◆ここで乗り越えたら、何か見えるんだろうなと思います(Karyu)
――“夏のAngelo祭り”(7月29日Angelo主催イベント「THE INTERSECTION OF DOGMA」、7月30日、31日「INTER PLAY MEMBERS PRESENTS ’14 [DOGMATIC PARTY case of Angelo]」)の翌日8月1日に、今作のリリースと10月4日のライブ&ライブビューイングが正式発表となりましたが、今回のレコーディングはいかがでしたか?
キリト:シングルはするするっと。もうアルバムを見据えて作っているので、そっちの方はまだ終わってないですけど。
――そういえば、Angeloでプリプロの話が出たことがないなと思ったのですが。
キリト:データのやり取りで定めていくという感じなので、みんなでスタジオに入って、いわゆるプリプロというのはしないんですよね。結構、原曲の段階で作曲者が細かく作っているので、それを基本に本チャンまで持っていくパターンが多いです。
――では今回、録りに時間が掛かったなというものはありましたか?
キリト:特にないですね。
Karyu:音作りはいつも時間を掛けてやっています。でも、スムーズでしたね。
――以前、「自分の曲の方が全体的に色々考えてしまうので、自分の曲以外はスムーズ」とキリトさんが言っていましたが、今回はいかがでしたか?
キリト:今回はどれもスムーズでしたね。
――Karyuさんは、ご自身で作曲したものと、他のメンバーが作曲したものでは、違いはありますか?
Karyu:自分の曲は全体像がハッキリ見えているので、わりとやりやすいですけど、キリトさんやKOHTAさんの曲は探り探り…これはどうかな?とか考えたりはします。
――今回のキリトさん作曲「Brainwash」に関してはいかがでしたか?
Karyu:デモがかなり仕上がっていたので、わりとデモ通りに色付けしました。正直…もうアルバムの曲に取り掛かっているので、記憶が怪しいところがあります…(笑)。
――(笑)。レコーディング中、キリトさん自らギターを弾くこともあるというお話が以前ありましたが。
キリト:イメージを伝えるために仮で録るというのはあるけど、最終的には本人たちが録っています。口で説明しづらい時はフレーズで伝えたほうがね。
――「Crave to you」のアコースティックギターが印象的だったのですが、音源はKaryuさんとギルさんどちらですか?
Karyu:LR両方、僕です。
――Karyuさんとしては、アコギは得意分野ですか?
Karyu:得意ではなくて、綺麗な音はギルのほうが得意なんですけど、今回、感情の部分でニュアンス的に違うなと思って、自分で弾いてみたら良かったので僕になりました。
――ライブではどうなるんでしょう?
Karyu:アコギっぽい音を出してみたり、クリーンとフェイザーを混ぜてダブルにしてみたり、色々な作戦はあります。
――「Crave to you」は、歌詞が歌い出しからすごく優しくて驚きました。「螺旋」や「Beginning」を思わせる内容ですね。ファンの皆さんにとって、大切な曲がまた一つ増えるんじゃないかなと思います。
キリト:本当は優しいっていうことですよね。いつもは隠していますけど、たまに優しさが出ちゃいますよね。
――ちなみに、先日取材した某アーティストの方が(※「PIERROT RESPECT」Vol.8で登場)、キリトさんのことを「優しくて繊細な人」と言っていました。
キリト:僕のことをわかっている後輩は、みんなそう言ってくれるんですよ。喋るとわかるんです、本当の僕が。(※Karyuを見る)
Karyu:…そ、そうです(笑)。
全員:(笑)
――でも、キリトさんは厳しさ多めですもんね(笑)。
キリト:そうですよ。黄金率としては、8:2なんで。
Karyu:もっと多い気がしますけど(笑)。
――(笑)。そんな中、この全面に優しさが溢れ出た歌詞ということで。
キリト:別に優しさを出そうと思って書いたわけじゃないんですけど、曲がやっぱりこういう曲なので、深層心理がテーマになっていて、普段意識しないけど心の中ではそういう風に思っているという部分を引き出して言葉にすると、この曲の場合はこうなったという。できるだけ、他の曲でよく使うような難解な言葉を一切使わずに、シンプルな言葉だけで自分らしい言い回しをというのを、すごく意識しました。
――2013年2月23日の渋谷公会堂公演で、キリトさんが「長い年月バンドをやってきて、今、みっともないところも曝け出すことができるようになったのは、寄り添ってくれる君たちがいたからです」と言っていて。まさにその言葉通りのことが、最後の歌詞の部分にあるなと。
キリト:そんなこと言いました? 言ってないですよ(笑)。
――(笑)。さて、改めてKaryuさん、今シングルのタイトル曲「SCARE」作曲者として、熱いPRをお願いします。
Karyu:今年は色々なことが起こるので、それを踏まえて、今のAngeloの姿勢というか、前向きなんだぞという感覚を感じていただけたらいいなと思います。
――そして、先ほどからお話が出ている通り、既にアルバム(12月17日発売『PSYCHE』)の制作を行っている最中ということで。順調ですか?
