平和と苦難、愛と憎、天使と悪魔。フルアルバム『薔薇とピストル』が映し出す“人生”とは。棘だらけの世界さえ光ある未来へ――。
PENICILLIN千聖のソロプロジェクトCrack6が約1年ぶりに世に送り出すのは、「薔薇」と「ピストル」を平和や苦難に例え、様々な人生を描いた全12曲収録のフルアルバム。“生命とは”という大きなテーマを掲げたコンセプトミニアルバム『Change the World』を経て、今作では、より人間的な部分にスポットを当てる。そんな明確なテーマを持ちながらも、ライブへの期待感が膨らむバリエーション豊かな楽曲たちが収められたボリューム満点の最新作について、MSTR(千聖)にじっくりと話を聞いた。
◆花もあるし棘もあるというのは普通の人生にも言える
――毎年恒例ゴールデンウィークはCrack6のレコーディングだったようで(笑)。
MSTR:はい(苦笑)。今年はシングルカットなしで曲数が多かったので、さらに大変でした。
――4月のPENICILLINのライブ時に、今作の進行についてO-JIROさん(JIRO 6)がかなり困惑していたのが印象的で(笑)。
MSTR:ははは(笑)! 僕より焦っていたと思いますね。PENICILLINならわかるけど、ソロプロジェクトなんだからアナタが管理してよっていう顔をされます(笑)。僕がちょっと体調を崩していて3月4月が思うように動けなかったのが、ジローさんが焦っていた要因なんですけどね。でも、そこで休まずにがんばり過ぎて歌録りに不調を引っ張ったら、もう発売できないという話だったので、仕方なく休んだんです。
――そうだったんですね。
MSTR:気持ちは早く作りたかったんですけどね。最後は体調が戻ったのは良いけれど、ハチャメチャな進行でした(笑)。
――シゲさん(SHIGE ROCKS)も完徹したようで。
MSTR:僕は1日しか完徹していないんですけど、シゲさんは3日くらい完徹していました。しかも、トラックダウンが押して、1時に入る予定だったマスタリングに6時から入って、11時に終わって帰ろうと思ったら、シゲさんはこのまま別の打ち合わせに行くって。さらに次の日は撮影だったんですよ。めちゃくちゃタフですよね。あの人、おかしい50代ですよ(笑)。
――すごいですね。
MSTR:制作を始めたのは意外と早くて、1月からやっていたんですよ。PENICILLINの24周年のライブ(2月13日~21日)の前後もずっとやっていたので、極端に言うと1月2月分、3月4月分という前半後半に分かれていますね。
――その『薔薇とピストル』が完成したということで、前作『Change the World』は、破壊と再生を繰り返しながら進化していく生命の力強さを、花をモチーフに描いたコンセプトミニアルバムでしたが、今作はその流れを汲んでいるのでしょうか?
MSTR:前作は生死のサイクルを、客観的な視点と人間の感情的な視点も入れた形と両方の観点で書いているんですよね。ある意味、生物学的なところもあったし、ヒューマニズムに溢れたコンセプトだと思っています。ミニマムな見方でもありグローバルな見方でもあるという面白い形のテーマですが、題材的にはちょっと重かったかな?とも思いまして。前回は生きているもの全てに対してだったんですけど、今回は人間的なもの、生活やら生き方などをテーマにしているので、少し観点が違うんです。『Change the World』より人の生き方、生き様をフィーチャリングした部分が『薔薇とピストル』という感じですかね。
――前作を経たからこそ生まれたという部分はありますか?
MSTR:前作を作った時、もう少し別な曲調や、もっと様々な歌詞の曲を入れたかったなという欲も出始めまして。なので、もちろんミニアルバムはミニアルバムで素晴らしい良さもあるんですが、今回フルアルバムでやりたいなと。やっぱりフルだと語り尽くせるので、これはこれで楽しいですね。
――「名もなき聖歌 ~little anthem~」を聴いた瞬間に、前作と近い世界観を感じました。“聖歌”で始めた意図というのは?
