね(笑)。でも本当にどうしましょうかね。基本的には原曲者の希望に沿おうと思っているんですけど、元々この曲をデモで作っているときに、前半は踊っていてほしいって言われたような…
タイゾ:そうなんですよ。のってぃが前に出てきて何かやる曲があってもいいかなと思って、前半はずっと打ち込みにしたんです。でも曲ができてみたら、前に出てきて何かやる曲でもないなと(笑)。
――あの曲で前に出るのは酷な気がします。
タイゾ:そうなんですよ。公開処刑みたいな感じなので、ちょっと考えます。
靖乃:踊るならイメージ的にはバレエみたいなのかな。熊川哲也さんみたいな。俺、多分よかれと思ってバンドで入るところでも前にいると思う(笑)。
タイゾ:(笑)。まぁ、今の話はちょっと極端ですけど、この曲はライブでもアルバムでも結構フックになると思います。ライブではここを境目に空気感が変わるだろうし。難しいですけど、使い方によっては、すごく化けそうな曲ですね。
――この曲も含め、全曲映像化したら面白そうです。
景夕:したいですね。じゃあ俺が手描きで。
靖乃:絵で描くってこと? じゃあ結良のGoProで撮ったらいいんじゃない? あ、俺、後ろで踊ってようか?
景夕:気が散るから結構です(微笑)。
――(笑)。靖乃さんは今回のレコーディングはいかがでしたか?
靖乃:今回は今まで使ったことがないスタジオを使ったんです。そこはエンジニア等のスタッフィングも含め、すごく環境が良くて。今回、ドラムの音がものすごくパワフルでリアルに録れていて、最終マスタリングまで乗っかった音が潰れていないんですよ。バンド感や臨場感がある音で、ライブや俺らがスタジオで合わせている空気感に近い音像を感じてもらえると思います。
――2枚ともライブ感を感じたのは、そのせいでもあるんですね。
靖乃:そうですね。あと、去年から今年にかけて自分のドラムセットを新調している最中なんです。よくライブハウスやスタジオにあるキックは22インチなんですけど、自分としては、日本人は1サイズ小さい20インチのほうが鳴らし切れるんじゃないかと思うので、今回のRecには20インチと22インチを持っていきました。リード曲の「宇宙トラベラー」を両方のキックでトライしてみたら、20インチのキックのほうがハマりが良かったので、今回はアルバムを通して20インチでやっています。それをCDに閉じ込めて、ちゃんと残せたという気がしていますね。
◆不安になりながらも挑戦して、新しい流れに変えていきたい(結良)
――今回の2枚はKraの音楽性を二極化したものがそれぞれ収められているんですね。
靖乃:そうですね。現状のKraというバンドが内包している要素がよくわかる10曲になっていると思います。この2枚を聴いてもらうと、どういうバンドで、どういう曲をやっているのかを知ってもらえるんじゃないかなと。15年というスパンでやってきているバンドが、こういう作品を今出せるというのはいいことかなと思います。バンドのパブリックイメージで、食わず嫌い、聴かず嫌いのままの方々も多いと思うんですけど、そういう人たちにも今回のミニアルバムで、俺らというバンドをよりわかってもらいやすくなっていると思うし、特にライブのステージを想像してもらいやすいかなと思うんです。
――9月11日にはKra 15th anniversary LIVE【ideal scheme~いまも、あの時も支えてくれた全ての人に~ すべてうまくいくよ、大人も子供もみんなでメルヘン!】が、そして17日にはKra『宇宙トラベラー』RELEASE LIVE TOUR 2016【あー テンション プリーズ】が始まりますね。
タイゾ:ちなみに、このツアータイトルは、「CELL盤」収録の曲「あー テンション プリーズ」より先に決まったんです。先に発表があるからツアータイトルを決めなきゃ、となって、ノリで俺が言ったら「いいんじゃない?」と。しかもそれが曲のタイトルにも使われるという…(笑)。
――予想の上を行く展開です(笑)。ツアーは全18公演ですが…
景夕・結良:そんなにありましたか。
靖乃:景夕と結良が既にちょっとしんどそうな顔をしてる(笑)。個人的に、町田The Play Houseという名前が自分の中ではデカいので、それがワンマンツアーのラインアップに入っているのはちょっと胸が熱くなります。
タイゾ:同じくですね。
景夕:15周年を記念するツアーにはなると思うんですけど、今回は衣装も含めて、今までとちょっと違った楽しみ方を提供できたらなと思っています。まずは音源を聴いていただいて、そこから、この人たちはどんなライブ構成を作ってくるんだろうというのを楽しみに考えてもらって、俺たちはそれを良い意味で少しだけでも裏切れたらいいかなと。