キリト:リリース日は決まっているので、その間にもがきながら、どこまで良いものを作れるかですね。
Karyu:毎日曲を作っています。この間キリトさんにも話してたんですけど、「音楽って何なんだろう?」っていうところまで来ています(笑)。ここで乗り越えたら、何か見えるんだろうなと思います。
――それは楽しみです。12月24日からはツアー「THE BLIND SPOT OF PSYCHOLOGY」が行われますが、今回もキリトさんのお誕生日ライブ(2月24日)があるということで、また何かサプライズがあるかもしれませんね。前回はKaryuさんのお手紙もありましたし。
キリト:もうそういうのはいいです(笑)。
Karyu:当日、何かします(笑)。
――では、ツアーへの意気込みをお願いします。
Karyu:ここまで粘って作ったアルバムが完成していると思うので、確実に良いツアーが回れるだろうなと思っています。
キリト:新しいアルバムのツアーになるので、ガラッと新しい見せ方になると思います。次のAngeloの進化版ですね。色々なことを経て、Angeloの本格的な次の動きになるので、一段上の次元に行っているバンドの状態というのを見せられたらいいなと思っています。
――最後に、今年もあと約3ヶ月ということで、年内にやり遂げたいことを教えてください。
Karyu:今年は特に色々なことを考える1年だったので、まだわからないですけど、それが形として残すものとか、アーティストとしての自分が一皮剥けるんじゃないかなという期待と…。なので、しっかり形として残したいです。
キリト:やっぱりまずはアルバムですよね。最高のものに仕上げなきゃいかんという。期限内に作るのは当然なんですけど、どこまで自分の考える最高の領域まで持っていけるかというのは、まだまだ終わっていない作業なので、そこをまず成し遂げないと、という感覚が今の時点では一番大きいです。それ次第で内容も変わって来るから。あと個人的にも、ちょっと他所に行って大きいことをする機会があるので、それを踏まえた上で、次の次元に行った自分がAngeloのヴォーカリストとして、どういう風にバンドを引っ張っていけるかというところを、一番良い形で繋いでいけたらなと思います。
(文・金多賀歩美)
Angelo
<プロフィール>
キリト(Vo)、KOHTA (B)、TAKEO(Dr)の3 人により結成され、2006年8月に正式デビュー。結成5 年目の節目となった2011 年8 月、Karyu(ex. D’espairsRay)とギル(ex.ヴィドール)のギタリスト2 名を迎え入れ、新生Angeloとして動き出す。同年10月、5人での初のアルバム作品『BABEL』をリリース。その後、シングル3枚、アルバム2枚を発表し、精力的にライブを展開。また、刺激的なラインナップが話題の主催イベント「THE INTERSECTION OF DOGMA」は、2014年8月で3回目を迎えた。10月4日(天使の日)、結成8周年を記念したライブを行い、全国6大都市の映画館にてライブビューイングを同時開催。12月17日にはニューアルバム『PSYCHE』をリリース、12月24日から全15公演の全国ツアーが決定している。
■オフィシャルサイト
http://angeloweb.jp/
『SCARE』
2014年10月8日(水)発売
(発売元:ブロウグロウ 販売元:ソニー・ミュージックディストリビューション)
シングルとしては約1年2ヶ月ぶりとなるAngeloの新音源。5thアルバム『RETINA』、6thアルバム『FAITH』から繋がる、人間の深層心理を描いた作品。
【収録曲】
初回限定盤
[CD]
1. SCARE
2. Brainwash
[DVD]
「SCARE」ミュージッククリップ
通常盤
[CD]
1. SCARE
2. Brainwash
3. Crave to you