GOTCHAROCKA

今までやっていること以上のことを考えないといけない(十夜)

十夜

今年はアコースティックとバンドスタイルで、これまでに計5本の配信ライブが行われました。8月の8周年記念ライブが、GOTCHAROCKAにとって久々のバンドスタイルでのライブでしたよね。

JUN:やる前は「そんな形でどうすんねん?」と思っていました。お客さんもいない、カメラ相手にどうアプローチするのか、セットリストも納得して決めてはいますけど、色々な面に関してどうするのが正解なんだろうという「?」が残っていたと思うんです。でも、本番が始まる前に気合い入れをして、ステージに行く時には全員その「?」は消えているように僕には見えたんですよね。お客さんはいないんだけど、いるかのようなスタンスでライブができたなと。そういう安心もあって、すごく楽しかったですね。

今回の周年曲「サプライズ」が、とても今の状況を表している曲でしたよね。

JUN:あれは良い曲ですよね。まさにこの状況、気持ちを曲にしてやろうと、それだけでした。

ミニアルバム『グエリラ』(2019年1月リリース)インタビュー時に、落ち込むことがあってもライブをやったらなくなったり、「ライブってすごいな」という話をしていて。今年はライブができない日々が続いたわけですが、その間の精神面はいかがでしたか?

JUN:今回、本っ当に良いものを作りたかったんですよ。それは聴いてくれた人に「良い作品だね」と言ってほしいという思いもあるんですけど、自分たちが挑んでいかなきゃいけないような気持ちになる、もっと強くカッコよくならなあかんな、みたいな思いさえも生み出せるくらいの作品にしたいなと思っていて。それを披露しながら自分たちも成長していかないといけないツアーというのを控えていたわけじゃないですか。それがなくなってしまって、「ホンマに何してくれんねん」と思っていました。仕方ないのはわかるんですよ。だから不思議な感情で、「クソ人生おもんない、今の時間」って思ったんですよ。そこまで思うことって今までなかったんですけど、やりたいことを取られたような感覚でした。でも、今作を聴いていたらカッコいいなと思って、勇気が湧くじゃないですけど、「何してくれんねん」と「苦しいけど希望はありますねん」みたいなものを「サプライズ」に詰め込んでやろうと思って作ったり、そういう過程があったので、キツかったけど前を向いて過ごせていたなと思いますね。

『POLYCHROME』があって本当に良かったですね。

JUN:レコーディングのスケジュールがここにハマってくれたことで、マジで救われました。これがなかったら、もうどうなっていたんだろうと思いますね。

十夜:やっぱり制作があったことが一つの救いでしたよね。他のバンドさんで、リリースしたけどツアーが延期になっちゃったというのも聞いたので、それは結構キツいなと思って。録っている時は、もうそれに集中するから、まだそこまで危機感がなかったというか。ニュースを見てはいましたけど、最初の頃はぶっちゃけ2~3ヵ月くらいで、どこかのタイミングで落ち着くだろうと、ちょっと楽観的に考えていて、レコーディングが終わった頃は、まぁそのうち収束するでしょと待っていたんですよね。

そうだったんですね。

十夜:だけど、これはいつまで経っても状況が変わらない可能性があるな、もっと悪くなる可能性もあるなとなった時に、色々と考えていかなければいけないとは思いました。例えばライブが今すぐできないんだったら、どういう形で音楽を届けることができるのか、今までやっていること以上のことを考えないといけないんだろうなと。ただ、できないから絶望という感じにはならなかったですね。もちろん、嫌なのは嫌でしたけど(笑)。

樹威:もちろんニュースを見たりして、どうなるんだろうという思いはあったんですけど、僕らは本当に制作と自粛期間が重なっていたので、精神的には結構安定していましたね。これで忘れられない作品を作れるなと。でも、それが終わって、一度ズーンッと来ましたね。「あれ? 俺やることなくね?」と。そしたら風邪をひいたりもしたんですけど(笑)。ただ、この時期思っていることって皆同じじゃないですか。そこで皆で落ち込んでいても仕方ないし、精神力を強くしておかないと乗り越えられないんじゃないかなと思ったら、開き直っていくしかないなと。5~6月らへんのことって、あまり覚えてないんですよね。多分、ウーバーイーツを頼んだり…。