MSTR:前半で作曲していた時に、今回のテーマが人間の営みだったので、何か人間の音楽の基礎となった民族音楽っぽいものを作りたいと思ったんです。なぜ人間は戦争を起こすのか、どんなに幸せな人でもトラブルは起きるじゃないですか。お金持ちだから全部OKというわけじゃない、みんなどこかに不満を持っていると思うし。戦争とか凄まじい状況に巻き込まれている状態をピストルに例えて、薔薇は平和な状態を象徴しているんですけど、平和の中での苦難を棘として、花もあるし棘もあるというのは普通の人生にも言える、そういうテーマを掲げているんです。
――なるほど。
MSTR:民族同士、家族同士の争いとか、色々なことを考えると衣装も民族っぽいものにしたいなと思ったり。自分が主人公の旅人で、色々な都市を渡り歩くという映画っぽいイメージで考えました。ブックレットの中に草原のシーンがあるのも、旅をしているイメージなんです。なので、話を元に戻すと人間の音楽の基礎となった民族音楽っぽいものを、今回はスコットランド民謡みたいなものでチャレンジしたくなって、バグパイプの音色を僕の場合はギターでやってみたら、こういう感じになりました。ただ、四季を表す言葉も混ぜているので、日本っぽいところもあるんですけどね。でも、ヨーロッパの民謡の詩を調べたら、もっともっと生活に根付いた、むしろ私的な歌詞が多くて、ここまで客観的というかグローバルな世界観の歌詞ではなかったので、どっちかと言うと人々の幸せを願い歌うという意味で「聖歌」つまり「アンセム」のほうが向いているのかなと思って、こういう形になりました。
――「我考エル故ニ我有リ」はデカルトのいわゆる「コギト命題」(※“自分はなぜここにあるのか”と考えること自体が自分が存在する証明である、とする命題。デカルトはこれを哲学の第一原理とした)ですよね。前作で「生命って何なんだろう、我々はどこから来てどこへ行くんだろうっていう、ポール・ゴーギャンの発想に近い」と言っていたので、それと近い感覚ですよね。最近、千聖さんは生命について考えることが…
MSTR:体調を崩しがちだから、そういうのを考えるんじゃないですかね(笑)。
――(笑)。最近、哲学に興味があるのでしょうか。
MSTR:学生時代に哲学書を読んでいて、全くわからなかったんです。ただ、PENICILLINの『瑠璃色のプロヴィデンス』(2014年3月発売のアルバム)の時から、絵画と近代哲学がお互いに影響を受け合っているのを知って、ニーチェとかはまだよくわかんないなと思っていたんですけど、ポール・ゴーギャンやダリの感覚ならわかるなと思って。デカルトのこの言葉は小学生の時に知って、当時は何だかサッパリわからなかったんですけど、大人になってみると、そういうことかって段々わかり始めてきて。真面目に勉強しているわけじゃないですけど、理解ができるようになると面白いなと。一体自分は何なんだろうって、細かいことを考えるそういう哲学も面白いなと思い始めてきました。今回はラテン語にしてみたんですけど、周りにラテン語ができる人が誰もいないので、発音は完全に感覚でしかない(笑)。
――合っているのでしょうか(笑)。
MSTR:それすら確認できない(笑)。読める人はいても、話せる人はあまりいないと思うんだよね。じゃあいいかっていう(笑)。
――ちなみに、この曲は作曲者が4人連名となっていますが、どんな作り方を?
