KOHTA

ここからスタートして広げていくよという気持ち

KOHTA

各曲についても伺っていきたいと思います。熱いロックナンバー「PIECE OF MIND」が1曲目を飾ります。

KOHTA:これは最初にできた曲ですね。作っている段階でMVを撮りたいと言っていたので、結構早い段階でリード曲と決めていました。

歌詞の内容的にもKOHTAさんソロの始まりを示す決意表明のような曲だなと。

KOHTA:確かに「決意表明」というのはわかりやすいかも。ここから始まって、自分の世界を見せていくという意味合いは強く入っていますね。そういうメッセージ性について高蝶君とそんなに細かくは話していないですけど、どの楽曲にも「解放」は根底にありつつ…歌詞について言葉で説明するのは難しいですね(笑)。

初作品の1曲目かつリード曲にとても相応しい楽曲だと思います。

KOHTA:ありがとうございます。

ちなみに、二段階になっている間奏がドラマティックでカッコいいなと思って。

KOHTA:斬新ですよね。あそこは二転三転したんですけど、最終的に鍛冶さんが持ってきた雰囲気に寄せました。僕、結構フレーズを詰め込んで、三〜四段階に分けて作ったりもしていたんですけど、あの形が一番シンプルで良いなと。あそこは一番悩んだポイントでした。

歌録りもこの曲が最初ですか?

KOHTA:そうですね。仮歌の段階で全曲録ってはいたんですけど。でも、歌は二日で全部一気に録ったんですよ(笑)。やっぱり「PIECE OF MIND」は先ほど言っていただいた「決意表明」というのがまさにで、ここからスタートして広げていくよという気持ちが一番強いですね。

続いては「KICK OVER」ですが、このビート感はこれまでのKOHTAさんのイメージにはないタイプで新鮮です。

KOHTA:この曲が一番、今までの自分になかったテイストですね。最初に聴いた時のイメージとしては、僕の中ではノリやすいロックンロールでした。なので、英語を入れてリフレインさせてみたり、横ノリな感じというか。これ以外の曲は割とすんなりいけましたけど、この曲は一番自分にないものではありつつ、しっかり歌い上げたら面白いだろうなと思いましたね。

曲調の雰囲気よりも歌が熱いなと思いました(笑)。

KOHTA:そうですね(笑)。歌のコブシが効いた感じとか、僕にないテイスト過ぎて一番表現しにくかったです(笑)。この結構男臭い言い回しは、高蝶君の表現が強いですね。そういう意味でも、自分の中では一番新しいかもしれないです。

「SLAVE TO THE GRIND」はイントロのギターとベースのユニゾンでのリフが印象的です。

KOHTA:サビでは結構王道にいくので、そのリフとのギャップがまた面白いかなと思います。リフでガッツリ始まるんですけど、サビでパッと開ける感じで。

楽曲自体はシンプルな構成ですが、全体的にベースのフレーズがすごく細かくないですか?

KOHTA:この曲は弾きながら歌うのが一番大変です(笑)。Aメロも後半になるとちょっと動かしたりしているんですけど、弾きながら歌えるギリギリのところ(笑)。

弾きながら歌うという前提だと、色々と難しい部分が出てきますよね。

KOHTA:そうなんですよね。ギターみたいにコードだけかき鳴らして歌うとかがどうしてもできない楽器なので。しかも歌っている中、ベースも割と全部埋まっているんですよね。だからどの曲も、本当はこうしたいけど、これをやると弾きながら歌えないというのがあって。ただ、歌うからといってあまり全部をシンプルにし過ぎるのも嫌なので、口ずさみながら弾ける限界を模索しながら作っていきました。

ちなみにこの曲は、ライブで拳が上がる画が想像できます。

KOHTA:そうだと嬉しいですし、サビもベースは結構動かしているので、ちゃんと歌えるように頑張ります(笑)。ライブではちょっとフレーズが変わるかもしれないですけど、なるべくこのまま表現したいなとは思っています。

「RAIN FADE」は何と言ってもKOHTAさんの歌声が素敵です。

KOHTA:本当ですか(笑)。ありがとうございます。この曲と最後の「INNOCENT PHASE」はバラードではないですけど、そっち寄りの立ち位置なので、勢いよりも感情を込めて歌いたい曲ですね。

Aメロの渋さと切なさと優しさ、サビの悲痛さの緩急がすごく良くて。歌い上げるサビのトップの音、特に落ちサビの〈でも〉が最高です。

KOHTA:ありがとうございます(笑)。僕も落ちサビは好きですね。一番感情が入っていて。今おっしゃっていただいた部分はキーの限界でもあったりするので、より力を込めて感情を込めて歌えるかなと。

ギリギリだからこそ出る良さみたいなものがあると思うんですよね。

KOHTA:めちゃくちゃギリギリですね。確かにそこのせめぎ合いから出る良さはあると思います。ギリギリだからこそ、全身全霊でいかないと出ないし歌えないという。この曲は意味合い的にも若干深いというか。細かくは言わないですけど、色々と過去の葛藤だったり…。出したくても出せなくて隠した感情がいっぱい入っている曲です。

〈あの時 違った言葉を選んだら〉というのは、多くの人が経験のあることだろうなとも思います。

KOHTA:そうですね。それを選んでいたとしたらどうなっていたのか、選ばなかった今がこうであるという。そういう葛藤を感じていただければと思います。

今持っているものをそのまま出すしかない

続いては「UNLEASH NIGHT」です。

KOHTA:これは「PIECE OF MIND」の次に取り掛かった曲です。タイトルにもありますし、解放色はこの曲も強いです。もっと解き放って行きましょうみたいな(笑)。だから、マインド的には「PIECE OF MIND」に近いですね。

疾走感のあるロックナンバーで、ライブで盛り上がりそうな曲ですよね。

KOHTA:一番ノリやすいとは思います。サビも割とコーラスと歌の掛け合いになりますし。

Cメロの英詩部分は、先ほど話に出た練習動画で苦戦していた箇所ですよね?