JUN:俺、外見てたんすよ(笑)。あ、それでミニトマトを育てだしたんや。1個もならずに枯れちゃった…(笑)。

全員:(笑)

樹威:コロナじゃなくても、今までのバンド人生でこれくらい空いたことはあったので。GOTCHAROCKAを組む前とか、ずっとソファーに座っていて、座り過ぎてその部分だけ凹んでいくんですよ(笑)。その時は周りの世界がすごく動いていた中で、自分が動けないもどかしさがありましたけど、今回は全てが止まっていたので、そういう意味では、ちょっと言い方は悪いかもしれないですけど皆一緒でしたから。

確かに、そうですね。そして、約8ヵ月ぶりの有観客ライブが11月14日に新宿ReNYにてJUNさんのバースデーライブとして行われます。

JUN:ちょっと唇尖らせて「おっ。ひ、久しぶりー」っていう感じになるんじゃないですかね(笑)。恥ずかしいと思っているのバレたらあかんみたいな(笑)。

全員:(笑)

JUN:制限はあれど、お客さんを入れられるようになったのは嬉しいですけど、来たくても来られない人たちはたくさんいるわけだから、気持ちはとても複雑です。とは言え一つずつ進んでいくことが大切だから、色々な状況下の皆さんがいて、自分たちもできること、できないことがありますけど、有観客や配信ライブは皆がいるからできるんだというのは常に忘れずにいたいし、皆が力を貸してくれて、声を届けてくれるから、次のステップに行けるんだということを、皆も思っていてほしいです。一歩ずつやっていくことの一つとして、成功させたいと思っています。

12月23日Veats SHIBUYAでのライブは取材日現在まだ詳細が決まっていない中ではありますが、アルバムのリリース記念という位置付けになるんですよね。

樹威:まだガイドラインもフワフワしているので、その時にどうなっているかわからないですけど、前に進んでいかないといけないですから。本当だったら『POLYCHROME』を引っさげてツアーも回りたいし、それはいつかできるようになったら絶対にやるんですけど、その第一歩として、このコロナ禍で完成させた『POLYCHROME』を聴いてほしいなと。年の瀬をこれで締められたらいいなと思います。ライブって毎回違うので、この時にしか見せられないライブを皆に見せられたらいいなと思います。

(文・金多賀歩美)

GOTCHAROCKA

樹威(Vo)、JUN(G)、十夜(G)

オフィシャルサイト

リリース情報

New Album『POLYCHROME』
2020年10月14日(水)発売
(GOD CHILD RECORDS)

[限定盤](CD+DVD)GCR-199 ¥3,500+税

[通常盤](CD)GCR-200 ¥3,000+税

収録曲

【限定盤】
[CD]

  1. HYPER NEXT WORLD
  2. ASIAN NIGHT
  3. HUMAN BOARD GAME
  4. CREATORS
  5. Baccarat
  6. 白いDIA
  7. MONOCHROME
  8. PRAYER
  9. グエリラ
  10. 天秤
  11. OUT OF SERVICE
  12. Chirality
  13. Suddenly

[DVD]

  1. HYPER NEXT WORLD(Music video)

【通常盤】
[CD]

  1. HYPER NEXT WORLD
  2. ASIAN NIGHT
  3. HUMAN BOARD GAME
  4. CREATORS
  5. Baccarat
  6. 白いDIA
  7. MONOCHROME
  8. PRAYER
  9. グエリラ
  10. 天秤
  11. OUT OF SERVICE
  12. Chirality
  13. Suddenly
  14. I♡JJTGR(BONUS TRACK)

ライブ情報

●GOTCHAROCKA JUN Birthday Live ジューンライト伝説2020「HEART BOOSTER」
11月14日(土)新宿ReNY
※有観客 FC会員のみ
※Streaming+にて生配信あり

●GOTCHAROCKA 有観客&配信ライブ「Silent night, holy Polychrome」
12月23日(水)Veats SHIBUYA