MSTR:シゲさん作曲のものが最近なかったので、ファンの人たちからリクエストがあったんです。けど、シゲさんが歌モノは自分以外の曲のほうが良いと思うからインストを作ると言って、こんな感じどう?って出したものから皆でアイディアを出して作っていったんです。ここはスパニッシュにしてみよう、急にアコギの展開にしようと僕が言ったり、ジローさんがドラムはこういうパターンでいこう、テンちゃん(TENZIXX)がここでコーラスを入れようと考えたり、スタジオで皆で話し合って作りました。最初、シゲさんの「こんなリフはどうだろう」というところから始まったので、作曲者クレジットはシゲさんだけにしようと思ったんですけど、シゲさんが非常に恐縮していたので、じゃあ全員にしましょうかと。
――シゲさんの曲は「Love & Hate」もありますね。
MSTR:映画音楽っぽくドーンと迫力のある重い感じでいきましょうと。僕自身はあまりそういうのを作らないので。たっぷりとしたビートなんだけど、ハードな音楽をやりたいねと話して作ってもらいました。
◆普段の人間関係が綺麗に表れている
――前作はコンセプチュアルな作品でありながら、楽曲のバリエーションとしてはソロワークの歴史が綺麗に詰まっているものでしたが、今作もかなりバラエティに富んでいますね。
MSTR:他の人の作品と比べたことがないのでわからないんですけど、自分的にはこのくらいバリエーションがないと飽きちゃうかなと思って。
――「Baby I love you」の打ち込みの感じは、J-POP色が強いですよね。
MSTR:この曲だけ、僕たちがアレンジをしていないんです。僕が作ったデモを山田巧に投げて、彼がギターまで弾いたやつを僕が歌って、ジローさんが録って、シゲさんがトラックダウンしました。中間の製造過程は全く関わっていないので、これだけ「巧くん色」になっているんですよね。なかなか面白いコラボレーションです。
――千聖さんのオーダーはどんな感じだったんですか?
MSTR:打ち込み色をバリバリにしてくれって頼んだんですよ。あえて90年代の千聖ソロの感じを出してくれないかと。実は、Rickyさんのソロの曲を1曲頼まれてギターを弾いたことがあるんですけど、その時のアレンジが巧くんで、完成したものを聴かせてもらったら良かったんですよね。バンドっぽくやるのもいいんだけど、巧くんは色々なバンドやアイドルの作曲、アレンジをやっているので、好きなパターンで自由にアレンジしていいよって言って。今までと違う人にアレンジを任せるというのをやってみたかったんですよね。
――タイトルも歌詞も、すごくストレートなラブソングですよね。
MSTR:40代の男がこんな歌を歌うのかっていう(笑)。仮歌詞は全然違ったんですよ。ラブソングではあったんですけど、80年代バブル的な〈プールバーでオシャレカクテルを君に〉みたいなものにしていて、(大久保)英紀から「ちょっと笑っちゃうんですけど」って言われて、じゃあもうちょい今風に変えてみる?と(笑)。最初「チャイナブルー」というカクテルの名前をタイトルにしていたんですけど、「チャイナブルーって、ちょっと懐かしいんですけど! これは省いていいですか」って言われて(笑)。
――すみません、確かにチャイナブルーというワードは久々に聞きました(笑)。
MSTR:タイトルも「Baby I love you」っていうのもどうかな?と一瞬思ったんですけど、これくらいラブでも良いのかもしれない、ベタな愛もありかなと思って。でもセクシャルではないっていう。こういうストレートなものは最近なかったので、逆にやってみたいというのもありました。
――逆に「最強サティスファクション」はセクシャルですね。