結良:セットリストの流れがテンプレート化してきている部分があるので、それを「予想と違った!」と思わせられたらと思います。ライブの流れを変えるというのは自分たちにとっても結構冒険なんですよ。ちょっと不安になりながらも挑戦して、新しい流れに変えていきたいです。
タイゾ:ツアーファイナルでアルバムの曲がどんな風に成長しているのかというのも楽しみで。その曲がどういう雰囲気なのかは、ライブでやってみないとわからないんですよ。自分たちもライブでソワソワしたり、いい意味で安心感がないツアーにしたい。刺激を求めて色々やってみて発見のツアーにしたいと思います。
――15周年目にして、なお挑戦なんですね。
タイゾ:やっぱり慣れが一番よくないと思うんです。何だかんだライブに慣れちゃっているので、それを自分たちで壊す時期に入ってきている気がします。そこは積極的にやっていきたいですね。
靖乃:今年からKraがやっている新しい試みとして、ファンの子たちに協力してもらって、ライブ中の写真や動画を撮ってSNSで拡散してもらっているんですけど、それによってより俺らがどんなバンドかというのが伝わるきっかけになっていると思います。「ドラムのやつ叩いてないな」とか「関西弁を喋りよるな」とかね。今回はワンマンツアーで各地を回るので、それを肌で感じてもらえる機会をたくさん用意できると思います。ぜひ気軽に遊びに来てもらえたらと思うし、それがこの秋の試みであり、来年につなげる活動にできればいいかなと思っています。
――この2枚のアルバムから始まる15年目のKraがとても楽しみです。
靖乃:…でも実際ライブを観たら、「あいつら全然やってないやんけ!」ってなったりして(笑)。
全員:(笑)!
(文・後藤るつ子)
Kra
<プロフィール>
景夕(Vo)、タイゾ(G)、結良(B)、靖乃(Dr)の4人編成のロック・バンド。2001年9月に結成され、これまでにシングル14枚、ミニアルバム11枚、フルアルバム7枚をリリ-ス。「Märchen ROCK(メルヘンロック)」を根底のコンセプトとしながらも、生み出す楽曲は非常に幅広く、多様な楽曲による緩急を付けたステージパフォーマンスに定評がある。15周年を迎える2016年9月11日にはTSUTAYA O-EASTにてKra 15th anniversary LIVE【ideal scheme~いまも、あの時も支えてくれた全ての人に~すべてうまくいくよ、大人も子供もみんなでメルヘン!】を、9月17日からは柏ThumbUpを皮切りに、Kra『宇宙トラベラー』RELEASE LIVE TOUR 2016【あー テンション プリーズ】を行う。
■オフィシャルサイト
http://www.pscompany.co.jp/kra/
【リリース情報】
『宇宙トラベラー CORE盤』
2016年9月14日発売
(発売元:PS COMPANY)
【収録曲】
【初回限定盤】
[CD]
01.宇宙トラベラー
02.カムパネルラへ
03.あー テンション プリーズ
04.ブラックホール
05.相似性プラン
[DVD]
『宇宙トラベラー』MUSIC VIDEO
【通常盤】
[CD]
※初回限定盤、通常盤共通
『宇宙トラベラー CELL盤』
2016年9月14日発売
(発売元:PS COMPANY)
【収録曲】
【初回限定盤】
[CD]
01.愛の惑星
02.メイデイ
03.エクリプス
04.流星シグナル
05.夜の果てで
【通常盤】
[CD]
※初回限定盤、通常盤共通
【ライブ情報】
●Kra 15th anniversary LIVE【ideal scheme~いまも、あの時も支えてくれた全ての人に~すべてうまくいくよ、大人も子供もみんなでメルヘン!】
9月11日(日)TSUTAYA O-EAST
●9月17日(土)柏ThumbUp~11月7日(月)KYOTO MUSE
Kra 『宇宙トラベラー』RELEASE LIVE TOUR 2016【あー テンション プリーズ】
●12月24日(土)浅草公会堂
Kra LIVE 2016【ケラスマス・イヴ~今夜はキミと過ごしたい~】
<2MAN LIVE>
●10月6日(木)高田馬場AREA
SCREW PRESENTS『HEAD FOR CLIMAX』
●11月15日(火)新宿ロフト
SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY 40YEARS×40LIVES master+mind~Sense of Pulse #12~
●11月19日(土)渋谷 REX
heidi. 東京ラララ vol.4 vs Kra