KOHTA:苦戦していました(笑)。英語って難しいですよね。あまりしっかり発音し過ぎても歌的におかしくなるし、メロディーを気にし過ぎても英語の意味がわからなくなるので。発音を確認しながら、メロディーに収めていく作業は難しかったですね。

そしてラストの「INNOCENT PHASE」です。

KOHTA:これも制作の初期段階でラストを見据えていました。なので、壮大にしたかったんですよね。大まかな世界観を提示してくれたのは高蝶君だったんですけど、最後にぶつけるべく深い世界観にしたかったんじゃないかなと思います。

センチメンタルさもありつつ、答えを探し続けるという内容が、この後も続いていく道を感じさせてくれるエンディングだなと。

KOHTA:まさにそうですよね。色々模索して始める作業というのは終わらないよという。

Cメロから間奏と、落ちサビとラスサビの間に入るベースが際立っていますね。

KOHTA:よく聴いていますね(笑)。そこのフレーズの表現は僕の手法にしています。最初、鍛冶さんが考えてくれていたものがあったんですけど、歌いながら弾くにあたって、この形に変えました。そこは歌も難しいですね。ただ、ベースフレーズでちょっと動きを見せたかった場所で、割と細かいフレーズになっちゃいました。

あと、サビのファルセットが素敵で。どこでこんなテクニックを身に付けていたんですか…。

KOHTA:いやいや(笑)。鍛冶さんが入れてくれたデモを聴いたら、もっと上手いですよ。二段階あるファルセットに手こずりましたね。これが一番難しかったです。しっかりレクチャーしていただいて、練習しました。裏声って、ちゃんと意識しないと音階がバラつくんですよね。なので、しっかり音階を意識して出すというのをレクチャーしていただいて、なるほどと思って。雰囲気で出しているんじゃないんだなというのが、自分でやってみてよくわかりました。しっかりした音階で出さないと絶対に出ない。そういう意識の仕方って普段あまりしないですよね。

ちゃんと歌をやっている人じゃないと、なかなか意識しない部分ですよね。

KOHTA:高い音階は、自分の範囲内であればしんどくても出るのは出るんですよ。ファルセットみたいに意図して出さなきゃいけないというのは、一番難しかったです。生声からいきなりファルセットだから、「ヤバい、これできるかな…」と思って(笑)。ライブが怖くて(笑)。

(笑)。年明け1月15日には初のライブ&トークイベント「The beginning of LIBERATION」が開催されますが、ライブの編成はスリーピースでしょうか?

KOHTA:はい、レコーディングも手伝ってもらったJEAN君、アキラ君とのスリーピースになります。ライブ&トークイベントとなっているのは正直、曲数の問題もあるのと(笑)、初めて一人でそういう場に出るということで、言葉でも皆さんの前で表現できたらなと。

ライブをやった後にトークという二部制のような形でしょうか?

KOHTA:そうですね。ライブが終わって、ちょっと転換して。完全な二部制ではないですけど、あまりお待たせしないようにやりたいなと思います。

これまでは「5人でステージに立った時にどう見えるか? Angeloの中でのKOHTAだったらどうするか?」という視点で表現してきたと思いますが、今回はそこが異なるわけですよね。春の時点では、フロントに立つことについて「チャレンジしたいと思っているけど見せ方がまだわからない」と言っていましたが、今はイメージが作れていますか?

KOHTA:さすがに春の段階よりは(笑)。いずれにせよ、現段階ではまだやっていないですけど、こうやるしかないなというイメージはできています。綺麗に飾った感じではなく、そのままを曝け出して観ていただくというか。それにしても、確かに春の時点ではいまいちピンと来てなかったですね(笑)。まぁでも、レコーディング作業でも歌いながら弾くことを経て、これは今持っているものをそのまま出すしかないなというところですね。

歌自体が挑戦ではあるものの、弾きながら歌うことの難しさがもう一つあるという。

KOHTA:その壁はめちゃくちゃ難しいですけど、しっかり表現していきたいと思っています。

今後KOHTAソロプロジェクトとしてやってみたいこと、思い描いているプランなどはありますか?

KOHTA:まだ今はミニアルバムの段階ですけど、しっかりワンマンができる曲数を揃えて、次はライブだけで見せたいというのが一番大きいですね。

ちなみに、対バンをやる可能性もありますか?

KOHTA:全然ありますよ。誰かとやるかもしれません。

(文・金多賀歩美)

KOHTA

オフィシャルサイト

リリース情報

●New Mini Album『UNLEASH』
2022年12月25日(日)発売
(HEAT)

[CD]HCTM-0001 ¥2,750(税込)

収録曲
  1. PIECE OF MIND
  2. KICK OVER
  3. SLAVE TO THE GRIND
  4. RAIN FADE
  5. UNLEASH NIGHT
  6. INNOCENT PHASE

ライブ情報

●The beginning of LIBERATION
2023年1月15日(日)SHIBUYA DESEO
※ライブ&トークイベント