MSTR:そうですね。作曲順にいうと「Baby I love you」が最初に作った曲で、その次に「薔薇とピストル」、次に「最強サティスファクション」、そして「名もなき聖歌 ~little anthem~」だったんです。「最強サティスファクション」は去年の夏くらいに頭の中にあって、ライブで絶対にノレる曲が欲しくて作った曲なので、最初からアルバムに入れるつもりでした。何も考えずに作れたので、楽しかったですね。
――O-JIROさん作曲の「秘密遊戯」はジャズっぽい雰囲気で。ちょっと外したものを持って来るのがO-JIROさんらしいなと。
MSTR:これは最初、「悪魔になる」というタイトルにしようかと思ったんですけど「いや、ダメでしょ」って言われて(笑)。ジローさんは結構いっぱい曲を持って来てくれるんですよ。5~6曲持って来てくれたんですけど、確かに最近あまり作ってない曲調ですよね。このシャッフルはやりたいなと。で、作曲者なんだからコーラスやってよと。そしたらすごくセクシーな部分だったっていう(笑)。本当は女性コーラスだろうねって話をしながら(笑)。ジローさんの声は高めなので助かりました。
――そして「キミが好き」(2014年6月発売のアルバム『Crazy Monsters Parade』収録)に続く食べ物シリーズが(笑)。
MSTR:「ポップ☆コーン」ですか(笑)。これも随分と前からアイディアはあったんだけど、どうしてもやる隙がなくて(笑)。特に前作はコンセプチュアル過ぎて入れる余地がなかったので、やっと今回やらせてもらいました。
――歌詞の内容から、キャラメル味がマシュマロで作れるんだと、新たな発見がありました。
MSTR:そうなんですよ。僕も方々調べたんですけど、色々と知識が豊富になるなと。これは本当に時間がなかったから、作詞作曲ほぼ同時でしたね。
――まさかのセリフありで。O-JIROさんは塩味、典二さんはバター味がよくて、シゲさんが「俺も」と(笑)。
MSTR:ジローさんが先頭を切って僕に意見を言う。テンちゃんが「ちょっと僕も…」って遠慮がちにだけどしっかり意見を付けて、最後にシゲさんが本当は「どうでもよかった」はずなのに「俺も」って言い出すという、普段の人間関係が綺麗にこのセリフに表れているんですよ(笑)。これはほぼ一発録りです。しかも全部自分たちでレコーディングをやっているので、セルフタイマーのカメラみたいに、ジローさんがPCのRECを押してからブースまで駆けつけて録るっていう(笑)。
――(笑)。
MSTR:これ、本当に普段の会話なんですよ。最初に1番のキャラメルポップコーンの部分を皆に歌って見せたんです。そしたら、ジローさんが「キャラメルより塩のほうが好きだな」、テンちゃんが「俺、バターのほうが好きっすね」、シゲさんが「俺も」と言っていたのをヒントにしました。
――まんまですね(笑)。セリフの後にはO-JIROさんと典二さんのヴォーカルパートもあります。
MSTR:ジローさんは昔、808というユニットとSTARMANというバンドでヴォーカルをやっていたんですけど、それ以来コーラスではなくメインで歌うというのはほとんどなかったんじゃないかな。シゲさんはメインの歌は「嫌だ」って言うので、合いの手だけやってもらって。「Love & Hate」もテンちゃんが歌っているBメロ部分は本当はシゲさんが歌うはずだったんですけど、めちゃくちゃ嫌がられたので、テンちゃんに変更を余儀なくされました(笑)。
――目に浮かびます(笑)。この部分のレコーディングはスムーズでした?
MSTR:たぶん、本人たちは本番だと思わずに歌っていたと思います。楽しそうなのが録れたので、良かったですね。
◆今までの作品でやっていなかったものができた
――「DETARA-MEN」「ZEROから始めよう」は、典二さんらしいライブで盛り上がりそうな楽曲です。前作では典二さんの熱い指定が色々とあって大変だったというお話がありましたが、今回はいかがでしたか?
MSTR:「ZEROから始めよう」は実は前作での「RISING SUN」と一緒に持って来た曲なんです。今回テンちゃんが何曲か持って来た時に、そういえば前回作ったのもありますよって引っ張り出して聴いたら、これいいじゃんとなって。けど、相当複雑だったので、逆に僕が少し整えました。ただ、雰囲気はこのままで、テンちゃん節はすごく出ていると思います。「DETARA-MEN」に関しては、今まで「キラ☆キラ」(2011年7月発売のアルバム『Butterfly Effect』収録)や「マリーゴールド」(2013年7月発売のシングル『シグナリズム』c/w)とかのアゲアゲな曲は作ってもらっていたんですけど、今回、違うリズムパターンのアゲアゲをやりたいと言っていて、たぶん本人の中で挑戦だったんだと思うんですよね。僕はどれもかなり気に入っています。テンちゃんのこだわりと言えば、相変わらずコーラスパターンにめちゃくちゃこだわっていましたね(笑)。
――(笑)。ところで、最近Crack6では女性目線の歌詞も恒例になりつつありますね。
MSTR:そうですね。働く女性は女性で男性とは違う悩みがあったり、色々と見ていて大変なんだなというのを感じていたんです。最近SNSとかで、上司と部下に対して「領収書一つ切れねーのか」とか「人にそういう言い方しかできねーのか」とか、ものすごく怒っている人がいたんですけど、その人の書き方が上手で面白いんです。だからそれも参考にさせてもらいました(笑)。ちょっとデフォルメしていますけど、このくらいの歌詞があっても面白いかなと思って「サムライウーマン」を書きました。
――この楽曲は、後半に思い切り典二さんのラップが入っているのが新鮮でした。
MSTR:間奏は普通にギターソロをやって終わるのもありなんですけど、何かもっとないのかなと思って「あ、ラップやってよ」って(笑)。僕の中では当初デス声に近くない軽いラップをイメージしていたんですけど、テンちゃんがやるとやっぱりそっちになるんだなって(笑)。人柄ですね。
――そして「6月の雨」というバラード曲がありますが、千聖さんの声質はこういう優しい楽曲が似合いますね。
MSTR:嬉しいですね。この曲は歌詞を5回くらい書き直して、疲れちゃいました(笑)。バラードって何となく重くなりがちで、イントロが長いとすぐ入って来られないので、もうなくてもいいんじゃないかと思ってそうしました。側で歌っている感じを出したかったですね。
――そういえば、千聖さんは雨男でしたよね。
MSTR:よく言われますね。そんなわけないと思っているんですけど。タイミングが悪いだけだと言いたいです。
――それもイメージが良くないと思いますが(笑)。
MSTR:「あいつタイミング悪い奴だよね」って、空気読めない奴みたいで確かに嫌だな(笑)。まぁでも、雨の日があるから晴れの日が光るわけで。6月は雨が降ってくれなきゃ困りますから。この曲を作っている時は、震災もあったし色々と考えることがあったんです。〈アスファルトから突き出た紫陽花が〉って書いたら、「雑草だったらいいけど、紫陽花はそんなイメージじゃないだろ」って言われて(笑)。血迷いながらも、最終的にまとまりました。植物って、動けないのに一生懸命生きようとするじゃないですか。その姿が愛くるしいというか、すごく生命力を感じるんですよね。あとは花って、エンターテイメント色も強いと思うんです。色とりどりだし、四季を表すのにとてもわかりやすいですよね。
――今作のギターソロでは、特に「薔薇とピストル」で千聖さん節が炸裂しているなと思ったのですが、千聖さん的ギターソロのPRポイントを教えてください。
MSTR:トータルのソングライティングと、ギターやベースのコード感、ギターソロも含めて音楽的に良くできている、かつ新鮮だなと思うのは、どの曲もたくさんありますが、僕の中では今のところ「ポップ☆コーン」がトップなんです。今まであまりやれていなかったものだなと。あと「Love & Hate」の最後のギターソロはシゲさんが弾いているんですけど、ものすごく味があるんですよね。「なんで俺が弾くんだよ、ミスター弾きなよ」と色々おっしゃられていましたけど「たまには良いじゃん!」と言って説得して、いざ弾いてもらったらめちゃくちゃ良いんですよ。悔しいんですけど、さすがです。良いものを弾かれちゃうと、何も言えないですよね。単なるタフガイなだけじゃないなと(笑)。まぁ「名もなき聖歌」、「薔薇とピストル」、「我考エル故ニ我有リ」、「ZEROから始めよう」etc…ギターソロは全部好きです。ただ、総合得点が高いのは僕の中では「ポップ☆コーン」です。意外かな(笑)?
――そうですね(笑)。
MSTR:歌詞に耳がいっちゃうんですけど、音楽的に実は良くできているんですよ。セリフの裏で弾いているギターとか、今までのCrack6やPENICILLINの作品でやっていなかったもので、これやりたかったなと思っていたものができました。ヴァン・ヘイレンが昔から好きなんですけど、特にPENICILLINとは割と対極な感じなので、イメージが真逆なんですよね。ああいう明るいけどドライブしている感じもやりたいなと思っていたのが、今回できて嬉しかったです。
――ちなみに、セリフの部分はライブではどうなるんですか?
MSTR:たぶん、その都度変わっていくんじゃないですかね。ライブならではということで。
――そんな楽しみもあるツアーが6月4日から始まります。最後にVifをご覧の皆さんにメッセージをお願いします。
MSTR:曲や歌詞の目標値はハードルを上げたのにも関わらず、ちゃんとクリアしつつ、面白い曲がいっぱいできて良かったなと思います。今回はシングルカットしていなくて12曲書き下ろしなので、聴いている皆さんも結構ボリュームがあると思うんですよ。ギタープレイ、歌い方、歌詞の内容、リズム、色々と楽しんでほしいなと思います。ライブじゃないとわからないこともあると思うので、ツアーもどんな感じになるか楽しみにしていてほしいです。
(文・金多賀歩美)
Crack6
<プロフィール>
PENICILLINのギタリスト千聖が自らの名前をMSTR(ミスター)と変え、2003年6月6日にスタートさせたソロプロジェクト。「Hybrid Music Project」というコンセプトを掲げ活動。現メンバーは、MSTR(千聖 from PENICILLIN/Vo&G)、SHIGE ROCKS(G&Sound Producer)、TENZIXX(長野典二 from everset/B&Cho)、JIRO 6(O-JIRO from PENICILLIN/Dr)の4人。PENICILLINの活動と並行して精力的に活動を展開し、2013年に活動10周年を迎えた。2016年6月1日、ニューアルバム『薔薇とピストル』をリリースし、全国ツアーを展開する。また、Crack6出演のMSTRプロデュースイベント「Crazy Monsters」は3月に新木場STUDIO COASTで行われた「春の祭典」で11回目を迎え、今後「夏の浴衣祭り」「HALLOWEEN PARTY」の開催が予定されている。
■オフィシャルサイト
http://www.crack6.jp/
【リリース情報】
『薔薇とピストル』
2016年6月1日(水)発売
(一般流通盤 発売元:shelva records / DUPLEX DEVELOPMENTS JAPAN inc. 販売元:PCI MUSIC)
(ライブ会場限定盤 発売元・販売元:shelva records / DUPLEX DEVELOPMENTS JAPAN inc.)
[ライブ会場限定盤]
CD+DVD
SRPM-2004/L
¥4,000+税
【収録曲】
[CD]※一般流通盤、ライブ会場限定盤共通
01. 名もなき聖歌 ~little anthem~
02. 薔薇とピストル
03. DETARA-MEN
04. Baby I love you
05. 秘密遊戯
06. 我考エル故ニ我有リ
07. Love & Hate
08. ポップ☆コーン
09. サムライウーマン
10. 最狂サティスファクション
11. 6月の雨
12. ZEROから始めよう
[ライブ会場限定盤DVD]
01. 「薔薇とピストル」ビデオクリップ
02. 「薔薇とピストル」ビデオクリップ&アートワークフォトセッション メイキング
【ライブ情報】
●13th Anniversary TOUR 「薔薇とピストル」
2016年6月4日(土)SHIBUYA REX ※CLUB NEO 限定LIVE
2016年6月19日(日)千葉 LOOK
2016年6月25日(土)西川口 LIVE HOUSE Hearts
2016年7月2日(土)大阪 RUIDO
2016年7月3日(日)名古屋 ell SIZE
2016年7月9日(土)渋谷 TSUTAYA O-WEST
●Crazy Monsters
「クレモンフェス」
~夏の浴衣祭り 2016~
2016年8月13日(土)川崎 CLUB CITTA’
●「Crazy Monsters」
~HALLOWEEN PARTY 2016 IN OSAKA~
2016年10月22日(土)大阪MUSE
●「Crazy Monsters」
~HALLOWEEN PARTY 2016 IN NAGOYA~
2016年10月23日(日)名古屋E.L.L
●「Crazy Monsters」
~HALLOWEEN PARTY 2016 IN TOKYO~
2016年10月30日(日)新宿ReNY